レヘ「たぶんメイレンはまた戻ってくるだろな。あの目はぜってー若返りの薬をあきらめちゃいねー。」
ギ「多分お母さんを食べたら・・・・・心臓が凍り付いてそのまま死んじゃうと思うんだ」
氷の魔法使いによくある病気であるザラキ病・・・・精霊力の異状により心臓が凍り付き命を落とすという魔法世界特有の病気である
フリージアは特効薬であるブルーサラマンダーの鱗により命を取り留めたが母も祖母もそれで命を亡くした
そしてその病の因子はまだフリージアの中に眠っている
嵐のようにメイリン達は出て行って、後には開けっ放しのドアが残された。
贅沢は言わないからせめてドアぐらい閉めていってくれ。
情報がだだ漏れしたら面倒なんだから。
のろのろドアを閉めに行って、誰かが中をのぞき込んでいることに気づいた。
げっ!早速やばいことに……!と思ったら。幸い2人とも見知った顔でしたよ。
こうなったらクリスもケオスも巻き込んで一蓮托生だ。どうにでもなれーい。
ミル「ああ!2人ともちょうど良い所に!
さささ、入って入bって、人目に付くとまずいから」
ケオ「うん、分かった。じゃ、お邪魔するよ」
ミルクはちょいちょいと2人を手招きしてラヴスポットに入れ、急いでドアを閉める。
レヘ「おいおい、また変な外野を引き込むなよ…って、なんだ。お前はさっき会ったな。」
レベッカは、ミルクに招き入れられたケオスに対してそう言った。
ケオ「その声はレベッカかな?何処にいるの?」
レヘ「あれ?お前も前に会った事なかったか?洋館とかで。」
とりあえずクリスとしては、誰がしゃべっているのか分からないから返答のしようがない。
レベッカはクリスにそう尋ねたが、二人は初対面なので気のせいである。
ヴ「こんにちわ」
入ってきたクリスとケオスの二人に挨拶をする。
いまの姿は女性なのでこの者が
ヴァンエレンだとわかってはいないと思うが…。
ヴ「さて、御大将。
いっぱい大変なので起きてください」
メイレンは本能に従って宣言通り我々を食うということがわかったので、そろそろマオを起こしたほうがいいと思い、ゆさぶって目覚めるのを待つ。
マオ「うぅ~やめて……」
ヴァンエレンに揺さぶられてマオは嫌そうに体をもぞもぞと動かしたあと、
ゆっくりと眼を覚まして頭を上げる。途中で起こされたせいか相当眠そうにしている。
マオ「うにゅ……頭が痛い……」
最初に目についたのは自分にかかっている毛布と、
自分の頭を乗せているヴァンエレンの膝……膝!?
驚いてガバッと起き上がり少しヴァンエレンと距離を取る。
落ち着け、何意識しているんだ。頬が火照っているのを感じ、自分の中でそう言い聞かせる。
マオ「えっと……その…急に寝ちゃったりしてごめん」
ヴ「ははは。
おかまいなく」
クリ「…いったい何があったんだ?」
ミル「もの凄く簡単に状況を説明すると、中つ国から来た密航者に操られたレベッカと戦闘になりました。
途中不幸な事故でレベッカが死亡しましたが、なんとか魂だか意識だかを槍に移植するのに成功。
ただし代償として、クロウとフリージアが絶賛気絶中です。
密航者は中つ国に強制送還されましたが、レベッカの母親が娘を殺された復習を計画中。
以上説明終わり。」
ケオ「なるほどね、そんな事態になってたんだ…」
ミル「これより詳しい説明は有料サービスになります」
レヘ「そうだぞ。これ以上詳しい事が聞きたいなら脱ぐもんを脱いでもらわねーとな。」
たぶんミルクが言った有料サービスとは、そんな事ではないと思う。
ケオ「脱がないと詳しく聞けないの?参ったね……ちょっとだけだよ。」
リリ「何で脱ぐの?っていうかケオスさんにクリスさん、いつの間にラヴスポットに!!」
ずっと呆けていた
リリアーナだったが、ここに来てようやく我にかえったようだ。
ケオ「ついさっきかな。随分と思考停止してたみたいだけど」
その頃のフリージア。
フリ「アケローン河の渡し賃が値上げですって!?本当ですのお母様?・・・・・はっ!?」
やっとこさ気絶から回復するフリージア
母親に会ったということは・・・もしかして死に掛けたのか?
我ながら適当ぶっちぎりな説明だが、さきにレベッカに問い合わせたい事があるから仕方がない。
ミルクはレベッカの槍を手に取り、レベッカに話しかけた。
【Take 4】
ミル「レベッカ…念のため聞きたいんだけど、中つ国では『食べる』って違う意味でも使ってるのよね…?
まさかまさかメイレンさんが本気であたしたちを頭から食べるつもり、なんて事はないわよね…?
身体だけじゃなくて槍の中にも入れなくなるかもしれないから、よーく考えて答えなさいよ……!」
無理やり浮かべた笑顔がひきつってるのは自覚できたけど、それを抑えられるはずもなく。
あたしはレベッカの槍を握る力をギリギリと強めていった。
リリ「わー!ミルクダメ落ち着いて、レベッカさんが折れちゃう~!!」
リリアーナは何とかミルクが槍を破壊しないよう手を伸ばした。
クリ「ミルク、何をする気だ。」
リリアーナが止めに入ったからいいけど、こういう武器は向こうの技術を知る上でとても貴重なものなんだぞ。
そうでなくとも簡単に壊していいものなど何一つない。
レヘ「まあ、落ち着けミルク。本気でメイレンがお前らを食うつもりなら、
あえてそれをお前らに言ったりしねーよ。そうだろ?」
レベッカは3回ミルクに折られそうになったが、やっと今回はミルクに折られないルートに入ったようだ。
ミル「誰のせいで落ち着けないと思ってるんだ誰のせいで。
…それに、それじゃあなんであんな事言ったのよ?
何も考えずに思ったことを口にしただけじゃないの?」
どうやら4回目にして、ようやくレベッカはまともな事を話す気になったようで。
3回もネタ雑談を混ぜ込むとは、あたしもずいぶんなめられたもんだ。
レヘ「ああ言っておけば、メイファがお前らを襲うこともないだろ。
何しろほっといてもメイレンがお前らを食べる予定なんだからな。
それにメイファが中つ国に帰っても、メイファがこの事を言いふらしたら、
やっぱり他の妖怪もお前らを襲うことも無いだろ。妖怪からもメイレンは一目おかれているから、
わざわざ獲物を横取りするような危険を冒すわけがねぇ。」
リリ「ははははは・・・・・・」
メイレンが人間を食べるのはガチだが、この場でそれを口にするのは火に油を注ぐ結果になりそうだ。
リリ「ミルク、頭が冷えるまでの間、私が槍を預かっておこうか~?」
ミル『ん。お願い。このままだとマジで槍をへし折りそうだ…』
アイ「あんたさぁ?ワザとやってんの?」
たまたまそこに居たクリスとケオスを部屋に連れ込み、一連の事情を(危ない所をカットして)説明したまでは良かった
のにも、関わらず、ミルクの言う「有料サービス」の内容に深く関わっているワードを二人の目の前でだす失態ぶりに
アイシャはいささか腹を立てた素振りを見せる。
アイ「有料サービスなんてただの小金稼ぎの詐欺紛いだって、話はこれで終わり
食べる食べないってのは…所謂、性的な意味でって奴…それでも…
この詐欺師のいうことを知りたいんなら…しばらくは『変態』扱いされてもいいってことだよね」
と2人がこのことについて知りすぎないよう、釘を刺す。
それでも2人が知りたいというのならば…ありとあらゆる手段を用いて明日から『変態』のレッテルを貼り付けるつもりである
とアイシャの考えが表情から滲み出てたりする。
リリアーナはアイシャの肩をトントンと叩くと、遠慮がちに切り出した。
リリ「アイシャは優しいね、でも、私思うんだ。
二人がレベッカさんの遺体があるこの部屋を除いてしまった時点で、とっくに手遅れだって事が・・・・・」
リリアーナはクリスとケオスの方を見て、申し訳無さそうな顔になった。
クリスとしては、自分には全く関係なさそうだから別にどうでもいいんだが…
それよりもアイシャは仕事をサボってこんな所にいたのか。
今年の学園祭は魔工科と死霊科が合同でお化け屋敷をやっているだが、営業中にアイシャを一回も見なかった。
どのみち今はトラブルが起きたおかげで休止状態なんだけどな。
ケオ「うん、そう言う事。でも、気遣いありがとう。
えっと、ハイシャ……だったかな…ゲイシャ…?とにかくありがとう」
ケオスの特技、[名前を一文字間違える]と[有料スマイル]を発動させつつアイシャにお礼を述べる
リリ「まあ二人ともこっちに来てお茶でも飲もうよ。アイシャ、二人にケーキあげてもいいよね? 」
ケオ「ああ、ありがとう。ご馳走になろうかな。」
腰を落ち着けるケオス
その時、バスルームの方から何か水音がしたようだ。
リリ「あれ?フリージア気が付いたのかな?ギズモ、バスローブはそこの引出しね」
ギ「は~いv」
と元気よく返事をしてバスローブを持っていくギズモ
フリ「あら?ギズモちゃんごきげんよう」
寝ぼけているのかなぜか挨拶をするフリージア
何の感慨もなく主人に服を着せるギズモ
かなり慣れた手付きである、いつもやっているのだろうか?
リリ「で、大体ミルクが言ったとおりなんだけど・・・・・レベッカさんの母親の言い分はね、レベッカさんの死を伏せておくこと、
レベッカさんの遺体を妖・・・祖国のお医者さんにみせること、
関係者に復讐するってこと、なんだけど・・・・・・その対象が、今回の事件に関わった関係者全員を消すことよ。
で、最悪なことに、彼女にはそれを実現するだけの実力があったりするわけなの」
ケオ「ふーん、なるほど……」
ケオスは紅茶にレモンを落としゆったりとかき混ぜながらリリアーナの話を聞いていた。
リリ「ごめんなさいごめんなさい!たまたま通りかかったばかりに二人をこんな面倒に巻き込んじゃって!!」
ケオ「そんなに思い詰める事はないよ、リリアーナ。
前に手紙で書かなかったかな?何かあったら呼んで欲しいって。」
必死に頭を下げるリリアーナに優しげな微笑みを見せながら答えるケオス。
ケオ「困っている友人を助けるのは友人として道理…だよ。」
ケオ「それにたまたまって訳じゃないしね。」
そう言うと一口紅茶を啜る
リリ「ケオスさーん・・・・・・」
リリアーナはじーんとしている。
ケオ「じゃあ、今回も僕は手伝わせて貰うよ。いいよね、リリアーナ?」
リリ「あ、ありがと~!!」
リリアーナはケオスの手を握り、握手とばかりにぶんぶんと上下に振った。
マンダがこの場にいなくて幸いだったかもしれない。
リリ「・・・・・・あ、でも確かケオスさん、今日はコンサートか何かに出演するんじゃなかったっけ?
今日のためにずっとメンバーの人と練習してきたの、私、知ってるわ。
だから、時間になったらちゃんとそっちに行かないとダメだからね。約束よ?」
レヘ「残念ながら、メイレンがお前らを食わねーと本能が満たされないのは本当らしい。
だが、メイレンも馬鹿じゃねぇ。お前らが次にメイレンが現れるまでに対策を立てる時間を、
メイレン自身がちゃーんとつくってる。それを活かすも殺すもおめーら次第だ。
俺は嫌だぜ?メイレンがフリージアを食って下痢するところを見るなんてよ。」
ギズモはメイレンが凍りつく様子を想像したようだが、レベッカはあまりフリージアに詳しくないので、
せいぜいそこまでしか想像することができなかった。
ミル「…頼むから最初からそう説明してくれ…心臓に悪い…」
本能なら仕方がないとはとても思えないけど、最大限の予防策としての発言なのはわかりました。
あたしも誰かが食べられるのを見るのはイヤだし、自分が食べられるのはもっとイヤだ。
しょーがない、メイレンさんに内臓から食べられないように、時間の有効活用法でも考えるか…
ところでレベッカは、いかにもメイレンが全てを見通した上であえて“食べる”発言をしたかのように説明したが、
当のレベッカは、メイレンは単に馬鹿だから何も考えずに頭に浮かんだ言葉を口にしただけなんじゃないかと思っていた。
アイ「じゃあ、それまでに若返りの薬でも探しておく?
もしかしたら、それなりの交渉材料にはなるんじゃないの」
先ほどのメイレンの様子から言っても、若返りの薬は有益な交渉材料になりえる。
上手くそれを使いこなすことが出来れば、これ以上誰かが血を流す必要も無く、この話の真の終わりが見えてくるというものだ
ギ「人間ならともかく何百年も生きてる存在が10年やそこら若返っても・・・・」
なんていう野暮な突っ込みは怖くてギズモは出来なかった
リリアーナは、うーんと考え込んだ。
リリ「メイレンさんの若さへの執着はすごいし、本能を凌げるかは分からないけど・・・。
交渉の材料としては悪くないと思う。
でも、若返りの薬って本当にあるのかな~?」
リリアーナはミルクの方を見てどう?と小首を傾げた。
それはあたしが聞きたいです。
ミル「ちょっと待って、今からユリに聞いてみるから」
こんな事までアイシャに詐欺師呼ばわりされちゃかなわん。
とりあえずユリと連絡を取って、最悪ユリの勘違いでしたな状況を作らねば。
ユリ「はーいもひもひ。どったの?」
急いで取り出した遠話の水晶球からは、ユリの声が聞こえてきた。
人が死にそうな目にあってるうちに、なにか食べてやがったな?
ミル「いや、実は訳あって、ムウ大陸の若返りの薬とやらの話が気になってさ。
…聞きたいんだけど、あの話って本当なの?」
ユリ「もちろんそうだよ!見つけたら世紀の大発見!高く売れること間違いなし!
もしかして、ミルクもムウ大陸発見に協力してくれるの!?」
ミル「まー、金儲けと言うか命がけと言うか…
とにかく、会ってムウ大陸と若返りの薬の詳しい話を聞きたいんだけど、今どこにいる?
人数ちょっと多いけど大丈夫な場所?」
ユリ「リリアーナの居た猫耳メイド喫茶だよ!それじゃ待ってるから!」
そこまで言ってから、ユリからの通信は途切れた。
猫耳メイド喫茶か…あまり遠くはないし、人も入れるな、好都合だ。
クリ(とにかく、今は関わる人を増やしたくないってことか…
にしちゃあ悪い所に隠れたもんだな。
膨大な魔力が使われれば普通に人が集まってくるだろ…
しかもそこに血だまりなんてあったらさらに巻き込む人を増やすようなもんだぞ… )
クリ(この場を動く必要もありそうだし、この馬鹿でも起こすか…
いつもみたいに殴ろうとすれば反応して起きるだろ… )
クリ「…あれ?」
いつもなら殴られる前に起きて防ぐのに、まったく反応しないだと!?
…この馬鹿はここに置いていくしかなさそうだな。
リリ「レベッカさんが元の身体に戻ったら、少しはメイレン様の怒りも収まるかもね。
若返りの薬があるくらいなんだから、そのムウ大陸にはレベッカさんを元に戻す方法もあるかもよ?
・・・・・・・ただ、中つ国のお医者さんに見せに行くとしたら、遺体は中つ国に帰ることになるのよね?
槍を学園に置いていくとしたら、本体と離れてしまった魂とかは大丈夫なのかな?」
レヘ「さあ?俺も死ぬのは初めてだからな。今度死んだことがある奴に聞いとくよ。」
案外、この死体をほっといたら別の妖怪として動き出したりするかもな、
とレベッカは思ったが口には出さなかった。
リリアーナはクリスの袖をつんつん引くとレベッカの槍を指差した。
馬鹿を起こすのをあきらめたら、今度はリリアーナがクリスの袖を引いてきた。
リリ「で、これがレベッカさんの槍なんだけど・・・・・クリスさん、これを見てどう思う?」
レヘ「ヤらないか?」
ヤれなかった。
クリ「…個人的な見解だが、こっちじゃあまり見ないタイプの槍だな。
けどかなりの業物だと思う。
年記もかなりありそうだな。」
ただ、意識が移っているから下手にいじれないな。
レヘ「えっ?そうだったのか?だったら早く売って金にすりゃよかったな。」
レベッカはそう言ったが、本心ではない。このようにレベッカは平気で嘘をつくので、
クリスも注意しておく必要があるだろう。
リリ「何言ってるの、大事なものなんでしょ?
それより折れた部分、ちゃんと治してあげられるかな?クリスさん、良かったら後で診てあげてね」
そこにバスローブ姿のままで戻ってくるフリージア
とりあえずまともな服を着て欲しい
リリ「わ~!!フリージアなんて格好!!皆見ちゃダメ~!!」
リリアーナはフリージアの前に立ちはだかると、艶やか水風呂上がり姿(?)を見せないようあたふたと手を振った。
フリ「あらごきげんようケオスさんにクリスさんって、いつの間に?」
リリ「いつの間に、じゃ無いわよ~!とにかく目のやり場に困るから、ちゃんと着替えて来て!」
高貴な御嬢様の中にはわりと無頓着な人が多いのだが、もしかしたらフリージアもその類かもしれない。
リリアーナはぐいぐいとフリージアの背を押すと、バスルームの脱衣所へフリージアを押し込んだ。
まあ脱衣所でも会話は十分に出来るだろうから、着替えながらでもフリージアにとって不都合は無いだろう。
フリ「私が気絶していた間一体何がありましたの?」
ミル「いや、実はね。フリージアが気絶してる間に…」
本当に氷水に浸けてるだけで気絶から回復したフリージアに、あたしは説明を入れた。
まあ、説明することはメイレンさんの言葉と、3人が帰ったこと。
それからクリスとケオスが来た状況と、取り引き材料を見つけにムウ大陸を探す事になったぐらいだけど。
フリ「若返りの薬ですって?・・・なるほど赤ん坊にまで若返らせて無力化してしまいますのね」
リリ「え、そうなの?!」
人間相手ならともかく何百年も生きている妖怪にそれをやるにはかな~りの量が必要だと思われる
ちなみにフリージアの知識においての若返りの薬とは赤ん坊の前の状態まで戻して消滅させてしまうという猛毒である
そして不老不死の薬とはそのまんま毒薬で死んでしまえば年もとらない死ぬ事もないというとんちのような存在である
ミル「いやいやいや、そんな鬼畜な事考えてないから! 」
ギ「それをやるには競泳用プール一杯分は要ると思うよ」
とギズモは小さな声で突っ込むのであった
クリ「それより、早くここから移動した方がいいぞ。
凄まじい魔力を感じて駆け付けてくるのがいそうだからな。」
レヘ「ああ、ちがいねーな。ブルースみたいな奴がこの学園にもいたら面倒だ。
早いところ、そうしようぜ?」
リリ「ブルースって誰だっけ?レベッカさんのお友達?」
ミル「ちょうど良いや。ムウ大陸について調べてるユリが、今薬学科の猫耳メイド喫茶にいるみたいなんだ。
ムウ大陸の専門家らしい来賓の人も一緒に居るだろうから、メイド喫茶に移動して話を聞いてみよう。
若返りの薬とか、レベッカが元の体に戻る方法とか知ってるかもしれないし」
若返りの薬なんて知りまセーンなんて言われた日には、別の対策法を考えないといけないしな。
善は急げだ。ケオスやクリス以外の生徒が集まってくる前に場所を変えよう。
リリ「あー。そういえば私全然喫茶店のお手伝いできなかったな~」
まあ、「エスコートの空いた時間だけで良いから」と皆からは言われていたのだが。
クリ「あと、人目につかないうちに着替えた方がいい。
血まみれの服を着てたら嫌でも目立つぞ。」
ミル「あたしは着替えが面倒だから、ケチャップか血糊ってことにして誤魔化すよ。
着替えるつもりの人は今のうちに着替えた方がいいかもね」
レヘ「俺達はラブスポットにいたんだ。初めてヤったから血が出た、って言えばいいんじゃねーか?」
リリアーナに持ってもらっているので、レベッカはミルクに折られる心配が無い。
レベッカは安心して変態ぶりを発揮することができそうだ。
マオ「そ、その……僕は良く分からないが、そういう行為をするとこのぐらい血が出るものなのか?」
リリ「ちょ、マオマオったら何言い出すのよ~!!」
ミル「レベッカ…長生きがしたかったら発言には気をつけろよ…
リリアーナが槍を持ってても、槍をぶっ壊す方法はいくらでもあるんだからな…」
ヴ「ぼへ~」
その会話に耳を傾けながらも意味がわからないヴァンエレンはゴマ目猫口で疑問を浮かべた。
何かを紙に書いていたリリアーナは、皆に書いていたものを見せた。
リリ「じゃーん!これを持って移動すれば大丈夫じゃない?」
紙には『お化け屋敷絶賛稼動中』とかかれている
クリ「・・・」
確かに、案としては悪くない。
けれども…
リリ「・・・・・あれ?何か問題あるのかな?」
クリ「残念だが理由あって閉鎖中だ。」
中で客が魔法を使って暴れなければ営業していたんだけどな…
仮にそうだったら俺はここにいないが…
リリ「えー、じゃあどうしよう?やっぱり目立つかな?」
血でべっとり汚れたメイド服を見下ろし、リリアーナは困ってしまった。
クリ(まったく、道具の中に何か使えそうなものは、と。
・・・これは使えそうだな。 ただ、人数分あるか?)
ミル「ともかく、これ以上人がこないうちにラヴスポットを出よう。
ヴァンエレンは、起きないようだったらマオを運んであげられる?
クロウは魔力使いすぎで起きれないみたいだけど、クリスは起こし方知ってる?」
っと、道具袋(ウェストバック)の中を探していたらミルクにクロウの起こし方を聞かれた。
クロ「俺の知っている限りで一番有効そうなのを試したが駄目だった。」
マオ「う…起きたが……なんか頭が痛い上に気持ち悪い……ヴァンエレン。
悪いけど運んでくれ……できればなるべく揺らさず優しくな」
ヴ「あいさー。
ご主人」
だが、外に行くのはいいとしてどうしよう。さっきやられた時の血が
凝固してこのジャージのいたるところにこびりついてしまっている。
レヘ「あ、そうだリー。俺のスペルカードを持って行け。
たぶんこの状態でもスペルカードは使えるから、何かの役に立つだろうよ。」
リリ「うん、分かった。でも、この煙草も私が持っていくわ。
吸えなくても手元にあると落ち着くって、前にヘビースモーカーの先生がそう言ってたんだ~」
リリアーナは、自分のポケットにスペルカードと煙草を入れた。
実は呪符の中には対象を素っ裸にする効果があるものも混じっているが、
それを知らない方がたぶんリリアーナの精神衛生上よろしいだろう。
レヘ「あ…でも俺の体はどうするよ?こんなの持ち運んだら目立ちすぎるぜ?」
マオ「等身大腹話術の人形って言い張る。うん………ごめん」
自分でもおかしいことを言っているのに気がついて謝る。
ダメだ、今度は頭が痛いし気持ち悪いせいか思考力が低下している。
レヘ「…え?」
マオ「じゃあマネキンと言い張………ごめん」
レヘ「本当に大丈夫なのか、お前?」
ヴ「死せるレベッカ生きる仲達をはs…。
いや、なんでもない」
ミル「……マオ、あまり無理しない方がいいよ。
疲れてるならもうちょっと寝た方が…」
だがリリアーナは、マオの発言を聞いてキュピーン!と目を輝かせた。
リリ「それだわ!マオマオったら冴えてる~!!・・・あ、ご、ごめん」
思わず大声を出してしまったリリアーナは、小声でごにょごにょ謝った。
おだてられてその気になり鼻高々しく、マオはフフンッと威張り散らす。
マオ「やっぱり気分が悪かろうと僕は凄いエリートということだ」
ミル「いやそれは良いんだけど…冴えてるってどこが?」
ヴ「え?採用っすか??!」
マオ「何を言っている。僕はいつだって冴えているさ……うぷっ!」
そこまで言ったものの気持ち悪くなって手で口を抑える……
少しばかしはしゃぎ過ぎたようだ…危ない危ない、ヴァンエレンの頭にもどしてしまうかと思った。
その後も気持ち悪くてヴァンエレンに揺られながらグロッキー状態で喫茶店まで動き続けることになる。
レヘ「あー、俺はこんな奴らに命運握られてるのかよ。嬉しくて涙が出そうだぜ。」
レベッカはあきれたように言った。
リリ「フリージア、せっかく棺桶作ってもらったのに悪いんだけど・・・・・・・。
フリージングドールを一体作るだけの魔力は戻ってるかな?」
フリ「フリージング・ディストラクションは無理だけどそれぐらいなら余裕ですわ」
とフリージアさんはフリージングドール作りに入った。
ミル「あ、そっか、フリージングドールの中に隠す気なのね。
それは思いつかなかったな。おバカなのはあたしか」
リリ「クロウさんはどうしようか?相当無茶させたから起こすのもちょっと可哀想だし。
死体さえ無ければ、クロウさんがここに寝てても大丈夫だよね?」
ここは血糊で汚れてないし、ラヴスポットの入り方を知っている来賓ではそうそういないだろう。
クロ「…俺としてはこいつがどんな無茶をしたのか知りたいが、
起きないものはここに置いていくより仕方ない。」
第一魔力の回復速度が異常に速いんだ。
それでこれほどの魔力不足を起こす所を見てみたいよ・・・
ミル「レベッカが危なかったんで、レオ先生を呼び出すために、保健室までの道を造ってくれたんだよ。
腕輪も使ってかなり無理してたみたいだったから、限界をこえちゃったかな…
でも寝かせておくとすると、死体が無くても誰か入ってきたらマズくない?」
リリ「何ならドアノブにこれ貼っておこうか?」
リリアーナは「絶賛使用中。邪魔しないでください」と書いた紙をひらひらさせた。
クロ「そんなもの貼るんだったら俺がドアに細工をしておくぞ。」
ミル「その文面だと、アルナワーズやユリみたいな野次馬ホイホイになりかねないしね…」
クリスが細工していくのが確実かな…」
リリ「そうね、その方がきっと確実よね。起こされても可哀想だし」
正直ただの紙切れより、クリス施すの細工の方が余程心強い。
(数分後)
フリ「まあ私に掛かればこんなものですわ!」
リリ「あっ、出来た?」
目の前にはフリージングドールが一体出来上がっていた
レベッカの遺体を隠さなければいけないため当然中身は空洞である
フリ「こことここを抑えてこう押すと開きますわよ」
ぱかっと真っ二つに開くフリージングドール
手の込んだギミックである
ギ「でもちょっとリアル過ぎない?」
フリ「すごーい。で、ここにレベッカさんが入るのね?
でもここまで精巧なつくりだったら、フリージングドールにレベッカさんの槍持たせてもいいくらいよね~。
・・・・・・って、フリージア?!」
リテイクv
フリ「作り直しましたわよ」
今度はSD体系なので、誰も本物だとは思わないだろう
フリ「やっぱりこことここを抑えてこう押すと開きますわよ」
ぱかっと真っ二つに開くフリージングドール
ギミック自体は前と同じようだ
フリ「後は棺桶ごと詰めるだけですわね」
リリ「ええっ、棺桶ごとなの?!」
さすがにその発想は無かったリリアーナはあんぐりした。
ほどなくして(紆余曲折はあったが)フリージアが作った人形にレベッカの死体が収まった。
レヘ「あー、わりといーんじゃねーか?」
とりあえずこれで死体が外から見えることは無いだろう。
リリ「・・・・・・すごく・・・大きいです・・・」
リリ「じゃあ、そろそろ行こっか。
ところで今更だけど、メイレン様達にはレオ先生がついてるのよね?
ほら、血まみれの服をきたメイリンを来賓リボンつけてない二人が追いかけてるのって色々不味いだろうし・・・・・・
あれ?ヴァンエレンったらどうかしたの?」
ヴ「いつでも出撃できますぞ」
ヴァンエレン は はりきっている。
リリ「あ、紹介し忘れたけど、この女の子はヴァンエレンだからね~」
ヴ「よろしく~」
クリスが哀れんだ眼で見ている気がするが気のせいだと信じたい。
クロ「外に出る前に、着替えのない奴はこれ使っとけ。」
そう言って道具袋から小型の装置を取り出す。
ミル「なにこれ?」
クロ「幻術科に協力してもらって作ったカモフラージュ装置だ。
まだ試作段階で数も少ないが何もしないよりはマシだ。」
リリ「いいの?ありがと~!」
ミル「へえ、幻術科も役に立つことをするんだねえ」
なんかアルナワーズのせいで、正直幻術科に良いイメージなかったからなあ。
使ってみると、確かに黒い修道服に目立ってた赤い血痕が見えなくなって、納得の効果。
ミル「こりゃすごいや、ありがとクリス。ありがたく使わせてもらうよ」
リリ「すごーい、何だか服だけじゃなくスタイルまで良くなった気がする~助かったわ、クリスさん」
リリアーナも嬉しそうにその場でくるりと回って見せた。
レベッカはラブスポットを出る直前にリリアーナに話しかけた。
レヘ「俺はもうしゃべらねーぞ?槍が喋ったら怪しいからな。」
クリ(…なんだ、変態的発言を連発する槍だと思ってたがその辺のことは気にするんだな。 )
ミル「別にいいんじゃない?しゃべる剣や使い魔を持ってる生徒もいるんだし。
この学園じゃピンクのパンダが歩いてても、だれも不思議に思わないわよ。
それに、あんたの説明を聞かないと、メイレンさんの趣味とか妖怪の事とかわからないでしょ」
怪しくなくても珍しかったら、誘拐→実験台コースはあるかもしれないけどな。
リリ「ん~。でもこの槍自体が珍しいものなんでしょう?その上喋るとなるとかなり貴重な品じゃない?
誰かに目をつけられたり実験材料にされたりしても困るわ。
だからレベッカさん、何か伝えたい事があったら、私にこっそり囁いてくれないかな?
そしたら私の口から、皆に伝言するから」
クリ(東方はどうか知らんがこっちじゃかなり珍しい槍だからな。
しかも意思を持った武器は天然ものだとSSSランクのマジックアイテムに相当したはずだ。
危険を減らすためにも堂々と喋るのは止めた方がいい。 )
レベッカはついでに、リリアーナの疑問にも答えておいた。
レヘ「ブルースってのは、俺がタイペー島の学校にいたときの元彼氏だよ。
俺が知る限り、あいつは最高のストーカーだ。
もっとも、あいつに追いかけられる心配はねーよ。
だってあいつはタイペー島で、俺達はフィジル島にいるんだからな。」
クリ(タイペー島か・・・
何回か話で聞いたことはあるが、一度も行ったことがないな。
しかしストーカーに最高という評価ができるなんて相当やばいな。 )
レベッカはしばらく沈黙した後つぶやいた。
レヘ「もう一度、会えねぇかなぁ…」
リリ「ストーカーなのに?・・・・・・あ、ごめん」
ギ「で・・・・・・こんなに大きいのに扉を潜る事なんか出来るの?」
フリ「おっきいメイレンさんが通れたんだから大丈夫でしょv」
と気楽に返事をするフリージアであった
ヴ「気合を入れるのじゃ。
決死の覚悟で進めば必ず道は開かれるであろう」
レヘ「はは、そうだな。前向きに行こうか。
昔の男はしょせん昔の男だ。問題は今だよな。」
ミル「よし、そろそろ猫耳メイド喫茶にいこう。
フリージングドールは多分通るだろうし、通らなきゃ少し削れば大丈夫でしょ」
ドアノブをドライバーではずし、外側のノブだけ空回りするようにいじっておく。
これで誰か来ても開けられないはずだ。
一方リリアーナ達は俺が細工していた間に誰かに伝言を残せるようにしていた。
リリアーナはラブスポットのドアがあったあたりの床に、メイレン達への伝言を残している。
伝言の表書きには『メイレン様かメイリンかメイファ以外は拾わないでください』とかかれている。
中には『レベッカさんは移動しました。私達は今から猫耳メイド喫茶に行きます。こんな感じの大きな人形が目印です』
とかかれている。
メモのすみにフリージングドールの絵が添えられているが、100%参考にはならないだろう。
メイド「お帰りなさいませ、ご主人様」
その後、フリージングドールがちょっと扉に引っかかった事以外問題なく、あたしたちは喫茶店に到着した。
…よく考えたら、返り血付きで飲食店は入店拒否されてもおかしくなかったな。
クリスがカモフラージュ装置を持ってて良かった。
ミル「友達が先に来てるんだけど…」
ユリ「おーい、ミルクー!こっちこっちー!!」
ユリが大声上げて両手を振り回してくれたので、猫耳メイドさんに説明する手間が省けましたよ。
ミル「ごめん、人数多いから、机と椅子多めにもらってもいい?
フリージアが貴重なフリージングドール持ってるから、広めに場所取っちゃうけど」
ついでにあたしが席取りを頼んでいる間に、ユリはすばしっこくみんなの所にやってきた。
クリスは机を動かすのを手伝っている。
ユリ「おおー!こんなに大勢でムウ大陸探しを手伝ってくれるなんて嬉しいね!
でいりぃ・ふぃじる突撃報道班のユリ・オオヤマです!よろしく!
ところでちょっと聞きたいんだけどさ、若返りの薬を見つけたら誰に売っちゃうの?
名前がダメならヒントだけでもいいから教えてくれないかなー」
(35で〆)
最終更新:2009年04月14日 17:41