リュカは困っていた。
苦手な英語を習おうと思って家庭教師を頼んだのに、これじゃぁ成績が上がるどころか下がってしまう。
苦手な英語を習おうと思って家庭教師を頼んだのに、これじゃぁ成績が上がるどころか下がってしまう。
家庭教師をしてくれているのは二つ年上の幼馴染みだ。
幼い頃は一緒に遊んだりもしたけれど、しばらく疎遠になっていた。
一週間ほど前、久しぶりに道で会った時に学校の様子などを聞かれ、
英語が苦手だと言うと、彼女は英語なら得意だから任せて、と言ってくれた。
多少お姉さんぶる癖はあるけれど、小さい頃から責任感は強かったから
彼女になら任せても大丈夫だろうと思って、彼は頼む事にした。
幼い頃は一緒に遊んだりもしたけれど、しばらく疎遠になっていた。
一週間ほど前、久しぶりに道で会った時に学校の様子などを聞かれ、
英語が苦手だと言うと、彼女は英語なら得意だから任せて、と言ってくれた。
多少お姉さんぶる癖はあるけれど、小さい頃から責任感は強かったから
彼女になら任せても大丈夫だろうと思って、彼は頼む事にした。
そして、実際に習い始めたのだが・・・
確かに彼女の教え方は上手い。
一つ一つ丁寧に、解るところと解らないところの確認をしてくれて、解らないところをきちんと説明してくれる。
けれど、彼の耳にはその説明が届いていなかった。
確かに彼女の教え方は上手い。
一つ一つ丁寧に、解るところと解らないところの確認をしてくれて、解らないところをきちんと説明してくれる。
けれど、彼の耳にはその説明が届いていなかった。
幼い頃からかわいい子だったけれど、高校を卒業して大人の雰囲気が漂っている。
ちょっと首を傾げるたびに、右肩で編まれた髪から漂うシャンプーの香り。
考える時に指を唇に置く仕草。
柔らかそうな白い手。
せっかく教えてくれているんだから、勉強に集中しなきゃいけないのに、集中できない。
ちょっと首を傾げるたびに、右肩で編まれた髪から漂うシャンプーの香り。
考える時に指を唇に置く仕草。
柔らかそうな白い手。
せっかく教えてくれているんだから、勉強に集中しなきゃいけないのに、集中できない。
「今のところ、解った?」
不意にそう聞かれ、はっと目を上げるとすんだ瞳と目があった。
「あ・・・えっと、も、もう一回・・・・・・」
「そう?なんかぼうっとしてるよ?大丈夫?
風邪かな?流行ってるから・・・」
そう言いながら、彼女は白い手を額に伸ばしてきた。
傍に居るだけでどきどきしているのに、触られでもしたら、本当に熱が上がりそうで、リュカは思わず体を反らした。
「いやっ・・・だいじょぶ・・・・・・」
「ホントに?具合が悪いなら無理しちゃ駄目よ?」
「う、うん・・・」
「ただし。」
彼女は額から手を降ろして続けた。
「具合が悪くないならちゃんと聞いてなさい」
「あ・・・はい。」
「はい、よし。それじゃぁ、もう一回ね」
不意にそう聞かれ、はっと目を上げるとすんだ瞳と目があった。
「あ・・・えっと、も、もう一回・・・・・・」
「そう?なんかぼうっとしてるよ?大丈夫?
風邪かな?流行ってるから・・・」
そう言いながら、彼女は白い手を額に伸ばしてきた。
傍に居るだけでどきどきしているのに、触られでもしたら、本当に熱が上がりそうで、リュカは思わず体を反らした。
「いやっ・・・だいじょぶ・・・・・・」
「ホントに?具合が悪いなら無理しちゃ駄目よ?」
「う、うん・・・」
「ただし。」
彼女は額から手を降ろして続けた。
「具合が悪くないならちゃんと聞いてなさい」
「あ・・・はい。」
「はい、よし。それじゃぁ、もう一回ね」
彼女が教科書に目を落として、鉛筆を持ち直したので、リュカもそれに習った。
けれど、やはり勉強には集中出来そうもない。
どうせだったら、英語より保健体育を習いたい。
そう思わずには居られないリュカだった。
けれど、やはり勉強には集中出来そうもない。
どうせだったら、英語より保健体育を習いたい。
そう思わずには居られないリュカだった。
