着替えに行くクロウを見送ったはいいがさてどうやってメイリンを探すかだ。
ヴァンエレンの使い魔が空中から探しているのはいいとしても
問題は僕たちだ、ただ散開して闇雲に探しても効率が悪い。
マオ「そうだ!ヴァンエレン!おまえ子供になった時に妖怪に反応していたな!
もしかしたらお前けっこうそういうの感知できたりしないのか!!」
さっきのことを思い出して僕はヴァンエレンに頼ってみることにした。
ヴ「私も西洋の妖怪みたいなもんだし、誰かというのは判断できないけど感知はできるよ。
ただこの学園には半人半鬼とか地下図書館からお忍びででてきた魔者とかいるからそれらにまじってて難しいんじゃないかな…。
それに学園の警備を誤魔化せるほど隠密に長けた奴みたいだから、私などに探知されるようなまぬけではないと思うぞ。
さっきのはたぶんまぐれだ」
マオ「……お、お前なぁ……吸血鬼なんだろ?
恐ろしいヴァンパイアじゃないのか?」
そう言うがこの学園でヴァンエレンを恐れている人間はいない。
曖昧な返事をされてあきれてしまうマオ。
てへへと苦笑を浮かべている場合ではないぞ?ヴァンエレン。
マオ「ああ、あとこの副会長とスクナが作ってくれた特製ジャージはお前にやる。
ちょうど今お前も女だしゆったり目に作ってくれてるから大丈夫だろう」
ついでにマオは処分に困っていたジャージも渡す事にした。
ヴ「ま、まじか…。
ふぉぉぉっぉ!これはいいものだ!」
大興奮。
マオからのプレゼントを早速羽織ってみるヴァンエレン。
なんだその『どうどう似合う?』とでもいいたげなキラキラした目は?
くるくるといろいろなポーズを決めてマオに見せ付ける。
どうでしょうマオさん?
マオ「……い、いや気に入ってくれたらいいんだ。うん、
僕よりもヴァンの方が似合っているからそれはあげよう。
ハハ…アハハハ……」
いやぁ…気に入ったとは完全に予想外だった。
マオ(しかし、あのジャージを素晴らしいと言ってしまえるセンスは危ないな。
正式に僕のしもべとなった事だしどんどん矯正していかないと……
呼びだしたときに訳の分からない格好だと恥をかくのは僕だからな。 )
放送「こちらは、でいりぃ・ふぃじる編集部であります。
メイリン様、メイリン様。ご友人のメイファ様が女子寮でお待ちですぞ。
至急、女子寮までお戻りくだされ」
ヴ「あらまぁ」
マオ(なるほど、友人のメイファを使って……ってメイファって…
今回の騒ぎを起こした妖怪…でもスカーフェイスが封印したはずだが……
もしかしてまた抜け出したりしたのか?それともメイリンをおびき出すための嘘か?
いや、でもおそらく呼び出しをするように言ったのはさっきあれほどショックを受けていた
リリアーナだろうし、
あの馬鹿が嘘という高度なことをできるわけがない……ということはやっぱり逃げ出したのか?
ということは今あの妖怪はこの女子寮にいるということか!? )
マオ「だとしたら危険極まりないぞ!だいたいメイファは魔法使いを倒しに来ているんだろ!?
くそ、リリアーナはどこなんだ。あいつに問いたださなければ…」
別に妖怪がどうとかではない、だが向こうが魔法使いに敵意を持っているとしたら
こちらとしてもやはり敵には違いない。
マオ「おいヴァンエレン、女子寮に戻ってメイファを探すぞ、
下手に暴れられて僕の部屋でも壊されたらたまったものじゃないからな」
ヴ「はいはい、お供しますとも。
たとえ火の中だろうと水の中だろうと…。
でも聖水の中だけは勘弁ね」
マオはヴァンエレンの服の袖を引っ張りそのままUターンする。
すると丁度リリアーナを見つけた。急いでいる様子だったが構わず引きとめる。
「おいリリアーナ。メイファの放送は本当なのか!? 」
引き止められたリリアーナは何か言おうとして固まった。
なぜなら、マオの傍らには例のジャージを着込んだヴァンエレンに酷似した人物が立っていたからだ。
マオ「本当だとしたらまた僕たちに牙を向くようなことはないのか、どうなんだ?
場合によっては即座に封じ、
父親だという深―フェイスのところに持ってった方が安全だ。
いいや、そうした方がいい。」
ヴ「急いでいるようなので走りながら話そうか。 」
マオ「ん?…ああそうだな。分かった」
リリ「う、うん。あの・・・・・・えーと」
リリアーナはやっと再起動し、女子寮の中へと急いだ。
ヴ「あぁ、ちなみに私は吸血鬼のヴァンエレンだぞ?
いつもマスターであるマオマオがお世話になっております」
リリアーナはヴァンエレンが幼児化から復活したことを知らないために改めて紹介を入れる。
リリ「マ、マスターって・・・・・・えええええ!!二人ってそういう関係だったの?!」
マオ「な、なんだよいきなり…そういう関係もなにも契約しちゃったんだからどうしようもないだろ」
仰天したリリアーナにこっちまで驚いたが…一体なにをこいつは驚いているんだ?
リリ「あ、ごめんね。私、全然知らなくって。おめでとう、二人とも。
やだマオマオ、今さら照れなくてもいいのよ。私、ちゃーんと分かってるから。
マオマオに同行するために女装までするなんて、愛よね、愛」
ヴ「ん?おぁ…なにかよくわからないがありがとう?」
マオ「……お、おめでとうってなんだ!?…お、おい聞いてるのか!?
な、何勘違いしているんだ!?」
必至に否定してもリリアーナはニヤニヤと僕とヴァンエレンを見て笑っている。
マオ(どういうことだ……僕はエリートなのに。
なんでヘタレ吸血鬼といつの間にか公認の仲になっているんだ?
だ、だいたい僕はリバースの後は一回も落ち着いて話なんてしてないのに! )
リリ「種族の差なんてたいした問題じゃないわ!私、二人の事ずっと応援するからねっ!!」
マオ「い、いやそういう問題じゃ…あの……その……」
勝手に盛り上がっているリリアーナを見ていてだんだん恥ずかしくなってきた。
目が合ったヴァンエレンとも思わず目を逸らしてしまう。
リリ「で、今の状況なんだけど・・・・・・」
マオ「そ、そうだそれが聞きたかったんだよ!」
リリアーナは
レベッカの部屋で見聞きしたことを手短に二人に話した。
リリ「というわけなの。
私が部屋を出る直前までメイファはベッドで眠っていたから、敵意があるのかまでは分からなかった。
一応レベッカさんは、部屋に残ってメイファの説得に当たってくれてるわ。
・・・・・・もし中庭で出会った妖怪犬がメイファだったとすると、戦いになる可能性は高いと思う。
即座に封じてスカーフェイスさんに渡すのには賛成だけど、そう簡単に行くかどうか・・・・・・」
マオ「確かに、スカーフェイスというのは学園長の友人といっているぐらいだ。
そのスカーフェイスをすり抜けてきたということは何か特殊な技能を持っているのか。
それともすでにスカーフェイスですら対応できないほどの力を身につけているのか…
僕たちが相手の同意なしに捕まえようなどというのは無理かもしれないな」
リリ「あの子のした事は許せない。でも、出来れば穏便に済ませたい。
魔法使い相手なら何をしても良いって考えを改めて欲しい。・・・・・・馬鹿だと思う?」
マオ「……メイファは子供なんだろう?お前が見た限りでは…
だったら話は単純だ。叱ってやればいい。お前が得意とする命の尊さでも教えてやればいいんじゃないか?
少なくとも僕や他の人間が理詰めで問い詰めるよりは全然マシだ」
リリ「そ、そうかな?そうだといいな。
でもね、きちんと理詰めで話すのも大事だと思うよ?私、あんまり説得上手くないし・・・・・・」
マオ「あ、そうそう、僕に馬鹿だと思う?って聞いたな?お前は大莫迦者だよ。
ただの馬鹿じゃない。大きいことを仕出かす一番厄介な馬鹿だ。
だが、見方を大きく変えればそれはお前の長所だよ。
いいじゃないか。理想を追い続けるバカっていうのも…まあ僕には分からないけどな」
リリ「危なっ!!・・・・・・・・ん?何これ、何で床がこんなに濡れてるの?」
(せっかくちょっと良いことを言ったのに聞いてないなんて…
どうやら馬鹿に+でアホをつけたす必要もあるようだ。 )
リリ「え?ごめんよく聞こえなかった。今何て言ったの?」
そうリリアーナは聞き返したものの、マオがもう一度口にすることは無かった。
どうもレベッカの部屋に近づくにつれ、水溜りが増えているようだ。
最終更新:2009年01月25日 18:42