雨が終われば晴れになる

(投稿者:天竜)

私の名はレイン
名前の意味は、そのまんま『雨』…

私を生み出した技師の人は、Gに息子と娘を殺されたらしい。
私は、悲しみと共に生まれた。
だから、涙、雨のような涙の意味で、私はレインと名付けられた。

その悲しみを、その恨みを晴らすために、私は生み出されたらしい。
もっと強くなれ、もっと強くなれ、私の最初の教育担当官でもあった技師のその人は、ただそう言った。

私は、別にそれを拒絶する理由も無かったし、その人の哀しみの深さは推し量れないながらも、
余程のものなのだろうと言うのは良く分かった。

だから私は技師のその人の課したトレーニングを全力でこなした。
正直辛かったけど、この程度で泣く訳には行かない。
もっと深い悲しみを、技師のその人は背負っている…この程度、笑っていられるレベルだろう、と。

しかし、ある日、Gとの実戦での戦闘訓練から帰ってくると、
私がいたその基地の人達は、技師のその人も含め、皆殺しになっていた。
レギオン』とかいう輩の襲撃だったと、後に知った。

…私は、初めて、思い切り泣いた。
泣いて泣いて泣いた。止まらなかった。
ああ、これが、技師のその人が言っていた『涙の雨』なのだな、と思った。

こんなに辛い思いから、私は生まれたのか。
私は、私の名前が、怖くなった。
それ以来、私は泣くのが怖くなった。
また泣いたら、永遠に止まらなくなりそうだったから。
だから、泣く分笑うようになった。

そして、私は他の人が泣く必要の無い世界にしたいとも思った。
だから、私はもっともっと強くなりたい。雨を晴れさせる力が欲しい。

そうやって戦っている内に、私は『ラウンドスターズ』という部隊に配属される事になった。
かなり強力なメードが集まっているらしい。

その中に数えられるという事は、私も強くなったという事なのだろうか。
なら、嬉しい。
そして、もっともっと強くなる。

私の突進で、雨雲を払うために。
世界を覆う悲しみの連鎖を終わらせるために。


だから、私は今、ここにいる。


…仲間たちが呼んでいる。さぁ、私も行こう。

今は泣いたりなんてしない…今はただ、笑って走る!!
いつか必ず、雨が終わって晴れることを信じて…


あとがき

レインの話でした。
泣くのを病的に避ける理由がこんな感じなんです。
ラウンドスターズ全体の話もいつか書いて見たいですね…。
最終更新:2009年10月12日 21:33
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