NHKと千葉景子法務大臣
拝啓
NHKテレビの影響力の大きさは、国民の常識です。
NHKは公正な公共報道機関として、「社会の公器」の役割が国民から負託され、これを果たすことが求められています。
今度の参院選で、神奈川選挙区から立候補して落選した千葉景子法務大臣について、仙石官房長官は、「行政の継続性から、引き続き大臣を務めていただく」という、実に驚くべき発言をしています。 なるほど、大臣の民間人登用は憲法が認めるところです。民間人大臣は、国民から直接選ばれた国会議員ではありません。ですから、「任命自体」に話題性があり、マスコミ、特にNHKニュースが取り上げるのが常です。国民は当然のことながら、その大臣が民間から選ばれた経緯、その経歴、人物評に関心をもっています。
鳩山前政権の閣僚任命を受け、それを引き継いだ菅政権でも引き続き憲法の定める「天皇陛下の認証」を受けている状況において、千葉景子法務大臣は正当性がありました。しかし、今度の選挙で「議員資格」を失った千葉景子氏は、今や「国民の代表」ではありません。一般国民となった「千葉景子」氏が、なぜ、「行政の継続性から、引き続き大臣を務めていただく」ほど評価されるのか、われわれ国民は関心をもっています。国民の疑問、知らない事を掘り下げて話題を提供することは、NHKの人気の秘密です。このことは、例えば、「ためして合点」「クローズアップ現代」の番組でもわかるように、国民の誰もが知っていることです。
国務大臣の任命は、憲法の規定に基づく天皇陛下の「大臣認証」という国事行為によってその効力が発効しています。国会議員であった人が、ある日、「国会議員ではなくなった」ことは、「天皇認証」という国事行為の法律効果が停止されたとみるのが、「法の下の平等」を保証する憲法の正しい解釈ではないですか?
少なくとも、そういう疑義があることを、「社会の公器」たるNHKテレビは、国民の前に問題提起すべきではないですか?
仙石官房長が、「行政の継続性から、引き続き大臣を務めていただく」との発言は、「天皇の大臣認証」という重大な国事行為の意味を否定し、国民を欺いていませんか?
国民の代表として、「ノー」を宣告された「千葉景子」氏を、引き続き「国民の代表」として処遇する権限は、一体どの法律によるのですか? 公序良俗に反していませんか?
仙石官房長官も千葉景子氏も弁護士資格を有しています。弁護士だからと言って、憲法の規定を蔑にすることが、容認されることがあってはなりません。NHKテレビは、「行政の継続性」とは、何が狙いなのか、国民の疑問を掘り下げていただきたい、と契約受信者の当然の権利として求めます。ご回答ください。
最終更新:2010年07月16日 01:44