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夕方:屋台付近

【ヴァン&マオ】
森の妖精と筋肉男達から逃れるため、窓からにげだしたクリス。
外にはそこそこ人がいたが、窓から人が出入りするのは日常みたいになっているのであまり気にされることはなかった。
ヴ「わ、私たちも逃げましょうぞ。
 ハイヤー!」
リリ「ちょっと放置していくつもり!言い出しっぺの責任取りなさいよ!!」
ミル「ちょっと待てーっ!いきなり逃げるな少しは戦え!
 何もしないで逃げ出すとか鬼かーっ!!」
喫茶店のほうから非難の声が聞こえてくるが、クリスはスルーした。ガチムチは相手にしたくないようだ。
マオ「フフフ、逃げるが勝ちって言うだろ、また会おうミルク!
 それと僕は鬼じゃない、エ リ ー トだ!アハハハハハハ!!」
マオは勝ち誇ったような高笑いをあげながら去って行った。
マオ「筋肉と変態はリリアーナ達に任せて招き猫広場にでも先に行ってるか?」
ヴ「ちょっとその前に私の店が気になるので寄らせてくれないかい?」
日光を浴びて力が抜けてしまったヴァンエレンが地面にへたり込みながら言いました。
マオ「む……まあ、いいだろう。まだ時間も十分にあるだろうし。じゃあ行くぞ」
歩きだしてしばらくしても一向に隣にヴァンエレンが見えないので振り向いてみると
何やら芋虫みたいな謎の運動をしながら進んでいる哀れな姿が見えて
慌てて体を立たせて日陰を探して歩く。
マオ「馬鹿!辛いなら言ってくれないと分からないじゃないか」

焼きソバ屋台のほうは結構な人だかりができていて、それなりに盛況のようだ。
ねじり鉢巻をしているやけに男前な蝙蝠が中心になって焼きソバを作っている。
マオ「ううーん……」
考えこむ僕、というのもヴァンよりその使い魔の蝙蝠の方が
万能で凄い使えるんじゃないかと頭によぎったからだ……
ヴ「大丈夫そうだね。
 この調子ならドラゴンの血も夢ではないな!」
マオ「ドラゴンの血がほしいのか?ふぅ~ん」
ドラゴンの血といえば命の水やら古代では王族しか飲めないようなお酒などの言い方もされている高価なもの。
難しい練成やどんな病にも効果のある薬などにも小量含まれていることもあるが……素で飲むんだろうか?
マオ「なぁヴァン…ドラゴンの血が欲しいなら僕が用意してやってもいいぞ?
 母様なら言えばすぐに送ってくれると思うし。」
そういいながら人混みを掻き分けて屋台のところまで行き、
蝙蝠からただで焼きそばを二人分もらってきて一つ渡す。
ヴ「うーん。
 魅力的なことだけどやめとくよぉ。
 それが一番楽だろうけど、あくまで自分の手で手に入れてみたいなぁ…な、なんてね」

【クリス】
クリ(・・・そういえばカモフラージュ装置を渡したままだったな。
 試作段階だから不具合が起こる可能性もあるし、データもできれば完全にとっておきたいな・・・ )
クリ「少し屋台をまわったら喫茶店に戻るか・・・」
出し物でまわれなかったところも多いし、少しくらい見てまわっても大丈夫だろう。
さて、中庭についたのはいいがどこからまわろうか?
      • とりあえず行列のできている焼きそば屋とやきとり屋は後にしようか。
まずは氷雪科の有志が出しているジェラートでも食べに行こう。

やっぱりどこの店も混んでいるな・・・
頃合もよさそうだし、やきとり屋に寄ってから喫茶店に戻るか。
ってそこにいるのはマオと吸血鬼じゃないか。
      • なんかいい感じになってるし、そっとしておくか。
今は評判の良いやきとり屋に期待しよう。

エース「いらっしゃいませ~。」
クリ「・・・この店はエース先生が出していたんですか。」
まあ、教師が出店しちゃいけないとは言われていないし一応ありか・・・
エース「僕だけじゃなくてレイド先生も一緒なんだけどね。」
だがレイド先生の姿は見当たらない。
大方どこかでサボってるのかもしれないな。

クリ「お勧めとかありますか?」
エース「これといってないけど、タレも塩もどっちもおいしいよ。」
そりゃあ、これだけの行列を作っているんだからおいしいのだろう。
クリ「じゃあ一通りタレと塩一本ずつでお願いします。」
「はい、少々お待ちください。」
      • 焼けるまでの間少し時間がありそうだな。
その間マオと吸血鬼を観察しておくか・・・。

【グレイブ】
屋台が立ち並ぶ中庭では、数時間前に喧騒が起きたり子犬が暴れまわったりしたお陰で惨状になっていた……。
……筈なのだが、現在はそれが嘘のように平和に稼動していた。
この学園の生徒達だからこそだ。
多少の荒事もへっちゃらなのだろう。
そんな中庭の一角の、屋台とは一線を画した休憩所。
置かれたテーブル一つに足を乗せて占領し、アイスコーヒーを飲んでいる青髪一人。
あからさまに『機嫌悪いです』雰囲気を醸し出してる、切れ長の目の17歳。
青「…………」
黒【B、確かに気持ちはわかるけどその態度だとまずいよ?】
青「あぁ……?」
黒【生徒会。休憩時間だろうとそんなに柄悪いとしつこく言われるんだから】
赤【俺まで巻き込むなよー!青メガネー!】
青「あぁ?ほとんど仕事もしなかった駄阿呆が世迷言を言うな」
黒【落ち着いてよ、もう。しかもRが言えた話じゃないでしょ、ドアは壊すは壷は割るわ!】

彼――いや、彼らの名はグレイ+S・R・B。グレイズ、グレイル、グレイブだ。
今回の学園祭では、不始末の後始末――つまり、生徒会の手伝いをしていたのだ。
当日にフリーである生徒に押し付けられる、一日ほぼ丸つぶれになってしまうという実に素晴らしい下働きの仕事なのだ。
主に騒動のあとの掃除とか。
そのお陰でグレイブは素敵なほどの気分に浸ってしまっているのだ。
いかにも悪そうな目つきと体勢が妙にマッチしてる。

青「他にも人材が居ただろうが……大体S、お前が断っておけばこんな目に合わなかったんだ……」
黒【いや、あんな風に言われちゃ断れないよ。それに暇だったし……】
青「それが駄目だって言ってるんだろうが……」
残っていた氷を噛み砕いて紙コップを握りつぶした。
同時に魔力を込め、僅かな水分を凍らせてとことんまで乾燥させる。
そして思い切り、それを高く高く空に投げた。

そのコップはきっちりしっかり氷の粒を撒き散らしながら、放物線を描いてヴァンエレンの焼きそば屋台の中にIN。
着弾地点は鉄板に触れるか触れないかの位置だ。
10秒も放置すればいとも容易く燃え上がるだろう。

【ヴァン&マオ】
そのあと僕たちは二人でパラソルがついている席に座って適当に時間を潰すことにした
そういえばこうして二人でいることはあまりなかった。いつもだいたい何かに巻き込まれてる時だ。
(ユリ)「テス、テス、えー、まもなく招き猫広場で、第32回『ドキドキムウ大陸発見ツアー』が開催されます。
  飛んで火にいる夏の虫よ、遠からん者は音に聞け、近くば寄って目でも見よ!
 ご用とお急ぎのない方はぜひぜひ、招き猫広場にお集まりください!」 
ゆっくりと過ごしているとユリからの学園放送がかかる。
ヴ「あぁ…まじに行くのね」

【クリス】
      • にしても吸血鬼の服はやけに目立つな。
ピンクでラメつきのジャージを着ているなんてよほどの猛者だな。

エース「やきとり焼けましたよ。はい、どうぞ。」
おっと、もう焼けたのか・・・
代金を払わないと、
クリ「・・・なんだ、この紙は?」
知らないうちにバックの中にライブのチケットが入っていた。
あの騒ぎのときにケオスが配っていたものか・・・
せっかくだから見に行ってみるか。
たぶんリリアーナ達も向かっているだろうし、装置のデータはそこで採ればいい。

エース「またのお越しをお待ちしておりま~す。」
代金を払って招き猫広場へ向かおうとすると、少し焦げ臭いにおいが焼きそば屋のほうからしてきた。
焼きそばを焦がしたのかと思って向き直ると、すぐに鉄板のそばから火が立ち始める。
クリ「今日は巻き込まれやすい日かよ・・・」
だが、燃えているものを放置するわけにはいかない。
魔銃を構えて水の弾を2、3発燃えているものに撃ち込む。
ついでにもう一発撃とうと思ったが、カートリッジの魔力が尽きてしまったようで撃てなかった。

【ヴァン&マオ】
放送を聞いたが、なんだかさっきとは違って全然気分が乗らずに席を立つことができない。
そして行くかと席を立つヴァンエレンの袖をつかむ。
マオ「ヴァン……その、もう招き猫はいいんじゃないかな。今日はもう二人でゆっくり……」
ヴ「ご主人がそう言うのならば仕方ない。
 決してムウに行くのが怖いのではないぞ?
 これはご主人の明確な命令なのだからな。ああ仕方ない」
あんたは誰に言っているんだ?
しかしそう言っている途中に屋台の辺りからざわめきと蝙蝠たちのキーキーという悲鳴が上がる。
なんて空気の読めない奴らだと思って見てみると屋台の鉄板がくすぶって燃えているのが見え指さす。
マオ「気のせいかな……燃えているように見えるんだ」
そして次の瞬間、本当に燃えていることがはっきりと分かり急いで屋台の方に走っていく。
使『ジャーン!ジャーン!』
使『げぇ、火計!?』
使い魔の悲鳴が聞こえる。
ヴ「な、なんたること…。
 なんたること…。」
屋台にある焼きそばを焼いている鉄板に夷陵の炎があがっておりました。

やはり主人に似ているのか蝙蝠たちはただただ慌てふためいているだけだ。
本人も呆然としているようだし……

するとどこからか水の弾が2・3発飛んでくる。どうやらクリスが見かねて撃ってくれたらしい。
だがいっこうに消える様子がない火元、仕方ないのであんまり得意な方ではないが水の出す呪文の詠唱を始める。
マオ「―-Current!――」
何かが溢れるような音とともに鉄板の横からオレンジ色の液体が噴き出て屋台にかかり消火する。
……オレンジ色?しかもこの柑橘系の臭い……まさかと思って少しなめてみると
オレンジジュースの味がした。まさか、僕にこんな才能があっただなんて……
ヴ「ひぃ・・・ひぃ。
 火計とはかくも恐ろしきものなのか」
大火はやり方次第で数十万の軍勢をも打ち破ることがあります。

マオ「しかし、なんでいきなり発火したんだ?」
すると蝙蝠がなにやら燃えカスのようなものを見せてくる。
どうやら元は乾燥しきった紙コップのようだが……不思議なことに燃えカスから少し水分が出ている。
マオ「なるほど…紙コップの中の水分を凍らせて投げ込んだとエリートは見た!
 …ということは氷系の魔法?」
すぐさまフリージアが浮かんだがあたりにそれらしい人間はいない。
てかフリージアがそんなことをする人間にも思えない。
マオが出火原因を調べている間に、ヴァンエレンは使い魔たちに指示して後始末を命じてすぐに店を再開できるようにする。

マオが考えていると後ろの方からリリアーナのあの間抜けな声が聞こえてくる。
リリ「グレイ達も特に予定が無いなら一緒に行こうよー。
 持ってきた死王の話だと、合わせ鏡で、もしかしたら伝説のムウ大陸へ行けるかもしれないんだよ~。
 お宝だってざくざくかもしれないよ~。水中に沈んだ古代のお酒とかに興味って無いかな~?」
振り向くとそこには機嫌を悪そうにしたグレイブがリリアーナに腕をつかまれうざったそうにしていた。
なるほど、あいつは今日の生徒会の手伝い、もとい下っ端に公認された男。
そして最悪な性格に氷の使い手…フフフフフ…もう犯人は僕の中で確定してしまった。
そのままリリアーナ達の方へと歩みグレイブにわざとらしく挨拶する。

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最終更新:2009年05月08日 08:37
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