(投稿者:マーク)
コアクはマヤを撃った男に剣を構え飛び掛ろうとするが瞬間三つのなにかがこちらに向けて投げられたのが見えた
見るとかなり大型の手榴弾、直撃すれば人間はもちろんメードでもただではすまない
その狙いは・・・・・・動けないマヤ
すんでのところでコアクは翼を形成しはじき返そうとするがその衝撃に手榴弾が耐えられず爆発し残り二つも誘爆する
マヤは無事だったもののコハクの背中には手榴弾の破片が複数、深々と刺さっている
人間ならともかくこのキズに加えてマヤを抱えてではメードから逃げきるのは難しいだろう
「殺・・・せ・・・・・そ・・の魔女を!!!」
いつの間に目覚めたのか先ほどマヤに殴られ気を失っていた旅団長がふらふらとしながら男に命令する
いつの間にやら機関銃を持った男三人に囲まれていた
コアクはマヤを右手で抱え、あいている左手で彼女のキズを抑えて止血し彼女を守るように体を丸め抱きしめた翼で自らとマヤを包み込んだ
とたんに三つの機関銃がいっせいに火を噴きリビドに襲いかかる!!!
”――――ッ!!ッ! ッッッ!!!”
声にならない悲鳴をあげるが決してマヤを離そうとはしない
「はは はーーはっはっはっ 魔女とその下僕の分際でいい気味だ!!!」
と旅団長が鼻血をたらしながら大笑いしていると突然その笑顔が凍りついた
突然機関銃を撃っていた男達の首が飛び
自らの右腕が宙を舞ったのだから仕方のないことかもしれない
「は・・・・・?」
マヌケな声をあげて後ろを振り返る
見れば背中から鎌を生やした少女
それが先ほど罠にはめたはずのメード部隊の一員だと理解すると同時に切断面から血が噴出した
「ひっひぎぃぃぃぃぃあぁぁっぁぁぁっぁあ」
無様に転げ周り必死に手で傷口を押さえるがそんなことで収まるはずがない
ティアはそんな男を冷ややかに見ると羽を巨大な手の形に形成させつかむ
ついでに翼の表面を傷口に密着させることで止血する
男は青白い顔をしてまだなにか喚いている
助けたわけではない、まだ死んでもらっては困るのだ
本来は腕を、それも肩ごと切り裂く気もなかったのだが先ほどの光景を見て気が変わったのだ
それはそうとさっさと聞き出さなければならない
しばらくするとアイラが
「ご苦労ティア・・・これはまだ生きているな?」
「はいアイラさん、ごめんなさい少しやりすぎました・・・・」
少しうなだれるティアの頭をぎこちなくなでながら
「いや、いい情報が聞き出せればな」
そう言うとアイラは真ん中でうずくまる女に気付いた。その体はボロボロで生きているかも怪しい
「・・・・あれはまだ生きているか?」
「わかりません・・・私が来たときはこいつらに機関銃で集中砲火を受けていて・・・まるで何かを守るみたいにしていました」
「う・・・」
と突然その女が声を上げ動き出しこちらを見ながら立ち上がった
と同時にその腕に抱かれていたものが見えたそれを見るとアイラもティアも思わず顔色が変わる
「あ・・・・」
「なるほど彼女を守るためか・・・・」
その腕にはマヤがしっかりと抱かれている。よく見れば彼女の腹部から出血している。必死にそこを押さえて止血しようとしているがとまる気配はない
女はアイラ達を見ると表情が強張り背中から翼を形成する、本来鳥の翼の形をした、それは蝶の羽の形をしている
ほのかに立ち上るそれは女がG、しかもメードを捕食し異常進化を遂げたものを意味した
「ケガをしてますね」
いつの間にか現われたジュリアがどこにあったのか包帯やら何やらを持ちその女に近づいてゆき・・どうやら話しかけているようだ
メリルも自分より大きなついたてを抱えてえっちらおっちらとついてゆく
警戒をといたのかその女はおとなしくマヤを地面に横たえさせた、ジュリアはついたてを四方にはり
慣れた(?)手つきでマヤの服を脱がせ治療を始めた
「ふー ここまで手ごたえがねえとはなぁ 逆に体が鈍っちまうぜ」
リューマが刀を担ぎぼやく
「この部隊の兵士は全て殲滅した2,3人逃したかもしれんがあとはGが処理してくれるだろう」
ショーテルについた血を払いながらさりげなくティアの隣に立つアベル
「・・・・・・」
無言でのしのしと歩くガルシア
少ししてジュリアが治療を終えると
その女は一言
「情け、感謝します」
と言って頭を下げ再びマヤを抱き飛び立っていった
「大丈夫かしら・・・・」
「ダリウスおじちゃんならきっとわかってくれるよ!!」
そういいながらジュリアとメリルも近づいてきた
アイラは再び息も絶え絶えな旅団長に目を向ける
こちらを化け物でも見るかのようにみている
「話してもらおうか
シュヴェルテとかいうメードのこともコア無力化装置についても」
「だっ誰が貴様らなんぞに・・・」
無言で刀を首元に向ける
「ひい・・・しゃっしゃべるっしゃべるから許してくれっ」
すぐさま態度をかえる
「1年前のことだ・・・・皇帝派と名乗る奴らが
ジークフリートに迫るスコアを持つメードをあの無力化装置を使って捕縛しろと捕縛すればお前達の好きにしてもいいと・・・・」
「メードたちはどうした・・・・」
「ぜっ全員同じ宿に売り払った!!シュヴェルテとかいう奴もだ!!売ったところも教える!!装置の開発されたところも教える!!だから助けてくれっぇぇぇぇ」
泣き叫ぶその姿にアベルが追い討ちをかける
「残念だったな 貴様のテントを調べたらそれに関する資料は全て出てきた・・・・要するに・・」
「用済みだ」
言うと同時にティアは旅団長を真上に放り上げ翼を鎌に変え
真っ二つに切り裂いた
「そこまでですわ」
突然響いた声の方向に目を向けると同時に三人のメードが降り立った
その後も続々と新たなメードが到着した。その数、総勢12名
「やれやれまずは逃げるのが先か」
リューマがぼやく
「逃げる?なにを弱音を吐いているお前らしくないじゃないか」
アイラはさもおかしそうに言う
「まだまだ暴れたりないだろう?」
どうやら彼女の闘争本能に火がついたらしい目が
「オーケー・・・俺もまだ暴れたりねぇしな・・・・久々に二人で暴れるか?」
そしてアイラとリューマは後ろの三人を振り返る
「ここは私達で抑えようちょうどあそこにガルシアでも乗れるトラックがあった」
「それ運転してとりあえず逃げとけ集合場所は・・・」
と小声でジュリアに伝える
「アイラさん・・・・」
「ティア・・私達はこのぐらいで死ぬほどやわではない・・・さあ行け!!」
不安げに振り返るティアをなだめトラックが南の方角に走ったのを見届けると二人は前に向き直る
「あなた達が足止めというわけですね でも残りも逃がしはしませんわ」
先頭にいる金髪のメードが言う
二人は顔を見合わせ笑う この絶体絶命ともいえる状況で突如笑い出した二人に戸惑うメードたち
「私達も舐められたものだな」
アイラは刀を抜きキッと前方のメードたちをにらみつける
「気合いれにアレやるか?」
楽しげにリューマは言う アイラは苦笑しうなずき刀を構える
「我、楼蘭の”魔人” 龍馬」
「我、楼蘭の”剣姫” 藍羅」
「「いざ、参る!!!」」
そういって二人は突撃した・・・・
最終更新:2008年12月17日 22:27