中国パンダは、悪意征服欲の証



NHKの平日昼さがりのテレビ番組に「ふるさと一番」というのがある。

 旅人役の芸能界の有名人がアナウサーと一緒に、全国の「ふるさとの一番」を訪ね、地元の人と交流する。各地の日常生活と活動を見る番組だ。

 3月1日は、和歌山県白浜のテーマパーク・パンダ園訪問だった。このテーマパークには、パンダが8頭飼われている。 
パンダの中でも繁殖力の強いオスは世界で2,30頭、その1匹がこの白浜にいるオスで、何匹かの子を残しているそうだ。中国成都のパンダ繁育基地から、オスとメスのつがいを提供されて、生まれた子を育て、成長したら、適宜成都に返すのだと。今のメスは2代目だ。

この白浜パンダ園は、中国の成都基地の「日本支部」で、共同運営されている。勿論、「日本支部」などという紹介は、NHKテレビではなかった。

 パンダは、ワシントン条約で学術研究目的以外での取引は難しいため、売買や贈与はできず、貸借が原則という。生まれた子は中国のものだそうだ。
 小論は、NHKテレビがパンダ再来で大騒ぎしたことに異議をとなえ、その上でパンダが生んだ子は、日本のものか、中国のものか、と疑問も投げかけた。が、白浜パンダの「ふるさと一番」放送でその答えは出た。

 インターネット情報では、パンダの賃料は、1つがい、1年、1億円が相場だと。上野のパンダも成都のパンダ繁育基地のもので、賃料は、10年で8千万円と報じられたので、標準料金だ。 
ところが、白浜のパンダは、10年間(1994年から2003年)、2頭で、1000万ドルの賃貸料だった、とインターネット情報で出ていた。平成6年(1994年)は、バブル破裂後で日本経済は低迷していた。

そんな時期、10年間1000万ドル、1年100万ドル(3億円)の賃借契約を結ぶ余裕が、一民間会社の白浜テーマパークに、本当にあったのか?

白浜パンダは、標準の3倍の賃料だ。 何か、裏はなかったのか?


 上野のパンダは、福田内閣成立の頃から、交渉がはじまったものだが、その当時も反対意見はあった。その限りで、自民党政権からつづく親中路線の延長線で実現されたものだ。パンダは、昭和47年の日中国交開始を記念して、中国から上野動物園に贈られたのが最初だ。そのパンダが死んで3年経って、さびしいという声があるとして、賃借交渉が、親中路線の福田内閣誕生で進展したのだ。我々日本人を楽しませるためとはいいながら、飼育費用はすべて日本もち。 
財政が困難になってきた時期に、その実行時期が重なってきた。鳩菅政権のスローガンは、「国民生活が第一」ではなかったか? 

パンダがいなくても、日本人の生活はこまらない。

 国民生活にまったく影響ない部分の仕分けこそ、最優先すべき案件だ。
 上野のパンダも、「政治の道具」に過ぎないのに、そういう現実から、国民の目を逸らす意図しかないと見られるNHKの「ふるさと一番」なのだ。特に、旅人役の女優伊藤まいこさんは、美しく優雅で、政治の駆け引きを覆い隠すには、パンダも及ばない美しい姿だ。 そういう裏の政治を隠す意図が番組ディレクターにあったかどうかはわからない。が、

「ふるさと一番」の白浜パンダは、はしなくも、パンダという「稀少動物」が、どれほど政治的に利用されているかを証明する番組になったことだ。

 稀少金属が、中華人民共和国の政治の道具であることは、尖閣事件の中共の対応で明らかになった。しかし、パンダが「政治の道具」などとは、平和を愛する日本国民は、つゆにも考えたことはない。だが、政治の道具であることは、紛れもない事実行為で証明される。
 かつて、戦後間もない頃、上野動物園に印度のネール首相からインド像が贈られてきて、国民を喜ばせた。これは、真に善意友好の証であった。が、

中国パンダは、悪意征服欲の証であることを、我々日本国民は、気がつかねばならない。(つづく)

最終更新:2011年03月07日 10:15