- 尋さん

- 文月さん
「こ、これは・・・まさか・・・・・・」
リュカは己が右手に握られた白き秘宝を見つめ、呟く・・・
リュカは己が右手に握られた白き秘宝を見つめ、呟く・・・
結婚なんてそのようなものだ――――
そんな言葉が頭を廻っていた。そう自分に言い聞かせて。
そんな言葉が頭を廻っていた。そう自分に言い聞かせて。
天空の盾を求め訪れた町で、いつしか自分は結婚の為の冒険へと目的を移すことになる。
別にフローラのことが嫌いなのではない。寧ろ過ぎた位の女性だ。
別にフローラのことが嫌いなのではない。寧ろ過ぎた位の女性だ。
彼女をひと目見たときから、心の奥に懐かしい何かが揺れ動くのを感じていた。
それは同時にもう一人の少女を思い出すきっかけとなった事は、言うまでも無く・・・
それは同時にもう一人の少女を思い出すきっかけとなった事は、言うまでも無く・・・
「ビアンカ・・・!」
静寂だけが辺りを包む――――
そこには誰もいない・・・。
山奥の村にある、ひときわ立派な一軒家。僕はひとり立ち尽くした。
山奥の村にある、ひときわ立派な一軒家。僕はひとり立ち尽くした。
水のリングを求め立ち寄った村で、不意に幼馴染の名を耳にする。
アルカパで出会いそびれたときの寂しさは、いまでも心にのこっている。
それからだろうか、自分でも信じられないくらいの勢いで脇目も振らずに駆け出していた。
アルカパで出会いそびれたときの寂しさは、いまでも心にのこっている。
それからだろうか、自分でも信じられないくらいの勢いで脇目も振らずに駆け出していた。
「ビアンカ・・・!」
僕は、どうしてしまったのだろうか・・・?
ただ立ち尽くす家の中で、僕は自分に呟いた。
ただ立ち尽くす家の中で、僕は自分に呟いた。
なぜ、ここまで走ってきたのか。なぜ、こんなにも胸が高鳴るのか。
なぜ、会えないことがこんなにも辛いのか・・・。
なぜ、会えないことがこんなにも辛いのか・・・。
それでも、動揺する心を鎮め辺りを見回しリュカは気がついた。
幼き頃、アルカパの宿屋で見た花束が壁に掛けられている事に。
「そうだ間違いない。彼女はここにいる。」
少し落ち着きを取り戻したリュカは、彼女の部屋をゆっくりと見回した。
彼女の本棚を、暖かな陽の指す窓際を、飲みかけのティーカップを、
衣服の収まった大きなタンスを・・・、
「タ、タンスかよ・・・!?」
つい、いつもの癖で開けてしまった。気がつけば物色もしているではないか。
「フ、フフ・・・。僕ってホント、冒険者気質だよなぁ。」
大丈夫。自分を慰める術は完璧だ。このまま下の段も・・・・・・
「・・・!!」
僕は驚愕した。全身が激しく震えるのが自分でも理解できる。
「こ、これは・・・まさか・・・・・・パ、パ、パ、パンチィーか?」
発音さえ流暢になるほど、僕は己が右手に握られた白き秘宝を見つめ呟いた。
白く美しく、小さなリボンがちょっと幼さを醸し出していて・・・たまらない!
広げてみる。陽に透かしてみる。嗅いでみる。舐めて・・・・・・
幼き頃、アルカパの宿屋で見た花束が壁に掛けられている事に。
「そうだ間違いない。彼女はここにいる。」
少し落ち着きを取り戻したリュカは、彼女の部屋をゆっくりと見回した。
彼女の本棚を、暖かな陽の指す窓際を、飲みかけのティーカップを、
衣服の収まった大きなタンスを・・・、
「タ、タンスかよ・・・!?」
つい、いつもの癖で開けてしまった。気がつけば物色もしているではないか。
「フ、フフ・・・。僕ってホント、冒険者気質だよなぁ。」
大丈夫。自分を慰める術は完璧だ。このまま下の段も・・・・・・
「・・・!!」
僕は驚愕した。全身が激しく震えるのが自分でも理解できる。
「こ、これは・・・まさか・・・・・・パ、パ、パ、パンチィーか?」
発音さえ流暢になるほど、僕は己が右手に握られた白き秘宝を見つめ呟いた。
白く美しく、小さなリボンがちょっと幼さを醸し出していて・・・たまらない!
広げてみる。陽に透かしてみる。嗅いでみる。舐めて・・・・・・
「おや、そこに誰かいるのかね・・・?」
リュカは硬直した。ビアンカの父親、ダンカンだ。
おのれダンカン、いいところで・・・!リュカは下着を強く握り締めた。
「も、もしかして・・・パパスの息子のリュカか?生きて・・・・・・」
奴の言葉などは、最早どうでもいい。この場は何とかしないと・・・・・・
「お父さん、ただいま~」
早っ!・・・最悪だ、ここでビアンカまで帰ってくるとは。
「おお、ビアンカ。リュカだよ、リュカが生きて・・・・・・」
「え、リュカ? 本当にリュカなの・・・?」
や、やめろ! 僕を見ないでくれ!!
な、何か隠れる所は・・・隠せるものは・・・・・・
顔を・・・・・・・・・・・・。
リュカは硬直した。ビアンカの父親、ダンカンだ。
おのれダンカン、いいところで・・・!リュカは下着を強く握り締めた。
「も、もしかして・・・パパスの息子のリュカか?生きて・・・・・・」
奴の言葉などは、最早どうでもいい。この場は何とかしないと・・・・・・
「お父さん、ただいま~」
早っ!・・・最悪だ、ここでビアンカまで帰ってくるとは。
「おお、ビアンカ。リュカだよ、リュカが生きて・・・・・・」
「え、リュカ? 本当にリュカなの・・・?」
や、やめろ! 僕を見ないでくれ!!
な、何か隠れる所は・・・隠せるものは・・・・・・
顔を・・・・・・・・・・・・。

私は、どうしてしまったのだろうか・・・?
腰が抜け、しゃがみこむ自分に私は呟いた。
腰が抜け、しゃがみこむ自分に私は呟いた。
なぜ、こんな事になったのか。なぜ、こんなにも怯えているのか。
なぜ、リュカに逢えたはずなのに・・・。
なぜ、リュカに逢えたはずなのに・・・。
それでも動揺する心を鎮め、リュカに問い訊ねる。
「あ、あの・・・どこのチマキ星の方ですか?」
・・・!! わ、私ってば何を言っているの!?
「残念。それは私のマダオだ・・・・・・」
・・・わからない。何を言っているのか。そもそもマダオって・・・
「マダオとは、『まるでダンディなおいなりさん』の略だ」
・・・読まれてる?心の中を!? ・・・いや、そうじゃなくて・・・
「どうしたんだいビアンカ? 幼馴染のリュカじゃないか・・・?」
お父さんは黙ってて! そもそも、これのどこがリュカよ!?
なんで、そんなにマジマジとマダオを見てるのよっ!?
・・・って、なんで頬を赤らめているのっ! 心なしか息遣いも荒いし!!
やめて、お父さん。 その人は・・・その人は私たちの・・・・・・
・・・私たちの知ってるリュカでなく・・・お父さんと同じ変態さんなのよ!
「・・・ほうら、おいなりさんが太巻きになった」
「いやあああああっ!! へ、変態っ!!」
や、やめて! こっちにこないで!! ふたりとも。
な、何かいい方法は・・・あの変態をどうにか・・・・・・
何か・・・・・・・・・・・・。
「あ、あの・・・どこのチマキ星の方ですか?」
・・・!! わ、私ってば何を言っているの!?
「残念。それは私のマダオだ・・・・・・」
・・・わからない。何を言っているのか。そもそもマダオって・・・
「マダオとは、『まるでダンディなおいなりさん』の略だ」
・・・読まれてる?心の中を!? ・・・いや、そうじゃなくて・・・
「どうしたんだいビアンカ? 幼馴染のリュカじゃないか・・・?」
お父さんは黙ってて! そもそも、これのどこがリュカよ!?
なんで、そんなにマジマジとマダオを見てるのよっ!?
・・・って、なんで頬を赤らめているのっ! 心なしか息遣いも荒いし!!
やめて、お父さん。 その人は・・・その人は私たちの・・・・・・
・・・私たちの知ってるリュカでなく・・・お父さんと同じ変態さんなのよ!
「・・・ほうら、おいなりさんが太巻きになった」
「いやあああああっ!! へ、変態っ!!」
や、やめて! こっちにこないで!! ふたりとも。
な、何かいい方法は・・・あの変態をどうにか・・・・・・
何か・・・・・・・・・・・・。
「リュカ・・・どうして・・・・・・」
ビアンカはリュカを見つめ、呟く・・・
ビアンカはリュカを見つめ、呟く・・・
再会はきっと素晴らしいものに――――
そんな期待が胸で踊っていた。そう、昨日までは。
そんな期待が胸で踊っていた。そう、昨日までは。
この状況を打破するために見上げたその先で、ビアンカはリュカの顔に目を移した。
そして気付いてしまった。・・・・・・ある事に。
そして気付いてしまった。・・・・・・ある事に。
これを言ったら全てが終わってしまうと感じていた。
一人の少女の秘めてた想い、それでも言わずにはいれなかった・・・
一人の少女の秘めてた想い、それでも言わずにはいれなかった・・・
「そ、それ・・・お父さんのパンツ・・・・・・」
静寂だけが辺りを包む――――
そのマダオ(まるでダメなオトコ)は、もうピクリともうごかない・・・。
山奥の村にある、ひときわ立派な一軒家。私はひとり立ち尽くした。
何か、そばで必死になってる赤い(頬の)豚もいるが気にしない。
山奥の村にある、ひときわ立派な一軒家。私はひとり立ち尽くした。
何か、そばで必死になってる赤い(頬の)豚もいるが気にしない。
「リュカ・・・私たちどうしてこんな事になっちゃったんだろうね・・・・・・」
ビアンカはリュカ(だったもの)を見つめ、小さく呟いた・・・
ビアンカはリュカ(だったもの)を見つめ、小さく呟いた・・・
彼女は最大級の火炎呪文を放ち、燃え盛る家を後にする。
想い出の町、アルカパで出会わなくて良かったのかもしれない。
想い出は美しいままで。
もう振り返ることも無く、母親の眠る墓に向かって歩き出していた。
想い出の町、アルカパで出会わなくて良かったのかもしれない。
想い出は美しいままで。
もう振り返ることも無く、母親の眠る墓に向かって歩き出していた。
「・・・さようならリュカ。 ・・・さようなら幼かった日の私。」
テレレテッテッテッテ~~ッ♪
ビアンカはザラキをおぼえた。
ビアンカはザラキをおぼえた。
