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7:地下墓地~地下図書館

図書館の中に入った一行を待っていたのは、膨大な量の本、本、本!
フリ「桜花さんの気持ちを無駄にしたくありませんわ!だから早く行って早く戻りますわよ!!」
レヘ「だが、こんだけの本の中から、どうやって俺達に必要な本を探せばいいんだ!?
 手分けして探していっても、日が暮れちまいそうだぜ。」
ミル「それでも探さなきゃ見つからないでしょ!
 あたしはこっちの本棚から探すから、みんなは別の方からお願い! 」
レヘ「くそっ、やっぱやるっきゃねーのかよ。」
リリ 「分かった!じゃあ私はこの棚を探すよ。」
ミル「お姉ちゃんはここで待っててね!」
ベルジン先生の魔法でかなり回復してきたアホ姉を背中から降ろし、あたしは本棚の背表紙チェックを開始した。
見たことのない文字のはずなのに意味が頭に浮かぶのが、これほどありがたいとは思わなかったな…
リリ「それにしても静かだね。地下図書館の担当メイドとかはいないのかな?」
レヘ「さっきのムムムがそうだったんじゃねーか?あのメイドが協力的でないことが不便でならねぇぜ。」

リリ「あ、そうだ。そういえばこのお札、大丈夫なのかな?
リリ「ターロンは、お札貼った相手をいいように操ってたよね・・・・・・・?」

アナ「んー。暇だなー。もうちょっと力が回復してきたら手伝ってやるんだけどなー」
ミルクの背中から降ろされたアナスタシアは暇そうにぬいぐるみで遊んでいた。
が、聞こえてきた声に眉をひそめる。
ロク『おーーい!!おーーい!!おらをここから出してくれー!!おーーい!!』
リリ「うわっ、何?!」
眠そうに目をこすり、ぬいぐるみをひきずりながらアナスタシアはフリージアに近づいた。
アナ「フリージア。お前の持ってたカプセルの中で『出してくれ』ってロクーが叫んでるぞ。
  あいつ、使い魔カプセルから出る方法知らないんじゃないのか?」

レヘ「やっぱりというか、何というか…あらかじめ生き返る方法でもあったのか、あいつは?」
リリ「あ、ロック・・・・・・じゃなかった、ロクーよ、ロクーの声だわ!!
 やっぱり死んでなかったのね・・・・・・・・・良かった!」
リリ「ねえフリージア、使い魔カプセルから出してあげて」
リリアーナは単純に喜び、フリージアにロクーを出すようせがんだ。
死んでいたはずのロクーが蘇ったことについては、あまり深く考えていないようだ。
仕方無しに使い魔カプセルを開けるフリージア
ロク「ふ~!おらびっくりしちまっただ!」
ギ「なんか臭くない?」
そう感想を漏らすギズモ
それもそのはず中にいたロクーはアンデッド化しているのである
フリ「ちょ、ちょっとロクーさん体が腐ってますわよ!?」
見ればわかることをわざわざ口に出すフリージア
死んでるけど生きている不思議な状態それがアンデッドである
ギ「ゾンビって人を食べるんだっけ?」
フリ「人を食べるのはグールですわ  ちなみにゾンビの肉が全部無くなったらスケルトン、体が無くなったらゴーストですわ」
灰になっても動けるようならそれはアッシャーという存在でありアンデッドは奥が深い
フリ「魔法使いが永遠の命を得る為になるのはリッチとか
 ヴァンエレンさんみたいなヴァンピールですけど・・・・・そういえばヴァンエレンさんって」
人間だった時のヴァンエレンが何者だったか気になるフリージア
まさかどっかのリッチみたいにリッチとリッチ(金持ち)という駄洒落の為に
のりと勢いでアンデッドになったわけではないだろうし
ギ「そんなことより皮膚病とかじゃなくて本当にアンデッドなの?」
ギズモはまだロクーがアンデッドになったとは確信していないようだ
ヴァンエレンに聞けばすぐだろうが今はこの場にいない
ロク「腐ってやがる…どうなってんだ?出すのが早すぎたのかぁ?」
ロク「あ、あんまりそう言われっとつれーけど、どうもおらゾンビィになったみてーだ。」
ロクーは、なははっと笑った。
アナ「あー。こりゃ完全にアンデッドになってるな。
  カプセルの中の時間を速めてたから体が腐っちゃったのか?」
ミル「んー…でも、使い魔カプセルの中でゾンビ化して復活なんて聞いたことないけど…
 誰かが魔法使ったりして手を加えた…とか?」
死霊関係は専門外だからアイシャかヴァンエレンに鑑定してもらいたいけど、どっちも今はいない。

ター「ずいぶん苦労なさっているようですね」
一方、リリアーナのところでは、いつの間にか肩口まで這い上がってきた御札がしゃべり始める。
リリ「ギャ――――!!出た!!」
ター「私ですよ。ターロンです。そう驚かないでください。
 魂を別の物に移すことは、あなたの友達が言われたようにそう珍しくはありません。」
フリ「リリアーナさんったらこの業界で御札がしゃべったぐらいで驚いたらいけませんわよ」
大体想像通りだったので落ち着いているフリージア
リリ「わわわ私を乗っ取っても弱いだけだよ!役に立たないよ!」
ター「それより用件を伝えましょう。 」
 あのメイドを放置して世界が滅びでもしたら大変ですが、私は封印に関係する本を集めることができます。
 それ以上の事は私にはできませんが、あの狂ったメイドを封じるためにお互い協力しようではありませんか。
 メイドの足止めに残られた方の身の安全のためにも、どうか疑わずに私を信じてください。」
リリ「っていうか女の子の足にへばりつくなんてセクハラだよスカートの中覗かないでよ・・・・・って・・・あれ?」
リリアーナはターロンの言った事を反芻し、静かになった。
リリ「皆、こっちに来て。ターロンが本探しを手伝ってくれるって」
ターロンは信用できないが、地下墓地に残してきた皆が心配だ。
ターロンが示す以上の手がかりが無い以上、今は頼るしかないだろう。

ターロンが呪文を唱えると、空中に次々に御札が現れた。
現れた御札はあちこちに飛んでいき、封印に関係する本に貼り付いてはリリアーナの周囲に戻ってくる。
本にかけられた魔法の力で、見る者は文字を知らなくても内容を読む事ができた。
ター「私が城で調べた本には、神龍の持つ玉を3つにわけて封印の鍵とした事が書かれていました。
 まさかムウ大陸を滅ぼしたメイドを封じているとは思いませんでしたが…
 ともかく、メイドを再封印する方法を探しましょう。
 この本のどれかに、必ず答えが書かれているはずです」
レヘ「お前とメイドが敵対関係なのは、さっき嫌という程見せつけられたぜ。
 お前が俺達に協力することに疑いはもたねぇが、メイドが封印された暁にはまた敵同士だ。
 覚悟しとけよ、死にぞこない。」
レベッカがターロンにそう言った。

リリ「うーん、どれだろう?!」
リリアーナは本をとっかえひっかえしている。
リリ「えーとこれは・・・・・・なになに、地下王墓の宝物目録?
 もー!私達が知りたいのは、再封印の仕方だってば!」
レヘ「ちょいと待ちな、リー。こう言っちゃなんだが、この状況でターロンが無関係な本を出すとは思えねぇ。
 その本、ちょいと俺にも見せてみな。」
レベッカがそう言った、まさにその時である。
リリ「あ・・・・・・ぅ・・・・?」
リリアーナはばったりとその場に倒れた。
レヘ「きゃっ!」
フリ「リリアーナさん!?」
リリアーナだけでなく、レベッカにも何が起きたのか理解できなかった。
わかったことは、自分もリリアーナと一緒に倒れた事だけである。
倒れた直後、何かが目の前を横切ったようだったが、何なのかわからなかった。

時間は少し遡る。
ロクーは、なははっと笑った後、周りの状況を確認した。
あるのは大量の本。なるほど。
自分は今、若返りの薬の作り方が書かれた本がある場所にいるとロクーは悟った。
ロク「わりぃ、誰か火をかしてくんねーか?」
ロクーは背負ったリュックから、長い葉巻をとりだした。長さは30センチ近くある。
ミル「…いいけど、吸い終わったらちゃんと本探すの手伝ってよ」
ミルクの魔法で着火されると、ロクーはそれを吸って一服しはじめた。
ボス「ふぃ~」
ロクーの見た目は16歳の少年だから、かなり違和感がある。
ボス「この葉巻が気になるのか?長いよな、これ。全部吸うのに30分かかる。」
視線に気づいたロクーがそう説明した。
ミル「さ…30分!?」
長いよせめて半分にしろよ!とそう続けたはずの言葉は、ロクーの叫びにかき消された。
ボス「30分だっ……最高にハイな30分だッッッ!!」
ミル「は……い?」
突如そう叫んだロクーの体が一回り大きくなった。
少年から大人へ、そしてゾンビィからもっとおぞましい何かへと彼は変わる。
彼の視線が、すぐ近くにいたリリアーナへと移った。
ボス「あの世で知るがいいっ!!このクリムゾンヘッドは、貴様らに友情など感じていないーッッ!!」
ミル「ちょ…!!」
ロクー改めクリムゾンヘッドの鋭利な左手が、まさにリリアーナの首を刈り取らんと振られた時、

リリ「あ・・・・・・ぅ・・・・?」
レヘ「きゃっ!」
彼女は糸が切れた操り人形のように地面に倒れた。
ボス「何いッッ!?」
クリムゾンヘッドの攻撃が空振りする。
レベッカが珍しく普通の悲鳴を上げた気もするが、それどころじゃない。
慌てて倒れたリリアーナを抱き抱えて、まだ生きているのにホッとする。
ケガはひどいけど、首と胴が生き別れなんてことはない。
そもそもこのケガは爪じゃなくて魔法の…?

犬『あぁ…なんだ。
 貧乳のリリアーナだったか』
攻撃したのはこの黒犬の使い魔でした。
犬『いやぁ~転移した先でいきなり人間がいたもんだから、吃驚してうっかりドルマドンうっちゃったよ』
やっちゃったぜHEHEHEと倒れているリリアーナをみて爆笑している黒犬。
爆笑している黒犬だけど、リリアーナからすれば明らかに、ケガ>(越えられない壁)>死亡であり。
これは…助けられた…のか?あんまり認めたくないけど…
犬『さぁて、このピリピリした空気どうしよっかねぇ?
 とりあえず…あっ!あそこにUFOが!!!』
黒犬が指差す先には……なにもない。
皆が気を取られているうちにそそくさと図書館の奥へ逃げようとする。
ロク「えっ、どこどこ!?……ハッ!だましたな!」
クリムゾンヘッドは、いつの間にかまたロクーになっていた。
ロクーは黒犬に簡単にだまされてしまったが、もう誰もロクーにだまされることはないかもしれない。
リリアーナを攻撃した2人して漫才みたいな事を始めたけど、余計空気がピリピリしてきましたよ。
ミル「ちょっと待て話があるから逃げるなそこの黒犬。」
犬『逃げるなと申したか。
 よろしい、ならば待ってやろう』
引き止めたミルクに向き直り、来た道を戻ってくる。
ちなみにさきほど負傷したはずの足は元通りに治っていた。
ミル「…ナナナ。リリアーナの手当てって出来る?」
はわはわ言ってるだけで手の空いてそうなナナナに、リリアーナの手当を頼む。
フリージアが治療技能マイナスなのは聞いてあったし、あたしも治療は苦手分野だ。
(友達のユリは『フリージアが毒を飲ませたら回復するんじゃないかな!?』とか言ってたが)
それに敵が増えた以上、戦闘力0っぽいナナナにも働いてもらわないとやってられない。
ナナナ 「はっ、はいーっ!宝部屋から持ってきた回復薬があるから、これを飲んでもらいますっ!
   リリアーナさん口を開けてくださいっ!そーれーっ!」
リリ「ゲヘッ!ゴボゴボゴボボ・・・・・ボ!!」
意識が朦朧としているところにポーションを流し込まれ、リリアーナは盛大にむせた。
だがナナナはお構いなしに、リリアーナの口に薬を流し込んでいる。
リリ『い、息が・・・・溺・・・・助け・・・・・・・』
ナナナ 「あっ!意識が戻ったんですね!?良かった~!!
   でもでも、まだまだ傷は深いですからもう少し安静にしてた方がいいですよ!
   私、こう見えて怪我の治療もちゃんとできるんです!」
ドンと胸を叩いて大丈夫感をアピールするナナナだが、その手つきはリリアーナから見れば危なっかしい。
治療ができるからといって、上手とは限らないのだ。

ミル「で?まずはロクーと話をしましょうか。
 なんでリリアーナを殺そうとしたのか聞かないとね」
ロク「おらがリリアーナを殺そうとしただって?そんなことしないよ~!だっておら達友達でねーか~! 」
ミル「いきなり変身して友達を殺そうとする奴がいるか!
 『クリムゾンヘッド様は友情など感じていないわグハハ』とか言いながら攻撃してきたでしょうが!」
ロク「クリムゾンヘッド?おら知らhないよ~!そんな奴知らないよ~!」
葉巻の長さは、残り29センチになっている。

…さすがに、この状況ではあのリリアーナでもロクーを信用しないに違いない。(多分)
当然ながら、あたしのロクーの言葉への信用度は0どころかマイナスである。
ミル「ほんっとーに友達だから信じてって思ってるんなら、まずその葉巻を捨てて火を消してもらいましょうか。
 それから、あんたの所属組織と上司の名前、ムウ大陸を滅ぼす理由も詳しく教えてもらうわよ。
 自称友達にいきなり爪で首を刈られたりしたら、死んでも死にきれないからね」
ロク「OK!OK!話すよ~!それで信用してもらえるなら、おら話すよ~!」
しかし…と、ロクーは困った顔をした。
ロク「わりぃけど、この葉巻は一度火をつけたら絶対に火を消すことができねぇだぁ。
 捨てるのも無しにしていいかな?こんなところで葉巻を捨てたら、きっと大火事になっぞ!」
フリ「本当かしら?」
フリージアが氷で消そうとしたけど 、判定はシロ。
フリ「・・・・・・・不思議ですわねぇ?」
だがそんなことをしてもタバコの火が消えることは無かった
葉巻タバコを返却するフリージア
ギ「携帯灰皿とか持ってないの?」
タバコを吸う人間なら持っていてもおかしくないと思い質問するギズモ
フリ「それにしても悪の人格があるところもロックさんそっくりですわねえ・・・・」
小さくつぶやくフリージア
どうやらロクーが多重人格者であると思い込んだらしい

ロクーはミルクの質問に答え始めた。
ロク「おらが所属している組織は、ケルビムって名前だ。
 名前はどっかで聞いたことがあるかもしれねーな。世界医療機関の組織の一つだからな。
 おらの上司の名前はホワイト博士。ムウ大陸を滅ぼす…なんておらが言ったのは、
 ここで生命の禁忌に触れるような実験が行われているという情報があったからだ。
 あくまでケルビムは医療機関だ。おらの冗談を真に受けちゃいけねーよ?」
そんな組織聞いたことねーよ。紛らわしい冗談を言うなよ。
心中ツッコミながら説明を聞いてると、ロクーは、ああそうだったのか!と合点がいったような顔をした。
ロク「そうか!おらわかったぞ!ここで行われていた実験はきっと、
 今のおらみたいに、死んだ人間をゾンビィにして復活させる実験をしてたんだ!
 さっきおらが、知らないうちにリリアーナを攻撃しようとしたのだとしたら、
 それはきっと、おらがゾンビィになってしまったせいにちがいねーよ!」
ミル「ええー……」
犬『そうかい』
ロクーがゾンビになる直接の原因である黒犬は笑う。
そして黒犬は視線にふと気がついて上を見る。
上の階にいるルズが斬られた床を覗き込んでいたのだ。
目と目が合う両者。
獲物を見つけたといわんばかりに笑う犬。
ここで、改めて言うまでもないかもしれないが、ロクーは本気でそう思っていた。
ロクーが話したとおり、“クリムゾンヘッド”をロクーは知らないのだから。


リリ『ミルク、じゃあさっき私を直接攻撃したのは、ロクーじゃなくて黒犬の仕業だったの?
 あー・・・・・首チョンパされなかったのは確かにありがたかったけど・・・・・・やっぱり使い魔にお礼を言うべき?』
ミル「あ、リリアーナ気がついた?
 さっきは…そう、黒犬の魔法がリリアーナに当たって、運良くスカーなんとかの攻撃がはずれたんだよ。
 お礼を言った方がいいかどうかは、黒犬に聞いてみよう。
 あの攻撃はリリアーナを助けるためだったのか、やっちゃったぜハハハか、そこんとこどうなの黒犬くん?」

ミル「それからロクーにお願い。
 うっかりリリアーナの時みたいに友達を攻撃しないように、ちょーっと離れていてもらえる?
 ゾンビ化を治す方法も考えてみるから」
ロク「わかった。」
ロクーは皆から一歩下がった。
リリ『それとロクー、本当にクリムゾンヘッドって名前に聞き覚えはないの?』
怪我が回復中のため、まだしゃべる事と見ることが出来ないリリアーナは、テレパシーで話し掛けている。
ロク「知らねぇよー!おら、そんな奴知らねぇよー!」
ところで…ロクーがクリムゾンヘッドという単語を知らないなら、
何故クリムゾンヘッドが“奴”…つまり“人”であるとわかったのだろうか?
リリアーナも、ミルクも、フリージア達も、誰一人として指摘しないこの点。
それは、クリムゾンヘッドに準備する時間を与えてしまっていた。
葉巻の長さは、残り27センチ。

さて、ナナナの次に暇そうな人ことアホ姉はというと。
アナ「どーだー?これで見えるかー?
 どんどんページをめくっていくから、封印アイテムでも見つけたら教えろよー」
レベッカとターロンに宝物庫目録を見せながら、ぺらぺらページをめくっていた。
レヘ「おい、姉ちゃん。悪いがそこからじゃ俺には見えねぇ。
  お前、俺の目が槍の先っぽについてると勘違いしてねーか?
  もっと下の方だよ、下、下。それに向きも逆で、回れ右しろ。」
アナ「んー?こうか?注文の多い奴だなー。
 少しはターロンを見習って目を槍の先っぽまで持ってこれないのか?」
愚痴を言いながらも、本を見せる角度を指示通り変えていくアナスタシア。
レベッカの近くでは、ターロンの魂が宿る札に描かれた龍が、本の内容をよく見ようと体をくねらせている。

リリ『やっぱりロクーの言うとおり、さっきの変身はソンビ化したせいなのかなぁ。
 でも、やっぱり、さっきみたいにいきなり攻撃とかされたら困っちゃうわ。
 レベッカさん、あなたの御札でロクーの乱心を封じることとか出来ないの?
 ・・・・・・・って、悪いけどレベッカさんに通訳お願いします』
ギ「どう見ても多重人格ですどうもありがとうございました」
レヘ「おおっ!これだ!そこでストップ!」
レベッカは興奮して叫んだ。
アナ「おいレベッカ。リリアーナがスペルカードでロクーの動きを封じれないか聞いてるぞ…ってここか?
 どうだー良さそうな物はあったかー」
レヘ「パン ツ 丸 見え!」
レベッカはアナスタシアを誘導して彼女のパンツを見ただけだった。役立たずめ。
リリ『・・・・・・・?もしかして、アナスタシア先生、お着替えされた?』
アナスタシアは二呼吸分ほど固まってから、おもむろにぬいぐるみを手元に引き寄せた。
アナ「先生に労働させておいて自分はパンツ見学とは、楽しそうだなーレベッカ。
 それだけ楽しんだら、もうこの世に未練なんかないよな?
 おまえが死んだらちゃーんと地獄行きの切符を用意しておくぞ♪
 あの世の裁判長のパンツが見れたら、ちゃんと色を教えろよー!」

ところがぎっちょんちょん。
レヘ「おん?おい、姉ちゃん。お前がストップさせたページに奇妙なもんが載ってるぜ。
  何々?“思ひ出の糸車”?なんだこりゃ?」
アナ「ん?何か本当に良いものみつけたか?
 ハズレアイテムだったら死後の世界にご招待だぞ。覚悟しておけよ~」
開かれていたページに載ってあったのは、木製の糸車のようだった。
説明文によるとこのアイテムは、切れてしまった大切な思い出を繋ぎ合わしたり、
もつれてしまった記憶をほどく効果があるらしい。
レヘ「役にたつのか、これは?」
リリ『すごい!それがあれば、ロクーの記憶障害?も解消されるのかな?』
リリアーナはこう言ったが、もっと切実で、より的確な使い道が他にもありそうだ。
フリ「これでどうやってあのメイドを止めろって言います
 これで紡いだ紬糸ですぱすぱぶった切ってしまえとでも言うとかしら?」
ボンテージルックのフリージアが細い糸を操って相手を切り刻むのを想像するギズモ
ギ「それなんて爆裂なハンター?
 僕はどっちかって言うとあのメイドさんが間違った命令を覚えて実行してるから
 まともな命令を思い出させるとかだと思うよ」
レヘ「おめーはどうしていっつもそういう発想になるんだよ(笑)
 ギズモの発想が正しそうだけど、子を見れば親がわかるっていうしなぁ。
 ムムムの親父もクレイジーかも知れねーぞ?」
大妖怪メイレン夫婦と、その娘達の姿がリリアーナの脳裏に浮かんだ。
レベッカが言うと妙に説得力がある。
リリ『そうよねー。・・・・・・私の使命は、全世界を滅ぼすことだった!なーんていわれたら困るかも』

アナ「レベッカがこれでメイドを封印できるから、そこは心配いらないぞ。
 封印できなかったらレベッカは死刑♪以上!」
レヘ「ちょ、ひでぇな(笑)俺がマジックアイテム見つけたんだから、執行猶予くらいつけろよ(笑)」
レベッカは反省もせずにアナスタシアに応える。
レヘ「ところで、リー。さっきの話、ロクーの動きを封じ込める件だが…はっきり言って無理だ。
 さっきギズモを裸にした時使ったスペルカードが最後の一枚だったんだ。
 おめーのせいだぞ、バカヤロウ!」
リリ「え・・・・・・ぇ?」
ギ「なんでさ!?」
レベッカがギズモを叱りつけた。理不尽極まりない。

レヘ「俺がおめーらの力になれるのはここまでみてーだ。
 一旦自分の部屋にもどらねーとスペルカードの補充ができねぇぜ。
 おめーらの誰かが俺の部屋の中身をまるごと持ってこれるなら話は別だけどな。」
リリ『誰か、取って来れる?』
昔のリリアーナならともかく、今はとても無理な相談である。
レヘ「ロクーの動きを封じたいなら、もう一度使い魔カプセルに入れとけばいいんだよ。
 襲われる心配もねーし、ゾンビ化も解除できるかもしれねぇ。一石二鳥だぜ。」
ミル「使い魔カプセルに入れたって中から出てきたら襲われ……あ」 
そこまで言ってからピンと閃いた。
ミル「よしそれで行こう。フリージアごめん、またよろしく!」
フリージアに使い魔カプセル使用をお願いした後、ロクーに聞こえないよう声を落として続ける。
ミル「あたしはロクーの吸ってる葉巻が怪しいと思うんだけど、フリージアどう思う?
 使い魔カプセルを回復モードにして時間の流れを早めたら、すぐ葉巻を吸い終わると思うんだけど…」
フリ「その手がありましたのね!?さあもう一度カプセルにお入りなさい」
ロク「よせっ!俺は入らんぞーっっ!!」
ロクー(なのか?)は断固拒否した。カプセルから出る方法が不明なので、
ロクーからすれば軟禁も同然である。当然の反応かもしれない。

フリ「どうしても嫌だというのなら仕方がありませんわ・・・・・」
ギ「そうだよね中に入って時間を進めたらただでさえ腐ってるのにさらに腐敗が進んじゃうもんね」
今はまだ見ていても嫌悪感が沸かない程度の軽いゾンビだがこれ以上腐るとやばい事になる
ギズモはそう言っているのだ
フリ「腐り物は冷蔵庫に入れればいいのですわ」
どうやら使い魔カプセルに入れた後、使い魔カプセル自身を凍らせる事により
使い魔カプセルを冷蔵庫にしようと考えていたようである
リリ『そっか。使い魔カプセルを冷蔵庫代わりにするつもりだったのね。
 そうだ!じゃあ、ロクーの腐った手を氷漬け、っていうか、氷で覆ってギブスみたいにしたらどうかな?』
リリアーナはそう提案したが、この案も、ロクーはあまり乗り気ではないようだ。
幸いフリージアはあきらめたが、ロクーはなんだか心配になってきた。
(リリアーナはリリアーナで、氷漬けにする案をだしているが、
当然同意できるわけがないのが非魔法使いの一般的な反応だ。)
その不安は、フリージアが時計と会話しだした時から急加速する。
客観的に言えば、カエルの置物で一生懸命、
脳内上司とやりとりしていたロクーの方が異常ではあるが。

こちらはアナスタシアとターロン。
アナ「それじゃターロン。取ってこーい!」
急にアナスタシアに名前を呼ばれたターロンは、札の中で目を忙しく動かした。
アナ「おまえ御札で物を運べるんだろ?
 宝物庫まで御札を飛ばして、この“思ひ出の糸車”を取ってこいって言ったんだよ。
 今から急いで飛ばせば3分で持ってこれるだろ♪」
ター「……いいでしょう。しかし私は地下宝物庫の場所がわからないのですが」

リリ『他にも何か無い?呪いを解くとか、魔物を封印するのに使うアイテムとか!』
フリ「そうですわ!今の私ではパワー不足!これじゃあ素手で熊も倒せませんわ」
普通の人は万全な状態でも倒せません
フリ「時間を食べて相手に年を取らせてしまう呪いの時計とか性別逆転の呪いのサークレットとかありませんの!?」
アナ「あー!とにかく何でもいいからあるもの全部こっちに運んでこい!以上!」
アナスタシアの号令を受けて、ターロンはナナナから聞いた宝物庫の場所に御札を飛ばし始めた。

ター「どうも地下の宝物庫は墓になっているようで、奥にある宝を持ち出すことはできないようです。
  持ち出せるだけは持ち出しましたが、これで墓の主に呪いを受けないよう祈っていてください」
リリ「とか言っちゃって。本当は独り占めしたいからそう言ってるだけじゃないの?・・・・・・なーんてね。
 冗談はともかく、また呪われるのは困るな。 ・・・・・・ナナナ――――には無理か。
 ねえ、悪いけど起こしてくれないかな?」
やっと喋れるくらいに回復したリリアーナは、そろそろと身を起こした。

どんどんとリリアーナの前に積まれていくマジックアイテム。
その中から、アナスタシアは“思ひ出の糸車”を引っ張り出した。
アナ「これだこれだ。んー?こうやって回せばいいのか?」
【思ひ出の~糸車~♪…】
レヘ「ああん?」
アナスタシアが少しだけ車を回すと、そこから歌のようなものが少しだけ聞こえた。
ミル「ん?なにこの歌?」
リリ「なんか空回り、とか、糸を切る、みたいなこと歌ってなかった?だ、大丈夫なのかな?」
回る糸車に紡ぎ出された歌は、しかしどうやらアホ姉の興味は引かなかったようで。
アナスタシアは少し車を持ってぐるぐる回した後、リリアーナにポンと糸車を渡す。
リリ「へ?何ですか?」
アナ「よし!それじゃレベッカの代理で糸車を使うのは、リーダーのリリアーナに決定だ!
 失敗したらレベッカが地獄行きになるから気合い入れて使えよ~ぷぷぷ♪」
レヘ「だ、そうだ。責任は重大だ。健闘を祈る。」
レベッカはいつになく真面目にそう言った。
リリ「え・・・・・えええええ――――!!わ、私がですか――――っ!!
 って言うかリーダーってナンデスカ!無理無理無理!私まだ回復しきってないし。
 ほ、ほら!こういうのはマジックアイテムに詳しいクリスさんの方が!
 !――――はっ!クリスさん、今目をそらしたでしょ――――!!・・・っ!痛たたた」
興奮したリリアーナは、治りきってない傷の痛みにうめいた。

ミル「こらこら、あまりプレッシャーかけないの。
 他にも沢山アイテムはあるから、リリアーナも軽い気持ちで試せば大丈夫だからね。
 …なんかいろいろ運ばれてきたけど、まずはどれにどんな効果があるか調べてみよう」
リリ「そんなこと言われたって・・・・・・」
責任は重大である。リリアーナは途方にくれた。

といっても、時間もないしナナナも地下宝物庫のアイテムは知らないみたいだし。
見た目で判断して目録調べるしかないわけですよ。
ミル「なになに?“時間を食べて相手に年を取らせてしまう呪いの時計”!?
 フリージア!なんかお望みっぽいアイテム来たよ!
 んでこっちは…“性別逆転の呪いのサークレット”!?
 フリージアどっかでこの目録見たことあるんじゃないの!?」
フリ「ちょっと昔、ムーの光の戦士生まれ変わり詐欺に引っかかった事があっただけですわ」
ムーの騎士団の生まれ変わり詐欺というのはあなたは悪魔と戦うため生まれ変わったムーの光の戦士ですというダイレクトメールが送られてきて
それに返信すると自分の前世の名前とかムーの秘宝の情報とか胡散臭い情報が届き
ムーの再建費用を毟り取られるという詐欺である
自分で二つ名を名乗るようなセンスのフリージアさんはまんまとそれに騙されたらしい
リリ「案外、本当に王族の生まれ変わりだったりしてね~・・・・・うわっ?!」

(38で〆)


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最終更新:2009年10月28日 20:58
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