Heartful Cry

(投稿者:マーク)

 アタシが生まれた時、私の周りの人は皆喜んでくれた、アタシの誕生を心から喜んでくれた、ティアという素敵な名前ももらった
私が飛べないとわかった時、皆、私から離れていった、私を侮蔑の目で見るようになった・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・私の名を、ティアと・・・・呼んでくれる人はいなくなった・・・・・・・・・・・・・・・





「・・・・・・・・・痛い・・・・」
窓のない、灰色一色のその部屋で少女は目覚めた、それと同時に部屋のカギが開く音がし、ニタニタと一人の研究員が入ってきた

「ナンバー003 時間だ早く立て」
その表情とは裏腹に淡々と言うと、起き上がらない少女の髪をつかみ無理やり立たせる

「痛い!! は、離してっ」

「うるさいんだよ」
男はそう言うと構わず少女を引きずる、

「お前みたいな”役立たず”人体実験に利用するぐらいしか利用価値ないんだよ 逆に僕に感謝して欲しいねぇ」
少女が抵抗しなくなると耳元でそうささやき部屋を出て行く、少女は覇気のない顔で起き上がると黙ってそれについていった







1942/9/24
 今日は体のいろんな 所に針を刺されて変な薬を入れられた・・・・・体中が痛いし、吐き気がまだおさまらない・・・・・・
私の治療はいつ終わるんだろう? 治療ってこんなに痛いものなの?
 ・・・・ローザシアは元気かなぁ・・・・・
(ここから先は破れていて 読むことができない・・・・・)

1942/9/30
 日記帳を取り上げられて、今日アイツがびりびりに破いたものをアタシに投げ渡した・・・・・
なんでアタシがこんな目に・・・・・・怖いよ・・・・・・
カラヤ様に会いたい・・・・・・・


1942/11/14 (これ以前のページは欠損または汚れで解読不能)
 憎い憎い憎い・・・・皆 アタシを、クズだという 私はクズじゃないのに!!
今日はアーモンドみたいなにおいのする薬を飲まされた 吐き出そうとしたら無理やり別の薬品で流し込まれた

一晩 中 からだ が いた  った     

このままじゃ死んでしまう・・・・・・ 翼さえ   あれば こんな目には・・・・

(ここからは解読不能)


1943/3/31
 こないだ 聞いた・・・アタシ  は すてられたん だ  あいつらは わたしを おもちゃ にs て た  だけ  だった
つい に  アタシにも  つばさ はえた   でも  こン なんじゃ とべ な い
でも こ れなら     殺せる・・・







「ひいっ ゆ、許してくれ」
わめいた男の頭に槍のような翼を撃ちこむ

「許ス?許しテなんかあげなイ!!!アッハハハハハハ!!」
少女は狂ったように笑いながら研究員たちをその翼で切り刻み、貫き、その体は返り血に染まっている

「アハハハハハハ!!     ハ?」
次の獲物を探していた少女は突如体の力が抜け倒れる、

「ふーん エネルギーを使いすぎたみたいだねぇ?」
倒れた少女の眼前にあの研究員がいつものニタニタ笑いをたたえ現われる ひとりだけ物陰にでも隠れていたのだろう

「派手にやってくれたよね・・・・・おもちゃの分際で・・・さ!!!」
突如少女のわき腹を蹴り飛ばす、少女はごろごろと転がり 血を吐く

「なんも能力がないから危険もないと思ってたのにさ・・・・能力なんか発現させてんじゃねえよ・・・・僕のおもちゃみんな壊しやがって・・・」
彼女同様この男は何人ものメードを監禁し意味のない実験を繰り返していた

「皆・・・・死にたがってタ 殺してくれっテ・・・「しゃべってんじゃねえよっ!!」
必死の形相でしゃべる少女の腹を思い切り踏みつけそのまま額に銃口を押し付ける

「おもちゃ風情が・・・・・死にやがれ!!!」
そういって引き金を引く





















その瞬間研究員の腕が切り落とされた

「・・・・ダーレン・ボルグ・ラウス博士、少しおいたが過ぎたな」

腕を切り落とした人物は返す刀で研究員を蹴り飛ばす、

「ナイス」
吹き飛ばされたそいつを紅いコートの男が受け止める

「いたいっ いたいよっ このぉ おまえら!!メードの分際でぇ!!」

「うるせえ黙れ」
男は泣き喚くそいつに当身を食らわせ黙らせた くわえて包帯で荒っぽく傷口を抑え、止血する

「こっちは全部終わったわ、証拠の資料も証人もぜーんぶ残さず確保♪」
魅惑的なドレスに身を包んだ女が銃をくるくると手の中でもてあそびながら歩いてくる

「・・・・・・こりゃまた、派手にやったわねぇ・・・・」
部屋の惨状を見回すなり顔をしかめる

「俺らが来たときにはもうこんな感じだった」

「じゃあ誰がやったっていうのリューマ?」
問うとリューマと呼ばれた男は壁に横たわる少女に目を向ける

「・・・・・生き残り?」

「唯一のな、まだ生きてるが多分内臓にキズを負ってる、ジュリア・・」

「わかってる・・・・・ダン博士に報告してくるわ」
そういい通信機を持って部屋を出て行く

「藍羅どうだ?」

「致命的なダメージは負っていない、だが収容が遅れると命に関わる」
藍羅と呼ばれたその人は刀を鞘に納めると少女の体を不意に抱きしめた

「もう大丈夫だ・・・・・・・・・」

その一言に少女は安心したのかその目からはぽろぽろと涙があふれる、

少女はようやく地獄から・・・・解放されたのだった・・・・・・







最終更新:2009年02月21日 15:28
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。