(投稿者:ほっぺた)
キャラ紹介
世界からGが消え去り
EARTH所属のメード達も新しい生活に戸惑いはあるものの心安らかな日々を送る毎日。
渇朱自身もクロッセル連合某国にある健康料理店で料理人修行に励む忙しい毎日だ。
そんなとき、いつものように仕事の休憩中に朱の店で昼食をとっていた
ルイスからKing Of Maidの開催の噂を耳にする。
今は懐かしいあの仲間の皆が、今度は敵同士で戦うだって?
一体各国の首脳達は何を考えているのだろうか。朱には政治はさっぱりだ。
ふとそこで思い立つ。
「近頃は朱の作った料理も店では評判だ。中にはこの料理を食べない日は落ち着かないしこの恍惚がいいんだ、等と言ってくれる客もいる。思い上がる訳ではないがここらで腕試しも悪くないだろう」
店長であるトニヨ=トルサラディー氏にこのことを相談してみると快く承諾してくれた。
私はその数日後、この国自慢の食材を入るだけ荷物に積めて旅路に立つ。
そうだ、皆に朱の料理を食べてもらおう。
互いに傷つけあって、それで憎みあうなんてことが万が一にもあっちゃいけない。
戦って、勝って負けたら讃えるんだ、笑うんだ。
そしてそのときに食べる朱の料理がほんのすこしでも笑顔の助けになればいい。
うん。作るなら、やはりとっておきの料理にしよう。
――そう、朱の一番の得意料理を。
店長には得意料理ばかり作っていてはダメだ、と封印させられていたが今回ばかりはそれも解禁だ。
隣でルイスが止めろ考え直せと良く分からないことを騒いでいるが、気にしない。
アッパー一発。朱は走り出して、皆の元へ。
キャラ仕様紹介
通常攻撃だけで見れば非常に優秀で使いやすいまさに格ゲーのためのキャラ。
ただしほぼ全ての必殺技に癖が強すぎて扱いづらく、安定したダメージ源にはなりえない。
このキャラクターを使っていく場合には敵に通常攻撃で地道にダメージを与えつつ隙をうかがい、ここぞという確実なタイミングのみで威力の高い必殺技を叩き込もう。
必殺技
渇朱とっておきのとび膝蹴り。ふとももが眩しい。
この技を準備運動無しでやると素人が180度開脚に挑戦したときにも匹敵する痛みを伴うため注意が必要。
ツッコミに非常に適した技であるが上記ゆえに運用は難しいとされる。
飛び上がっての上段攻撃。発動は早いが技後の隙は大きめ。ジャンプ中にも発動可。
長過ぎる技名を朗々と続けながら追加入力によって様々な攻撃を繰り出すせる。
フライング・クロスチョップから始まり更に逆水平チョップ、後ろに回りこんでの足払い、浮いたところに回し蹴り、正拳突きで吹き飛ばし、また敵前に回り込んでの頭突き、敵がふらついたところを最後にフランケンシュタイナー。
やたらめったら時間をかける割にはダメージはそれほどでもない。むしろ時間稼ぎ用かもしれない。
最後の一撃を外れるかガードされた場合、膝をつき悔しそうに拳を地に叩きつける(下段攻撃判定アリ)。
お手製のレーションを食べて体力を微量回復する。
食べている最中の隙は大きいが、このとき上段攻撃を当てられると食べていたレーションが飛び散り相手にもダメージを与える。
ただし渇朱自身は精神的ショックでもっとダメージを受ける。
「試食タイム」中に再びコマンドを追加入力することで発動。敵にもレーションを投げて渡す。
しかしMATSUZAKAもびっくりの剛速球かつ渇朱オススメの一品を渡してよこすので非常に危険。
口にした(むしろ投げ込まれた)相手はあまりの栄養価と味に肌はツルツル、目はギラギラ、頭はスッキリ爽快するような勘違いとともにゲージが1減ってしまう恐ろしい技。
ガード・撃ち落し可。
どこからともなく髭面の男を掴み上げて敵に投擲する荒業。
飛んできた男に当たった敵は気絶した男が邪魔で身動きが取れなくなりその間は渇朱殴り放題。ただしその間必殺技は使用できない。
技が成功すると「よしこれで殴りやすくなった」とか恐ろしいことを呟く渇朱。思わず敵も男に同情して拘束解除とともに攻撃力が上がる。
ガード・撃ち落し可。ボタン入力で投げる方向も変えられるため盾にもなる優れ者。
ちなみに拘束解除後もしばらく男のグラフィックはフィールドに残り、攻撃するとヒットエフェクト・効果音・呻き声もあるためドSの方はどうぞ。
尋常でない速さで顔から下の身体を回転させ敵に突進するゲームオリジナル技。
端から見ると小さい竜巻に生首がついて飛んでいくように見えるため色々と尋常ではない。サブキャラがいる場合たまに発射を手伝ってくれる。
高い突進力と削り性能を誇るが、その無理な動きゆえこの技を使った後には適度な疲労感と理想的なくびれしか残らなくなる。
判定がほぼ前面のみのためジャンプして飛び越せば割と簡単に回避できる。
超必殺技
懐から取り出した高級ワッフルを天にかざし、それにつられてやってきた
ライラとか
リリーとか世界のスイーツ(笑)好きの皆さんごと敵にワッフルを投げつけわっふるわっふる。
ワッフルを天にかざしてから皆さんが到着するまでに時間がかかるのと、技の終了後に皆さんがドタドタと帰る際渇朱に対しても攻撃判定が生じるところに注意。渇朱の味方ではなくあくまでワッフル同盟である。
たまに陰陽師の格好をした別のヒゲが甘い物欲しさに現れるが帰りにはいなくなっているという怪談。
ゲージ二本消費。
ものすごい力と早さで繰り出されるただの掌底。掌からは何もでない。
凄まじいまでの一撃ゆえに使い過ぎると腕の贅肉が良い具合に落ちてしまうという驚愕の副作用を生む。
発動時の予備動作も一瞬で隙も少ないがリーチの短さは壊滅的。密着しないと当てられない。
ゲージ一本消費。
一撃必殺技
迸るレーションへの愛をこめて打ち出す必殺のレーション投擲。別に合体技とかではない。
え、ヒゲ? ああ、いたねそんなの。
膨大なタメとキメポーズを経て放たれるレーションは凄まじい加速を経て大気摩擦、加熱され貴方のお口に届くころには包装も焼け落ちてあらアツアツ! これぞ愛、まさにラブラブ。
まずいないと思うけど喰らった相手は塩味とか酸味とかが混ざって混沌になり死ぬ。
ゲージ三本消費。
エンディング
――あれれ、おかしいな。
気付けば朱の周りは死屍累々。対戦してきたメードの皆もぴくりとも動かない。
よりたくさんのメード達に朱の料理を食べてもらおうと対戦そのものにも本気で挑んだはいいが、やりすぎてしまったのだろうか。
とりあえず目の前で立ち尽くしている
ジークフリートに声をかけてみる。
「皆、案外なんじゃくだったのでしょうか。きっと普段の食生活がなっていないのです」
ねぇ、と更に問いかけてみたが反応は無かった。
……なっ……こいつ立ったまま――!
まさか最強と謳われるジークフリートまでもがこの様だとは思わなかった。少し残念でもある。
しかし、何だか寂しくなってしまったなあ。
「おーい」
「おおおーい」
「だから止めろって言ったじゃねえか。いや、まさかここまでやるとも思わなかったけど」
そこでお前かよ、ルイス。
お呼びじゃあねーぜ。マジで。
「どうやらお前が撒き散らした生物兵器のせいで人類は全滅もいいとこらしいな。ちなみに俺はすでに耐性がついてるから生きてた」
よくわからないが、人類が、全滅?
嘘だろ条太郎?
「ま、てわけで世界に俺達二人っきりだ。仲良くしようぜ、アダムとイヴでよ」
ナニ陽気ニ笑ッテンダ。HAHAHAじゃねーだろ、こいつ何か悪い物でも食ったんじゃなかろうか。
ああもう、最悪だ。これは何というか、つまるところ言いたいのは、
「レーションは悪くないですよ」
「それはねーよ」
トゥルーエンド
「~~っ! おいしいです!」
「あーしの舌をうねらせるとはやるじゃねーかお前!」
「………………ぉぃιぃ……」
「ミーコンナオイシイ料理ナカナカ食ベタコトナイヨ!」
「んあー! なんかすっげぇなこの料理! うまい!」
「゚ -゚ ) ……意外です」
「そんなバカな……あ、ホントだ、おいしい……?」
「うがぁー!」
「んがぁー!」
「ウメェーナ、コレ」
「べ、べつにおいしくなんてなんか思ってないんだからねっ!」
「あはははは! なかなかじゃない!?」
「うまい! んまぁーいでござるよ!」
「すごく……おいしいです……」
「……ふん。ま、ありじゃないか? 貴様」
「ああ……次はおかわりだ……」
「すごぉーい、とってもおいしいですの」
「うむ、私も中々いけるぞ」
「……!(キュピピーン」
そこは笑顔に溢れていて、皆も朱ももう戦うことなんてないんだと信じられる風景だった。
よかった。本当によかった。
――あれ、自然と顔がほころんでしまった。
あ、渇朱が笑ってるね、だなんてからかわれてしまった。
そんなに今まで無表情だっただろうか。普通のつもりだったのだけど。
まあいい、今はなるようになろう。
笑いたければ、笑うのだ。
こうして、仲間と。
笑って過ごす。
いつまでも。
「いやあ、まさかあんなに張り切っておきながらレーションを一回も作らないとはな。いやレーションだけ有害ってのもおかしな話だがしかしお前、てことは本当は自分のレーションの危険性に気付いてたんじゃねーか」
「何か言えよ、おい。謝罪とかねーのかよ一番の被害者の俺に。おーい? ノックしてもしもーし?」
「ダメだ、起きやしねえ。つーか何でこいつ、よりによって俺にもたれかかるかね」
「ん、何だ。疲れて寝てしまったのかこやつは。呆れたやつめ、まあ流石にこの大会は疲れたろうて」
「そうですよ、今は眠らせてあげましょう」
「うははー、ライラが落書きしてやるー!」
「ああっ、ズルい! ボクもやる!」
みんなの。
笑う声。
最終更新:2009年05月20日 03:05