よう、にいちゃん。酒の肴に、俺の話の一つもどうだい?
え?いらない?
まあ、そんな淋しいことを言ってくれるな。
い~っい女の話だからよ。
お?聞く気になったね?よしよし。
ぅんじゃあ、聞いてくれ。
え?いらない?
まあ、そんな淋しいことを言ってくれるな。
い~っい女の話だからよ。
お?聞く気になったね?よしよし。
ぅんじゃあ、聞いてくれ。
ありゃぁ、一ヶ月くらい前の事だ。
ちょいとヤボ用でね。こっから少し、北に行った。
ところがだ。どうも途中で道に迷っちまったらしくてよ。
なに?間抜けだ?
まあ、そう言うな。
あんなにそこらじゅう、木だのツタだの生えてる山に入ったら、誰だって迷っちまうさ。
…とまあ、それは置いといて…だな。
俺は慣れねぇ山の中、正しい道を探すのに精一杯で、周りの気配を探るのをうっかりおこたっちまった。
ちょいとヤボ用でね。こっから少し、北に行った。
ところがだ。どうも途中で道に迷っちまったらしくてよ。
なに?間抜けだ?
まあ、そう言うな。
あんなにそこらじゅう、木だのツタだの生えてる山に入ったら、誰だって迷っちまうさ。
…とまあ、それは置いといて…だな。
俺は慣れねぇ山の中、正しい道を探すのに精一杯で、周りの気配を探るのをうっかりおこたっちまった。
っと、その時だ!
俺はいきなり後ろから足をすくわれて、急な山道を転げ落ちた!
途中で木にぶつかったおかげでよ、どうにか助かったが、辺りを見るとなんとベロゴンが二匹、俺の両脇に居るじゃぁねぇか。
俺はいきなり後ろから足をすくわれて、急な山道を転げ落ちた!
途中で木にぶつかったおかげでよ、どうにか助かったが、辺りを見るとなんとベロゴンが二匹、俺の両脇に居るじゃぁねぇか。
あ?なに?
女が出てこねぇって?
まあ、焦るな焦るな。
女が出てこねぇって?
まあ、焦るな焦るな。
で…だな、俺はとっさに剣を抜いて立ちあがろうとした!
ところが脚を痛めちまったらしくて立てねぇんだ、これが。
んな事をしているうちに、ベロゴンどもは俺ににじり寄ってきやがった。
剣を降りまわしても、相手は二匹、こっちゃあ、動けねぇときてる。
もうだめだ!俺ぁ死ぬ!
さすがの俺もそう思って覚悟を決めたその時だ!
『メラッ!!』
ってぇ、威勢のいい声がしたかと思うと、目の前をでかい火の玉が飛んでった!
それは見事、一匹のベロゴンに命中!
火の玉の飛んできた方を見たら、若いねぇちゃんが次の火の玉を手のひらに構えて、こっちを見てるじゃねぇか。
おったまげたねぇ。
山ん中にべっぴんさんが一人。
しかも、手のひらにゃぁ、メラだぜ?
で、…だな、火の玉を食らったヤツぁ、うめいていたが、もう一匹がねぇちゃんめがけて突進した!
それでも、そのねぇちゃんは慌てもしねぇ。
その、向かって来たヤツにも火の玉をお見舞いすると、すかさず今度はマヌーサだ!
マヌーサごときだってぇ、バカにしちゃあいけねぇ。
ベロゴンのヤツ、急にきょろきょろし出して、その辺りを右往左往だ。
ねぇちゃんはその隙をついて、素早く俺のほうに駆け寄ってきた。
ところが脚を痛めちまったらしくて立てねぇんだ、これが。
んな事をしているうちに、ベロゴンどもは俺ににじり寄ってきやがった。
剣を降りまわしても、相手は二匹、こっちゃあ、動けねぇときてる。
もうだめだ!俺ぁ死ぬ!
さすがの俺もそう思って覚悟を決めたその時だ!
『メラッ!!』
ってぇ、威勢のいい声がしたかと思うと、目の前をでかい火の玉が飛んでった!
それは見事、一匹のベロゴンに命中!
火の玉の飛んできた方を見たら、若いねぇちゃんが次の火の玉を手のひらに構えて、こっちを見てるじゃねぇか。
おったまげたねぇ。
山ん中にべっぴんさんが一人。
しかも、手のひらにゃぁ、メラだぜ?
で、…だな、火の玉を食らったヤツぁ、うめいていたが、もう一匹がねぇちゃんめがけて突進した!
それでも、そのねぇちゃんは慌てもしねぇ。
その、向かって来たヤツにも火の玉をお見舞いすると、すかさず今度はマヌーサだ!
マヌーサごときだってぇ、バカにしちゃあいけねぇ。
ベロゴンのヤツ、急にきょろきょろし出して、その辺りを右往左往だ。
ねぇちゃんはその隙をついて、素早く俺のほうに駆け寄ってきた。
いいか?詠唱もせずに呪文の連発だぜ?
すごいねぇ。
俺ぁ、あんな早わざ、初めて見たよ。
っと、俺が見惚れていたらばだ、最初にメラを食らわしたやつがこっちに来やがった!
ところがだ、そのねぇちゃんはやっぱりすごいね!
即座に、今度はギラを放ってよ。
俺とそいつの間には火の壁が出来た。
あいつら、獣は火に弱いからねぇ。
こいつも火の前で右往左往さ。
その間に、ねぇちゃんが俺に肩を貸してくれて、俺らは安全な場所に逃げられた、ってぇ訳さ。
すごいねぇ。
俺ぁ、あんな早わざ、初めて見たよ。
っと、俺が見惚れていたらばだ、最初にメラを食らわしたやつがこっちに来やがった!
ところがだ、そのねぇちゃんはやっぱりすごいね!
即座に、今度はギラを放ってよ。
俺とそいつの間には火の壁が出来た。
あいつら、獣は火に弱いからねぇ。
こいつも火の前で右往左往さ。
その間に、ねぇちゃんが俺に肩を貸してくれて、俺らは安全な場所に逃げられた、ってぇ訳さ。
で、また、脚の手当てをしてもらってる時に間近で見たんだが、ほんっとうにいい女でねぇ…えらい美人なんだな、これが。
金髪に青い目、ってぇだけでも十分なのに、通った鼻筋、きりりっとした口元。
……いい女だったねぇ…
金髪に青い目、ってぇだけでも十分なのに、通った鼻筋、きりりっとした口元。
……いい女だったねぇ…
ん?どうだ?
会ってみたくなった?
そうだろう、そうだろう。
…あ?名前?もちろんちゃあんと聞いたぜ。
ビアンカ、ってぇ名乗ったよ。
会ってみたくなった?
そうだろう、そうだろう。
…あ?名前?もちろんちゃあんと聞いたぜ。
ビアンカ、ってぇ名乗ったよ。