殺人鬼は密かに笑う

最終更新:

mangaroyale

- view
だれでも歓迎! 編集

殺人鬼は密かに笑う ◆L9juq0uMuo



さて、どうするか。
この現状を前に、この吉良吉影が神楽とかいう小娘を相手に選択できる行動を整理する。
一つは逃走。
一つは殺害。
そしてもう一つは懐柔。
逃走は悪手だ。あの心神喪失状態の小娘に関わらずにすむという点は魅力的だが、彼女が、私がいなくなったと知れば疑いを持つだろう。
しかも、死んだのはよりにもよって彼女と親しい間柄の様に見えた志村新八だ。最悪、あの顔面傷女の様にこちらを執念深く襲ってくるかもしれない。これは極めてよろしくない。
残ったのは二つ、殺害と懐柔。
彼女はいつ爆発するかも知れない危険な状況だ。一番いい手は殺害だろう。
しかし、懐柔という手にはそれはそれで魅力的な面もあるのだ。
今現在の時間までこの殺し合いの場で誰にも遭遇していない人間はかなりの確立で0だろう。殺し合いに乗っている乗っていないに関わらず、参加者の情報が手に入ればその人物に対してこちらがイニシアチブをとれる。
もう一つの利点。それもこの吉良吉影だからこその利点がある。
悩んでいる時間は無い。時間をかければかけるほど怪しまれる確率は比例して上がっていく。
そして私は一つの選択を取った。

銀ちゃん。
新八。
地球に来て、一番心を許せた私の大事な仲間。

「もお、銀さん。またジャンプ買ってきたんですか? この前ジャンプ卒業って言ってたじゃないですか」
「仕方ねーだろ、あの冨樫先生が連載復活しちゃったんだから。1年と何ヶ月ぶりだ? 俺はずっとYOU助とTOグロ弟の対決がなぁ」
「それ、連載終了してる方でしょぉぉぉぉぉ! あんた冨樫興味無いんだろ!? もっともな理由つけてジャンプ読み続けたいだけろうがぁぁぁぁ!」
「馬鹿言っちゃいけねーよ。 俺、冨樫先生大好きだぜ。ほら、あのボンズとかいう可愛い娘。早くまた出てこねぇかなー」
「死んでるぅぅぅぅぅぅ! それ随分前にあっさり死んでるからぁぁぁぁぁ!」
「新八、ギャーギャー喧しいアル。ジャンプの一冊や二冊でガキじゃあるまいし」
「仕方ねーよ神楽、新八君はジャンプの一冊や二冊が気になるお年頃なんだろうよ」
「え? 何この僕が一番悪いみたいな流れ」

何気ない日常。だけど、とっても楽しくて幸せだった掛け替えの無い日常。
それはもう、帰ってこない。
銀ちゃんは無残な姿で目の前で倒れている。新八はいきなり粉々になった。
昨日までの万屋の馬鹿騒ぎがもう何十年も昔に感じられた。
涙が溢れて止まらない。何で、何で、私達がこんな目に合わなきゃいけないアル。
私達が何したっていうね。ただ毎日毎日精一杯生きていただけなのに、……生きていたかっただけなのに……。

ザリ。

何の音アルか? 後ろの方を振り向くと、一人の男が呆然としていた。

「これは……、新八君が……、何で……?」

確か、新八が吉良って言ってた男アル。信じられないって顔で私を見ているアル。

「君が突き飛ばしたら新八君が吹き飛んだ。まさか……君が?」

新八を、私が殺した……? その瞬間、私の頭は真っ白になった

「ふざけるなァァァァァァァァ!」

駆け寄って、目の前の男を押し倒した。

「私が! 私が新八を殺したって、そう言いたいのかテメェェェェェ! 新八は、私の! 私たちの! 大切な……、大切な……!!」

涙で前が見えない。気が付くと私は、本気で目の前の傷だらけの男を殴ろうとしていた。

「銀……ちゃん……、新……八……」

あれだけ泣いても、涙はまだ止まらなかった。

それからからしばらく私が泣き止み、少し落ち着くまで待っていた吉良とかいう奴と一緒に、奇跡的に無事だった新八のデイパックを手に私は病院の入り口の階段に座っていた。

「何で、銀ちゃんが喜ぶなんて嘘をついたあるか?」

そんな事を言わなければ、あんな思いはしなかったのに。

「嘘ではない。私がその場に着いた時、彼はまだ息があった。手当てをしようと言ったが、彼に『自分はいいから新八君達を助けに行ってくれ』と頼まれてね」

銀ちゃん、本当に大馬鹿ね。そんなボロボロになって。

「その矢先、君達と会ったんだ。急げばまだ間に合うと思ったんだが……、間に合わなかったようだ」

本当に悔しそうな顔しているアル。
どうやらこいつ、そんなに悪い奴じゃない見たいアルね。

「銀ちゃんは」
「ん?」
「銀ちゃんは、他に何か言ってたあるか?」

もし、他にも何か言ったのなら全部聞いておきたかった。

「そう言えば、最後に一言だけ言っていたよ」
「何て言ってたアルか?」
「『最後は死ぬほどパフェ食って、パフェに埋もれて死にたかった』実に彼らしい台詞だったよ」

吉良が苦笑いを浮かべている。本当に銀ちゃんらしい言葉アル。馬鹿アルなぁ……、本当に……馬鹿……。

「今は泣くといい」

ぽん、と、吉良が私の肩に、手を当てた。

「私は彼らの分も生き、この殺し合いを破壊するつもりだ。君にも協力して欲しい」

勿論ね、私たちをこんな所に連れてきた奴も、銀ちゃんと新八を殺した奴も、絶対許さないアル。
……あれ? 新八は誰が殺したアルか? 私が新八と合流した後に会ったのはこの吉良だけ。
でも、もしこいつが乗っていたら、私を慰める必要なんて無いアル。じゃあ、誰が……?

 計  画  通  り  !
懐柔のもう一つの、吉良吉影だからこその利点。それは懐柔した相手を爆弾に変える事。
後は、対主催を志す奴らに使うもよし、乗った奴らに使うもよしだ。
そしてキラークイーンはついさっき彼女の服を爆弾へと変えた。後は好きな時に起爆スイッチを押すだけだ。
しかし、この小娘何と言う馬鹿力だ、まだ節々が痛む。
流石に殴り飛ばされるかと思った時はいつでもキラークイーンの拳をブチこめるようにしていたが、我ながらよく騙し通せた物だ。まぁ、奴を知る人物だからこそ、捏造した最後の一言にも信憑性が湧いたと言う所か。
少しずつだが運は私に味方してきているようだ。そう思うと笑いが込上げてくる。
そういえば彼女の手、よくみると白く透き通っていて、まるで陶磁器のような美しさを醸し出している。
マリアさんの腕が手に入らなかった今、彼女の手を狙うのも悪くは無いな。

「さて、ここに立ち止まっている訳にもいかない。道すがら、この殺し合いで知り合った人物などがいたら教えて欲しいんだが」

何か考え事をしていたのだろうか、彼女は、はっと我に返ると私に続いて立ち上がった。

「知り合いアルか、なら頼りになる奴が……」

そこまで言って、彼女の顔が強張る。何か厄介な事情でもあるのだろうか、できればそう言った物には関わりたくないのだが。

「あのアフロ、やっぱり嘘ついてたって事はケンとマダオが危ないある!」

何? アフロ……? まさか……。

【F-4 病院/一日目 夕方】
【神楽@銀魂】
[状態]疲労 深い悲しみ 服が爆弾化
[装備] ジャッカル・13mm炸裂徹鋼弾予備弾倉(25.30)@HELLSING 木刀正宗@ハヤテのごとく
[道具]支給品一式×2 陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた 首輪
[思考・状況]
基本: 殺し合いに乗っていない人は守る、乗っている人は倒す。
1:吉良にアフロ(ジグマール)やマダオ達の事を伝える。
2:マダオ達を助けに行きアフロ(ジグマール)をぶっ飛ばす。
3:銀ちゃんと新八を殺した奴は許さない
4:新八を殺したのは一体……
[備考]
※原作18巻終了後から参戦。
※新八を殺した人間について、吉良の可能性は今の所除外しています。


【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:左手消失、右手首裂傷、胸全体に真一文字の切り傷、出血多量、疲労大
[装備]:
[道具]:支給品一式 核金ソードサムライX@武装錬金 包帯・消毒薬等の治療薬、点滴用セット(十パック)
    病院内ロッカーの鍵(中に千切れた吉良の左手首あり)
[思考]
基本:マリアのため、必ず生き延びる。ゲームに乗る事だって辞さない。
1:神楽から詳しく事情を聞く
2:治療をし、休息をとる。
3:顔に傷のある女(斗貴子)は襲ってきたら始末、マーティン・ジグマールを殺す。
4:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。
5:できる限り力無き一般人を演じる。
6:もし脱出できるのであればしたい。
[備考]
※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。
※『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。
※覚悟、ルイズ、ジグマール、劉鳳、斗貴子をスタンド使いと認識しています。(吉良はスタンド以外に超人的破壊力を出す方法を知りません)
※川田、ヒナギク、つかさの情報を手にいれました
※左手を失い、シアーハートアタックの解除が不可能になりました。
 吉良が死ぬまで永遠に、熱源を求めて周囲を動き回っています。
 ただし、制限の影響で破壊できる可能性はあります。


158:一瞬のからくりサーカス 投下順 160:繋がれざる鬼(アンチェイン)
158:一瞬のからくりサーカス 時系列順 160:繋がれざる鬼(アンチェイン)
155:万事屋銀ちゃんの店仕舞 アーカード 177:今夜月の見える丘で
155:万事屋銀ちゃんの店仕舞 アーカード 177:今夜月の見える丘で



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー