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メイレン降臨



ピンク色の雲の奥から、大きな金きり声が聞こえてきた。
レン『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!』
その声を聞いて、遥か下にいるメイファが強張っている事など、メイファが知る由も無い。
しかし、そのメイファと同様に、メイリンもまた緊張していた。
はたして自分は、うまくメイレンを迎える事ができるだろうか?
レン『アアアアアアアアアッ!!アアアアアアアアッ!!』
声が、徐々に徐々に近づいてくる。そして“それ”は、ピンク色の雲の中から姿を現した。
レン『アアアアアアアッ!!いやあああああっ!?』
それは、ピンク色のドレスに身をつつんだ女性だった。
それぞれの手には扇と日傘が握られ、それをばたばたと振り回しながら、
重力にしたがって、悲鳴をあげながら屋上に落下する。
彼女こそが、悪名高い第二次文化革命の首謀者にして、
最も多くの魔法使いの命を奪った妖怪、ファン・メイレン・スイションその人である。
もっとも、悲鳴をあげながら落ちるだけのその姿を見て、そんな大人物にはとても見えないだろう。
せいぜい大きいとすれば、彼女の体躯だけである。

リン\メイレン来た!これで勝つるっ!/
レン『あら?あれは…リンちゃん!?』
メイレンは屋上にいるメイリンを見つけた。
ついでに、自分がこのままだと屋上にぶつかる事も理解した。
レン『やばい!やばい!やばい!死んじゃう~!おせんべいみたいになっちゃう~!?』
メイレンは一生懸命上に向かって泳ごうとしたが、さすがにそれは無理がある。
リン\とうっ!/
メイリンは、メイレンに向かって跳躍した。
そして、空中にて彼女の体をがっちりと受け止め、抱え込む。
レン『あっ!?ありがとうリンちゃん!』
メイリンはメイレンをお姫様抱っこした状態で、颯爽と屋上に着地した。ここまでは良かった。
レン『ぐぉえっ!??』
しかし、着地した途端その衝撃でメイリンの義手が肩から外れてしまい、
結局メイレンは落ちる勢いそのままに屋上に叩きつけられたのだ。
レン『あ~う~!腰打った~!痛い~!死んじゃう~!』
リン\失敗しちゃった…ごめんねメイレン…/
メイリンは、腕が取れてしまったので、足を使ってメイレンを助け起こそうとした。
レン『あっ!あっ!やめてリンちゃん!蹴らないで!』
メイレンからすれば、ただメイリンに蹴られているようにしか見えなかった。
もしここに第三者が現れたとしても、そうとしか見えないだろう。


\メイレン来た!これで勝つるっ!/
リリ「これで勝つるって・・・・・・・誰に?」
\とうっ!/ 。
屋上から何か重たいものが落下したような音がした。リリアーナはさらにスピードを上げた。
\失敗しちゃった…ごめんねメイレン…/
屋上からは異国の言葉を話す女性の声が聞こえてくる。
どうやら大妖怪メイレンが降臨したらしい。
リリ「メイリンさん、メイレンさん!――――――――あれ?」
勢い込んでここまで来たリリアーナだったが、目の前の光景に困ってしまった。
なぜならピンクのドレスを来た大柄な女性が、両腕が外れたメイリンに今にも蹴り飛ばされそうにしか見えなかったからだ。
リリ「な・・・・・・・何で蹴飛ばそうとするの?メイリン」
リリアーナは棒メイリンが動くギリギリの位置からメイリンに問い掛けた。
マオ「ヴァンエレン、妖怪とか魔族とかそういうのはみんな歪んでいるのか?性的な意味で」
ヴ「みんながみんなそういうわけではないが…だいたいあってる、と思うたぶん」
死の王しかり、その他の地下図書館に住む種族の王たち然り…。
ほんとロクでもない魔物や妖怪が地下図書館には集まっているのである。

リリ「もしかして、メイファを連れ帰るためにメイレンさんを召喚したの?」
リン\そうだよっ!/
レン『?この子誰?西方の言葉で話したわよね?うわ~もしかしてここって西方なの?
 一度来てみたいと思ってたのよね~。あ、痛い!』
メイリンの足が、またメイレンにぶつかった。
メイリンに義手が戻らない限り、彼女はずっとメイレンを蹴り続けるだろう。

リリアーナはメイリンに質問した後、マオにメモを渡してしまった。
リリ「持ってて。そして、もしメイリンからの返答が来たら、皆に聞こえるように読み上げくれるかな?」
リリアーナはそういい残すと、返事も聞かずつかつかとピンクのドレスを着た女性の方へ近づいていった。
外見はただの大柄な女性だが、普通の人間でないことくらいリリアーナにもわかった。
あのメイファ達の母親で、第二次文化革命を引き起こした張本人。学園長と同じ力をもつという大妖怪。
恐ろしくないといえばうそになる。
現にリリアーナの頭の中では、ザクッと首や腕を切られるイメージがぐるぐる回っていた。
だが恐怖をぐっと圧し殺し、リリアーナは倒れているメイレンに手を差し延べた。

リリ「お怪我はありませんか?メイレン様
 初めまして、私はリリアーナと申します。我らが魔法学園にようこそ」
差し出した手が震えているのは、ご愛嬌である。
レン「あら、やさしいのね~。ありがとう。」
メイレンは西方の言葉でそう答えた。そう、メイレンは西方の言葉を知っているのだ。
メイレンはリリアーナの手をとり、とりあえず上半身だけ起こした。

リリ「メイレン様に一つお伺いしたいことがございます。
 本日私達の学園長がメイレン様への面会を求めていた筈なのですが、お会いになりませんでしたか?」
レン「ええ?何のことかしら?今日ってお客さんが来る日だったっけ?
 それに学園長って…ここってどこかの学園?」
メイレンは事情がさっぱりわからないようだった。
リリ「ええと、ここはフィジル島にある魔法がk」
ギ「わぁ!でっかいおば・・・・おねえちゃんだ!?」
空を飛んできたギズモがそう言った。
メイレンの耳がぴくっと動いた。ひいいい!!とリリアーナの顔が露骨に引きつった。
ギズモ危うし!である。
リリ「あ、あのあの、今のギズモの発言はちょっとした言葉のあやっていうか・・・・・」
レン「ああっ!?ああっ!?ひっど~い!あの子私の事“おばあちゃん”って言いかけたわ!
 まだお肌だってこんなにぴっちんぴっちんしてるのに~!」
ギズモを指差しながら叫んだメイレンは涙目になった。
リリ「いや、あの・・・・・・・・・ぴっちんぴっちん?」
リリアーナの中で「恐怖!大妖怪メイレン」のイメージがガラガラと壊れていった。
少なくとも、今のところは。

屋上の上に浮かんだピンク色の雲が徐々にしぼんでいく。
そう、この雲はその役割を終え、天に帰ろうとしているのだ。
レン「あらら~ゲートが閉じていくわね~。ねえ、リンちゃん。
 後で私をちゃんとソーシュウに連れて帰ってくれるんでしょうね~?」
ピンク色の雲が完全に消え、屋上に魔法が戻ってきた。
あくまで、メイリンの目的はメイレンを呼ぶ事だった。
魔法が消えたのは、妖怪用ゲートをつくる際の副作用でしかなかったのだ。

リリ(メイレンとレベッカさんって似てるなー)
リリアーナがそんなことを考えていると、メイレンがリリアーナの方を見てぎょっとした。
レン「きゃあああああっ!?」
リリ「へっ?」
メイレンが突然悲鳴をあげた。
レン「あ、あなたは魔法使い!?ひいいっ、殺さないで~!!」
そう、魔法が屋上に戻ったおかげで、リリアーナは再び魔法使いになったのだ。
リリ「え?いや、魔法使いって言っても名前だけ見たいなもので・・・・・・。
 っていうか、何でそんなに逃げようとなさるんですか! 私は誰も殺したりしません!」
何故かメイレンはリリアーナを恐れ、彼女の手を振り払うと、その場から逃げようとした。
といっても残念な事に、メイレンは先程しこたま腰を打っているため、
のろのろと地面を這うように移動するだけである。
リリ(もしかしてあのメイレンとは同姓同名ってだけの赤の他人?
 いやでも、メイレンさんがいたらあのメイファにも勝てる!って、メイリンさん言ってたわよね?)
レン「あひゃん!?」
リリ「メイリン?!」
メイリンはメイレンを踏みつけて彼女を逃がさないようにした。
リリ「ちょ、メイリンさっきから何で踏んだり蹴ったりしてるの?!」
一度にいろいろありすぎて、リリアーナはメイリンの腕が外れたままだということにまだ気づいていないようだ。
リン\愛だよっ!/
マオ「愛だよっ!と言っているな。サディズムでも持っているのかも」
愛なら仕方が無い。
マオ(なんだか妖怪の家族というのはいろいろと問題が多いようだな。 )

リリアーナは服の上から傷薬の瓶をそっとなでた。
あまり痛いようなら治してあげたいが、どうもレベッカ達の態度からさっするに、
(理由はわからないが)傷薬を使った回復は妖怪に好まれないらしい)
痛いなら治療してあげたいが、でしゃばってメイレンの機嫌を損ねるのはリスクが高すぎる。
もう少し様子を今は時期尚早だろう。

リリ「それよりもどうかお聞きください。
 あなたの娘さんであるメイファが、学園で暴れて大変なことになっているんです。
 メイリンはそのためにゲートを作って、あなたを召喚したと先ほど話してくれました。
 どうか私達の話を、聞いていただけませんか?」
レン「嘘よ~ん!そう言って娘の話で私の気を引いて、一気に喉を掻き切るつもりなんだわ~!
  魔法使い恐い~!まんじゅうも恐い~!」
メイレンはよほど魔法使いが恐いらしく、リリアーナの話を取り合わなかった。
ギ「まんじゅう怖い・・・・ってそれ好きなんじゃ」

アイ「あれ?何かと思って来てみたけど…カ ワとおばさんだけなの?」
メイレンの遙か背後には屋根に腰を掛け、シュークリームを食べている少女が居た
一見ただの女子高生に見えるが、携えている箒型の魔銃がその者をただ者ではないことを物語っている
ウェ【油断するな、奴はただ者じゃないぞ】
アイ「だってさぁウェザー、怖い思いまでして屋根伝ってここまで来たんだよ?
 それなのに、超拍子抜けなんですけど」
不満げに何かに答えると、屋根から降り魔銃を担ぐ
とメイレン越しにリリアーナの姿が確認出来た
アイ「チョリーッス!リリっちあのさぁ、おばさん知ってる?」
リリ「おば・・・・・・・」
リリアーナは絶句した。
何と言うバットタイミング。
この場合どうやってフォローすればいいのだろう?
ギ「・・・・・・・毒舌キャラ?」
アイシャに変な感想を持つギズモであった

リリ「お、おばさんって食堂のおばさんのこと?多分食堂に居ると思うわよー」
棒読みでリリアーナはそう言うと、おもむろに話題を変えた。
リリ「それよりもアイシャ、そんなところで何でおやつ食べてるのー?
 ていうか、どうやってそこまでよじ登ったの?!危ないわよー?!」
空とぶ箒を持っているアイシャに言うにはあまりにアレだが、リリアーナの発言にはそれなりの理由があった。
なにせしょっちゅう箒に振り落とされている某箒乗りよりも、アイシャの方が空での事故率が高いのだから。
リリアーナはちらりとギズモの方を見た。
アイシャがもし落っこちたたとしたら助けてくれるだろうか? というリリアーナの視線を感じとり
何でこっちを見たのかはわからないがとりあえずギズモはサムズアップして返しておいた

レン「あ~!あ~!あ~!あの子私の事、“おばあちゃん”って言ったわ!うえ~」
リリアーナがフォローを入れたものの、結局メイレンは泣き出してしまった。
ちなみにメイレンに言わせれば、“おばちゃん”も“おばさん”も“おばあちゃん”も同じらしい。
まあ、確かに。外人のメイレンにはこれらのニュアンスの違いがわからないのだろう。
リリ「あ、あの・・・・・・おばあちゃんなんて誰も言ってないですよー」

この光景を目の当たりにしたヴァンエレンはというと、あまりにも想像していた姿との差が激しすぎて混乱を招いていた。
そして極めつけはギズモや登場したアイシャのおばさん発言による号泣。
もうなにがなんだかよくわかりましぇん。
ヴ「メイレン…なんだか私と似ている気がするなぁ」
魔法使いにおびえる姿といい悪口を言われて泣き出すところといい、どこか自分の姿を重ねてしまうヴァンエレンだった。

マオ「どうするんだよ、お前(アイシャ)入ってきたせいで話しが進まないじゃないか!」
だいたい、年上かよくは分からないが女におばさん扱いは危険すぎる。
アイ「私のせいじゃないし、勝手に泣き出したんじゃん
 あぁ~やだやだ、これだからいい子ちゃんは嫌いなんだよな~」
アイシャにとっては当然のことを口に出しただけの事
それで泣き出してしまったのを自分のせいにされちゃたまったもんじゃないと
マオに皮肉を吐きながら手をあげてみせる。
ヴ「な、なんたることなんたること…」
マオを挑発し怒りを誘っているアイシャ。
いい子は悪口を言うのはやめましょう。

リリ「え!エリートマオマオでも外見のこと言われるとへこむの?」
リリアーナは少し意外そうな顔をしたが、何か思いついたらしくポンと手を打った。
リリ「あ、うん。そのジャージ、とても似合ってると思うよ。何と言うか、只者じゃないって感じがするもの!!」
・・・・・・・・・・・一応、本人はフォローしているつもりのようだ。

ギズモコンビとアイシャの登場、さらにメイレンが想像とはまったく違っていたことでリリアーナに対する危険はほぼなくなったとみていい。
ヴ「私の心配は取り越し苦労だった…のかな?」

リリ「えっと、こちらはメイリンさんとメイレン様。中つ国からのお客様よ。
 いろいろあってまだ招待客用のリボンはつけていらっしゃらないけれど、失礼の無いようにね」
これで納得してくれますように、アイシャがまた暴言を吐きませんように。
リリアーナは祈るような気持ちで、引きつった笑みを顔に貼り付けていた。
アイ「ふ~ん、そうなんだ」
ウェ【メイレン…だと…】
目の前の人物が、何者か理解し納得した素振りを見せるアイシャに対し
ウェザーは口調からでも分かるぐらいにあせっていた。
アイ「知ってんのウェザー?」
ウェ【ファン・メイレン・スイション…第二次文化革命にて最も魔法使いを狩った大妖怪だ】
アイ「ふーん」
だが本人を目の前にしてもアイシャはその事をイマイチ信じられなかった
目の前で子供のように泣きじゃくるこのおばさんがそこまで恐れられる存在だと思えなかったのだ。

レン「うえ~…あふん!」
メイレンは時々メイリンに踏まれながら泣いている。
ところで年増呼ばわりされてこんなに心が潰れるなら、逆に若さを称えるとどうなるのだろうか?
ギ「なんという豆腐メンタル・・・・・」
あまりのメンタル面の弱さに色々と驚いているギズモ
きっとメンタルは弱いけど実力は高い・・・・・はずである
マオ「……まあ、女だから分からなくもないが、ちょっと脆すぎるな」
目の前で踏まれながら泣いている大きい女が最凶の妖怪とは信じられない。
いや、むしろそこが狙いで全部演技という可能性もあるが………
ギ「だ、大丈夫だよ!実年齢はともかく見た目は若いんだから!!
 どっかのエルフのお姉ちゃんも300歳までならお姉さんだって言ってたし!!」
とりあえず自分なりに励まそうとするギズモ
何でエルフが基準なのかは謎であるが
そもそも悪魔族に寿命があるかも謎である
レン「…私とっくに300歳すぎてるんだけど。」
と、メイレンは言ったが、泣き止んだところを見るとまんざらでもないようだ
リリ「お子様がいらっしゃるとは思えないくらいお若いですよー。お肌もつやつやで羨ましいです。
 スタイルだって抜群ですし・・・・・胸だって・・・・・・」
レン「(胸だって)…フジヤマボルケーノ?」
リリアーナの言葉を引き継いだメイレンは、リリアーナと反比例するようにハッピーな気持ちになった。

ギ「まあそんな細かい事はどうでもいいとして、早く悪い事した娘さんをお尻ぺんぺんしてあげてよ」
母親でしょ?見たいな顔をしてメイレンを見るギズモ
レン「ええ?どういうことかしら?」
メイレンはやっとこちらの話を聞くようになった。
リリ「メイファは魔法使いを敵視して、学園の皆をいきなり攻撃してきました。
 負傷者もたくさん出ましたし、このままではメイファと魔法使いの全面対決になってしまいます。
 ・・・・・・ところで、なぜメイレン様はそんなに魔法使いを恐れるのですか?
 メイファは魔法使いを敵視しています。
 メイリンさんは私達を嫌ってはいますが、怖れてはいません」
レン「ま~!そんな事があったの!なんてことかしら!
 それはリンちゃんもファちゃんも若いからよ。私も昔はそうだったわ。
 でも、今は私と長女のテンちゃんは知っているの。“命につく名前”の強さを。」
そこまで言った後、何故かメイレンはまた泣きそうになった。
リリ「命につく名前、ですか・・・・・・。
 そう言えば、レベッカさんも同じようなことを仰っていました」

あのおばさんの事はウェザーに任せるとして、メイリンとかいったもう一人の方にはリリアーナが話している。

リリアーナはメイレンと会話しながら、ちらっとメイリンの方をみた。
(あれ?)
そしてようやくリリアーナは、彼女の腕が無くなっていることに気づいた。
リリ「ちょっとメイリン、あなたの両腕が無いよ!!」
リリアーナは慌ててメイリンの義手を探した。義手はすぐに見つかった。
だがメイリンの義手で刺されたレベッカのこともある。
このまま彼女に腕を返してもいいのだろうか?
リリアーナは一瞬意見を請うようにマオ達のほうを見て、そしてうん、と一つ頷いた。
リリ「メイリン、あなたに義手を返しても、私の友達に危害を加えたりしないって誓えるかな?
 もし約束してくれるのなら、今すぐこの腕を返すわ」
アイ「リリっちさぁ~言ってる事が甘いよ激甘…
 そんなの口だけ言えばそれで終わりじゃん、ちょっとソレ貸して」
そう言ってアイシャはリリアーナからメイリンの義手を奪うとメイリンの前にちらつかせる
リリ「えっ?!ちょっとアイシャ、何するのよ!」
アイ「メイリンっつったっけ?私アイシャよろしくね
 これ返して欲してほしいの?リリっちとの約束を守れるなら片方だけ返してあげる」
リリ「ちょっと、そんな勝手に・・・・・・・」
アイ「でもね…もしそれを破る真似をするなら、しばらくは片腕で過ごすしかないんじゃない?
 この騒動が終わってからリリっちの判断で返したり返さなかったりするんじゃないかな?」

ニコニコしながら、アイシャは軽い口調でエグい交渉を持ちかける。
リリアーナは言葉に詰まったが、確かにアイシャの言うことも一理あると思った。
メイリンが喋れない事情を知らないアイシャには、
ただメイリンが無視しているようにしか見えないかもしれないが、棒メイリンはしっかり動いていた。
リン\誓ってもいいけど、まずは片手をつけなっ!さもなきゃ、手を上げて誓う事ができないよっ!/
棒メイリンは、手が無いと誓えないから、まずは手をつけろと言っているのである。
リリ「アイシャ、残念ながらメイリンは喋れないのよ。
 だけど、マオマオが持っているメモを見れば、彼女の話したいことがわかるわ。
 ねえヴァンエレンにマオマオ、メイリンはなんて言ってるのかな?」
ヴ「誓ってもいいです。
 けれどもそれをするには片手をつける必要があります。
 なぜなら手を上げて誓うことができないからです。
 と申しております」
そのままのことを言えばいいのにわざわざ丁寧な言葉に直してからリリアーナに伝える。
リリアーナはメイリンの言葉を受けて、アイシャに手を差し出した。

リリ「わかった。じゃあアイシャ、メイリンに片腕を返したいから、私に義手を渡して。
 その後はギズモもアイシャも少し離れててくれるかな?」
リリアーナは、メイリンに義手を返す役を誰にも譲る気は無かった。
アイシャはリリアーナの瞳に何かを感じ取り、何も言わずに片腕を差し出した。
メイリンの反応からして、指一本も返したくはなかったのだが、リリアーナの言葉と目はそれの覚悟していた。
アイ「…やっぱり甘いなぁ…私も」
メイリンと距離を置き、そう呟いた

リリ「メイリン、あなたの義手はどうやってつければいいのかな?
 あれっギズモ、もしかしてあなた、この義手の扱いかたを知ってるのかな?」
ギ「伊達に使い魔なのに図書館で本を借りる許可は持ってないよ」
一体全体どうやって許可を取ったのだろうか?謎である
ギ「義手の取り扱いは本で読んだこともあるし、実際にやった事もあるよ」
えっへんと無駄に偉そうなギズモ
母親(主人)にそっくりである
ペットは飼い主に似るとはこの事か
ギ「でも女の子の肌を直接見るのは男としてどうかと思うんだ」
そんなギズモはフリージアと毎日お風呂に入っているのだが
ギズモにとってフリージアは母親的存在なのでノーカウントである

フリ「だったらまた私が指示を出せば問題ありませんわ!!」
何故か特撮ヒーローのように高いところから現れるフリージア
ぶっちゃけると階段上るのめんどくさかったから空飛ぶ雪の結晶で窓から飛んできたのである

ギ「わぁv1000年氷河の雪の下から甦ったヒーロー、キャプテンブリザードだ!」
いつもと逆にボケてみるギズモ
フリ「そう私は正義のヒーロー、キャプテン・・・・って!違いますわ!
 私は氷結姫フリージア!フリージア・ノクターンですわ!!」

誰にも聞かれていないのに自己紹介をするフリージアであった

メイレンにはもうフォローに何人か入っているみたいだが…
ウェ【これ以上下手なことを言っら敵に回りかねないな…私も慰めなければならないか】
ウェザーはメイレンのサポートに回っていた。
ウェ【先ほどは私(ワタクシ)の奴隷が失礼をお掛けしました】
レン「あらま~ご丁寧にどうも。」
しかし、メイレンには声の主が見えない。
ウェ【あなたのような美しい方に声をかけられない身分であるのは重々承知していますが
 あなたの涙とその麗しいお姿を認識してしまい、いてもたってもいられなくなりました
 あなたに涙は似合ません…どうか、涙を拭きこのム…ゴホンゴホン…
 この者らの些細な願いを聞いてはどうでしょうか?】(CV中田譲治)
とこんな調子で慰めて(口説いて)いた。
ちなみに、ウェザーとアイシャの関係は奴隷ではなく、共存に近い

レン「んま~!そんな風に言ってもらえるなんて感激だわ~!」
メイレンはすっかり上機嫌になった。よほど嬉しかったのか、
立ち上がり、くるっとターンを決めてみせる。腰が痛いのはどうした、メイレン。
レン「改めて名乗らせていただくわ。私の名前はファン・メイレン・スイション。
 “スイションちゃん”って呼んでね♪」
メイレンはそういって自己紹介した。怒りがわいてきた人はそれを政治にぶつけてください。
レン「ねえ、“姿が見えない卿”様。苦しくないから、どうか私に姿を見せてちょうだい♪
 スイションちゃんの お ね が い (愛好)」
メイレンは身の毛のよだつ態度で、ウェザーに姿を見せるように頼んだ。
今のところウェザーが、この中では一番メイレンの好感度が高いようである。

一方、ウェザーは困惑していた。
どうやら、やりすぎたらしく、向こうは自分にゾッコンな上に、無いものを見せろとまできている。
てっきり、他の悪魔達のように感じとれるものだと思い込んだのが間違いだったようだ
しかし、どうしたものか、相手が只の人間であれば、この声にまかせ、調子のいいことを言ってはぐらかすことは出来るが…
相手は伝説になりかけている大物、下手をうてば、惨劇になりかねない
ウェ【申し訳ありませんがスイション様、私は姿を持つことを許されぬ低級悪魔の身…あなたのその目に私を映すことは出来ません
 ですが、悲観なさらないでください。
 我が名はウェザーリポート、天気を何持つ者つまりは、この空が私だと思ってくれて結構であります】
ウェザーの選択はなるたけ相手を悲しませずに正直に話すことだった。
だが、この一言だけでは不安だったのか、太陽は私の笑顔だとか雨は私の涙とか風は私の吐息だとか虹や雪は私から貴方への花束だとか調子のいいことを続けてみているが、不安は消える気配はない

マオから少し離れた場所でいい加減蝙蝠の姿から元の吸血鬼の姿に戻る。
ここは屋上、太陽の日差しが鬱陶しいと思って手で陽をさえぎっているときに
それは突然やってきた。
何とも一直線で大砲で人間で王様で。
ヴ「あら?」
風をきる音に気がついてその方向へヴァンエレンが目を向けると、その物体は果たして屋上へ…いやヴァンエレンへ向けて飛んできた。
スクナである。
ヴ「にゃあああああああああぁぁぁあ」
ゴッツンというおでことおでこがぶつかるすさまじい衝突音の後に頭を抑えて悶絶。
ヴ「は…はちみつが舐めたい」
ヴァンエレン 衝突の後、はちみつが舐めたいと言って死んだ。

(85で〆)

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最終更新:2009年02月16日 18:23
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