マクロスFRONTIERでエロパロ まとめwiki

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
520 :名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 07:59:45 ID:fPU05FS8
少し長めのミハクラ一本と短めアルシェリ二本投下します
ミハクラはアルシェリを匂わすセリフが一言だけ出てくるので注意
ミハクラの方は特にめちゃくちゃ書きたかったのになんか不完全燃焼です

ミハクラはエロ描写すらないです


521 :ミハクラ、幸せの青い鳥:2008/12/25(木) 08:01:26 ID:fPU05FS8

「…シェル、ミシェル」


俺を呼ぶ声と、少しの圧迫感で目が覚めた
目を開けるとクランが俺の上に乗っかっていた

ぼやけた視界の端に映った蒼い髪を見て、昔姉に二人で聞いた幸せの鳥の話を思い出した

一緒に探しに出て迷子になって大泣きしたこともあったな、なんて
寝起きの頭でぼんやりと思っていた


「ミシェル!」
「…あ、すまない。」
「ったく。シャキッとせんか!」
「…で、こんな時間に何の用だ?」
「え、ぅ、ぁ…その…」


聞くとクランは頬を紅潮させた
付き合いが長いせいかコイツがこういう顔をしたとき
何を言うつもりでいるのか俺は知っている

ルームメイトのいない日を選び、こんな時間に男子寮に忍び込んだのだ
捨て身になってでも告白をするつもりだろう

だから俺はその続きは聞かないためにいつもの様に茶化した
本気で伝えようとする相手に対して失礼だとは思うが
大切に大切にして、失くしたときに傷つきたくはないし傷つけたくもないんだ


「何だー?夜這いはもっと色気を出すもんだぞ。…って言ってもその体に色気もないか。」
「なっ」
「それに今のお前に手を出したら俺は犯罪者に見られちまうからな。」
「…ミシェルの、ミシェルのバカものー!!」


俺の頬をはたき叫びながらクランは出て行った
翡翠色をした瞳を涙に濡らながら。

跳ねる蒼い髪をぼんやり見つめてまた幼き頃を思い出す

迷子になったあの日、見つけてくれた姉さんに二人してしがみついて
優しく撫でられ、少し怒られて、青い鳥の話の続きを教えてもらった

世界中何処を探してもいなかった青い鳥は、一番身近にあった鳥籠の中にいた

その時は意味が分からなかったし、身近にいるなんて夢を壊された気分だった
でもその鳥の羽根はきっとクランの髪の様に蒼いんだろうと思うと胸がまた少し弾んだ


「…幸せの青い鳥ねぇ」


本当はいつだって一番身近にいてくれたのはアイツで
幸せを見つけるのもいつもアイツと一緒だった

俺にとっての幸せの青い鳥はあの頃からクランだったのだ


クランの気持ちは知っている。
自分の気持ちにだってずっと気付いていた。

でも、自分という檻の中でアイツを傷つけたくはないんだ

傷つけたくはない?
…たった今自分自身で傷つけたじゃないか
今だけじゃない、何度も有耶無耶にして幾度となく傷つけていた

目を背けていただけなのだ、いろんなことから。


気付けば走り出していた
アイツが行きそうな場所は分かる。


「クラン…」
「何しにきおった馬鹿者が!」
「ずっと逃げてきたけど、伝えなきゃならないことがあるんだ。…聞いてくれるか?」
「な…ふんっ。聞いてやっても良いぞ!仕方ないからな!」

「過去も今も、思い返せば“幸せ”はいつもお前と一緒だった」

「未来もお前と、クランと幸せを見つけたいんだ。」
「ミシェル…」

翡翠の瞳からまた涙が零れる

「お前、は…遅いん、だっ!私が今までどれほど…」
「ごめん、ごめんなクラン。」
「…ミシェル、私もお前と…」
「クラン…」


抱き締めようとした瞬間耳元で規則正しい寝息が聞こえる、なんてベタな展開
…そういえばコイツは昔から夜更かしが出来ない奴だった。

「何処までも色気のない奴だな…」

半ば呆れながら、だけど何処か愛しい気持ちを抱きながら自室に運んで
幼き頃の様に久々に同じ布団で眠りについた。


「…女を連れ込むときはハンカチを挟んでおくんじゃなかったか?」

翌朝、朝帰りのお姫様に見つかってしまい、クランを女子寮に帰らせたあと
グチグチと長い説教をされた

「すまん、アルト。昨日はいろいろと…」
「ったく。大体ミシェル、お前は…」

アルト姫は未だにブツブツ文句を言っている

「朝帰りのお姫様には言われたくないかなー。」
「なっ!俺はアイツの我が儘に振り回されてだなっ」
「律儀に前もって外泊届け出してたくせに。」
「うっ、それは…」
「お姫様も楽しんだみたいだし、これは水に流すってことで、ね?」
「ぉ、お、俺はお前とは違うぞ!」
「俺も昨日は抱き締めて眠っただけだよ」
「…お前が、か?珍しいこともあるもんだな。」
「愛する人を抱き締めるだけの夜ってのも良いもんだろ?」
「…そうだな。」
「お?言う様になったねー、アルト姫?」
「う、うるさいぞミシェル!」


俺の側にいてくれるのはお姫様でも女王様でも妖精でもシンデレラでもないけど
俺だけに幸せを運んでくれる青い鳥なんだ。


end

ミハクラに幸あれ
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