プロローグ
火もあり水もあり、自然は豊か。明るく照らしてくれる光もあれば安らぎを与えてくれる闇もあった。
かつてのクリーチャー世界はそれはもう平和だったのだ。彼らは戦うことに優れていたが、それも忘れてしまうほどに平和な日々を送っていた。
しかしそんな平和は突如、外部からの侵略者によって崩されてしまったのだ。
侵略者達の攻撃により、一気に崩壊へと進むクリーチャー世界。かつて恵みをもたらしてくれた火水自然は自分達に牙を向け、明るく照らしてくれた光は悍ましい破壊光線の放つものとなり、侵略の進んだ道は暗き闇で染まっていた。
絶望に打ちひしがれるクリーチャー達の希望となったのは、ある伝説のドラゴンであった。
たったひとりで侵略軍と戦ったこのドラゴンは最終的には侵略軍を追い返したのだ。
クリーチャー達は歓喜に包まれる中、そのドラゴンから5つの魂が抜けていった。
そして誰にも気づかれぬよう、そのドラゴンは深い谷の底で眠りにつき、それから何百年もの間目覚めることはなかった。
かのドラゴンのおかげでクリーチャー界は救われたが、被害だけは深刻なままだった。
そのせいで住居を失ったクリーチャーは暴徒と化し、あちこちで争いが絶えなくなった結果、再びクリーチャー界は混沌に包まれたのだ。
かつて平和だった面影はどこにもなく、クリーチャー達の死骸が絶えない日々となっていった。
故にこの侵略戦争から今に至る小さな争いまでを全てを含め、『クリーチャー大戦』と呼ばれるようになった。
出会い
かつてのクリーチャー大戦により、家族も故郷も思い出も...何もかも失った マスティアは絶望の最中、道中で 謎のロボットと出会う。
彼はいくつかの記憶をなくし、故郷に帰れなくなったそうだ。
彼の目指す故郷...全宇宙の理想郷はどんな人やクリーチャーであっても幸せになれると言われる、名前通りの理想郷のようだ。
マスティアは暗く閉ざされた未来の道に、僅かに差し込まれた黒い光を見出した。
そこに自分も言ってもいいだろうか?彼女はそう聞いた。
彼はその言葉からマスティアの状況を察し、もし辿り着けたら分かるだろうと答えた。
こうしてマスティアは彼と共に理想郷求めて旅立ち、そして数々の敵と戦うことを決意したのだ。
この謎のロボットの名前はAlternative。長いためマスティアは彼をオルタと呼ぶことにした。
彼女はオルタに従うまま、あるドラゴンと出会うよう提案された。
それがかつて伝説と呼ばれたドラゴンこ成れ果てである“ アークノア”であった。
理想郷に向かうには5つの力が必要であり、それを手に入れるキーとなる存在がそのドラゴンだとオルタの僅かな記憶が答えてくれた。
復活
アークノアはかつて、伝説と呼ばれたクリーチャーであった。
しかし侵略軍との戦いで負傷し、本来の力のほとんどを持ってかれてしまい、万が一のためにもその力を少しでも取り戻そうと眠りについたのだ。
しかしそんな中に、マスティア達は入ってきてしまったのだ。
最初こそ強引にでも追い返そうとしたアークノアだが、オルタの説得により自分の力が早期に取り戻せる可能性を知り、協力することとなった。
そして彼は久々に外の空気に触れた...その瞬間だった。各地でマナの暴走するような気配が蔓延り、異様なまでに凶悪なクリーチャーの気配を察知した。
見渡すとそこら中から悪魔のようなクリーチャーが復活しだしていた。どうやらアークノアが目覚めたきっかけに、あちこちで封印されていたクリーチャーが復活し、暴走し始めたようだ。
その暴走の裏にいたのが原始の竜王とされる“ スカーレットゼロ”だと判明したことで、彼らはすぐさまスカーレットゼロの気配のする方向へ向かって行った。
vs真紅竜王
かつてこのクリーチャー界の覇王とも呼ばれたスカーレットゼロは、復活早々辺りを手当たり次第で破壊しまわっていた。
そこに目的はなくまるで衝動的であり、いかにして凶暴であるかは明らかであった。
そしてスカーレットゼロが聖都市エレジェンドの前にまで来た時、そこへアークノア達が到着し、目の前に立ち塞がった。
アークノアは正面からスカーレットゼロに突っ込み、マスティア達は奴の部下を相手にしたのだ。
だが本来の力のほとんどを失っているアークノアは、スカーレットゼロの凶暴かつ素早い攻撃に対応しきれず、後手に回ったばかりだった。同じくマスティアの方も、いくら呪文で対応しても部下の虚構魔獣には通じていなかったのだ。
Alterヴァルキリー
ジリ貧のまま戦い続けたマスティアだが、グラビティゼロ・ドラゴンの登場により、ついに限界を迎えた。
強烈な一撃をくらい跳ね飛ばされた彼女はもう動けずにいた。しかしそこでオルタがあることを告げたのだ。
自分と君なら合体してさらに強くなれると。
せっかく見えた希望に縋り付くような想いのマスティアはその言葉に了承し、オルタを鎧にして合体したのだ。
その名は“ Alterヴァルキリー”。オルタの鎧の力や血のように赤黒い剣の力で虚構魔獣達と渡り歩いたマスティアは、ついに部下を全滅させたのだ。
未だ知らぬ力にマスティアは困惑しつつ、彼女はどこかオルタとの間に信頼関係が結ばれているのでは?と思いつつあった。
しかしまだ大将は残っている。すぐさまマスティアはスカーレットゼロのもとまで走って行った。
アーク軍
アークノアと駆けつけたマスティアはスカーレットゼロと互角に渡り歩いていたが、それでもスカーレットゼロは強かった。
圧倒的に追いつかないスピードと攻撃を喰らえば喰らうほど硬くなる鎧のような鱗に苦戦を強いられていた。
しかしそこにある軍勢が駆けつけたのだ。
それは アーク軍だった。かつてアークノアと共に戦った部下達が、アークノアの目覚めと同時に蘇ったのだ。
力を失ったアークノアは仲間と共にスカーレットゼロと戦った。流石にこの軍勢だと劣勢に追い詰められていたスカーレットゼロは、一度撤退しようとする。
しかしそれをマスティアが許さず拘束し、動けなくなったところをアークノアの剣が貫きスカーレットゼロを撃破したのだ。
スカーレットゼロが倒されたことを知った奴の部下達は一目散に逃げていき、各地での騒動は何とか治った。
魂の反応
復活したアーク軍はアークノアを前に平伏し、何かあればまた駆けつけると約束して、その場を去った。
目覚めた瞬間からの激しい戦い疲れ、一休みしようとしたその時だった。アークノアは目の前の聖都市エレジェンドに、消えた5つの力の内の一つが潜んでいるかもしれないことに気がついたのだ。
マスティア達を呼びエレジェンドの門の前に立つ。
....まだまだ戦いは始まったばかりなのだ。
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