円卓を取り巻くカーテンが開けられた。そこには、少女一人が机の上に腰掛けているだけで、後は従者と覚しき女性がその傍らに付き従っている以外に人影は無かった。
少女は、その女性に一つの封筒を手渡す。
「これは親書だよ」
そう少女は言う。
従者は頷いて、そして踵を返した。
朝の空気が流れ込む円卓の議場に、少女は一人取り残されて、そして従者が去っていった後のドアの方を眺めていた。
「彼女が苦しまないように」と彼女はぽつりと呟いた。
そして、赤く爛々と光る目を静かに閉じた。
最終更新:2013年12月03日 00:33