脳内エステ IQサプリ

登録日:2025/10/09 Thu 09:00:00
更新日:2025/10/09 Thu 13:13:06NEW!
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しさはから


美脳






脳内エステ IQサプリ」とは、2004年4月24日から2009年3月14日までフジテレビ系列で毎週放送されていたクイズ・ゲームバラエティ番組である。

❍概要❍


解くためにひらめきや頭の柔らかさを要求するいわゆる「頭の体操系」クイズバラエティ。
90年代における「IQエンジン」(後述)や「マジカル頭脳パワー!!」のように、00年代を代表するヒラメキ系クイズ番組として人気を博した。

頭を働かせる問題「IQサプリ」を解くことで、ストレスで凝り固まった脳をスッキリさせることが目的の番組。
なので他のクイズ番組で行われているような得点争いは番組のメインではなく、あくまで解答者それぞれや視聴者がスッキリできたかどうかが重要という事になっていた。

スッキリモヤっと

サプリ(問題)が終わるたび、解答者は今のサプリがどうだったかを判定する決まりになっている。

スッキリ」したと思ったら解答席のスイッチを押し、スッキリと書かれた「スッキリフラワー」を出す。
逆に「モヤっと」してストレスが貯まってしまった時はトゲトゲの生えたボール「モヤっとボール」をスタジオにある穴(モヤっとホール)にぶん投げてイライラを解消してもらう。

このスッキリ/モヤっとのジャッジは番組側が正解・不正解に基づいて下すのではなく、あくまで解答者個人の気持ちによって好きに決めて良い。
正解できなかったけど答えを聞いてスッキリした、納得した、などと思ったらスッキリフラワーを出しても良いし、逆に正解したけど問題の出来が悪い、すぐ思いつかなかった自分にイラっとした、などと感じたらモヤっとボールを投げ込んでも良い。
というか解答中や、まだサプリが出されてもないトーク中にモヤっとボールを投げ込んだ例も結構ある。

なお、穴に投げ込まれたモヤっとボールは回収され、司会席の頭上にある透明のカプセルにどんどん溜まっていく。
そして番組の最後にはカプセルが解放されボールが落下。解答者をモヤモヤさせてしまった責任として大量のモヤっとボールを司会者が被ることで皆にスッキリしてもらう、というのが番組の基本の流れとなる。


番組初期はサプリを解いて品評するというコンセプトが強く、レギュラー化前の単発特番ではスッキリ/モヤっとを1問につきそれぞれ最大5個分のボールで評価するという、クイズ版トリビアの泉とも言えるようなシステムだった。なお単発特番の第1回のみ「ヤラレタ」という判定もあったが、第2回以降はなかったことにされている。

しかし、番組が続くと徐々に他の番組同様の成績勝負をする面が強くなっていったほか、通常の解答席を使わないサプリも増えてきたため、スッキリ=正解、モヤっと=不正解と単純に表現される事が多くなった(後述)。


❍出演者❍


司会

司会は銀色のスーツにピンク色のネクタイを締める衣装を着て、
「脳内エステ」の支配人という立場で問題を出題する。

  • 伊東四朗/IQサプリマスター
ゴールデンタイムでのレギュラー放送から就任した支配人。
コワモテで解答者からの文句を跳ねのけたり、不正解した時の言い訳に突っ込んだりするが、一方で解答者と一緒にはしゃいだり、ヒントを徐々に出して解答者の反応を楽しんだりと、コミカルに番組を盛り上げる。
解答者への呼び方は男女問わず「〇〇君」で、これは前にやっていた番組他局の番組と同じ。

  • 篠井英介/IQプレゼンター
深夜やレギュラー前の単発特番で司会を務めていた支配人。
常に貼り付けたような笑顔で進行しているかと思いきや、出題時の「IQサプリ」コールでは真顔になるなどだいぶ胡散臭い。
ちなみにレギュラー移行後は降板となってしまうが、別件で伊東四朗と会ったとき一言「すまん!」と謝られたらしい。

主な解答者

解答者は脳内エステの会員という扱いになり、レギュラー開始からしばらくは「サプリ会員ナンバー」として会員番号が振られていた。

  • 今田耕司
レギュラー前から復活特番まで唯一番組レギュラー「サプリリーダー」として出演。
番組初期は主に問題へのツッコミ役として不正解からのモヤっとを連発していたが、回を重ねる度に正解を重ねていき、ゲスト解答者にアドバイスを送るまでに成長した。
番組の傾向の変化を考えると、名実ともに解答者たちのリーダーとして番組を引っ張っていった男である。
そして最後の復活特番となる2019版では「主任」として恒例となった伊東の代わりに進行を勤めるサブ司会に就任。特定の問題だけ専用の解答席に移動して答えるスタイルで番組に参加した。

  • 石塚英彦
当初は準レギュラーだったが後にレギュラーとして出演。
高い正解率を誇り、ひねった難問も正解してみせる番組のエース。
正解できなかった問題には素直に負けを認める意味でスッキリを出す潔さもあるが、二重三重にひねった…というか意地悪すぎる問題には解答席に設置されたモヤっとボール入りの箱を丸ごと持ち出して穴に投げ込む(箱投げ)という暴挙を見せる。
この「箱投げ」は番組のちょっとした名物であり、箱投げ中はダースベイダーのテーマが流れるのがお約束。
復活特番時代は裏番組の兼ね合いもあって基本的に欠席となっている。

  • 磯野貴理子
こちらも当初は準レギュラーだったが後にレギュラーとして出演。
基本的にはおとぼけ枠で正解率は低いが、何を血迷ったか今田に正解数で勝負を仕掛けたことも。
また一部コーナーでは進行を勤めたりもした。

  • ウエンツ瑛士
容姿端麗なイケメン枠…のはずが体当たりな言動が元でほぼ芸人扱いされている残念なイケメン。
番組でも正解かと思いきや問題に仕掛けられたトラップにまんまと引っかかったり、カンニング竹山や山崎邦正(現・月亭方正)らと一緒に「IQファーム」チームとして雑な解答席にぶちこまれたりと残念な扱いが多い。


❍番組の内容❍



  • 基本ルール
先述の通り出題されたサプリを解いて脳をスッキリさせるのが目的。

各問題の難易度は「IQ」*1として提示され、100が平均として120以上が高難易度という目安になっている。
また単発特番や番組初期ではIQの代わりに分析力*2・直感力*3・計算力・洞察力の4要素からなるチャートグラフで問題の難易度を表していた。

得点争いなどはないが正解数は数えられており、全問正解すると「パーフェクトスッキリ」、全問不正解で「パーフェクトモヤっと」として表彰される。
また、解答者側が勝手に「〇〇さんより正解数が少なければ××する」など宣言した場合はその通りに判定・罰が執行されたりする。

  • 対抗戦ルール
特番では複数人チームによる対抗戦となり、問題に正解することで得られる点数*4で優勝を争う。

また、2008年5月31日~9月13日はレギュラー放送でも同様のルールで5vs5の2チーム対抗戦が行われていた。

  • ブラックマスター VS サプリ連合軍
2008年10月11日に全面リニューアル。
サプリマスターの兄「ブラックマスター」が企てる「地球モヤッと化計画」を阻止すべく、解答者は「サプリ連合軍」となってブラックマスターが繰り出すサプリをクリアしていくステージクリア式に変更。
これによりスッキリフラワーやモヤっとボールなど今までの番組の特徴は無くなってしまった。

  • 常識IQ問題
2009年1月24日に再び全面リニューアル。
個人戦となったほか、問題が一般常識を問う「常識IQ問題」に変わり、難易度表示も「常識IQ値」に変更された。
こらそこネプリーグと方向性まる被りとか言わない

この形式で番組終了まで続いたが、最終回および復活特番では基本ルール・対抗戦ルールに戻っている。

通常問題(書き問題)

VTRで出題された問題に対し、ペンタブレットを使って答えを書く方式。
問題の制限時間が来るとマスターがハンドベルを鳴らして*5終了の合図を出し、答え合わせとなる。
スッキリ or モヤっとの判定を解答者が行うのはこの通常問題形式の時のみで、単発特番~レギュラー期の最初の方は全てこの形式で出題されていた。

よく出題されていた問題のタイプはこちら。

  • 合体漢字
よく1問目で出題されている問題。
複数の漢字が表示されるので、それを組み合わせてできる別の漢字で出来た熟語を当てる。
ただし他のクイズ番組で出題されているような部首ごとの合体にとどまらず、時には文字を回転させてくっつける、ハネや払いを無視するといったアクロバティックな組み合わせも多く、難易度は高め。

例)
  • 土、重、口、力、二、一 を使って2文字熟語 ▼答え
  • 山、山、八、八、月、口 を使って2文字熟語 ▼答え

出題VTRはなぜか宇宙空間と宇宙船をモチーフにしており、正解発表時には各漢字の形をした宇宙船が合体ロボよろしく合体を繰り広げる演出となっている。
ナレーターは稲田徹氏が担当している。

  • サプリdeどっち?
2つのグループに分けられた言葉を元に法則を推理する、いわゆる「あるなしクイズ」。
ただし最後に言葉が1つ提示され、それがどちらに入るのか理由もあわせて答えなければならない。

  • IQクロスワード
クロスワードのマス目と入れる言葉が提示されるので、言葉をマスに当てはめて完成させるクイズ。
ただし通常ではマスの数に対して言葉の文字数が多すぎたり少なすぎたりして、そのまま入れることができない。
そのためどうにか言葉を変換して無理やり収めることが求められる。

例)
       
×   × ×
×   × ×
埋める言葉:「テーブル」「バーテン」

  • アニマル商事のゴリラ社長
主に動物たちが社員になっている「アニマル商事」のワンマンなゴリラ社長が騒動を起こしたり、あるいはトラブルの解決をするので、その結末を推理する。
アニメーションによる出題で、問題の傾向は様々。

  • スパイ00Q
世界をまたにかけるスパイ00Qにとある指令が下されるので、一体00Qが何の任務を遂行するのかを当てる。
こちらもアニメーションによる出題だが、基本的には暗号を解く問題がメイン。

  • IQ探偵少女物語(名探偵加恋)
当時子役だった美山加恋が、テレビ局や撮影現場で起こる事件を解決していくドラマ仕立ての問題。
途中でタイトルが変更になり、名探偵加恋になった後は体は子供で頭脳は大人な推理物で使われたBGMや演出がパロディとして使われる事が多くなった。
実写ドラマによる出題なので、新ドラマから番宣目的で俳優がゲスト出演する事も多かった。

  • はなわのIQ都道府県
当時「佐賀県」ネタで一斉を風靡した歌ネタ芸人はなわによる、答えが都道府県のどれかになるなぞなぞ問題。
もちろん歌ネタ同様にベースの弾き語りに乗せ、スタジオで直接出題される。
なお、正解発表時にモヤっとボールがモヤっとホールではなく、その向こう側にいるはなわにぶつけられる事態が多発したため、最終的にホールの上にはなわ専用の足場が設けられ、そこで出題・正解発表をするようになった。
ちなみに一応はなわの持ち曲扱いらしく、1問だけだがアルバムに収録されている

早押し問題

解答権をボタン押しで獲得し、口頭で答えるクイズ。
基本的に1人が正解でその問題は終了。そのためパーフェクトスッキリ(モヤっと)のカウント対象にはならない。
正解するとコーナーから早抜けし、最後まで残った人に罰がある早抜け形式で行われる場合もある。

  • サプリ文字
絵で表された言葉を推理する、いわゆる「判じ絵」的な問題。
当初は通常の書き問題として出題されていたが、ウォーミングアップとして早押し形式になり、オープニングで出題される事が多くなった。

  • みんなdeサプリ
とある集団が人文字を作っていく様子を見て、何の文字なのかを当てる。
主に小学校のクラスなどが対象で、校庭や体育館で人文字を作る映像が多い。

  • Iキューブ
何かの写真やイラストが描かれた立方体がバラバラの小さなキューブに分割され、それが回転しながら浮遊している所を見て何が描かれているのかを当てる。
最初は破片が4個ほどしか浮かんでいない状態から始まるが、徐々にキューブが追加され分かりやすくなっていく。

  • IQミラー まちがいセブン
左右鏡映しになっているアニメ映像を使った間違い探し。
タイトルの「セブン」の所は映像に含まれる間違いの数によって変動する(9個の場合は「まちがいナイン」)
必ず早抜け形式で行われ、解答者の人数に対して間違いの数が少ないよう設定されており、全ての間違いが見つかった時点で正解できず居残っていた人は罰として「スッキリジュース*6」を飲まなければならない。

間違い探しの映像は番組オリジナルの場合、赤い服の少年とスッキリフラワーがモチーフのピンク髪の少女、モヤっとボールモチーフの緑髪の少年からなる3人が出演するパターンや、番組レギュラー陣をモデルにしたキャラが登場する短編映像が多い。
このほか放送局が同じONE PIECEやドラゴンボールからの出題も多かった。

モノサプリ

マッチ棒で出来た図形やコインなどの実物を使って行う問題。
解答者にはそれぞれ問題と同じものが配られ、自分の席で実際に触って試行錯誤し、答えが分かったらマスターの待つ個室マスタールームに1人ずつ入って解答を実演する。

なお、あまりにも無茶な解答ができないよう「サプリガード」として制約が付けられることも多い。
マッチ棒の場合は折らない事や燃やさない事、重ねてごまかさない事があげられたり、コインの場合も同様に重ねたり持って帰ったりしない事が触れられたりする。逆を言えばガードがかけられてない事はやっても良い。

サプリdeだ〜れ?

ある物を「ゲスト」として呼んだ、というテイで、そのゲストに質問をして返ってきた反応から何なのかを当てる。
基本的には司会側が質問をするが、解答者からの質問を受け付けることもあった。
答えが分かったら挙手をして、マスターにただの筒コソコソパイプで耳打ちで解答する早抜け方式。


❍関連番組❍



IQエンジン

1989年に9か月間*7放送されていたフジテレビの深夜番組。
出題VTRを使ってひらめき系・頭の体操系クイズを出題した第一人者的な番組で、主に筧利夫や小須田康人らをはじめとする第三舞台によるコントや、当時まだ新しかったCGを使ったアニメーションで問題を出題していた。
なおこの番組、解答者的な立ち位置の出演者は居らず、淡々と出題・正解発表を続けていくという深夜番組らしいとても尖った構成だった。
問題の内容はかなりひねった意地悪な内容の物も多く、これにツッコミ役として解答者を置いたのが初期のIQサプリとも捉えられる。
なお、解答者なしかつコント要素も無し、完全にCGとテロップのみで進行する「古代エジプトパズル」という続編も放送されていたりする。

推理せよ! 迷Qポワロ

IQサプリの製作スタッフがモチーフを探偵と謎解きに衣替えした後継番組。
レギュラー化には至らなかったが3回単発特番が放送された。
司会はトリビアの泉でお馴染み八嶋智人で、探偵局の局長というポジション。

クイズ! 金の正解!銀の正解!

こちらもIQサプリと制作スタッフが共通するひらめき系クイズ番組。
捻り方に応じて素直な正解である「鉄の正解」、1段階ひねる「銀の正解」、2段階ひねる「金の正解」が1問に対して存在する3段オチ的なクイズ番組となっている。
司会はフジテレビアナウンサーの加藤綾子と榎並大二郎が務めるが、ナビゲートキャラとして出題を片桐仁が担当。





項目の美しさは
追記・修正から…

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最終更新:2025年10月09日 13:13

*1 正式なIQ算出値とは異なり、サンプルとして解答してもらった結果から出した悪魔で難易度目安としての値

*2 単発特番での表記。のちにひらめき力に変更

*3 単発特番での表記。のちに言語力に変更

*4 正解数に応じて1スッキリ、2スッキリ…とカウントされ、IQ値による増減は基本的にない

*5 篠井MCの時はパフパフラッパで合図を出していた。

*6 青汁。色的にどう見てもモヤっとで番組でも当初は「モヤっとジュース」だったが、各所への色々な影響を考えてスッキリジュースに名前が変えられた。

*7 当初は3ヵ月の短期予定だったのが、好評で6ヵ月延長したとのこと。