ドンキーコング バナンザ

登録日:2025/07/24 Thu 21:26:30
更新日:2025/07/26 Sat 03:51:59NEW!
所要時間:約 26 分で更地にできます




さえぎるすべてを

ブチ壊せ!


ドンキーコング バナンザ』(Donkey Kong Bananza)とは、2025年7月17日に任天堂から発売されたNintendo Switch 2用ゲームソフト。


◆概要


ドンキーコング64』から実に26年もの時を経て発売された3Dアクションのドンキーコングシリーズ
マリオカート ワールド』と肩を並べる『Nintendo Switch 2』ソフトの第一陣である。(※ローンチではない)
Nintendo Switch』から格段に進化した『Nintendo Switch 2』のパワーを全開にして、画面狭しとドンキーコングが暴れまわる!

◇どんなゲーム?

『ドンキーコング バナンザ』をプレイするために必要なことは3つだけ。

殴る

壊す

バナナを食う

これだけ覚えておけば、あなたはもうドンキーコングと共に冒険に行ける。

◇もう少し詳しく

任天堂ゲームでは今やお馴染みの俯瞰視点3Dアクションゲーム。
つまり、広大なマップで画面の中央にいるドンキーコングを自由に動かして遊ぶゲームである。

しかし今作のドンキーコングは自由過ぎる。

なんと見えている地形のほとんどすべてを殴って破壊することができるのだ!
時に道筋に沿い、時に好きなだけ地形を破壊しながら、大好物であるバナナを求め駆けまわる。
パワフルなドンキーコングの魅力を改めて全面に押し出した、爽快3Dアクションゲームである。

近年のドンキーコングシリーズの例に漏れず、ゲームの雰囲気は終始、陽気で明るく、パワフルで愉快。ストーリーもテンポが良い。
ちなみに今作は地下世界が舞台となっているが、暗い洞窟探検がメインではない。むしろ地下世界だがほとんどの場所がド明るい。

◆物語


物語のはじまりは、DKアイランドから離れた場所にあるインゴス島
なんとこの島では黄金のバナナ『バナモンド』が採掘されるという世紀の大発見が巻き起こっていた。
勿論、バナナに目がないドンキーコングもすぐにインゴス島へとすっ飛んでいった。

ところが、インゴス島にいかにも悪そうな連中『ヴォイドカンパニー』が出現。
奴らは島中のバナナを奪い去り、さらには地形を操る不思議な力でインゴス島を地下深くまで沈めてしまう。
ドンキーコングもそれに巻き込まれて、インゴス島もろとも地下深くへと飛ばされてしまったのであった。

……
地下に飛ばされてしまったドンキーコング服まで吹き飛ばされてネクタイ一丁の姿になってしまったが、たいして気にする様子もなく地下世界を探索してみることに。
悲しいことに、沈められたインゴス島にはもう『バナモンド』は一つも残っていなかった。代わりに喋る『ふしぎな岩』が仲間になったけど……
だが、ヴォイドカンパニーが仕掛けていったと思われるペグ(杭)を壊してみると、なんとそこから『バナモンド』が飛び出した!
ヴォイドカンパニーが向かっていった地下深くにはバナモンドがあるに違いない。ドンキーコングふしぎな岩と共に、奇妙な地下世界への大冒険へと飛び込んでいくのであった……!

……
バナモンドを目指してドンキーコングたちが降り立った地下世界は、燦燦と明るく水源豊かな貯水湖の階層
ドンキーコングはふしぎな岩と共に、地中のバナモンドを頬張りつつ貯水湖の階層を散策。
そこで出会ったコング長老の教えにより、ドンキーコングどんな願いもかなえてくれるという地下の最奥部、星の中心を目指すことになった

コング長老が継承してくれた古代の力「バナンザ」
ふしぎな岩の中から現れた、地上への帰還を願う少女ポリーン
なおも地下世界中を荒らしまわるヴォイドカンパニー

不思議と冒険が取り巻く広大な地下世界を、ドンキーコングはなおも突き進む!
バナモンドを探して、そして星の中心を目指して!

◆登場人物


ドンキーコング

CV:武田幸史
今作の主人公で、ご存知マリオファミリーのパワフルゴリラ。
このWikiを見ている人で知らない人は滅多にいないと思うが、もしいたら項目を参照のこと。今作では周りからDKと呼ばれており、作品PVでも下記のポリーンからはっきり「DK」と呼ばれるセリフが入っている。

ちょっと間抜けで温厚な力持ち。そのパワーは半端ではなく、どんな敵でも拳でKO、地面や岩盤もパンチで粉々に粉砕したり、引っこ抜いてぶん回したり投げつけたりもできる。
バナナに目がないのは相変わらずで、今作はバナモンドを探して広大な地下世界を大冒険することになる。

Switch2発売を機にデザインが変更され、マリオカートワールドに引き続き新デザインでの主役デビューとなった*1
また日本語版ボイスはアニメ映画の『スーパーマリオ』にDKも参戦した時から続投で武田さんが務める。
そもそも上述したようにドンキーコングメインの作品自体割とご無沙汰だったこともあって、実は武田さんドンキーかつ『ドンキーコング』名義のゲーム作品はこの『バナンザ』が初*2だったり。

バナナは熟れすぎていないのが好み。

ポリーン

CV:イブ優里安(日本版)、ジェニー・キッド(英語版、挿入曲歌唱)

もともとは地上に住んでいた、13歳の人間の少女。誰が呼んだか通称ロリーン
種族を超えてあらゆる人々を魅了する特別な歌声を持っている。
しかしヴォイドカンパニーに狙われてしまい、地下世界に攫われ、『ふしぎな岩』の中に閉じ込められていた。

岩の中から解放されてからは、協力してくれたドンキーと共に冒険することになった。
ポリーンの願いは地上に帰ることだが、コング長老の導きによって何でも願いをかなえてくれるという星の中心を目指すことに。その道中での原住民との出会いや冒険を通じてポリーンは大きく成長することになる。
歌うのは好きだが、人前で歌うのは苦手。だが、地下世界の冒険で自分の歌への自信も手に入れていく。

ドンキーコングのことは相棒として心から信頼している。
新しい別荘を建ててひと眠りすると、その都度ポリーンがドンキーコングに話しかけてくるイベントが発生する。バリエーションが非常に豊かで、たまにラップや声芸もやってくれる事も。

二人プレイ時にはポリーンを操作できる。ドンキーの背に乗った状態で一緒に移動し、JoyCon2マウスで狙ったところに様々な素材を声として発射して攻撃する。ワギャンじゃあるまいし
発射する素材は周囲の材質をコピーして自由に切り替えられる。

なお、名前から分かる通り、この少女こそ『スーパーマリオ オデッセイ』でニュードンク・シティの市長を務める彼女の幼少期である。


◇ヴォイドカンパニー

「地上最強の採掘会社」を名乗るコングの集団。
地下世界を荒らして住民たちを困らせている悪党たち。
彼らの目的もまた星の中心で願いを叶えることであり、ドンキーコング&ポリーンとは何度も激突することになる。

これまでワニだの北極の動物だの楽器だのと戦って来たドンキーだが、同じコングがメインの敵ボスになるのはシリーズでもかなり珍しかったり

ヴォイドコング

CV:林勇
ヴォイドカンパニーを率いる社長。アイアイやキツネザルを思わせる小柄なコング。地形を操るバナナ型のリモコンを持ち、バナナ型の小型浮遊船に乗っている。
私利私欲のために地下世界を荒らし回り、住民を脅してバナモンドを巻き上げ、自分勝手な目的のためにポリーンを捕らえて服従させようとするなどもう何から何まで分かりやすい下劣猿
おまけにバナモンドを集めている理由も、バナモンド自体が目当てではなく、そこから得られるエネルギーで星の中心を目指そうとしているだけ。
バナナを食用外で利用しようとする悪党は過去にもいたが、いずれにしろ猿のくせにバナナの素晴らしさがまるでわかっていないというドンキーコングにしてみてもとんでもない輩である

もとは弱小企業の社長だったが、地上で偶然バナルートの根っこを発見して莫大な利益を手に入れ、現在の地位を築いたという。
ただ、それ以外に背景があったり過去の苦労話があったりするわけでもなく、本当に金が生み出す欲望のためだけに悪事を働いているようである。
せっかちで部下にあまり任せられず、失敗を激しく咎める性格。

ストーリーでは2度戦う事になるが、最後の戦闘ではアイツよろしく死んだふりも披露する。

グランピーコング

CV:林大地
ヴォイドカンパニー幹部で肉体労働担当。いかつい顔の巨漢でつるはしを担いでいる。
見た目は脳筋に見えるが制作技術に長けており、戦闘兵を作り出すこともできるなど手先の器用さは歴代コングの中でも群を抜いている。ファンキーコングといい勝負かもしれない。
ついでに自ら作り出す作品のディテールにはこだわりがあるなど芸術家肌でもある。(……だが採掘するときは自力で行う。それも兵士つくってやらせればいいのでは……?)
社長命令でドンキーコングの前に何度も立ちはだかり、自律兵器を繰り出したり、時には自身で兵器に搭乗してはドンキーコングの行く手を阻む。
実は植物にも詳しく、ロード画面の一枚絵の1つでは優しい笑顔で花に水をやる様子が描かれている。とあるボスキャラに彼が関わっている伏線でもあるとか…?

ストーリー中で何度も大型兵器を繰り出してくるが、性格は卑怯というわけではない。本人はあくまで真剣勝負を望んでおり、撃破すれば大人しく負けを認めて引き下るなどむしろ潔いところがある。
(グランピーコング謹製ボスを撃破した後、たまに自信作を壊されてショボーン(´・ω・`)しているグランピーコングに話しかけることができる)
そもそも地下世界に迷惑をかけたり幾度となくドンキーと戦うことになるのは、単に真面目に社長命令に従っているからであり、グランピーコング自身は根は悪い奴ではないようである。

ポッピーコング

CV:生天目仁美
ヴォイドカンパニー幹部でヴォイドコングの秘書。諜報に長けている。
久しぶりに完全新規にデザインされた女性コングである。その容姿端麗ぶりは海外のイラスト投稿サイトを大いに賑わせているとかいないとか。
態度はクールで職務には忠実だがサービス残業はしないタイプ。
素ではけっこう気だるそうな態度をしており、実はヴォイドコングのことも内心あまりよく思っていなかったりする。そのせいでファンからは「終盤で裏切りそう」ともっぱらの噂

中盤では、シリーズでも稀に見る女性コングのボスとしてドンキーコングを迎え撃つ。
姿を消す香水と目にもとまらぬ高速移動で相手を翻弄するトリッキータイプ。正直滅茶苦茶弱いグランピーコングと違ってかなりの強敵だが、しかし実はゴリ押しで割となんとかなる。
もしこの能力持ちでマリオシリーズの敵として出て来たら相当厄介な難敵だったであろうが、相手が悪かった。

戦闘員

様々な生物の骨格に、これまた様々な地形素材を粘土のようにくっつけて生まれた雑魚戦闘員たち。
本体は中心にある金色の骨格。基本的にはこれに一撃入れないと倒した判定にならず、時間経過で再生するのでチャレンジバトルでは要注意。


◇地下世界の住民達

地下世界で人間は見かけない。ただ、外界からやってきたドンキーコングを邪険にする者は滅多にいない、みな良い人(?)たちばかりである。

インゴス島の住民

インゴス島に暮らしていたり、働いたりしていた猿の住民、最初からドンキーコングとは顔なじみ。(そのため、正確には地下世界の原住民ではない)
関西弁を喋る快活な性格で、ドンキーコングの事は怪力で頼りになると思っているようだ。
ほとんどの住民は地下の浅い所にいるが、中には1000階以上深い所まで飛ばされてしまった者もいるようである。
因みに彼ら曰くこの世界では猿やゴリラであっても下半身真っ裸は恥ずかしい事である様子。つまりDK筆頭に大体のコングファミリーは…

ワレルヤの民

地下世界の各地で見かける原住民。様々な鉱石に目がついたような姿をしているという、なんともレア社テイストな方々。一人称は無く、常に自分達のことを「ワレワレ」と称する。
身体を組成する鉱石は青い水晶の個体が多いが、色違いの個体や、その階層に住む他の種族を模した色と形をしているタイプ、さらには岩や金属やコンクリートなど別の素材で組成されたタイプもいる。
場所によっては好きな形や記号に変形したり、自ら粉砕するパフォーマンスをしたりするなど、なんともへんてこりんな身体を持っている。

おまけに、割れたり粉みじんになったりしてもすぐに再生する。逆に土など柔らかい素材を投げつけるとくっつき、それが変化して体の一部になる。
DKが殴っても砕けてすぐ再生するだけだが、引っこ抜くことで素材をむしり取ることも可能。その特性から素材のスポーン地点扱いになっている個体もいる。割れようがむしり取られようが本人たちは気にしていなさそうなので、遠慮なく活用させてもらおう。

基本的には呑気で穏やかな者たちが多いが、深層にいる個体の中には牢屋や立ち入り禁止の場所を見張る、頭が固い者たちもいる。

また、各階層には商いを営んでいる個体もおり、やたら商売上手。
家の形をしたワレルヤの民で話しかけると別荘を売ってくれる「タテルヤの民」、アパレルショップや道具屋を経営する「ミセルヤの民」「ヨロズヤの民」など、いろんな呼ばれ方の個体がいる。

貯水湖の階層の住民

貯水湖の階層でジャンク漁を営む猿の住民達。
のどかな漁生活を送るのんびりとした性格の者が多い。
最初はよそ者であるドンキーコングを訝しむ様子だったが、貯水湖が抱える問題を解決していくことで、信頼を寄せるようになる。
コング長老
CV:高階俊嗣
貯水湖の階層に住む見上げるほど巨大なコング。
元は村一番のジャンク漁師だったが、今は長老としてDJを嗜み暮らしている。
ドンキーコングはコング長老の若い頃そっくりらしい。

氷河の階層の住民

シマウマの姿をしている寒冷対応住民。
この階層自体がアイスとチョコをモチーフにしているだけあり菓子職人を営む気さくな者たちが多い。
ドンキーコングが氷河の階層に訪れた時には最強寒波に見舞われ困っていた。

シマウマ長老
CV:田久保修平
氷河の階層に住む見上げるほど巨大なシマウマ。
かつては菓子職人だったが、彼もまた今は長老としてDJを嗜み暮らしている。
素晴らしいものを賞賛する時に食べ物や美味しさで表現する癖がある。あと語尾にも癖がある。

原生林の階層の住民

ダチョウの姿をしている住民達。最近やってきた迷惑客に階層中を毒沼に沈められて困っていた。
ほとんどが原生林の巨大ホテル「タマゴホテル」の従業員で、接客意識が高かったりそうでもなかったりする。

ダチョウ長老
CV:ならはしみき
原生林の階層に住む見上げるほど巨大なダチョウ。
10つ星ホテル、タマゴホテルの支配人。経営を引退したとは言っていないが、ともかく長老としてDJを嗜み暮らしている。
接客態度が良くない従業員は店の裏でダチョウ長老に注意されるらしい。
テンションが上がったときのボイスが太鼓の達人

イーレ族

水晶でできたチョウチンつき巨大チンアナゴのような不思議な生き物。
よく見かける個体はイーレベータと呼ばれており、ワープドラという特殊な銅鑼を叩くことで呼び出され、異なる階層にドンキーコングとポリーンを運んでくれる。つまりファストトラベル担当。
階層内移動を担当するイーレベータJR.という子供の個体や、ワープはしないが地形を食べて掘り進み、進路を作ってくれるベビィーレという赤ちゃんの個体もいる。
ポリーンを地上に連れて行ってあげることはできないのか?は禁句。そこはほら、地上にはワープドラが無いからということで…

ハーモニーレ
伝説の巨獣と呼ばれるイーレ族の巨大な個体。
歌うのが大好きな陽気な性格と言い伝えられている。



◇コングファミリー

お馴染みコングファミリーもドンキーコングとは別に地下世界へとやってきていた。プレイアブル化はなし。
CVは旧作と同じだが、たるジェットレースの時のライブラリ出演のためかスタッフクレジットには掲載されていない。

ディディーコング&ディクシーコング

CV:鈴木勝美、笹島かほる
ドンキーコングの古くからの友人たち。個別項目も参照。→ディディーコング/ディクシーコング
バナモンドの話を聞いてすっ飛んでいってしまったドンキーコングを追いかけてインゴス島へやってきた途端、ヴォイドカンパニーの襲撃に巻き込まれてしまったらしい。
地下1100階と相当深い場所まで飛ばされてしまったようだが、地下世界を気に入り、インゴス島の仲間達とも意気投合。現地でランビランブルレースを開催している。
次の階層に行くには2匹とのレースで勝つことが条件。つまり、何気に史上初のミニゲームボスとしての登場である。*3
因みにディディーコングもDKと同じタイミングでデザインが若干変更されており、こちらは少し遅れての新デザインお披露目となった。何気にディクシーも若干の変更がなされている。

クランキーコング

CV:長嶝高士
お馴染み隠居した初代ドンキーコング。
話によると、どうやらDKアイランドのバナナ倉庫から大量のバナナが盗まれてしまったらしく、その犯人を捕まえるべくインゴス島にやってきたらしい。
地下世界の冒険中に何度も姿を見かけることになり、話しかけると長話に付き合わされたあとでバナモンドをくれる。つまり『スーパーマリオ オデッセイ』でいうキノピオ隊長。
老いた彼と幼少期のポリーンが同じ時間軸に存在するというよく分からない状況になっているが、特に彼女との関係については深く語られていないので、パラレル扱いなのかもしれない。ネタバレに差し支えがなければ余談の項も参照。

ランビ

お馴染みアニマルフレンド。
コングファミリーにとっては馬のような存在であるらしく、クランキーの荷物運びをしていたりするランビもいる。
何気に 複数頭のランビが存在する ことが判明した。種族名だったのか……
ディディーとディクシーが開催するランビランブルではランビに乗ってハイスピードを競うレースゲームに挑戦することになる。


ちなみに直接は登場しないがキャンディーコングも名前だけ出てくる。





◆バナンザ変身


このゲームの目玉要素でもある、ドンキーコングの新しい能力。
地下世界の各地にいる長老から力を継承されることで、様々な動物に変身してその力を行使することができる。

バナンザ変身ごとに専用のBGMが用意されており、変身中はBGMが差し変わる。
なお、ボス戦など特殊なシチュエーションでは切り替わらない場所もある。空気が読めるBGMである。
それぞれ動物をイメージしたジャンルの曲になっているが、共通してどの曲もパワフルでハイテンション。
ボーカルはポリーン。全ての曲がAメロ・Bメロ(ラップ)・サビパートで構成されている。


コングバナンザ(Kong Bananza)


DーKー!
コング長老から継承される、最初に獲得するバナンザ。
元から逞しいドンキーコングがさらにマッシブなゴリラへと変身し、パンチの威力が強化される。
階層が下って地面がどんなに固くなろうともこの拳で容易く粉砕可能。
普通には壊せないほど硬いコンクリートですら、3パンチで木っ端みじんに破壊できる。

さらにチャージパンチはコンクリートすら一撃で粉砕する威力のうえ、地形を貫通する衝撃波まで放ち、触れると危険な地形も多少安全に処理可能。
スキルの強化によりチャージパンチの使い勝手が良くなっていく。

変身BGMはエレクトロニック・ロック。力強いエレキギター、ボンゴやバスドラムといった重厚なパーカッションとコングのシャウト入りで非常にエネルギッシュ。



シマウマバナンザ(Zebra Bananza)


ゼーブラー!

シマウマ長老から継承されるバナンザ。
マッチョな2足歩行のシマウマに変身し、脚力が強化され移動速度が上昇する
さらに泥や雪にも足を取られず、薄氷のような脆い地面や水面の上すら走り抜けることができる。
素でも案外早いが、チャージダッシュすれば曲がりにくくなる代わりにもっと早く走れる。

スキルはチャージダッシュの持続時間の他に、方向転換時に衝撃波で敵を攻撃できるもの、破片を持ってスピンしながらの打撃や投擲といった変わり種が多い。
変身BGMはラテン・スパニッシュ。情熱的な激しいギターとパーカッションの疾走感が印象的。*5


ダチョウバナンザ(Ostrich Bananza)


オーストリーッチ!

ダチョウ長老から継承されるバナンザ。選択した分岐路によってはシマウマバナンザより先に入手できる。
腕だか羽だか分からないがとにかく逞しい翼を持つダチョウに変身し、空を飛べるようになる。ダチョウって空飛べたっけ……いや、任天堂のダチョウは飛ぶんだったっけ?。『スーパードンキーコング』で登場したアニマルフレンズ、エクスプレッソを意識している面もあると思われる。
羽ばたいて浮遊したり、滑空して遠くまで飛ぶのが本領。素の上昇力こそ低いが、上昇気流があればそれを翼に受けて飛び上がることもできる。

スキル強化では浮遊・滑空能力の強化の他に、上空から卵で爆撃する「タマゴ爆弾」を獲得できる。雄じゃないのかって? スコークスだって口から卵吐くのだから別にいいだろう。
タマゴ爆弾という単語を見ると同じレア社生まれの兄弟のことを思い起こさせる。前のSwitchでようやく再会の機会もあっただけに古参からするとなかなか感慨深いものがあるだろう。
コンカーの話じゃないぞ。あれはコウモリだし落としてるのは〇〇〇でしょ!

変身BGMはスウィングジャズ風。コングバナンザのパワフルさ、シマウマバナンザの鋭さとはまた異なる躍動感がある。ダチョー↑ダチョー↑ダチョー↑↑↑



◆用語集


体感的に遊べるゲームなのであまり細かい情報は気にかけなくてもOKだが、頭脳派ゴリラの皆さんのために詳しく紹介しておこう。

◇基本用語

物語中で何度も登場する単語や、地下世界の冒険のために必要な基礎知識。
  • バナモンド
Oh,Banana!
地中に眠るといわれる黄金のバナナ。黄金と公式では説明されているが、クリスタルのようなゴージャスな見た目をしている。
ドンキーコングが冒険する主目的だが、一方で膨大なエネルギーを抽出できる素材でもある、物語の根幹にかかわる大事なモノ。

システム的なことを言うと、マリオシリーズにおけるパワースター、シャイン、パワームーンのようなメインの収集物。
マリオシリーズとの最大の違いは、これを5個分獲得する毎にスキルポイントを1得られる=育成要素に関わっている点であろう。
必ず1個で1個分獲得できるわけではなく、時には3個分、さらに大ボス撃破時に5個分の房バナモンドが出てくることも。
逆に「次のマップへ行くまでにいくつ必要」などの要求は今作では基本的にはない。クリア後の要素解禁で出てくる程度なので、エンディングまでならバナモンド0個でも辿り着けたりする。
まぁそんなことよりとにかく集めて食いまくれ。

  • 別荘
ワレルヤの民の一種であるタテルヤの民に金を払うことで建ててもらうことができる拠点。
体力を回復できるベッドとファッションを変えられるクローゼット、BGMを聞けるレコードプレイヤーが共通で置かれている。
同じ階層に別荘を建てるたびに必要金額が上がっていくが、同時に別荘のレベルも上がり、ベッドで寝た時にレベル分の体力上限を一時的に増やせる。
また同階層で2箇所以上建てるとコンシェルジュも現れ、話しかけることで好きなショップを呼び出してもらえる。この場合はチップを要求されるが、それに応えていればたまにお返しがある。

  • 遺跡
地下世界に点在する不思議な空間に繋がる入口。
ここに入ると、ステージ攻略型のマップ「チャレンジコース」や制限時間以内に敵を倒す「チャレンジバトル」に挑むことができ、バナモンドを入手できる。
入手したばかりのアクションやバナンザ変身のチュートリアルを担っていることもあれば、広大なマップでは味わえない独特のギミック攻略を求められるステージなど様々。
基本的にチャレンジコース内にはバナモンドが3個配置されているため、隅から隅まで破壊…もとい探索してみよう。
また、バナモンドは手に入らないが制限時間以内にゴールドを集め放題の「ボーナスステージ」も存在する。探してみよう。

  • バナルート
星の中心にあると言われる大いなる存在。
黄金の源として地中のありとあらゆる場所に根を伸ばしており、時には地上にまで届く根もあるという。
このバナルートの根が、ヴォイドコングの運命を大きく変えた。
「星の中心に行けば何でも願いが叶う」という言い伝えは、正確には「バナルートを手にした者はあらゆる願いをかなえてもらえる」という伝承である。

  • メモルヤ冒険記
地下各地に存在する石板に記された冒険者の記録。地下に行くにつれて章が進んでいく。
様々な世界の住民や長老との出会いを経て辿り着いた旅の終着点とは…?

◇システム用語

多くはドンキーコングたちからは見えないプレイヤーに向けられた単語であるが、たまに第四の壁を乗り越えて説明してくれる親切なNPCもいたりする。
  • スキルポイント
You Got a Skill Point!
上述の通り、今作はマリオなど任天堂アクションゲームではあまり見かけないスキルポイントシステムが採用されている。
バナモンドを5個分食べることでスキルポイントを獲得でき、これを好きなスキルに割り振ることでドンキーコングを強化することができる。

  • スキル
上述のスキルポイントシステムで獲得できる能力強化。
破壊の性能が上がって探索が快適になったり、体力を増やしてゴリ押ししやすくしたりと柔軟。
ストーリー攻略で必須のスキルはないのでお好みで性能を上げればOK。
各地の長老に相談すれば振り直しも可能。

  • ファッション
ドンキーコングやポリーンのコスチュームを変更することができる。
スーパーマリオ オデッセイ』にも存在したシステムだが、今作はただ見た目を変えるだけでなく、スキルとは別枠でドンキーコングのパワーアップにも直結する。
一部イベント入手のものを除くと、アパレルショップで化石と交換で入手できる。

これと関係あるかは不明だが、『マリオカート ワールド』ではドンキーコングとポリーンのコスチュームはそれぞれ1種類しかない。

  • 2Dアクション
後述する遺跡と呼ばれるチャレンジステージの一部は2Dサイドスクロール視点になっている。
アイテムが取れない手前・奥に散ってしまうこともあるが、ハンドスラップで回収可能。
時にはどこかで懐かしさを感じるステージに巡り合えるかもしれない…?

  • 体力
3Dマリオシリーズやドンキーコングリターンズ…のようでいて微妙に違う体力ゲージ制。ハートで表現されているが、1回の被弾がハート1個分とは限らない。
体力初期はハート3だが、スキル強化や別荘のベッドで体力の最大値を増やせる。
なお、別荘で寝て増えた分の黄色ハートは端数が残っている分だけ回復可能。

  • ミスペナルティ
スーパーマリオ オデッセイ』『星のカービィ ディスカバリー』と同じく、残機やゲームオーバーの概念はない。
体力が尽きたり奈落に落ちたりするとゴールドが減ってチェックポイントからやり直しになる。本作でのミスペナルティは所持金の1割~最大500。
チェックポイントに戻されるだけで、そこまでに手に入れたバナモンドや化石などのアイテムは失われずに済む。ただし敵はリスポーンする。

  • バナンザ変身とアドレナリン
前述したバナンザ変身は、L+Rボタン長押しで発動・中断、十字ボタン左右で切り替えとお手軽。残り時間ゲージが切れたときにどちらかをやれば延長可能。
ただ、変身するためには「アドレナリン」ゲージを消費する。
アドレナリンの回復手段は様々用意されているが、散策していればすぐにサクサク溜まるので、ストレスなくバナンザ変身を繰り出せるのが嬉しい。

◇アイテム

バナナ以外のアイテムに用がなかったとしても、バナナを探すために地下世界の基本として抑えておこう。

ドロップアイテム

  • 金(ゴールド)
地中の様々な場所に埋まっていたり、地面から生えていたり、配置されていたり、宙に浮いていたりする純金。
この地下世界では純金地形の破片は投げたり振り回したすると炸裂して周囲を破壊するパワーが有る(爆弾岩よりは威力は低いらしい)。

同時に、敵を倒したり普通の地形を掘ってても手に入るため、マリオシリーズにおけるコイン、ドンキーコングシリーズにおける通常のバナナに相当するもっとも基本的な獲得物でもある。
地下世界で通貨として使える他、これを入手することでアドレナリンが溜まっていくためバナンザ変身を行うのにも必要。
そこかしこでざっくざっく掘れるので、どんどん使ってどんどんアドレナリンを貯めることができることも、このゲームを爽快たらしめている。
それにしても、純金をこんなに贅沢に得られるゲームもそうはないだろう。
よほどスピードランをしている場合でもない限りクリアまでに金欠になることはないといっていい。

  • バナチップ
地中に埋まっていたり、敵を倒すとドロップする、バナナスライスのようなコイン。
これを100個集めて交換所に持っていくとバナモンドと交換してくれる。
ヴォイドカンパニーの襲撃を受けた村の交換所でもちゃんと交換してくれる。商品として死守したのだろう。

  • リンゴ
食べると体力を回復できる。少しでもダメージを受けた状態で地面を掘っていたりするとランダム出現する。
ドロップするとポリーンがすぐ教えてくれるので、体力に困っている時はポリーンの話に耳を傾けておこう。

  • 化石
地中や地形に埋まっていたり、ワレルヤの民にくっついていたりする化石。
これらを集めることでアパレルショップで服を買うことができる。しかし、階層ごとに入手できる化石は別々で、店で交換に使えるのも同じ階層のものだけ。『スーパーマリオ オデッセイ』でいうローカルコインのようなものである。
化石には3つのグレードがあり、高級な服を入手するには珍しい化石を手に入れなければならない。
化石の種類はアンモナイトや葉っぱなど様々だが、たまに見たことのあるキャラクターの化石もあるような気がする……。

  • 地図
バナモンドや化石の隠し場所が書かれた地図。これを入手すると、それらの場所をマップから参照できるようになる。
基本的には後述する宝箱に稀に入っているが、道具屋でも購入可能。

  • レコード
敵を倒すと稀にドロップする。
これを集めることで、別荘で聞くことができるBGMが増える。
基本的にはレアドロップだが、特定の条件でないと入手できない曲もある。
なかなか出てこない割に、ドロップを拾えない場所に限って落ちてくるのはあるある。ポリーン「あっ、レコードだ!」→消失

  • 宝箱
地中に埋まっている。固定配置は多くなく、大抵は地中を掘っているときにランダム出現する。
中には様々なアイテムが入っている。鍵はいらない。殴れば開く。

ストックアイテム

  • 風船
ドンキーコングお馴染みのアイテム。今作ではうっかり奈落に落ちてしまった時に地上に戻してくれる、リターンズ以降のお助けアイテム仕様。
普通のフィールドで使うことはあまりないが、基本的に奈落の上に建っているチャレンジステージでは助かる存在。たまに不必要なほど後退した場所に復帰させられることもあるケド……。
ちなみにチャレンジバトルでは無効。
宝箱にたまに入っている他、ショップで購入可能。10個セットでも買えるぞ。
風船で復帰できればチェックポイントまで戻らなくて済むうえ、ゴールドでリトライするよりも安く済む。

  • デカリンゴ缶
ライフが尽きた時に1度だけ回復してくれる妖精さん的な缶詰
宝箱に極稀に入っている他、スキルによってストック数を増やせる。
ショップでの価格は1000ゴールドとミスペナルティの倍だが、ボス戦やチャレンジバトルでの体力を実質倍増する恩恵は計り知れない。
美味しそう。

  • バナメロンジュース
アドレナリンがない状態でも1回だけバナンザ変身が出来る。
大抵の場面で金が入手しやすいのであまり出番がないが、たまにそうもいかない場所で戦うことになるので、いざという時にはストックが役に立つ。
これも宝箱に極稀に入っており、スキルによってストック数を増やせる。
美味しそう。

オブジェクトアイテム

  • バナメロン
地下で見かける巨大なメロン。バナナの派生種らしく、よく見るとヘタがバナナの茎型になっている。
持ち運ぶことはできないが、地形と同じ判定で殴って手に入れることでアドレナリンを回復できる。
攻略にバナンザの力が必須なギミックのそばに置いてあるためか、跡形もなくいただいても再生する。

  • バナリンゴ
こちらは巨大なリンゴ。
これを殴ると体力を回復できる。1個丸々いただいても、体力の最大値次第では全回復は出来ないという点には注意。
こちらは地形リセットされない限り復活しない。

◆余談


  • ハイタッチ
ワレルヤの民以外の友好的なNPCにパンチをすると、パンチの代わりにハイタッチすることができる。

  • DKアーティスト
タイトル画面から移行できる、岩を自由に削ったり盛ったり色を塗ったりして遊ぶスーパーマリオ64のタイトルっぽいオマケ要素。
Joy-Con2のマウス操作で遊べる。

amiiboにも対応している。
ドンキーコングシリーズのキャラクターのamiiboがあれば金塊&爆弾岩で作られて持ち上げ可能な巨大KONGパネルが登場する。
同時発売された「ドンキーコング&ポリーン」のamiiboであれば、初回使用時に特別な衣装「ディーヴァドレス」も入手可能。
それ以外のamiiboを使うと、巨大な地形の球体が出現し、振り回したり投げたりして使える。素材はamiiboごとに固定と思われる。

項目内で何度も挙がっているが、システム周りやプレイ感覚が全体的に『スーパーマリオ オデッセイ』に近い。
これは主要な開発メンバーが共通しており、このゲーム自体がある意味「スーパーマリオ オデッセイの続編」的な背景のもとに作られたためである。(時系列的には前日譚にあたる)
実際、地形破壊のシステムについては『オデッセイ』でも「雪の国」の積雪や「料理の国」のチーズ岩に試験的に実装されており、
Switch2の性能でそれをほぼ全地形規模に使えるようになったことで本作に至っている。

マリオオデッセイを遊んでいればニヤリとできる箇所が多いが、同様に未プレイの完全初見でも全く問題なく遊べる親切なシステムなのでご安心を。

一方、落下時の救済である風船など、これまでのドンキーコングシリーズを継承している部分も多々。
ドンキーコングシリーズは特にレア期の『スーパー』3部作やレトロスタジオ期の『リターンズ』系2作の影響で高難易度のイメージもあるシリーズではあるが、
本作はエンディングを見るだけならそこまでの難易度ではなく、それでも苦戦する人向けの「おたすけモード」も存在している。
こちらでは口笛(L長押し)を使わずとも自動で次の目的地を示し、敵の攻撃力が通常の半分+どこでも休憩で回復可能になる。



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最終更新:2025年07月26日 03:51

*1 スパドン時代に比べて初代コング寄りの顔立ちになっている

*2 他の任天堂直轄メンバーにタイトル名義を譲っている作品も含めると『マリオカートワールド』が先。同じく2025年発売の『リターンズHD』では移植前にDKの声を吹き込んでいた長嶝高士さんが担当している

*3 一応ディディーコングに限っては、『マリオカートWii』の期間限定で遊べたオンライン大会にて近い扱いがされたこともある。ドンキーとのタッグを組み、特別仕様で際限なくバナナを投げてくる2匹とのレースに挑むというものがあった。

*4 奇しくもクルールと対峙するドンキーと同じ「猿」のキャラクターである。

*5 変身中BGMの中では最初に上がってきた経緯がある

*6 初登場時はジャンプマンことマリオ同様名前がなく、後のゲームボーイ版にて初めてポリーンと名前が設定された。