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レベッカ治療~ラヴスポット


学園建物は見た目より中身が随分と広い。
それは建物内の空間操作をしているからなのだが・・・
空間操作をすれば当然歪みが出てくる。
建物内のいたるところに空間のゆがみがあれば危険でとても使用できる代物ではない。
だから、歪みを何箇所かに集中させ、【特異点】として封じ込めたのだ。
開かずのトイレなどの正体がこれだ。
そして今、特別な歩行法を持って【特異点】が姿を現したのだ。
別名ラヴスポット、恋人たちのデートスポットとしても有名である。 (byアルナワーズ)

リリ「クロウさんやメイレンさんの介抱してあげたいけど、私たちも魔力を使いきってるわ。
 だから、一旦ここで休ませてあげましょう。
 レベッカさんの亡骸も持ち歩くには目立ちすぎるし、何か作戦を立てないと。
 でもここ空間のゆがみだから、戦闘行為はご法度だからね。絶対戦ったらダメだからね」
ミル「絶対絶対ぜぇ~ったいに攻撃魔法なんか使うなよ!
 魔法だけじゃなくて戦闘行為は全部絶対禁止!
 空間の隙間に落ち込んで、永遠に何もない場所をさまよい続けるなんて、あたしはごめんだからね!」
マオ「この疲弊しきった状況で戦闘行為に走れるようなやつはいないから安心しろ
 メイファもそろそろ力に頼っても事態は進展しないことを理解してるだろうしな」
ふっ、とドアを開けるリリアーナを鼻で笑う。

リリアーナは扉を開けた。
とりあえず気絶したフリージアを特異点に運び込むギズモ
ギ「僕も消耗してるんだけど・・・・・」
男の子だから仕方がないのである

メイリン達もリリアーナに連れられてラブスポットこと特異点の中に入った。
中にはダブルベッドやソファー。テーブルに飲み物などがある。
特異点に入ったミルクは、長居せずに済ませる為にも気絶者の回復を優先することにした。
まずはスプレー型の回復薬を引っ張り出してきてメイレンさんや、クロウに使用。
次にドリンクタイプの回復薬をどんどん机の上に放り出す。
ミル「疲れてる人はどんどん飲んでね、リリアーナ以外は。
 リリアーナは、レオ先生の許可が出た回復薬以外飲まないように」
嬉しそうに飲み物に手を伸ばしかけていたリリアーナは、ひゃっと首を竦めた。
ちなみにミルクがこんな風に言うのも、ひとえにリリアーナのアルコールマイナス耐性のためだ。
ちょっぴりのアルコールで酔っ払ったリリアーナが暴れ、ラヴスポットを壊したのは記憶に新しい出来事。
そんなリリアーナに、レオが直々に回復薬を選んでくれた。
リリ「あ、有難うございます・・・・・・」
リリアーナはありがたくそれを頂くと、同じ種類のものを何本か抱えた。
リリ「あ、いや。これ全部私が飲むわけじゃありませんから」

さらにミルクは、バスルームを発見したので浴槽に水を貯め、飲み物用の氷を放り込んで、中にフリージアを入れる。
普通の人間なら水死か凍死は免れないところだが、そこはフリージア。
あたしたちに出来ない事を平然とやってくれる事を期待しよう。
てか、これ本当に大丈夫なんだろうな、ギズモ。

リリアーナは、バスルームの側で手持ち無沙汰にしているギズモの肩をとんとんと叩いた。
中からは水音が聞こえている。
リリ「ギズモ、あなたもちゃんと休んでおいた方が良いわよ。魔力が抜けてしわしわじゃない。
 なんか今日はケーキもあるみたいだから、こっちきて少し休んだらどうかな?
 とにかくそんなくたびれた顔してたら、フリージアが目を覚ました時心配するわよ?」
そう言いながら、リリアーナは回復薬を渡した。

この中での戦闘行為はご法度だが、幸いにも妖怪チームで一番喧嘩っ早いメイファは、
中の寝具に興味深深のようだ。
ファ「私知ってるわ!男の人と女の人が、裸一貫で取っ組み合いをするためのステージね!」
レヘ「はははは(笑)、さすがメイファだ。よく覚えてたな。」
リリ「何か違う・・・・・・・」
“ニカワ”によって槍がくっついたレベッカは、もとの調子に戻って教え子の成長を称えたが、
それを持つメイリンはもう一度それを折ってやりたい気分になった。

ヴ「お茶が美味いですのう」
自分で用意した湯のみにあったかい緑茶を入れてほっと一息。
ソファーの上でなぜか正座である。

リリ「マオマオ、悪いけどクロウさんベッドに寝かせるの手伝って。
 ちょっとヴァンエレン、何一人だけ寛いでるのよ!こっち来てちょっとは手伝いなさいよね!! 」
そういって手伝いを頼むリリアーナにため息交じりに返事してクロウの体をベッドに持っていくため引きずる。
マオ「なんで頭脳派の僕がこんなこと……こういうのはヴァンエレンの仕事だろうに…」
寛いでるヴァンエレンを見てブツブツと言いながらクロウをベッドの上に引きこむ。
リリ「・・・・・・・あれ?そう言えば取れた手首はもう大丈夫なの?」
外見が相変わらず女人化しているヴァンエレンは、確かレベッカによって腕を切断されていた。
ヴ「とれた腕はこのとおり蝙蝠にした後にぴったりくっつけたから大丈夫。
 でも戦闘とか激しい運動するともしかしたら、とれちゃうかもしれないのでこうして安静にしているのだ」

リリ「メイファ、やっぱり一人だけでメイレンさんをベッドに乗せるのは無理だよ~。私も手伝うってば」
メイファとそんなやり取りをしていたリリアーナだったが、状況が見えないレオに首根っこを抑えられてしまった。
レオ「皆、いい加減事情を話してもらえるんだろうな?」
リリアーナの首根っこを抑えたレオは、メイレンの方を見据えつつ生徒達に尋ねた。
レヘ「ああ、教えてやんよ。そのちっこいのがメイファで、俺を持っているのがメイリンだ。
 二人とも俺の妹で、そこに伸びてるでっかいババアがメイレン、俺たちの母親だ。」
レベッカは、今朝からの妖怪チーム(レベッカ含む)の動きについて説明した。
人間チームの説明は、誰かしかるべき者が説明するだろう。

アイ「私の見解だと、体から意志だけが出て、その槍に留まっている感じに見えるんだけど…
 実際のところどうなのかな?物が化けて妖怪になるとかならないとかって本で見たし
 まぁ、こんな状態じゃ呼んでもやりようがないかもね」
とのんびりソファーに腰掛けながら、ケーキにパクついているアイシャ
どこからそんなものを調達したかは秘密である。
アイ「大体の事情はみんなから聞いたほうが早いよ先生
 あの作戦は…上手くいってれば八方丸く収まったんだけどね
 まぁ出来なかったわけだから騙したのと変わんないけどね」
相変わらず、軽いノリで事情をレオに話した。

ギ「えっとねえっとね赫々で云々なの」
人間側の動きについてギズモは知っている限りのことをレオに話す
人間ではないギズモが人間側の話をするのは少々おかしいかもしれないが
逆に人間でないため余計な主観は入らずに客観的に話せたはずだ
ギズモやレベッカが状況を話してくれているので、マオは気兼ねなく回復薬の二杯目を口につける。

レヘ「で、どうよレオ先生とやらよ。俺は退学か?あ?」
レベッカはそう聞いたが、不安を感じているわけでは無さそうだった。
レヘ「まあ、俺は退学でもかまわねーよ。ちゃーんと考えがあるからよ。」
一仕事終えてバスルームから出てくると、レベッカがなにやらレオ先生にからんでいた。
アイ「つうか、退学とか話してるけど…自分はどうしたいわけ?
 槍なのに考えがぐらついているなんて冗談にもならないってw」
リリ「ちょっとアイシャ、いくらなんでも言い過ぎだってば!」
リリアーナはアイシャの手からフォークを取り上げると、何か言う前にケーキの塊を口に押し込んだ。
リリ「ごめんね~彼女ちょっと口が悪くて」
アイ「モガ!モガガガガ!」
いきなり口にケーキを突っ込まれたアイシャは悶絶した。
吐き出せば、直ぐに楽になれるのだが、そこはプライドなのかこだわりなのか知らないが、必死に噛み飲み込む
マオは飲んでいた回復ドリンクで咽てゴホゴホッと咳こんだ。
アイ「…ゲフッゲフッ!ちっょとリリッち酷いじゃん!アレじゃ味なんてわからないってば
 いい!スイーツってのは饅頭とかみたいなお菓子と同等じjゃないの
 味!見た目!香り!全てが芸術作品なわけ!それを下品に口に……と危ない」
リリアーナにくってかかるアイシャだが、また口にケーキを突っ込まれてなるものかと手で口を覆う

ミル「何レオ先生にからんでるのよレベッカ。
 退学かどうかなんて、学園長抜きで簡単に決められるわけないでしょうが」
レオ「そのとおりだ。
 仮にレベッカ、もし君が退学だとしたら、クロウの処分もおそらく同等のものになるだろうな」
ミル「それより、あんたがさっきから言ってる“考え”って何よ?
 このアイテムの中に関係してるものがあるの?」
言いながらあたしは、レベッカの体から抜き出してきたアイテムを机の上に並べた。
レヘ「なあ、ミルク。俺の言った事をちゃんと聞いてたのか?
 俺は装備は全て外せと言ったはずだぜ?まだ残ってるじゃねーか。」
ミルクは服の中にあったものは全て出したはずである。
しかし、肝心なものはまだレベッカの遺体に残ったままだ。
レヘ「服だよ、服。おいメイリン、かまわねーから俺から服を脱がせて着てみろ。」
ミル「服!?何に使うのよそんなの!?」
まー、そりゃ服も装備と言えば装備だろうけど、メイリンと服を交換して何する気だ!?
一方、メイリンは言われたとおりに行動を開始した。まずは自分の服を…

メイレンを“男女の土俵”に寝かせていたメイファは、大慌てでメイリンの側に立ちはだかった。
ファ「わーっ!見るな!見るな!」
メイファに殺人光線を発射させたくないなら、従った方がいいだろう。
レオは黙って回れ右をした。
一応ヴァンエレンも精神は男の子であるので一緒に見ないようにしている。

メイリンは自分の服を脱いだ後、今度はレベッカの服を…
ファ「見るなよ!絶対に見るなよ!」
メイファに(以下略)

…妖女着替え中…

リリ「別に私達は女の子同士なんだし、そんなに慌てること無いのにね。
 これじゃメイリンを手伝えないじゃない。メイリーン、一人で大丈夫?」
リリアーナは手元の棒メイリンが書かれたメモを見た。
そこには、\はいてないだとっ!?/という文字が躍っている。
リリ「履いてないって何だろ?・・・・・・あれ、ギズモどうかしたの?」
ギズモは赤面をしていた
ギ「ぼ、僕は何も見てないよ!本当だよ!!」
どうやらギズモも”パンツ履いてない”という驚愕の事実に気がついたらしい
ギ「東方の人は着物の下に履かないって本当だったんだ・・・・・」
何かを勘違いしたらしいギズモ
だが確かメイリンは履いていたはず
はて?と首を傾げるギズモであった

レヘ「よし、一丁あがりだな。」
メイリンはレベッカの服を着て、レベッカの遺体にはメイリンの服をとりあえず着せた。
途中、\はいてないだとっ!?/とメイリンが爆発しそうになったが、
下着だけはもともと着ていたものを使うという折衷案でなんとか落ち着いた。
レヘ「どーよ?」
レベッカは皆に聞いた。メイリンは相変わらず口パクをしているので、
本当にメイリンが言っているみたいである。
ミル「どーよって言われても…なかなか似合ってる?としか言いようが…」
レヘ「わかんねーか?ほらメイリン、目を閉じてみろ。ほらほら、俺っぽいだろ?
 むしろ俺よりも利口そうじゃねーか(笑)」
メイリンが目を閉じると、たしかに普段から糸目のレベッカに似ている気がしないでも無い。
レヘ「俺がもとの体に戻る方法が見つかるまでよぉ、この状態で授業に出るってのはどうだ?」
ミル「あ。なるほど、そういう事ね」

リリ「確かに誤魔化せるとは思うけど、メイリン自身の意志はどうなるの?
 学園にいる間は魔法使いに囲まれて、メイリンじゃなくレベッカって呼ばれつづけるのよ?
 もしどうしてもそれを実行する気なら、レベッカさんは病気療養中にして、メイリンを新たに入学させるべきよ」
レヘ「あー、それもそうだな。よし、ちょっと棒メイリン出してみろ。メイリンの気持ちを見てみよーぜ。」
レベッカの言葉を受けて、リリアーナはポケットをごそごそ探った。
マオ「どうかな……正直バカバカしいと思うし…えーっと。
 あれだ……それなりにじちゅりょくのある生徒や教師だったら
 槍が喋っているのを看破されちゃうんじゃないの?
 そうなっても僕は知らないよぉ……」
レヘ「おめー顔が赤ーぞ。大丈夫かおい?」
マオは自分の変調に気づき、ドリンクの瓶を手にとって確認した。
回し見るとそこにはアルコールの文字が書かれている……小量でもアルコールはアルコール……
マオ「ミルク、これアルコール…入ってる。僕そういうのダメだよぉ……」
ミル「えぇっ!?あんたもアルコールダメな人だったの!?」
犯人はアルコールでした。
マオはかなり弱いようだ。

酔っ払いマオが手下Aであるヴァンエレンにおいでおいでと手招いている。
様子のおかしいご主人を不審に思うも、のそのそと近寄っていく。
呼ばれるままに隣に座ると、マオはそのままヴァンエレンの肩に寄りかかり目を閉じる。
マオ「うー…ダメだ、眠いよぉ……とりあえず用があるか何かあったら起こしてねヴァン…」
ヴ「う…うん、おやすみ」
気持ちよさそうに寝てしまったマオにどうしたものかと困った表情をする。
ヴ「こ、これは恥ずかしいものだな…」
皆がこちらを見ている中でのこの状況は結構きついものがあり、恥ずかしさで顔を真っ赤にさせて「あわわ」と泡を食った。

レヘ「くそー、人が槍になった途端イチャイチャパラダイスかよ(笑)」
ヴ「からかわないでおくれ…」
もうヴァンエレンのライフはゼロです。
いじめないでください。
ヴ「うーむ、しかしこの体勢だと色々疲れるな」
ならばとマオを起こさないようにゆっくり太ももまで持っていって枕にして寝かせる。
これぞ必勝の策!
膝まくらである。

イチャイチャパラダイスをよそに、リリアーナは尚も続けた。
リリ「もっと言うなら、私はレベッカさんの代理はメイファにさせるべきだと思うわ。
 もう自分でしたことの責任は、自分で十分責任が取れる年齢だもの
 周りが全部尻拭いして、自分には何もさせてもらえないのも結構つらいものよ」
レヘ「ああ?」
リリアーナはそう言ってメイファの方を見た。
リリ「もっとも、メイファにその覚悟があるかどうかが問題だけど」
それを聞いたメイファはムキーッとなった。 
ファ「できるわ!当たり前じゃない!」
レヘ「やめろ、メイファを変に挑発するな。こいつにまともに俺の代理ができるわけねーじゃねーか。
 鶏小屋の中にマングースを放り込むようなもんだぜ。」
リン\妹様を一人で魔法学校に残すとかありえんw/
ミル「それはマズいよリリアーナ…もしバレたら証人は消すとか言い出しそうで怖いし…」
レオ「学園側は許しても父兄の説得は難航するだろうな。
  仮に許されたとしても、メイファはもちろん家族であるレベッカの風当たりも相当なものだ。
  レベッカはともかく、今の彼女にはとても無理だろうな」
リリ「そういうのもちゃんと自制するって意味で言ったんだけどな~。やっぱり無理か~」
リリアーナはさらっと失礼なことを言いつつ、頭をかいた。

レヘ「ここはやっぱりメイリンだろ。メイファにはまた別の事で埋め合わせを…」
リン\あたいは嫌だよっ!/
レヘ「うえ、うぇっ!?」
リン\あたいは魔法が嫌いっ!魔法の学校には行きたくないっ!/
レヘ「えー、まじかよ。」
ファ「テン姉ちゃん、魔法なんて勉強しなくてもいいじゃない。一緒に中つ国に帰って、家族一緒に暮らそうよ!ねっ?」
レヘ「だが断る。」
ファ「えーっ!どうして~!?」
レヘ「………魔法は俺の憧れなんだよ。」
リン\せめて体がもとに戻るまで待ったら?/
レヘ「嫌だ。俺はどうしてもすぐに魔法を学びてーんだよ。」
レベッカは少し大きな声で言った。その声を聞いて、大妖怪が目を覚ました。
レン「なにごとなの?」
起きたメイレンを、レベッカとメイリンとメイファはじっと見た。そして口々に言った。
レヘ「論外だな。」
ファ「さすがに無理があるわね。」
リン\戦力外ktkr/
レン「えっ!?ちょっ、ヒドイわ~(悲)」
メイレンは涙目になった。
リリ「あ、気づかれました?メイレン様少し何かお召し上がりになりませんか?お気持ちが落ち着きますよ」
マオとヴァンエレンの仲睦まじい様子を羨ましそうに眺めつつ、リリアーナは大妖怪にドリンクを勧めた。
ギ「水銀、コバルト、カドミウム・・・汚れちまった海 汚れちまった空な科学よりましだと思うんだけどな
 少なくとも科学と違って空を飛んでも空気は汚れないし・・・・」
どうやらギズモは科学が嫌いな様である
ギ「それにメイリンさんが学校に通えばこれからも会えるんだけど・・・・残念」
いつの間にやら魔法薬による魔力補給により”これが僕の美少年フェイスだ!”に戻っているギズモ

ミル「そんなにレベッカが魔法に憧れてるんなら、無理に身代わりなんか立てなくていいんじゃないの?
 留学生のレベッカは不幸な事故で死亡したけど、かろうじて意識だけは槍に移っていた。
 彼女は元の体に戻る方法を探すため、引き続き学園に残って魔法を勉強する事にした。
 これでいいじゃない。なんかレベッカが悲劇のヒロインっぽいから同情も誘えるし、嘘もついてないし。
 槍だから移動しにくいって言うなら、あたしが持ち運びしてあげても良いわよ?
 今契約してくれたら友達価格で保管料を3割引にしておくから」
ギ「友達なのにお金取るの?」
レヘ「金とるのかよ(笑)」 
ミルクの提案にレベッカが吹いた。
ミル「とーぜん。あたしはお金が貰えて、レベッカは魔法を勉強できる。
 みんなが幸せになれる選択肢でしょこれ」
レヘ「ざっけんな。俺がこんなになったのは誰のせーだよ?あ?」
リリ「ミルクまさか本気でお金取る気?だったら私が代わりに・・・・・・・あっ!」
リリアーナは思わず後退りすると、えらく慌てた様子でぶんぶん首を横に振った。
リリ「で、でもさ~」
リリアーナはガクブルしながらもミルクへと耳打ちする。
アイ「そういえば、人形部の作品でヤバいくらいリアルな人形が置いてたっけ?
 アレが使えたらどうにかなる気がするんだけど…」
アイシャがそう提案したが、レベッカはすぐに却下した。
レヘ「その人形が都合よく俺に似てんのか?もう一度言うが死霊科絡みはゴメンだぜ。」

リリ「わ、私思うんだけど、ミルクがお金とるって知ったらクロウさんが黙ってないと思うよ~。
 表面上冷静に振舞ってたけど、レベッカさんがこんなことになったの相当堪えてたみたいだし」
ミル「………。や、やだなー冗談だよ冗談!
 レベッカがどれくらい本気で魔法を勉強したいか確認しただけだって!
 あは あはは あはははははは!」
しまったーっ!!そういや当事者のクロウは生徒会役員だよ!
変に恨まれたら後々余計大変な事になる!
あああああ、せっかくの金蔓捕まえるチャンスがぁぁぁぁ!!

内緒話を終えたリリアーナは、今度は普通に話した。
リリ「まあ、確かに影武者を立てるよりはずっといいかも。
 だってレベッカさんの軽口ってあまり冗談っぽく聞こえないんだもん。
 口説かれたと誤解されて、代理の人が生徒に言い寄られちゃったりなんかしたら大変よ。いろんな意味で」
影武者を立てるよりは確かにいいかもしれないし、
実はミルク曰くの“悲劇のヒロインっぽい”というのも悪く無い気はする。
しかし金がなぁ…

リリ「ところで中つ国への説明はどうするの?
 英雄の死、しかも魔法学園でと公表なんかされたら大問題になると思うんだけど。
 さっき何か良い手があるって言って無かったっけ?」
アイ「事故だって言っても食ってかかりそうな気がするしね
 だからこそ、真実が真実である意味を無くしたいんだよね 」
 仮にここに怒鳴り込んで他の生徒に危害加えられたらたまったもんじゃないっすよ
 確かあのかき氷女って大企業のご令嬢でしょ?ウチの学校って地味にそういうのが多いじゃん?
 下手に下手して親バカ戦争勃発したら洒落にもならないし」

アイシャの話を聞き、ギズモは想像した
フリージアの父であるザンギュラ・ノクターンが乗り込んできて学園長にスーパーウリアッ上をかますのを
ギ「人間って何だっけ?」 というギズモの呟きに
リリ「それも一つの愛の形なんだけどね」とリリアーナはギズモに返した。
リリ「もしもメイリンさんがギズモを中つ国にお持ち帰りしちゃったら、『お母さん』はどうするかな?」
ギ「年に一度は帰ってくるのよ・・・・だけで終わりそうだと思うよ」
使い魔らしくない答えを返すギズモ
ギ「それにいざとなったらカードで召喚されるだろうし」
たとえどんなに離れていようとたとえそれが異世界であろうと
カード一枚で召喚されてしまう
使い魔とはそういう商売である

リリ「それにしてもアイシャの言ったリアル人形って、レベッカさんが言ったような意味じゃないんだろうけどな~。
 ねえアイシャ?」
アイシャは、人形部にレベッカそっくりの人形を作ってもらうつもりだったのかもしれない。
だが死霊科に関わる事自体が嫌なのだから、これ以上この話をすることは無駄である。

リリ「ヴァンエレン、これマオマオに掛けてあげて」
リリアーナは戸棚から毛布を引っ張り出すと、ヴァンエレンに渡した。
リリ「かあいい寝顔だね~。っていうかマオマオもお酒弱かったんだね~。意外!」
そう言いながら、マオマオの頬をつんつんした。

アイ「(略)下手に下手して親バカ戦争勃発したら洒落にもならないし」
レヘ「そこでうちの高性能ババァの出番だよ。」
リリ「バ・・・・・・」
レン「ほめるかけなすかどっちかにしなさいよ(微怒)」
アイ「人間のことだけでもここまで揉める可能性があるんだ
 きっと人間以外の世間でも揉める可能性は充分ある以上
 ここで最善の案が出ないなら学園長に任せるべきだと思うけど…やっぱりもっと早い段階でそうするべきだった?レオ先生」
ギ「そうだねv学園長先生に頼んで何とかしてもらおうよ」
ミル「それがこの場の最善案な気がするね。
 学園長が帰ってきたら、事情を説明して何とかしてもらおう」
レオ「その肝心の学園長は、一体いつお戻りなのだろうな」
レオはそう呟くと、大きなため息をついた。
レヘ「あっ、そりゃ問題だぞ。」
レベッカは何か思い出したように言った。メイレンが後を引き継いだ。
レン「困ったわね~。人間は私の能力で何とかできるかもしれないけど、
  純粋な妖怪には私の能力が通じないのよ~。」
リン\それでも大妖怪かよっ!/
レヘ「役にたたねーなー。」
ファ「歳には勝てないものなのね。」
レン「えっ!?ちょっ、ヒドイわ~(悲)」
メイレンは涙目になった。
母親への容赦のなさに定評のある3姉妹は、相変わらずの団結ぶりである。
でも。メイファは歳って言ってたよな。
なら、若い時なら妖怪相手でも余裕でしたって事?
若返り若返り、はて、前にユリがそんな事を言ってたような。
レン「ところで、学園長って…確か私に会いに行くとか言ってなかった?」
メイレンは屋上でのやりとりを思い出した。
レン「だったら、私が迎えに行ってあげないとややこしいことになりそうね~。」
ミル「ややこしい事…ですか。
 じゃあメイレンさんにはご迷惑をかけますけど、一度学園長達を迎えに行ってもらった方が良さそうですね…」
リリ「スカーフェイスさんがついていったけど、それだけじゃやっぱり色々まずいんですね」
まあ中つ国の歴史を考えれば、それも分からないでもないが。

ミル「ところでメイレンさん、ムウ大陸とかいう怪しい場所を友達が探してるんですけど。
 なんでもそこには【若返りの薬】なんて呼ばれてた物があったらしいんですよ。
 胡散臭い話だけど、ダメで元々、メイレンさんも時間があったら探してみませんか?」
リリ「ミルク凄い!冴えてる~!!」
ミル「まー、見つかる見つからない以前に、あるかないかレベルの話なんだけどね…」
レン「あら、いいわね~♪」
学園長を迎えに行かないといけないのにこれである。
レヘ「何考えてんだ、さっさと学園長を迎えにいけよ。」
リン\たまには働けっ!/
ファ「…痴呆症(ボソッ)」
妖怪3姉妹から痛烈なツッコミが入り、またしてもメイレンは涙目である。
レン「なによ~!私だって少しくらい夢を見てもいいじゃない(悲)」

レオは沈黙を守っているが、内心はどうかはその顔からは窺い知れない。
ミルクが言った事はつまり、第二次文化革命を起こした大妖怪が全盛期の力を取り戻すということに他ならないからだ。

リリ「だけどだんだん、『卵が先か鶏が先か』って話になってきちゃったね~」
ミル「何が?」
娘達にツッコミを入れられて涙目な大妖怪を微笑ましく見守っていると、リリアーナがなにやら悩み出した。
リリ「もう何から考えていいのか分からないよ~。
 レベッカさんが魔法学園に留学したことが表立ってばれても大問題、
 メイファが魔法学園で暴れたことがばれても大問題、
 亡くなったことを知られても大問題、
 亡くなった原因がメイファとクロウさんにあると知られても大問題。
 あーもう、これじゃ大問題のバーゲンセールじゃないのよ!!」
ミル「ん……まあねえ。大問題が絡み合って、余計事態がややこしくなってるし…
 これだけ問題が積み重なると、ちょっとしたから芋づる式に全部バレる恐れが…」
こうなったら、メイレンさんに歴史なり記憶なり食べてもらって、無かったことにしてもらうしか…
でもそれにはメイレンさん若返りが必要条件なわけで、こりゃ茨の道だぞ…
リリ「・・・・・・なんだかよくよく考えたら、ここまで大事になったらもう絶対公表なんか出来ない気がしてきた。
 だったらいっそ、学園関係者だけじゃなく妖怪のお偉いさん方も巻き込んで一緒に頭を抱えてもらうべき・・・・・痛っ!!」
レオ「子供が生意気な口をきくんじゃない」
リリアーナは涙目で、レオの拳骨を食らった頭を撫でた。

レオ「とりあえずメイレン殿には申し訳ないが、学園長を迎えに行っていただければ幸いです。
  また、レベッカ嬢が亡くなられた事に対してどう対応なされるかもお聞かせくださるとありがたい。
  このようなことになって、皆様方のご心痛察するに余りあります。
  が、学園関係者として状況を知った以上は『何も知らない』では済ませられないのです」
・・・・・・・レオの懐からピーピーとアラーム音がなっている。
おそらく医務室のアストーラ先生から、いい加減戻ってくるよう連絡が入っているのだろう。
レン「そうね~。まず第一に、政府の人に情報が入らないようにするわ。
  次にテンちゃんの体だけど、妖怪の医者を探すことにするわ。
  3番目としては、私の本能を満たすためにこの事件の関係者を食べる事にするわ。」
リリアーナは、頭に手をあてたままの間抜けな姿で固まっている。
ミル「は?」
最後のメイレンの言葉を聞いて、メイファがにやりとした。レベッカが怒った。 
レヘ「ざっけんな。お前も事情はわかってんだろ?こいつらだって好き好んで俺を殺したわけじゃねーだろ。
 その事情を知った上で復讐に走るつもりかよ。人畜無害そうな顔してるくせに、はねっかえりやがって。」
メイレンは案外軽い問題を話すようにレベッカに答えた。
レン「テンちゃん、あなたはまだ子供がいないからわからないのよ。
  妖怪の母親は、子供が危害を加えられた時、その原因を排除するようにつくられてるの。
  私だって事情はわかるし、理解しているわ。でも、本能はいずれ満たさないと私が壊れるの。」
レヘ「うぜーな。」
だがしかしある意味レベッカを殺したのはメイファである
なぜなら操られなければレベッカの体が死ぬ事はなかったであろうからである
つまりメイレンはメイファを食べなければいけない事になるのではないかと
ギ「母が子を食べるなんて・・・・・」

アイ「うっわぁ…ウチのママと同じ様なことをいってる」
唐突にトンでもないことを話始めるメイレンに対し、他の生徒のように驚くことなく
アイシャは冷静にそう呟いた。
レオ「まったくお話になりませんな」
一方のレオもまた、特に驚いた様子も無かった。
アイ「文字通りのモンスターペアレンツ(笑)」
誰が上手いことを言えと…

ちなみに、アイシャの母の場合はアイシャの父を愛しすぎたあまりに…
と綺麗にみえて、トンでもない理由で人を食べている。
そのとき、カミングアウトした時、本人はまるで隠してあったプリンを食べたように「食べちゃった♪」と一言
ちなみに、霊魂になった父は幸せそうにこの世と魔界いったりきたりして死後を堪能している。

レン「さあ、おいでメイファ。リンちゃんもいっしょにね。」
メイレンはメイファを呼び寄せた。メイリンは何か悩むようにメイレンとギズモを交互に見た。
すると、メイリンはギズモに駆け寄り、彼の頬にキスをした。そして一言…
リン「チャオ」
ギ「わが世の春が来た!!」
なんだかよくわからないがキスをされて有頂天になっているギズモ
妖「「「!!?」」」
レベッカとメイレンとメイファがいっせいにびっくりした。
レヘ「なっ!?どうなってんだ!?」
ファ「今リン姉ちゃんしゃべったよね!?」
レン「うそ~ん!?」
メイリンは真っ赤になってドアを乱暴に蹴飛ばし、ラブスポットから外に出た。
その後をメイレンとメイファが追いかける。
メイリンが落ち着いたら、彼女はゲートをつくってメイレンとメイファを中つ国に送るだろう。
ラブスポットには、槍すぎるレベッカと彼女の遺体が残された。
リン\熱っ!無理無理無理!溶けるから!/
いや、棒メイリンも残されていた。しかし、メイリンが中つ国に帰ったら消えてしまうだろう。

一方のレオは、メイレンの後を追って飛び出していったまでは良かったのだが
A「レオ先生、探しましたよ!」
B「急患です、大至急医務室へ戻ってください!」
レオ「ちょ、ちょっと待てお前達ー!!」
医療班らしき生徒に両手両脇を抱えられ、レオはどこかに運ばれていってしまった。

(230で〆)

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