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リリ(でも、同情なんてしない)
リリアーナはぎゅっと拳を握り締めた。
ロクーの言葉、彼の記憶、そして、死に様が鮮やかに脳裏に蘇る。
リリ(ヨハネカインだって、マリアベルと同じじゃない。
 自分の望みを叶えるために、他人に自分が受けた以上の苦しみを負わせてるもの!)

フリ「せぇの!フリージングタワー!!」
ヨハネカインの周りに一本ずつ漆黒の氷の柱を立てるフリージア
そうフリージアだ
偽るべき対象が正気を失ったのを見てこれ幸いと変装を解いたのだ
単にクーラのふりをするのがめんどくさくなったとも言う
フリ「この氷柱でヨハネカインを覆ってしまえば彼に太陽の光は当たらなくなり
 ヨハネカインの影は生まれなくなるはずですわ
 仮に影が生まれたとしてもそれは遮蔽物である漆黒の氷の影
 影が生まれなくなればそれすなわちヘブンスマイルが生まれなくなるということ
 そうすればヨハネカインはただのお医者様ですわ」
すごく説明的な台詞を言うフリージアさん
グレイブがこれまた氷で足元を固めているので動いて体に日を当てることも難しいだろう
フリ「完全に隙間無く埋めてしまわないと不安だけど・・・・・」
B「……まあ、なるほどいいセンスだ」
氷漬けにしてもはや身動きすら出来ない状態の方が良いとグレイブは考えている。
が、なんにせよ攻撃手段を封じたのだ。幽体のSと共に安堵の息を吐いた。

アナスタシアとユリから見送られ、見つからないように空から撮影を開始するギズモ
ギ「確か・・・ヘブンスマイルって影を操るんだっけ?」
ついでなので太陽からヨハネカインを遮る位置に移動して撮影を再開するギズモ
地面にはでっかい悪魔の姿が影となって映る
けっして蝙蝠の影では無い!なぜなら蝙蝠の影はヴァンエレンの専売特許だからだ

ふっと日差しが遮られた。
リリ「よかった、雲が出てきたみたい。いい感じで日陰になってるよ!」
それはギズモのおかげなのだが、鈍いリリアーナは全然気づいていないようだ。

リリアーナの側にいたからか、ターロンもヨハネカインの過去を見ることが出来た。
そして、マリアベルに共感した。
ター「魔法も使えない身で魔法使いに刃向かうとは、何という不敬。
 もはやこれ以上の会話も不要でしょう。
 この男は、自分で自分の死刑執行令状にサインしたも同然です」
その言葉と共に、白い御札が飛んでヨハネカインの首筋にペタリと貼りつく。
ター「【呪符・大龍の命令】
 これでヨハネカインは、しばし我が操り人形となります。
 レベッカ様、あの男に、ロクーと同じように自らの首をはねるようお命じください。
 それでこの男も、馬鹿げた秘密組織とやらもお終いです。
 この学園は平和を取り戻す事でしょう」
リリ「そういう考え方自体がダメだって言ってるでしょー!!レベッカさんも何とか言ってやって!!」
リリアーナが怒ったが、ターロンは無視した。
レヘ「おん?俺の命令で動かせるのか?」
ター「今はレベッカ様の命令は、私の命令も同然でございます。
  ささ、速くあの男に引導をお渡しください」
リリ「だめよそんなの!今ここでヨハネカインが死んだら、今度はケルビムと魔法界の全面戦争になっちゃう!」
いつの間に合流していたんだろうか、ターロンとレベッカが近くに来て,
ヨハネカインを早く始末しろと急かしている。
でも、封じ込めてる相手をいきなり殺すってのもどうだろ?
同族嫌悪って言うし、ターロンはヨハネカインが嫌いなのかも。

フリ「レベッカさん!それよりも今まで彼が行ってきた悪事をすべて白状させたほうがいいと思いますわ
 殺してしまって悪霊にでもなられたら対応手段がありませんもの」
フリ「でももしそうなったら・・・・・ヴァンエレンさんが引き取ってくださるから良いのかしら?」
アンデット化したらヴァンエレンに引き取らせる気満々のフリージアさん
フリ「まあ冗談はこれぐらいにして本性はどうであれヨハネカインは優れたお医者様
 ここで殺してしまってはこれから救われる人間も救われなくなってしまいますわ」
レヘ「俺はヨハネカインを殺したいだなんて思ってねーよ。
 仮にも命の恩人なんだぜ、俺の。奴に同情の余地はねぇかもしれねぇけどよぉ。
 殺すってのは後味が悪すぎるぜぇ~。」
それに…とレベッカが続ける。
レヘ「“悪事を白状しろ”って命令しても意味がねぇかもしれねぇよ。
 ロクーの時を思い出してみろよ。自分が“悪い”と思わねぇかぎり、
 それは“悪事”として白状できねぇからなぁ。
 素直に“人を殺したことがあるか?”って聞いたら、間違いなく“YES”なんだろうけどよぉ。」
もしも人殺しが悪事なら、レベッカも悪人である。レベッカはそれを認めたくなかった。
リリ「殺人は立派に悪い事だよ。そりゃ状況にもよるだろうけど、理想を盾に正当化してほしくない」
フリ「ここはひとつ人を傷つけたり殺したりした時、同じ痛みが自分にも帰ってくるような呪いでもあれば楽ですのに」
ミル「それだ!」
レヘ「楽かもなぁ。こいつが他人を使って殺しをしなけりゃよぉ。」
ミル「…ロクーの事があるから無理か…」
レヘ「そんな呪いがありゃ、俺は真っ先にメイレンに使うぜ。“お食事”の時によぉ。」
リリ「うーん、八方手詰まりかあ・・・・・・」
ミル「んー…やっぱ後は先生たちに任せるしかないか…」
もちろんアホ姉以外のまともな先生に。だけど。

レヘ「おい、フリージア!どうなってんだ!?」
レベッカが慌てた。というのも、ヘブンスマイルが発現する時のあのけたたましい笑い声が、
フリージアがヨハネカインの周りに立てた氷柱の向こうから聞こえてきたからだ。
レヘ「お前は確かにヨハネカインを氷柱で覆ったよなぁ!?
 そうするとヨハネカインに影ができねぇから、ヘブンスマイルが生まれなくなるんだよなぁ!?
 じゃあ、あの笑い声は何なんだぁ!?」
ミル「ターロンがお札を入れた隙間から光が入ってたんじゃないの!?
 とにかく全員再警戒でよろしく!」
ヨハネカインの前にあった氷柱の一本が砕かれ、彼の姿が見えるようになったからだ。
リリ「大変!桜花さん危ないわ、下がって」
リリアーナは具合の悪そうな桜花の腕を引いた。
リリ「何で?どうやってヘブンスマイルを?!」
ヴ「…あ、ども」
目と目が合う瞬間!
敵だというのになぜか挨拶をしてしまうヴァンエレン。
リリ「ばかー!!何のんきに挨拶してるのよー!戦わないなら逃げるのよ!逃げるのー!!」

Y「私はタバコは吸わない。体に悪いからな。
  だが、ライターはいつも持ち歩いている。こういう時に便利だからな。」
Y「ほう、炎で影を作ったのか……」
そう言いつつ、グレイブは頭の中でまた魔法の構成を組み始めている。
いつでも反撃できる態勢だ……が。
Y「この程度の氷の柱なら、片手さえあれば十分破壊できる。」
そう、片手の影をライターの火でつくり、それで氷柱の影を殴ったのだ。
「野郎、まだやるってのか?俺達と?」
「いや、勘違いしないでほしい。私が今、この氷の柱を砕いたのは、私の声を通りやすくするためだ。
 もう君達と戦う意志は持ってない。それを伝えたかったのだから。」
ライターの火を消しながら、そうヨハネカインが切り出した。
「私の負けだ。“観念”するよ。君達に危害を加えないし、この島からも出ようとしない。
 …ところで、君の名前は何て言うんだ?」
リリ「え?あの、私はリr」
レ「こいつはピリアーナだ。」
レベッカは、本人や周りの友人達がリリアーナの本名を言う前に偽名を言った。
レベッカの父親は相手の名前を使って封じ込める道具を持っていたので、
そういう類の能力をヨハネカインが持っていないかと警戒したのだ。
リリ「ピ、ピリアーナです」
Yo「ピリアーナ、君が言ったことはだいたい真実だ。
 だが、私が泣くほど悲しんだのは、なにも私の少年時代を悲観したからではない。
 マリアベルと私は、稀代の闇の魔法使いとそれに対抗しうる非魔法使いとしてずっと対立してきた。
 だが、それはそれで何と言うか…良い青春時代だった。
 いつしか我々には奇妙な友情関係ができあがっていた。
 私がケルビムを創設したのは他でもない、我々のこの他愛の無い“兄弟喧嘩”のためにあったのだと…
 今にして考えれば、そう感じる。」
ミル「は?」
最初っから疑う気全開だったあたしは、奇妙な単語を聞いて思わず耳を疑った。
良い青春時代?奇妙な友情関係?
作り笑顔を貼り付けたリリアーナの額に、ぴしっと青筋が浮いた。

Yo「だが、いつしかマリアベルの足跡が途絶えてしまった。
 私はいまや一国の政治を動かせるほど巨大となった
 ケルビムの情報網を駆使して彼を探したが、行方がわからなかった。
 けれど、今やっと理解できた。彼は死んだのだな?
 でなければ、マリアベルの秘密を知っている君が生きているはずがないのだから。
 だから私は悲しんだのだ。生きるための一つの生きがいを永遠に失ったのだから。
 マリアベルが死んだ今となっては、ケルビムは私にとって何の価値も無いものになった。
 私はただの医者に戻る時が来たのだ。
 魔法使いに対抗しうる非魔法使いのヨハネカインではなく、ただのヨハネカインに…」
ヨハネカインはまた涙ぐんだ。レベッカは対応に困ってぽりぽり頭を掻いた。
B「兄弟喧嘩だと……?」
そんな下らない、下らないことのために今戦っていたのかと教えられたグレイブの額には、ぴくぴくと動く青筋。
リリ「ふ・・・・・・・」
レ「嘘ついてはなさそうだけどよぉ、そんなこと俺達に言われても困るっつーの。
  どうするよ、みんな?ひとまず学園長のじじぃに預けるかぁ?
  まあ、とりあえず一つだけ言えることがある。ケルビムはもうお終いだ。」
リリ「ふざけないでよこの大馬鹿ヤロ――――!!」
ふざけんな!と叫んでやろうとした所で、あたしより先にリリアーナが爆発した。
氷の破片をヨハネカインに向かって次々投げつけ、さらに直接殴りかかろうとする。
ミル「ちょっと待ってリリアーナ!近寄るのは危ないって!」
レ「どーどー。」
レベッカとミルクは二人がかりでリリアーナを止めにかかった。
勿論、グレイブは怒りをはけ口を見失った。
B「……チッ!」
結果として、盛大な舌打ちだけをするに留める。 それをミルクが抱きついて止める。
勿論、グレイブは怒りをはけ口を見失った。
B「……チッ!」
結果として、盛大な舌打ちだけをするに留める。

ヨハネカインはヘブンスマイルも出さず、ノーガードでそれらを受け止めた。
リリ「何が良い青春時代よ!何が奇妙な友情関係よ!!
 いい思い出だぁ?ただの兄弟喧嘩だったんなら、1対1で勝負でも何でもすればよかったのよ!
 どれだけの人を巻き込んで、どれだけの人を傷つけておいて!馬鹿も休み休み言いなさいよね!」

リリ「そうよ、確かにマリアベルは滅びた。あなたの父親も一緒にね。
 でも・・・・・・マリアベルが死んだら、もうケルビムにはもう価値が無いですって?
 じゃあ、死をも恐れずあなたの命令を守ろうとしたロクー達はどうなるの!無意味だって言うの?」
ショックを受けたような顔をしているのは、氷が頭にぶつかったことだけが理由ではないはずだ。
彼は黙って、リリアーナの言葉に耳を傾けた。

リリ「魔法使いに不満を持つ不穏分子をさんざん煽っておいて、自分だけただの医者に戻る?
 人を殺して、傷つけて、扇動して!ただの医者に戻ったら、自分の罪が全部消えるとでも思ってるの?
 扇動した人達をそのままにして逃げるつもり?
 何もかも投げ出すのなら、あなたは死んだマリアベル以下だわ!
 いい大人なら、自分がしでかした事の責任きっちり取りなさいよ!」
体は止めても、リリアーナの口は止まらなかった。
そっちはあたしも止める気はない。
あたしも大体同じように感じてるんだから。
リリアーナはぜいぜいと肩で息をしていたが、ふと表情を緩めた。
リリ「私はご覧のとおり「スクイブ」だけど、今、魔法使いとお付き合いしてるの。
 彼はね、将来立派なオーラー(闇払い)になるのが夢なんだって」
話の飛躍に周囲は戸惑ったようだが、リリアーナだけは大真面目だ。
リリ「皆変わっていくわ。彼も、ロクーも、ケルビムも。
 ヨハネカイン博士、あなたの言うケルビムだってそれほど巨大な組織なら、もっと違う何かが出来るんじゃないの?」
リリアーナはちらっとグレイブ達を見た。
リリ「謂れの無い差別に苦しんでるのは、何もスクイブだけじゃないでしょう」
R【あ……そういうことかぁ】S【俺らのこととか?なるほどなー】

Yo「確かに、ロクーや他のメンバーにはずいぶんと助けられた。彼らの心を裏切るのは、私もつらい。」 フリ「私たち魔法使いだって魔法が一般的じゃない地域じゃ化け物扱いですわ
 単なる技術だって説明しても納得してもらえないし・・・・
 魔導式活版印刷機でも蒸気式活版印刷機でも得られる結果が同じなら魔法でも科学でも大した違いは無いじゃありませんの
 それを魔力で動く機械なんてわけのわからないものは信用なら無いとか冗談じゃありませんわ」
と印刷機械の営業マンのようなことを言い出すフリージアさん

ヨハネカインの頭から、たらりと血が流れた。おそらく、さっきリリアーナが投げた氷の破片だろう。
ヨハネカインもそれに気づき、つぶやいた。
Yo「この痛み…この血は罰として甘んじて受け入れよう。
 ケルビムを投げ捨てようとした、弱い自分の心への戒めとして。」
ミル「違うよリリアーナ…ケルビムが変わる必要なんて無い。
 魔法使いに対抗する非魔法使いのヨハネカインが終わるなら。
 レベッカが言うように、秘密結社ケルビムも終わらせなきゃ。
 今日。今すぐ。この場所で」
その言葉を聴きつつ、グレイブもまたポツリ語り始める。
B「……例えば、先天・後天、また呪い・種族、更には魔法社会・科学社会関わらず。
 人狼が差別の対象の場所なんて、探せばすぐ近くに見つかるほどに存在するな。
 それこそ中世の魔女狩り時代に匹敵するまで嫌悪している地域すらある。
 俺はリリアーナに賛成だ……そういう連中のために動く組織にするっていうのなら、俺は協力すら吝かじゃない」
R【お?そんなら俺もいいと思うがなー!】S【うーん……僕はまだ決められないけど、いいかもしれない】 グレイ+S・Rの二人も比較的賛成側である。

ケルビムはすぐには終わらないだろう。
走っている物が大きければ大きいほど、すぐには止まれないものだから。
でも。頭を失った虫がいつかは死ぬように。頭を失った組織も長くは続かない。

ミル「兄弟喧嘩が終わったら、後は喧嘩中にしでかした事の後始末をする時間だよ。
 ケルビムと自分がしてきた事を隠さず公表して、良い事と悪い事の清算を。
 ケルビムが暴走するようなら、きっちりと自分の手で幕引きを。
 それが出来ないなら、あんたも自分を差別した魔法使いたちと一緒だよ。
 …生きるための生きがいを失ったって泣いてたけど、泣く必要なんかちっとも無い。
 あたしの呪いを簡単に解いて、レベッカの魂を体に戻したように、博士には他の人を助ける技術があるんだから。
 自分にしか助けられない人を助けて、その人の終わるはずだった人生の続きを見て。
 それって最高の生きがいなんじゃないの?」
フリ「悪の魔王を勇者が倒して世界が平和になりました。めでたし、めでたし
 で終わるほど世の中は簡単じゃありませんのよね、残念ながら」
何でもかんでも暴力で決着が着くのなら喜んでヨハネカインをぶちのめすであろうフリージアさん
だがそんなことをしてもケルビムという組織は消えないのである
ギ「勇者が魔王を殺しても勇者の人生は続くわけだしねv」
ミル「まあ、とりあえず冒険はめでたしなんだろうけどね…
 目標がなくなって、ついでに仕事もなくなって犯罪に走る勇者、とか嫌な事にならなきゃいいんだし」

ヨハネカインが何か言おうとしたが、それをレベッカが遮った。
レ「おめーらの意見はよぉ、とりあえずヨハネカインにケルビムに戻れってとこだけは共通してるみてぇだがよぉ。」

レ「俺は反対だね。悪いと思ったことはよぉ、さっさとやめるもんだぜ。
  だいたいだな、こいつがケルビムなんてでかい組織のトップなのがそもそも問題なんだ。
  今こそヨハネカインはいいように俺達の言葉に頷いてるが、
  ケルビムに帰ったらそんなことケロっと忘れるかもしんねぇぞ。
  だいたい、考えても見ろよ。ヨハネカインがケルビムの方向性を変えても、
  ケルビムの悪事をここで白状させても、きっと熱狂的な信者は俺達を攻撃してくるぜぇ?
  中つ国でも、皇帝がスズメを害鳥だと言っただけで、命令もしないのに各地でスズメ狩りが始まるんだ。
  こいつの場合だって、きっと同じさ。俺達のためにもよぉ、ケルビムに戻さねぇ方がいい。」
リリ「永遠の命の価値は薄れても、ヨハネカインの教えだけは生き続ける、・・・・・・ってこと?」
ミル「んー、ま、そう言われればそんな気もするけど…
 放っておいたら、余計にケルビムが暴走するんじゃないの?」

Yo「昔の君とは違う。」
レ「………ああ?」
ヨハネカインにそう言われたレベッカの顔に青筋が浮いた。
Yo「私は自分の責任を放棄しない。ケルビムには戻らなければならない。」
レ「てめぇが俺の過去の何を…」
知ってるんだ!?と言いかけて、レベッカの顔が青くなった。
レ「(そうだ。知らねぇはずが無かった。ケルビムの存在理由を考えれば…)」

Yo「君のことは知っている。レベッカという名前を名乗っているが、その正体はファン・メイテン。
 140年前、中つ国の独裁魔法使い達をハニートラップで殺害した妖怪だ。
 私は君を非難しようとは思わない。過去の資料を調べるかぎり、殺されて当然の連中、歴史の必然だ。
 そして、君が皇帝の寵愛を受けるために行った“いかなる行為”も、
 より大きな善のために必要だったと思っている。
 君はすごく私に似ているんだ。
 だが、君が失敗したのは皇后の地位を投げ出したことだ。」
ヨハネカインはミルクに言った。
Yo「ケルビムを終わらせるわけにはいかない。魔法しか学んでいないのならわかりかねるかもしれないが、
 ケルビムは世界に与えている影響が大きすぎる。ケルビムが今失われれば、政治も経済も混乱する。
 そうすれば、それこそ多くの無辜の民を苦しめることになるだろう。
 例え君達の価値観からしてケルビムが悪であろうとも、悪には悪の正義があるのだ。
 だが、その正義には私個人の感情からくる偏りがあった。それは修正することを約束しよう。」

リリ「その言葉、もう一度学園長の前で誓ってもらうかr」
ミル「…難しい話はともかく、とりあえず博士には学園長にあってもr」
レ「いいや、違うね。なぜならてめぇはここで死ぬからだ。」 ミル「こらレベッカ、今は冗談言ってる場合じゃ…」
レ「ターロン、ヨハネカインにヘブンスマイルを出させろ。そしてこいつの首をはねちまえ。」
ター「仰せのままに」
けたたましい笑い声とともに出現するトップ・オブ・ザ・ワールド。
しかし、それは今はヨハネカインの味方ではない。放っておけば、ヨハネカインは死ぬだろう。
リリ「え。ちょ、ちょっとぉ?!」
Yo「正気か君は!?何故だ!?私は君を治療したのに!?」
レ「うるせぇなぁ。てめぇの命だけは助けてやるつもりだったんだよ。俺の過去をほじくり返さなきゃよぉ!」
ターロンにもし使い魔としての繋がりが感じられるなら、レベッカがプッツンしていることがわかるだろう。
桜「貴女の過去に何があったかなんて事に興味は無いが、貴女が今やろうとしている事はよくない事だ…。
友人としてとめる義務がある。」
桜花の言葉に全く耳を貸すつもりはない様子のレベッカ。

フリ「ちょっと!斬首なんてしたら返り血がついちゃうじゃありませんの!この服借り物なんですからね!!
 殺るなら血が出ない方法にしなさいな!! 」
リリ「えー!!返り血がどうのっていう以前の問題だよー!グレイブー!何とか止めてー!!」
フリ「不味いですわ・・・・ギズモちゃん!ヨハネカインさんの影を奪っておしまいなさい!!
 確か悪魔との契約の第二段階で影を奪えるって言っていたでしょ!!」
ギ「無理だよ!契約者でもない者の影を奪うなんて悪魔でも出来ないよ!
 契約者であるお母さんの影ならいつだって奪えるけどさ」
リリ「っていうかそういう問題じゃないし!っていうか、こんな状態でも撮影するのやーめーてー」
慌てふためくリリアーナに対し、ギズモはあくまでマイペースだ。
だがどうひいき目にこの映像をみても、リリアーナ達のほうが悪役としか思えない。
ミル「そーゆー問題じゃないだろ!ギズモもさらっと怖いこと言うな!
 てか、その記録石アホ姉に渡してたやつじゃないかどこから持ってきた!?」
リリアーナと一緒にフリギズコンビに言いながら、大事なことに気付いたあたしは慌てて周りを見回した。
廊下の真ん中に植え込みがある以外、人影は見当たらない。
…よかった、話をややこしくしそうなアホ姉もユリもいないな。

リリ「オウカさん、例の不思議な魔法でターロンのお札をひっ剥がせない?・・・・・・って、やっぱり無理だよね」
体調最悪な桜花に、負担の大きな時空魔法を強いるのは酷な願いかもしれない。
桜「魔力は回復しているし、貴女の頼みなら…やる。
でも、時を止めるのは今日はこれで最後にさせて欲しい。」
快諾は出来ないが友人から頼まれてはやるしかない桜花

リリ「グレイブ、ううん、誰でもいい!誰か、何とかしてヨハネカインを気絶させて!
 術者のヨハネカインが意識を失えば、きっとヘブンスマイルは消滅するわ!多分だけど!!」
B「無理だ」
冷静な判断こそグレイブの真骨頂だが、脳内物質の治まりと共に両腕の痛みは無視できるレベルではなくなってきた。
どうやって解決するというよりもまず痛みを和らげなければ話にならない。額に浮かぶ汗がそのことを物語る。

その言葉を受けて痛みに耐えつつ左手を前に出す、が何を思ったかすっと降ろす。
B「……まともな魔法が思いつかない。悪い、お前らの誰かがやってくれ」
ミル「なんかすごい汗でてるよグレイブ…大丈夫なの?」
B「Rが万全なら、あるいはそのヘブンスマイル自体を取り押さえられたんだろうがな……」
生憎Rの腕は妙な方向に曲がっている。
しかし幽霊に治療などどうすればいいのだろう。結果的に現在、グレイにできることはない。

フリ「まあでもヨハネカインさんが死んだ後、偽者のヨハネカインさんを送り込めばケルビム丸ごと自分の物に出来ますわね
 何か聞かれたら記憶喪失になったって誤魔化せばいいんだし
 ターロンさん変身魔法に自身はあって?」
止めるのが無理であるとあきらめて自暴自棄になるフリージアさん
ギ「死んだヨハネカインはメイレンさんが食べちゃえば証拠隠滅にもなるしねv」
リリ「若くない!ヨハネカインは若い男じゃないないから!!」
ギズモの「死体はメイレンが食べれば解決!」というジョーク(?)もあわせて、本気に聞こえてしまうから洒落にならない。
ター「自信があるとまでは言えませんが、学園の死霊使いの方に力を借りれば,身代わり程度は務まるでしょう」
ミル「なんでいきなりあきらめてるんだよ!
 ターロンもバカ言ってるんじゃねー!!」
リリ「っていうか、あのターロンが、非魔法使いの人間相手に手加減とか容赦とかするわけ無いでしょー!!
 今は従順そうに見えるけど、本質は魔法使い至上主義で危険な妖怪なんだから!
 こらヴァンエレン!ヨハネカインを気絶させられないなら、せめて使い魔蝙蝠飛ばして誰か呼んで来て!早く!!」
こんな騒ぎになっているのだが、ゲート付近には人影がなく人が駆けつけてくる様子も無い。
まるで、人払いの魔法でもかけてあるかのようだった。
リリ「レベッカさん、落ち着いて、レベッカさんってば!
 今ここでヨハネカインを殺してしまうのはダメだってば!ちょっと、聞いてる?!」
リリアーナがレベッカの肩を揺さぶろうとしたが、手を払いのけられてしまった。
表面上こそ落ち着いて見えるが、どうやらヨハネカインの指摘はレベッカの逆鱗に触れたようだ。
リリ「わーん!ミルクどうしよう!!レベッカさん暴走してるよー!!」
ミル「落ち着けリリアーナ!それは見ればわかるから!
 でもあたしも良い手は浮かばないよ!あればやってるし!」
リリアーナに言い返すあたしも、まともな事は言えてない気がする。
あああああ どうしてこうなったー!!!!

通常の場合、我を忘れた人間を正気に戻すには、頬を叩いたりしてショックを与えるのが一番だ。
だが、リリアーナがレベッカを叩こうとしても、多分彼女は簡単に回避するだろう。
かといって、思ひ出の糸車を使って、レベッカの過去を盗み見る気も無い。
リリアーナは糸車をポケットに押し込むなり、あさっての方向を指差し、叫んだ!
リリ「あっ!あんなところに裸のブルースさんがっ!!」

桜「時よ、…うぷっ…止まれ!」
時を止める桜花
ヨハネカインに近づき、その体に貼られた御札を剥がす。
桜「そして…時は動き出す。」
唐突に、ヨハネカインのすぐそばで灰色の髪の女生徒が倒れ伏す。
その手にはターロンが貼り付けたお札が。
ター「またあなたですか!」
博士に自決命令を出す直前に邪魔されたターロンが、忌々しげに舌打ちした。
ギ「無茶しやがって・・・・」
R【いたッ!はやッ!すげッ!】
B「いや、今のは瞬間移動や転移か?残像すら見えない速さをしかも助走なしで初速からなど不可能だ」
S【二人とも違うよ。そんなチャチなものじゃあ断じてないよ……僕もわからないけど】
しかしグレイはやはりふざけた会話をしている。危機から脱せればこんなものなのだ。

リリアーナはレベッカの一瞬の隙をつき、タックルして押し倒した!
リリ「レベッカさん落ち着い・・・・・~~~~~!!」
単にショックを与えて正気に戻す作戦だったようだが、色々予定外のことが起こったようだ!

Yo「何が起こったかわからんが…助かったのか?私は?」
ヘブンスマイルを自由に使えない状態だったヨハネカインは、
時を止めたオウカが自分の体に張られた札を剥がした事など見えない。
Yo「私は常に自分の未来を見て、いつも最善の状況を選択してきた。
 そして、未来が見えないことがこれほど恐ろしいとはな。
 君はこのヨハネカインに、ヘブンスマイルを発現して以来始めて恐怖を与えたぞ。
 いや、だからどうだというわけではないのだが。」

その恐怖の女レベッカは鼻を押さえてもんどりうっていた。
レヘ「鼻が~!?俺の鼻が~!?」
レベッカを止めるべくリリアーナがタックルした際、
彼女の頭がレベッカの顔にぶつかったのだ。
リリアーナの方はレベッカのおっぱいに今顔が埋もれている。
リリ「むがむがむが!!むー!!」
鼻を押さえているレベッカの腕が邪魔になり、おっぱいから顔をあげる事が出来ないのだ!
ギブギブギブ!と地面を叩いていたリリアーナの手が痙攣し、ぱたりと地面に落ちた。
ざんねん!リリアーナの ぼうけんは、ここで おわってし

ミル「ヨハネカイン博士!そこで倒れてる桜花と、ケガしてるグレイブの治療をお願いします! 」
Yo「いいだろう。」
ヨハネカインはトップ・オブ・ザ・ワールドを発現した。
S【いいの!?さっきまで戦ってたのに!?】R【うはー!】
それはヨハネカインの周りの氷を破壊する意味と、もう一つの意味がある。
ミル「フリージアはいざとなったら博士を氷で守ってあげて!将来はともかく、今ここで死なれちゃ困る!」
B「……ちょっと待て、こいつに治療をさせる気か?幾らなんでもそれは……」
フリ「仕方がありませんわねえ・・・いざとなったら絶対に解けない氷の棺桶を使ってでも守りますわ」
当然のことながら自分より上級の魔法使いの魔法の炎だと溶けます

Yo「まずは君からだグレイブ。君の持つ霊に対して、トップ・オブ・ザ・ワールドを使って手術を行う。
 なぜなら、君の霊は君本体より深刻なダメージを受けただろうからな。
 私本体は…オウカと言ったのか?彼女の診断をする。」
ヨハネカインはオウカに近づいて手首を取った(キラヨシカゲ的な意味ではない)。
Yo「魔力の枯渇と、時間酔い(?)のような状態だな。君はもしかして時を動かす魔法を使えるのか?
 いずれにせよ、このチョコレートを食べるといい。」
立ち上がれない程の気分の悪さ、それを緩和してくれたのはチョコレートだった。
ヨハネカイン博士に渡されたチョコレートを無心に食べる桜花の顔色は徐々に良いものへと変化していく。

その後ろでしゃかしゃかとトップ・オブ・ザ・ワールドが動いている。
Yo「心配は無用だ、グレイブ。トップ・オブ・ザ・ワールドの精密動作は私を上回る。すぐに楽にしてやる。」
B「……不安にしかならん、その言い草は」
それでもしゃかしゃか治療を進めるヨハネカイン。
あっというまに手当ては進められていくが、どうやって治療しているのだろう?
動きが複雑すぎてグレイブには捕らえられない。

ミル「レベッカ!あんたね!恥ずい過去ばらされたぐらいで何ブチ切れてるのよ!
 そんなんでブチ切れて許されるんなら、あたしなんか今までにもっと暴れまわってるっつーの!
 誰でも知られたくない過去ぐらいあるわ!
 ばらされた恨みに相手殺して過去消せるわけじゃあるまいし、甘えてんじゃねーっ!!」
思いっきりレベッカにまくし立てて、それからやっと、ようやく、あたしはリリアーナの起こしたハプニングに気付いた。
ミル「…えーっと。ねえねえ今どんな気持ち?じゃなくて…少しは落ち着いた?」
レ「おん…」
レベッカは急激にテンションが落ちていた。躁鬱状態といったところか?
「…えーっと。ねえねえ今どんな気持ち?じゃなくて…少しは落ち着いた?」 
レ「ちょっと落ち着いた。今は反省してる。」
レベッカも一緒に答えた。
リリ「し、死ぬかと思った・・・・・・。」
ミル「ん…よかった…」
かなり強引なリリアーナのショック療法が、無事に効果を発揮したみたいだ。
落ち着きさえすれば、頭のいいレベッカ のことだ。
これ以上博士をどうこうする気もなくなるだろう。
リリ「ちょっとギズモ、どーして助けてくれなかったのよー!ひどいじゃない!!」
八つ当たりである。

リリ「え――――っ!!ヨハネカインが治療を?本当にっ?!」
ミル「まあ、これからは普通の医者に戻ります宣言もしてたしね。
 治療ぐらいはしてくれると思って頼んだんだけど、上手くやってくれたみたいでなによりだよ」
やけにリリアーナが驚いてるけど、博士にどんなイメージを持ってたのやら。
んー、でもさっきまで敵対してたわけだし、これが普通の反応なのかな。
リリ『桜花さんにグレイ達、身体の方は本当にだいじょうぶ、なの?』
リリアーナからのテレパシーにチョコレートを口にくわえながらコクリと首を縦にふる
どうやらヨハネカインは、きちんと治療を施してくれたようだ。
―――― リリアーナのヨハネカインに向ける目が、ほんの少し変化した瞬間だった。

レ「ぶっちゃけよぉ、ヨハネカインが言ったことが正しいと、
  心の奥の方で思っちまったからぶちきれたんだと思う。
  奴の言うとおり、似たもの同士なのさ俺達は。
  俺はヨハネカインと同じような考え方を持っている。
  より大きな善のために殺しもいとわない考え方をよぉ。
  でよぉ、もしもお前らがヨハネカインを許さないなら、俺も許されねぇよなぁ?
  俺がおめぇらに許されるなら、ヨハネカインも許すってことになるぜぇ?
  大変なジレンマだぜ、こいつはよぉ。友達だって理由で俺だけ許すのかぁ?
  でも、それじゃあ結局よぉ。利己的だよなぁ?正義じゃねぇよなぁ?どうなんだよぉ~?」
フリ「あら?私は元から正義じゃありませんことよ」
リリ「えええ!!愛と正義が友達じゃなかったの?!」
ミル「おいおい…いきなりぶっちゃけるなよ…」

フリ「別に利己的だっていいじゃありませんのレベッカさんだって人ですもの」
ギ「この場合の人とは言葉を喋れる以上の知性を持った知的生命体を言います」
とギズモきゅん
フリ「今回だって私は自分のしたいことを自分のしたいままにした
 その人が自分の大切な人だったから助けた・・・・それだけですわ」
レヘ「俺だってそうだったんだ。」
と、レベッカが答えた。

リリアーナはうーん、となにやら考え込んでいたようだが、やがてお手上げだ、と言わんばかりに首を振った。
そしてレベッカの顔をじっと見つめた後、おもむろに彼女の身体に手を回し、揉みしだきはじめる!
どこかって?もちろんそれは――――
リリ「ほら、やーっぱり肩に変な力入ってる」
レヘ「おん?」
リリアーナはレベッカの背後にぴったり寄り添うと、彼女のコリをほぐし始めた。
リリ「思うにレベッカさんはさ、きっと、ヨハネカインの事を正しいだなんて思ってないんだよ。
 だってそうでしょ?正しいと感じてるのなら、なんで罪悪感を覚える?怒る必要があるの?
 むしろ、少ない犠牲で目的を果たせた事を誇るべきなんじゃない?」
レヘ「じょ、冗談じゃねぇぜ。俺は自分がやったことなんか誇れねぇよ。」
リリ「私は難しい事わからないんだけどね、もっとさ、こう・・・・・・肩の力抜こうよ。
 私はヨハネカインに怒ったり、哀れんだりする事は出来るけど、彼を裁く事も、許す事も出来ない。
 だって私は当事者じゃないし、彼は自分の行動を全く恥じてない。悪だとすら感じてないから。
 本人がさ、心から悪かったと悔い改めないと、罪が許される事もありえないと思うのよね。
 ・・・・・・・あ、こういう物事の善悪って、時代と主に変化するからあてにならない・・・・・・んだったっけ?あはは」
レヘ「結局、俺に何が言いたいんだよリリアーナ?」
リリアーナはぽりぽりと頬を人差し指で掻いた。
リリ「レベッカさんの言うように、私は当事者じゃないし、事件のこと、殆ど何も知らないんだよね。
 だから本当の意味で、レベッカさんの罪自体を帳消しにする事も、許す事も出来ない。
 ・・・・・・だけどね、私、「俺がこの国の母になってやんよ。」 って言ったレベッカさんの事、好きだよ。
 自分も大変だったのに、それでも誰かのために何かしたいって思える・・・・・・そういう所、いとおしくて・・・・・・誇らしい。
 ――――ああ、ぜんっぜん上手くいえないや、ごめんねっ!!」
はい、終わり!とばかりにリリアーナは、レベッカの両肩を元気よく叩いた。
リリ「それとね、もしまたレベッカさんが「正しくないと思ってる事」をしようとしたら、今度からは私が絶対止めに行くよ。力になるよ!
 私にはたいした力も持ってないけど・・・・・・1人じゃダメでも2人ならきっと出来ること、きっとあるもの。
 完璧でなくていいじゃない!だって、そういうの補い合うのが「友達」でしょ?」
レヘ「………」

ミル「結局さ。あたしが許せるのって、あたしが直接されたことだけなんだよね。
 で、あたしは特にあんたから何もされてないから、別に許すことなんかない。
 ヨハネカイン博士の方は…ほんとにもう博士が人様に迷惑をかけないってのなら、許せるけど。
 レベッカが、より大きな善のために殺しもいとわない、なんてまだ思ってるならそりゃ違うって言うけどさ。
 あんたが昔何したか知らないけど、結局大事なのは、今と将来なんだよ。
 今、自分が将来後悔しないような道を選んで。
 歩いてきた道が間違ってるってわかったら、すぐに訂正して。
 近道じゃないだろうけど、正しい道を歩いてるか迷いながら、考えながら生きていけばいいんじゃないの?
 許すも許さないも、許さなきゃどうするんだって言われたら終わるしね。
 ま、あんたも自分のした事が回りまわって、自分の首絞めないように気をつけなって事でひとつ」

桜「……………」
チョコレートを食べながらレベッカの話を聞いていた桜花。
口の中に残っていたチョコレートを飲み込むと座り込んだまま
桜「私は詳しい話を知らないし、難しい事を考える事も得意ではないし、口下手だからどう伝えて良いかわからない。
でも、私達からしたらレベッカさんは大切な友達だ。
 確かに友人だから許すと言うのも変な話だが、逆に友人だからこそ許せると言うのもあるんじゃないだろうか?
 私はそう思う。」
桜花はレベッカを見据え言う。

レヘ「おめぇらってよー。」
レベッカが目を開いた。その妖怪の瞳は琥珀色である。
レヘ「本っっっ当に馬鹿だよなぁ。でもよぉ、嫌いじゃあねぇぜ、おめぇらみてぇな馬鹿共は。
 なんたって、そいつらに励まされる俺は大馬鹿者だからよぉ。」
レベッカは元気を取り戻した。彼女はまた中つ国のために歩きだすだろう。
今度は道を踏み外さないように。

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最終更新:2010年03月05日 23:50
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