メイファは
レベッカの部屋から瞬間移動を使って
林の中に出現した。
先程レベッカがメイファと初めてあった場所…わかりやすく言えば、
レベッカが子犬を拾った場所である。
ファ『さてと…魔法使いに見つからないように隠れなきゃ。』
メイファはダンボール箱を組み立てはじめた。先程レベッカの部屋から一つだけ頂戴したのだ。
ダンボール箱が組みあがると、メイファはそれを頭から被って姿を隠した。
そう、メイファはレベッカが来るまで、こうして隠れていようと考えたのだ。
しかし、メイファは次のように考えなかったのだろうか?
林の中にポツンとダンボール箱が置いてあるのが、どれだけ怪しいというかを…
ぐるっと周囲を見回して、ミルクは妙なことに気がついた。
林の中にぽっかりと空き地が出来てるのだ。
おかしいな…この林、こんなに空間が開いてたっけ?
近寄ってみると、さらに奇妙なものが見えた。
広場の隅にポツンとダンボール箱が置いてあるのだ。
最初は水に流されてきたのかと思ったけど、そのわりには濡れていない。
ただ、それだけなら、不法投棄か捨て犬猫が入っていたのだろうと思えないこともない。
問題は。そのダンボール箱の端を、大芋虫がモソモソと食べている事だ。
ミル「なんだなんだあれは…あんな芋虫がこの林に住んでるなんて聞いてないぞ…」
…あ。もしかして、新種だろうか?
突然変異だかなんだかで、異常に大きくなった芋虫が大繁殖。
うん、ありそうな話だ。
捕まえて帰れば、生物学部の連中に高く売れるかもしれない。
丁度良い入れ物もあることだし、あれに入れてお持ち帰りするか。
そう考えたあたしは、早速芋虫を入れるべくダンボール箱を持ち上げた。
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ファ「ウェイシェンマー!?」
ミル「うわわっ!?」
ミルクがダンボール箱を持ち上げたとたん、
中に入っていた三角座りの女の子がびっくりして声をあげた。
ミルクもびっくりした事だろう。そして、メイファは目の前でびっくりした少女が、
魔法使いであることはすぐにわかった。OK、シスターは敵だ。
ファ『えへへ、革命ごっこをしましょ♪私は官軍♪あなたは賊軍♪』
ミルクがもしも中つ国の言葉がわからなくても、
メイファが遊びに誘うように笑っている事はわかるはずだ。
ミル「遊んでほしいの?いいよ、用事があるから、少しだけだけどね」
ファ『すぐに壊れちゃ…嫌よ(愛好)』
ミル「えーっと、ごめん、ただ、あたし中つ国の言葉がわからなくってさ。
知り合いに中つ国語が……どうかした?」
しかし、メイファはここで大切な事を思い出した。
『林の中にて待機し、黄河一号の到着を待つべし!』
メイファは、先程レベッカに言われた指令を思い出したのだ。
上官の命令は絶対である。ゆえにメイファは迷った。
そう、上官の命令は“待機”である。
魔法使いは倒したいけど、勝手に攻撃したら命令違反じゃないかしら…?
メイファは少し考えた後、ちょうどよい事を思いついた。
ファ『あー、じゃああなたは捕虜ってことでいいわね。
というわけで、これから尋問するね♪
ところで、Xタル・ギアってのはどこにあるのかしら?
正直に答えないと…こうだぞ~』
メイファは、自分で思いつく限りもっとも酷い虐待を
(具体的に言えば、お腹を指でつっつく事)
ミルクに加えた。
ミル「え?なんて言って…て、ちょっとちょっと。
くすぐったいからやめ……あははは、降参降参、まいりましたー!」
ぴしぴしお腹を突っついてくる女の子に降参を言うと、ピタリと突っつく手が止まる。
ふと、メイファはミルクの持っている蚕に目をつけた。
厳密に言えば、もともとメイファが入っていたダンボールに蚕が付き、
それをミルクが持っている状態である。
ファ『ちょうだい!それちょうだい!』
メイファは目を輝かせ、ぴょんぴょん跳ねながらミルクにせがんだ。
ミル「え?え?もしかして、これが欲しいの?」
状況的に芋虫を欲しがってるとしか思えません。
……もしかして、かわいいとか思ってるのかな…
確かに子供って虫を飼うのが好きだったりするけど、女の子には珍しいような。
……売り飛ばして小遣い稼ぎでもと思ってたけど、こんな小さい子のお願いは断れないか。
ミル「うーん、しょうがないなぁ。
はい。かわいがってあげてね」
そう言って、ダンボールごと女の子に芋虫を渡す。
ファ「シエシエ!(ありがと!)」
メイファは嬉しそうにミルクから蚕を受け取った。
しかし、すぐに少し赤い顔をした。捕虜相手にお礼を言ってどうするのか、と。
ミル「あたし、ミルク。あなたの名前は?」
前にメイリンにしたように、身振り手振りで女の子に名前を聞いてみた。
ファ「ツァンヨン!」
メイファは元気良くそう言った。
ミル(ツァンヨンちゃんね。よし、覚えたぞ。)
しかし、残念ながらそれは蚕の事である。
ファ「ツァンヨン、ウォデイラ!(蚕蛹、Getだぜ!)」
仮に意味がわかっていたとしても、
特殊工作員・黄河二号の本名は秘密なのだ☆
メイファは、どこからともなく油の入った鍋と、焜炉のようなものを出した。
焜炉に火がつき、その上に乗せた鍋が熱くなる。
ミル(どう見てもツァンヨンが隠し持っていたようには思えないし、これは空間操作系の魔法で取り寄せた?
いや、魔力を感じなかった所からして、特殊能力か?
かなり高い力を持ってるみたいだけど、言動からして見た目より年よりとは思えないなぁ…)
そんなことを考えている間も、コンロの火は鍋をどんどんどんどん温める。
ミル「ね、ねぇツァンヨン。もしかして、芋虫を揚げ物にする気じゃ…」
ファ「ツァー」
メイファは、蚕をその中に入れた。
ファ「フガ♪フガ♪フガ♪フガ♪パッパパー♪パパパ♪パッパパー♪パパパ♪
タタタン♪タタタン♪タタタン♪タタタン♪タンタラタンタンタン♪…トゥイ!」
メイファは歌を歌いながら蚕を油で素揚げにし、長い箸(これも唐突に出した)で取り出した。
ファ「ウォフイツァーツァン、ヘンハオラ!(とっても上手に揚げましたー♪)」
表面はこんがり黄金色、中はジューシー&クリーミーなツァンヨンの出来上がりである。
ファ「…ゼンマヤン?(…ほしい?)」
メイファは、ミルクにそう聞いた。
ミル「いやいやいや!無理無理無理!!
さすがにそれはぜぇーったいに無理ーっ!!」
ファ「ウォチードウダ!(あげないもんねー♪)」
そう言って、ツァンヨンを全部食べてしまった。メイファのスタミナが+50された。
ファ「?チャーシーシェンマ?(何これ?)」
ミル「ん?どうかした?」
メイファは、何か噛み辛いものを感じた。それは蚕から伸びる糸である。
ファ「イートーマキマキ♪イートーマキマキ♪ヒーテヒーテトントントン♪」
メイファは、イートーマキマキをして、その糸を引っ張る事にした。
どこまで糸は続くのか、最初軽快に巻かれていた糸は、急に重くなったようにも見える。
何か先にくっついてるんだろうか?
ミル「なんか、重そうじゃない?あたしも手伝おっか?」
ファ「シーア」
ミルクとメイファは、並んで糸巻きをした。
すると、間もなく泥まみれの服一式が巻かれてやってきた。
ファ「チャーシーシェンマァ?」
メイファはそれを手にとって、クンクンと臭いをかいだ。
ファ「チェンプーハオ。」
メイファは不快そうな顔をしてすぐに投げ捨てた
その直後、林一帯に影が落ち込むことになる。
上空を見上げれば砂塵の雲。
その上には少々顔の形が変った褌一丁のスクナが黄金の戦車に乗って仁王立ちしていた。
褌一丁という変態的スタイルで女子寮に突入したのだ。
当然全ての罠にかかり、白百合騎士団の攻撃を受けてボコボコにされたのはいうまでもない。
とはいえ、今は女子生徒たちに揉みくちゃ(スクナ視点)にされている場合でもなく、瓶詰め砂漠を発動させ黄金の戦車を呼んだのだ。
尤も、砂塵の雲の上から林の中がわかるはずも無く、引っ張られる服も見失っていた。
当然メイファとミルクの存在にもまだ気付いていない。
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その直後、林一帯に影が落ち込むことになる。
何気なく空を見上げれば、黄色い雲が日光を遮って空に広がっていた。
ミ「げ。なんだあの雲!?」
ファ『黄砂だわ。懐かしいわね。』
スクナからメイファとミルクが見えないように、
メイファもまた砂塵の雲の上にいるスクナに気づくはずも無かった。
メイファは、ミルクの服を引っ張った。
ファ『ダンボール箱返して。それと、嵐が来そうだからこれあげる。』
メイファはハンカチを手渡した。もしも砂嵐が吹いたら、それを口に当てろと言う意味だ。
ミ「この箱がほしいの?ハンカチと交換?
あ、何かあったらハンカチで口を抑えろってことね」
相変わらずツァンヨンの言葉はわからないから、身振りで察するしかないわけで。
ファ『あんたは捕虜だから、私がいいと言うまで死んじゃだめだからね♪』
ツァンヨンは、また何か言いながらダンボール箱の中に入った。
うーん…かくれんぼしてるから誰にも場所を言わないでってところか?
メイファは、再びダンボール箱を被って身を隠した。
しかし、残念ながら蚕にかじられたせいで
(あれ?でもメイファは蚕を食っちまったから、実質自分で食べた事になるのか?)
メイファの一部が外から見えてしまっている。
だが、メイファはそのことに気づいていなかった。
ファ『もしも逃げようとしたら撃つからね!私はこれでも冷酷な特殊工作員だから!』
メイファはダンボールの中からミルクにそう叫んだ。
ミ「大丈夫大丈夫。ツァンヨンがそこに隠れてるなんて、誰にも言わないから」
最終更新:2009年01月24日 04:24