枝野幹事長とJR労組の密約




(『新潮45』2010年8月号)からの抜粋です。


ここに一枚の文書がある。大きさはA4サイズ。最上部の標題にあたる部分に、こう記されている。

「『第41回衆議院議員選挙』立候補予定者の推薦に関する覚書」
ワープロで作成されたと思しき書面から判断すると、衆院選の立候補者と労働組合との間で交わされた文書であると推察できる。この「覚書」が交わされた日時は、1996年8月24日。第41回の衆議院選挙が行われたのは、1996年10月20日。まさに選挙直前に取り交わされた“契約書”といえる。
右下には、労働組合文部の執行委員長と立候補者の、それぞれ直筆の署名が並んでいる。
この「覚書」が関係者の間で秘かに注目を集めているのは、署名者双方の属性による。上部の執行委員長は、ある罪を犯し、刑事訴追された人物。そして、その下に3.5センチ四方ほどもある大きな印を添えて、署名しているこの「立候補予定者」が、いまや政権与党の中枢を担う、最重要人物ともいえる人間だからだ。
立候補予定者の署名には、こう書かれている。枝野幸男。
(中略)
3点にわたる確認事項の冒頭の一項。

そこには、「わたし(編集部註・枝野氏を指す)は、JR総連及びJR東労組の掲げる綱領(活動方針)を理解し、連帯して活動します」と書かれているのだ。

枝野氏は、ここで、JR総連・JR東労組と「連帯して活動」すると“誓約”しているのである。この“誓約”の見返りは何だったのか?
枝野氏の政治資金管理団体「21世紀都市文化フォーラム」には、この「覚書」が交わされた1996年から、JR総連及びJR東労組からの資金提供が始まり、バーテイ券の購入なども含め、1999年までの4年間で総額は404万円となつている。(後略)
最終更新:2010年07月21日 17:00