(投稿者:マーク)
仮面の女は突き刺さった刀を引き抜く血も勢いよく噴出す
デュランダルをまとっていた炎も消えローラは糸の切れた人形のように倒れ、彼女を中心に血だまりが広がってゆく
「ちっ・・・仮面が・・・・」
ローラの最期の一撃によって仮面が破壊され素顔があらわになる、女の名は柳鶴、黒旗の客人剣客である
柳鶴が後ろを振り返るとこちらを呆然とみている少女がみえた
「柳鶴!!貴様勝手な行動は・・・仕留めたのか?」
遅れて到着した兵士達がローラを見て言う
「見てわかんない?」
「なら後は目撃者を消すだけだ・・・・」
そういって銃を子供二人にむける、その光景はローラの視界にも入った
(ヤバ・・・い・・・・・コアに・・・・直撃はしてないみたいだけど・・・・もう何分も保たない・・・死・・ぬ・・・・・)
だがローラは自分を奮い立たす
(まだだ・・・・あの子たちは・・・・絶対に・・・・逃がさないと・・・・絶対に・・・・あたしは・・・)
力が入らない手でなんとか拳銃をつかむと震える両手で引き金を引いた、銃弾は兵士からそれたが少女と少年のそばの窓ガラスをやぶる
「逃げて!!早く!!」
あっけにとられた少女と少年二人に精一杯の大声で怒鳴る、弾かれたように二人は逃げ出す
「貴様・・・・まだ生きていたとはな・・・・」
いっせいに銃がローラに向けられる、
「柳鶴・・・・これはお前の失態だ・・・」
「関係ないね、要は死に至らしめればいいんでしょ?」
ローラの首に刀が突きつけられる
(ははっ・・・・・・・こんな奴らに殺されるなんて・・・・最悪・・・)
ガチャリとロックを解除する音、ローラは目を閉じた
そのとき、一人に空から飛来した何かが突き刺さり石畳に突き刺さり男を縫い付ける、その飛来した刀は男の心臓を突き破っていた
そんな刀を持つ者は一人しかいない
「てめぇら・・・・・・!!」
空から降ってきた男は怒りに燃えた目で柳鶴達をにらむ
ローラが買ってやった安物のサングラス、直垂に描かれた”無双”の文字、そして紅いコート
「りゅー・・・くん」
「くっ・・・・う、うてー 奴は一人だ!! 囲んでしまえば・・・」
だが男の指示通りに動く前にリューマによって殴られ、蹴られ、撃ちぬかれ無事に立っているのは柳鶴のみだった
「さすがは無双の名は伊達じゃないわね、龍馬」
「てめえだったか、”親殺し”の葎夏」
「もうその名は捨てたのよ、今の私は柳鶴」
「関係ねえな・・・・てめえは今ここで・・・死ぬ!!」
そういいリューマは男から刀を引き抜くと柳鶴に切りかかるがそれを軽くかわす
「意味ない戦いはしないほうがいいってね、そっちのほうを殺せば報酬は手に入るし」
そう言うと残っていた怨神籤を全て投げつけ逃げる
「逃がすか!!」
それを蹴りで叩き落しリューマは後を追おうとする、だがコートを引っ張られ後ろを振り返る、
「いいよ・・・・・あたしのミスで隙見せちゃったんだから・・・リュー君が怒ることじゃない・・・・それにね」
そう言うと同時に彼女は血を吐く、あわててリューマは彼女を抱きかかえる
「話・・・・・あるんだ・・・・・・」
そういうたびに彼女のキズからは血があふれ出す
「待ってろ!!、すぐに看護メードんとこつれてくからな!!」
リューマは彼女をだきかかえ走ろうとするが
「もう無理だよ」
ローラは冷たく言い放つ
「あきらめんじゃねぇ!!」
「自分の体は自分がよくわかるもん・・・・・コア・・・心臓やられちゃった・・・・・」
ハハハとかわいた笑いが響く
「生きてるうちにね・・・・・あなたに言わなきゃ・・・・・プロポーズのお返事・・・・」
「馬鹿野郎!!! 今そんなこと言ってる場合か!!」
「私ね・・・・・・君の・・・こ・・と・・・・・好きだったよ」
ローラは苦しげに、しかし愛しげにリューマの目を見る
「ローラ・・・・」
「だからね・・・・・・・・プロポーズされたとき・・・すごい戸惑ったけど・・・・・すごいうれしかった・・・」
ローラはゆっくりと息を吸い込み、目に涙が浮かんだ
「あれ・・・・なんで・・・・・あたし・・・・泣いてんだろう・・・・ああ・・・・そっか」
ローラの視界はゆがみ始めた・・・涙はとめどなくあふれる
「・・・・・・あなたと一緒に・・・・・・・生きて・・・・・いき・・・た・・・かっ・・・・た・・・・」
ローラは静かに目を閉じた・・・ 同時にリューマが感じていた共鳴反応が止まる
「ロ、ローラ?・・・・おい・・なあウソだろ?」
リューマは彼女の体をゆする、だが彼女は目を開けない
-その顔はまるで眠っているかのように安らかで-
「おい!! 目ぇ開けろよ!! 開けてくれよ!! 俺をおいていくなよ!!」
リューマは半狂乱になって叫ぶ、
-その口元には微笑みをたたえ・・・・・-
「ローラぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
リューマは天に向かって吼えた・・・・いつまでも、いつまでも、愛しい女のために・・・・・
-それはまるで天使のようであった・・・・・・・・・-
FIN
最終更新:2009年02月20日 23:01