NHKのアサヒビール宣伝疑惑
NHK視聴者センター 担当部長 堀江威光殿 平成22年6月26日
拝啓
今朝6時半台のテレビ・ニュースは、福島県の「阿武隈急行」という鉄道会社の路線で、ビールを飲みながら車窓の景色を楽しむ「納涼列車」の運行がはじまったと報じました。
見れば、どこかの職場から動員されたとおぼしき「若いサラリーマン風の男」が、客車中央のボックス座席に適当に散らばって座り、「ほろ苦い」ビールを「うまい」と感嘆させる映像でした。番組に作為を感じたのは、そのサラリーマン風氏が、「ほろ苦い」を強調するかの如く、
「ドライ=苦い」が売り物の「Asahi 」
が刻印されたアルミ缶の商標の面を
殊更にカメラに向け、つまり、国民に向けて、「うまい」
と連発していたからです。
もちろん、画面では、中年風の男が、ガラス・ジョッキを傾ける配役もあり、しっかり「アリバイ工作」も施されていました。
これって明らかに、公共のNHKテレビ放送を利用した、私企業「アサヒビール株式会社」の商品宣伝ではないですか? ビールは、他に、いくらでもあるではないですか。
経営トップのNHK会長は、アサヒビールの相談役の福地茂雄氏
だということを、まさかNHK職員は知らないとでもいうのでしょうか? 李下に冠を正さず。当然に弁えなければならない矜持であろうことくらいは、有能なNHK職員ならご存じのはずです。福地会長が指示されたものではないでしょうが、番組制作者の中に、そのことを知っている者がいて、意図的に、アサヒビール製品を番組の中で利用宣伝することで、一方で会長のご機嫌をとり、他方で、一企業の企業宣伝に利したのではないですか? 特定企業の特定商品を、それが一番消費されるシーズンに合わせて、公共電波を通じて国民に放送することは、放送倫理に反していませんか?
私は、NHKに甘い汁を吸わせてもらえる立場にも、またその気もありませんが、NHKに対する視聴者としての意見に、「ゼロ回答」という「苦い」経験を味わされ続けています。今回のこの抗議は、営利企業しかも、大企業の商品宣伝に加担している点で重大です。ぜひ、説明をいただきたく思います。
最終更新:2010年06月26日 23:49