リリ「リリッちのそういうとこ、好きだよ。なんの躊躇いもなく地雷ふんじゃうところとか」
リリ「地雷?・・・私、そんなに嫌なことを言っちゃったのかな・・・・・」
リリアーナは殺されかけたショックと痛みでぼうっとしながら、アイシャについていく。
リリ「レベッカさんが妖怪なのは薄々わかってたの。
だって彼女、普通の人では絶対に知りえないような事をたくさん知りすぎてたし。
自分から言ってくれるまで待つつもりだったけど・・・・・・私、間違ってたのかな?」
血の跡を転々と残しながら、リリアーナは気の抜けたような声でずれた事を言った。
アイ「リリッちはさ、優しいよ…でもね…その優しさが時には人を傷つけることもあるの
確かに校長は許可したのかも知れない
でも、この事が他の学校や人外を嫌う馬鹿の耳に聞こえたらどうなると思う?
まして、親子でこんなトラブルまで起こしてる訳じゃん?
アイツが言ってるのはそういう意味じゃなかったのかな
さっきはそういう道徳的な事を言うんじゃなくて、正直に思ってることをぶっちゃけたほうが良かったんじゃない?」
ウェ【ちょっと待て…それだと辻褄が…】
「だから、今から確認しにいくの
私の仮説が正しくてもそうでなくても、事の発端がうやむやな以上、対処の仕様がないでしょ…ね!リリッち」
リリアーナに向けてウィンクすると少し走る速さを速めた。
一方、屋上を後にしたメイレン達一行だが、状況的に考えてこのまま下に向かうとレベッカとエンカウントする。
だがその前に、リリアーナ達とエンカウントしてしまった
フリ「あら?リリアーナさん戻ってきましたの?」
階段を降りている途中で登ってくるアイシャとリリアーナに出会うフリージア
リリ「うん、レベッカさんとちょっと・・・・・・メイファとはまだ会ってないよ」
ミル「2人ともどうしたのよそんなに急いで。忘れ物でもした?」
アイ「そうそう、忘れ物
このお…姉さんは私らが連れてくから、急いで先に行ってて優等生がカンカンに怒ってるから」
そう言ってミルク達とすれ違った。
不自然に「急いで」やマオについてのことを付け加えたのは、緊急事態であることを知らせるつもりでつけたが…果たして気づくだろうか
リリ「マオマオを一人で残してきちゃったの!」
ミル「マオを一人で…?分かった、先に行っとく」
アイシャとリリアーナから帰ってきたのは、イマイチ要領が掴めない返事。
一人ぼっちにされたマオが怒ってる、って感じの言い方じゃないけど。
メイリンを追っかけてメイファを探しに行ったはずなのに、他に怒る理由があるのか?
考えてる間にも足は動いて階段を降りる。
ま、行けば分かるでしょ。行けば。
レン「あら、たいへん!怪我してるわ!」
リリアーナの肩からぽたぽたと血が流れ落ちていた。
リリ「いえ、かすり傷です」
リリアーナはそう言って止血しようとしたようだが、片手ではうまく行かないようだ。
フリ「で結局レベッカさんとは出会えたのかしら?
あ!そこ天井低いから頭ぶつけないように気をつけてちょうだいな」
レン「ぎゃん!?」
大妖怪の頭からも出血が始まった。理由は説明するまでも無い。
レン「痛い~!死んじゃう~!」
リリ「だ、大丈夫ですか?」
リリアーナは思わず傷の具合を見ようとしたが、自分の手が汚れているのに気づき慌てて引っ込めた。
フリ「だから言いましたのに・・・・・」
ただ見た感じただぶつけただけなので、間違っても死ぬことは無いだろう。
リリアーナ達はレベッカの攻撃をかわしてメイレンの話を聞くべく、彼女を連れて屋上に戻った。
当然、メイレンの案内役であるフリージアも一緒だ。
屋上につくと、早速リリアーナが今回の騒動の真相とレベッカについてフラフラしながら質問した。
リリ「メイレンさん、レベッカさんをご存知ですね?」
レン「……??」
リリアーナは前振り無しでいきなり本題を切り出した。
体調が悪いせいか、あまり気を回せる状態ではないのかもしれない。
リリ「中つ国では確か天皇后・・・・・・・テンちゃんですね。」
レン「あー!」
こう言われてメイレンはやっと合点がいった。
リリ「メイレンさん、差し支えなければ教えてください。
あなたの娘さん達はこの学園で何をしようとしているんですか?
メイリンは、あなたが来たから勝てると言っていました。
だけどメイリンは、あなたに何かをさせようとするそぶりも無い。
・・・・・・・メイファとメイリンはともかく、少なくともレベッカさんに関してはご存知ですよね?」
レン「もちろん、知ってるわよ。テンちゃんは魔法を学びに来たのよ。」
だんだんくらくらして来たリリアーナは、傍らのアイシャへと凭れかかった。
リリ「私は、魔法使いを知るためにレベッカさんは学園に留学するんだと思っていました。
魔法使いを知ることで、妖怪と魔法使いが仲良くなれる道を模索するつもりなのかな、と。
でもレベッカさんは、ここにいることに政治的意味があると言いました。
と言う事はつまり、ここにいることはレベッカさんだけの意思や好奇心だけでは無い・・・・・・・」
ここまで話したリリアーナは急に黙り込んだ。どうやら軽い貧血を起こしたようだ。
アイ「お疲れ様リリッち、ちょっと横になっててね」
もたれ掛かってきたリリアーナを優しく寝かすと、メイレンに視線を戻した。
リリ「ん・・・・・・」
フリ「だ!誰か増血丸持ってなくて!?」
増血丸とは読んで字のごとく血を増やす魔法薬である
石かを治すヘンルーダドリンクとか魔法力を回復するマジックポーションなどは
カタカナなのにこれだけ全部漢字表記なのはきっと東方伝来だからに違いない
「だ!誰か増血丸持ってなくて!?」
「ごめ、持ってない・・・・・・でも薬はある」
リリアーナはポケットを探り、小さな瓶を引っ張り出した。
アイ「怪我人が出ても、これ以上惚けるつもりなら、コレで蜂の巣にするけど文句ないよね?」
少し眉にシワを寄せながら、メイレンに銃口を向けた
レン「ええっ!?私ってそういう扱いなの!?ひどいわ~!」
メイレンは両手を上げて、無抵抗である事を示した。
レン「でも、蜂の巣って甘くておいしいわよね~(愛好)」
フリ「私は蜂の巣よりもチョコレートパフェのほうが甘いと思いますわ」
しまった!?突っ込み役がいない
メイレンはリリアーナの質問に対して答えた。
レン「テンちゃんは、別に妖怪と魔法使いを仲良くさせたいわけじゃないと思うわ。
ましてや政府の意向とも関係ないでしょうね~。
だって、テンちゃんはいつだって自分のルールで生きてきたもの。」
言われてみれば本当にそのとおりなので、妙に納得してしまった。
レベッカが話した“政治的意味”については、メイレンは次のような見解を示した。
レン「あなた達も知ってるように、中つ国は今でこそ民主主義国家だけど、昔は帝国主義だったわ。
だから、私とテンちゃんは文化革命で帝国主義を打破した“象徴”的な意味合いもあるの。
まあ、保守派の人からは嫌われてるから、あまり良い事ばかりじゃないけど…
ともかくテンちゃんは“象徴”だから、もしもここにいる事が中つ国政府に感知されたら、
中つ国政府がここの内政に干渉してくる可能性があるわね~。
実際、以前テンちゃんがジルという名前でタイペー島の魔法学園にいた時正体が発覚して、
中つ国政府がタイペー政府に補償を求めた事があったわ~。
もっとも、その時はテンちゃんが退学してそれ以上の騒ぎにはならなくてすんだけどね。
どうしましょ。テンちゃんたら、また退学しないといけないのかしら?」
リリ「それのどこが民主主義国家なんですか・・・・・・・・。
退学云々はともかく・・・・・・ばれるのは時間の問題だと思います」
メイファが派手に暴れている上に、もう一人の『象徴』が学園に来ている。
しかも今日は学校外の来客も多い。
幸い今は生徒会が全力でフォローしてくれているが、これ以上トラブルが続けば手におえなくなるだろう。
また、レベッカは生徒であるリリアーナを殺そうとした。
こうなっては妹のメイファ同様、レベッカに対する皆の心証も最悪になってしまう。
(メイファを見つけ出して中つ国に帰ってもらう事が、こんなに大変だなんて)
リリアーナは内心で嘆いた。
フリ「つまり私がこの学園で死んだりしたらお父様とその部下がカチコミに来るみたいなものですわね」
リリ「・・・・・・・」
リリアーナはフリージアの言っていることがよく分からなかった。
それだけではない、メイリンもレベッカも、何を望んでどうしたいと思っているのかもさっぱりわからなくなった。
その時、リリアーナはふとレベッカの話を思い出した。
彼女はリリアーナにこう言ったのだ。
もしも判断に迷う事があれば、俺がこれから言う言葉を思い出せ。
妖怪が恐れるものはただ一つ。それは、千斤を持ち上げる力でもなければ、
万書に値する知識でも、森羅万象を動かす魔法でもない。
妖怪が唯一恐れるものは“命につく名前”だ。」
そしてメイレンも、同じようなこと話していた気がする。
たしかメイレンは命につく名前の強さと表現していたはずだ。
(レベッカさんとメイレンさんは知っていて、メイリンやメイファは知らないこと)
では、それは一体何だろうか?
フリ「まあここで喋っていても埒が明きませんわ先に進みましょう」
とりあえずフリージングドールマリオネット(等身大165cm)を作り
それを繰って先頭を歩かせる
フリ「もしものことがあってもこれが盾になりますわ
いざとなれば食べられますし」
と胸の谷間からカキ氷シロップとアイスピックを取り出すフリージア
もしここにルズがいれば、フリージングドールにむしゃぶりついて凍りついていたかもしれない。
だが幸いなことに、ここに空気の読めない猫達はいなかった。
リリ「・・・・・・・・メイレンさん、待ってください」
レン「何かしら?」
何とか片手で 止血を終えたリリアーナは、おぼつかない足取りでふらふらと立ち上がった。
リリ「メイレンさん、教えてください。――――“命につく名前”って、何ですか?」
レン「ごめんなさいね~。西方の言葉には、それを一言で表す表現がないのよ。
だから、私も“命につく名前”としか言いようが無いわ~。」
リリアーナは肩を落とした。メイレンは、扇で自分の口元を隠した。
レン「たしか、リーちゃんって言ったわね?リーちゃんは私から学ばなくても、“それ”を知っていると思うわ。
ただ、あまりにも漠然としすぎて、自分でうまく意識できないだけよ。
試しに、あなたが生きてきた人生の中で、一番幸せを感じた時の事を思い出してごらんなさい。
その中に、あなたが探している答えがきっと見つかるわ~。」
リリアーナはちょっと考え込んだ後、何を思い出したのか動揺し顔を赤らめた。
リリ「そ、それと命につく名前がどう繋がるか良くわからないです」
リリアーナはまだちょっと良く理解できていないようだ。
下の状況を確認したミルクが急いで階段を登って戻ると、上からフリージアたちが降りてきた。
ミル「まずいよ!下でマオやクロウがレベッカと戦いかけてる!
レベッカは色々事情があるって言ってたから、引く気無さそうだしな!
善悪も妖魔も道徳も政治も関係ない、戦う事情って何か思いつかない!?
思いつかなきゃレベッカを氷漬けにしてでも止めないと厄介な事になるよ!」
そう言えばとリリアーナは思い出す。
レベッカに切りつけられる前に、リリアーナは「メイファに何か言われたのか」とたずねた。
その時レベッカは「おめーには関係ねー」と答えた事を。
リリ「ミルク、確かメイリンさんって、屋上でレベッカさんとメイファが一緒にいるって話してたわよね?
・・・・・・・もしかしたら・・・ううん。きっとメイファ絡みで何かあったのよ。
だって変じゃない?今まで何とか事を荒立てないようにしていたレベッカさんが、何で今私達と戦うのよ。
戦う理由がはっきりしないのも、きっと何か話せない事情があるんだわ。
となると・・・・・・メイファを何とかしないと、レベッカさんは身動き取れないかも・・・あ、ごめん」
アイシャにへにょへにょともたれ掛かったリリアーナは、慌てて身を離した。
ミル「ん、そういえばそんな事言ってたような…」
なにしろ言ってたのを聞いたと言うより、書いてるのを見たってだけだから、ちゃんと思い出せん。
リリ「フリージア、ギズモって今はメイリンといっしょに居るのよね?どこにいるかわかるかな?」
階段を下りるフリージアの背に、リリアーナはそう声をかけた。
フリ「ちょっとお待ちなさいな」
フリージアは胸の谷間に腕を突っ込むとなにやらカードのようなものを取り出した
フリ「ちゃちゃちゃちゃん♪使い魔契約カードですわ!
これさえ使えばあら不思議使い魔とお話出来ちゃいますの」
リ「すごい、初めて見た」
ミル「カードって便利でいいね。場所とらないし」
何故か説明的なフリージア
フリ「ギズモちゃんギズモちゃん今一体全体どこにいますの?」
ギ「あ、お母さんからだ」
懐からカードのようなものを取り出しフリージアからの念話を受け取るギズモ
ちなみにカードには氷結姫フリージアと言う名前とフリージアのイラストが描かれている
ちなみに 魔法使い族 水属性 LV5 攻撃力2300 防御力1500特殊能力は秘密vだ
ギ「一階だよvえ~と」
ギ「メイリンさんがメイファさんらしき人と抱き合ってるよ」
フリ「人?人間の姿ですの?」
フリージアは考えた・・・・・ギズモは人間の姿をしているが本質はグレムリンである
それは何故かと言えば人間と暮らすには人間の姿が都合がいいからである
故にメイファが人間の姿に変身できても不思議ではない
それとも人間のような姿が本当の姿なのだろうか?
フリ「一体どんな姿ですの?」
ギ「頭に金の輪をつけた赤い目のかわいいかわいい女の子だよ」
フリ「まあ・・・・わざわざ不細工に変身する物好きはいませんわね」
フリ「というわけでメイリンさんとメイファさんは私のかわいいかわいいギズモちゃんと一緒にいるみたいですわよ」
レヘ「間違いないわね~。ファちゃんだわ。」
ギズモから送られた情報を聞いたメイレンはそう言った。
ミル「あたしが森で出会ったメイファと一緒だよ。間違いない。
ついでに言うと、その時の服は赤いチャイナドレスだった。
屋上にメイレンさん降臨の煙を見たとたん、12本ほど尻尾をぶわっと出して攻撃してきたけど」
リリ「12本も?」
リリアーナは目を丸くした。
妖怪犬は尻尾の数だけ分身した。となると、メイファは最低でも12人に分身出来るのかもしれない。
リリ「メイレンさん、メイファに中つ国に帰るよう説得して下さいませんか?
このままでは、レベッカさんはまた魔法学園に居られなくなるかもしれません。
それとも、やはりメイレンさんも、レベッカさんが魔法を習うのを快く思っていらっしゃらないのですか?」
レヘ「………」
メイレンは、リリアーナの最後の質問には答えなかった。
レヘ「さっきも言ったけど、ファちゃんはリンちゃんに任せれば大丈夫よ。
あなたはリンちゃんが私を呼んだ“意味”がわからないって言ったわよね?
でも、わたしはちゃんと『リンちゃんなら大丈夫』って言ったわ。
つまり、そういう“意味”よ。」
メイレンは“意味”という言葉を強調した。
レヘ「教えてあげるわ。私は“意味”を操る程度の能力をもっているの。
だから、私はテンちゃんが魔法を習うのが良いか悪いか言わない方がいいわ。
だって、それは“意味”を持つ言葉だから。
リンちゃんは私の“意味”が続く限り、ファちゃんを連れて帰ることができるわ。
リンちゃんが私を呼んだのは、つまりそういう“意味”よ。」
リリ「つまり、メイレン様が意味のある言葉を言えば、その言葉の意味が続く限り現実のものになるって話ですか?
例えば私の胸が大きくなると言ってくれたら、必ずそうなると?」
きっとメイレンは、この能力で第二次文化革命を引き起こしたに違いない。
リリ(あれ?でも変ね、たしかメイレンさんは死んじゃうを連発して無かった?)
そしてメイレンは死にはしなかった。
もしかしたら意味を操るというのも、全てにおいて万能というわけではないのかもしれない。
リリアーナはちょっと考えて、言った。
リリ「ですがその・・・お言葉ですが、『メイリンなら大丈夫』だけでは大雑把過ぎるのでは・・・・・・」
ヘレンの言うとおりメイリンが全て仕組んだとしたら、彼女の計画が大丈夫、という意味にもなりかねない。
下のほうから、武器を打ち合うような音が聞こえてくる。
レヘ「それよりもテンちゃんが心配だわ~。怪我して無いといいけど。」
ミル「メイレンさん、メイファに合ったら、魔法使いを敵視しないように説得してもらいたいんですが。
いろいろ事情はあるんだろうけど、せっかくこんな遠くの学園祭まで来てるんです。
このまま帰らせるのも、暴れ回るだけなのも楽しくないでしょうし。
無差別に魔法使いを攻撃したりしなければ、メイファも一緒に学園祭を楽しめますよ。
…とりあえず、お先にレベッカの所に行っておきます。また後で」
レン「がんばってみるわ~。気をつけてね~。」
ミルクはまた階段を先に駆け下りた。
リリ「フリージア、先に行ってて。私もすぐに追いつくから」
壁に手をついたり手すりを掴めば歩ける位には回復したが、走るのはまだ無理そうだ。
それに、レベッカの「的」がのこのこ顔を出したのでは、まとまる話もまとまらなくなる。
フリ「わかりましたわ」
と一言短く答えるっと、フリージアはフリージングドールを先行させながら前に進むのであった
メイレンがレベッカを説得するにせよ、メイリン達と合流するにせよ、下に下りなくてはならない。
リリアーナはメイレンの後をもたもたと歩き始めた。
リリ「そう言えば、メイレン様は既におなかが膨れる予定があるそうですね」
レン「ええ、きっとそうよ(愛好)」
リリアーナはふと疑問に思ったことを口にした。
メイレンが光臨してからリリアーナ達が駆けつけるまで殆ど間が無かったのだが、
その間にメイリンとの間に、何か食事の話でもつけてたのだろうか?
リリb「メイレン様はどんな料理がお好きなのですか?西洋の食べ物は、あまりお口にあいませんか?」
レン「そんな事無いわよ~。私は東方の(若い男的な意味)も西方の(若い男ry)も大好きよ~。
ここって良い所ね~。食べ物がたくさんあるわ。」
リリ「は、はあ・・・・・・?」
レン「でも、西方のは東方よりも大きくてちょっと硬いのよね~。食べる時にアゴが疲れちゃうわ~。
それに力が強いから、暴れてあたり一面に体液を撒き散らしちゃうのよ。
さっさと止めを刺さないとうるさくてギャーギャー…ねえ、あなたは何かお勧めのものはあるかしら?」
おそらく某男子生徒は口にあわないと思われる。
リリ「た、体液ですか?」
うんうん、と相槌を打っていたリリアーナだったが、話が進んでいくうちにだんだん顔が引きつってきた。
リリ(この学園にたくさんいて、暴れたり体液が出たりするもので、止めを刺さないとギャーギャーうるさいもの?
メイレンさんの口に収まるんだから、そんなに大きな動物じゃないわよね?)
リリ(ピクシーよ、絶対ピクシーだわ!)
・・・・・リリアーナは以前、学園の森に住むピクシーに遭遇した事がある。
その時悪戯され、散々な目にあった事はまだ記憶に新しい。
だが彼らがメイレンに頭からバリバリ食べられるところを見るのは、あまり好ましいことには思えなかった。
リリ「え、えーと、お勧め、ですか?」
リリ(活きのいいピクシーに代わる食べ物って何?何かあった??)
リリアーナは必死で考えたが、あいにく彼女はピクシーなど食べたことがない。
リリ「えっと、そうですね、フィ、フィジルザクロなどいかがでしょう?
美容や若返りにも効果があるそうで、魔法美容科では確か研究材料に指定されていた筈です。
ただ、ザクロは人肉の味がするとも言われておりますので、メイレン様のお口に合うかどうか・・・・・・」
レン「あ~ザクロが人肉の味っていうのは迷信よ~。食べ比べればすぐにわかるわ~。」
メイレンは暗に人肉の味を知っている事を告白した。
リリ「魔法美容科のブースで販売しておりますので、よろしければ後でご案内します」
レン「ま~!美容のブースがあるの!素敵だわ~!」
リリアーナの微笑が微妙に引きつっている気がしたが、メイレンは気のせいだと思った。
リリアーナ達が下を目指していると、突然ウェザーの囁き声が聞こえてきた。
リリ「わっ、ビックリした!!もー、危うく階段を踏み外すところだったわよ」
【いいか、よく聞けよ。貴様等のような道徳じみた説教はアイツには無駄だ
それでもまだハッピーエンドを望むならば、この嘘を全力で肯定しろ…そうすれば全ては丸く収まる。確実にな】
リリ「嘘って何のこと?今下で何が起こってるの?」
ウェザーはメイレンに下の現状と考えを伝え、ある考えを告げる。
【ですので、あとはあなたがほんの少しでいいのにご助力すればこの学園で起こった騒動については丸く収まります】
レン「え~!?でもそれって、結局テンちゃんをやっつけちゃうの~!?」
リリ「すごくいい考えだと思うけど、レベッカさんは戦い続ける理由があるはずなのよね。
だからそれを取り除いてあげないと、彼女が槍を納めたくても収められないかも。
そのあたりも、メイレン様の方から説得してもらえたら助かるんですけれども・・・・・・」
そう言いながら、リリアーナはメイレンにお伺いを立てるような視線を向けた。
レン「いいけど、あんまり酷いことはしないであげてね~。」
ウェザーはこの場にいないが、きっとリリアーナの声は届いたに違いない。
リリアーナは階段を下りた。
右の廊下の突き当たりには階段があり、左側に出ればレベッカ達のバトルに遭遇するだろう。
アイ「キャンキャン五月蠅いんだけど、やるならさっさときなよ負け狗レヴィ!」
アイシャの挑発が静かな校内に反響している。
遅れてきたリリアーナは、ようやく下でのやり取りを直接耳にすることが出来た。
どうしたものかとそわそわしていたリリアーナだったが、ふと足元に落ちていた紙切れに気づいた。
リリ「・・・・・・!! これ、メイリンの書いた棒メイリンだわ」
棒メイリンの紙は、心なしか前に見たときよりも煤けて見えた。
リリ「マオマオに預けたのに、何でこれがこんな所に・・・・・・・あっ!」
紙の裏はなぜかべっとりと血で汚れていた。理由は一つしか考えられない。
リリアーナは真っ青な顔でメモを胸に抱くと、迷わず左側に飛び出した。
メイレンは、曲がり角に隠れながらレベッカ達の様子を見守った。
どういうタイミングで登場すればいいか、わかりかねているようだ。
レン「ねえ、ウェザーちゃん聞こえる?私は次に何をしたらいいのかしら?」
メイレンはひそひそと囁いた。ウェザーに聞こえているかどうかは定かではない。
(166で〆)
最終更新:2009年03月15日 06:18