はじめに


 戦前・戦後を通じて、日本社会の大きな欠陥は、マスコミが報道にあたって、
職業倫理を欠いてきたことにあるのではないでしょうか。

 日本においてテレビや新聞を中心とするマスコミは報道にあたってしばしば、
事実を、恥じることなく意図的に歪曲、あるいは捏造してきました。

 例えば、朝日新聞は、伊藤律の「架空記者会見」を1950年にデッチ挙げた
ことがありました。
 この架空の会見は、「珊瑚へのKY文字の画きこみ」事件以上に、
悪質な捏造であり、今でも語り継がれる有名な事件です。

 特に新聞は読者と対等な関係を結ぼうとせずに、
自分たちが大衆よりも一段上にあって、読者を啓蒙することが役割であると
思い上がってきたために、ニュースを恣意的に操作することを、
常習的に行ってきました。

 マスコミ報道鑑定団は「戦前」から「現在」に至るマスコミの捏造・偏向
報道を、事実に基づいて鑑定しようとするものであります。

 今回紹介します「希望の力」は1948年10月4日に、党幹部室にて
「伊藤律」が演説した記録です。
 戦後65年の間に、共産主義、社会主義を目指したソ連は崩壊しました。
中国も今や資本主義化を指向し、全体主義化しています。

 一方、現下の日本は民主党政権下で、「社会主義化」を目指し、
実態を知らない国民の多くが全体主義化を希求しています。
日本は間もなく、衰弱し、ソ連同様崩壊することでしょう。

 伊藤律は、少女趣味の「汚れなき純潔」の政党であると盛んに宣伝
していますが、今一度静かに戦後を振り返ってみましょう。

伊藤律の戦後の発言

希望の力――共産党


「引用開始」
 われわれ人民の生活は日ましに苦しく、産業は日に崩れ、
民族は日に破めつしてゆく
 わが民族の心は、日に絶望にむしばまれてゆく。
今までの政治はこうみちびいてきた。
 だが、大金持と官僚と政党とは、人民の血税をしぼつて
私腹をこやし、不正と腐敗のかぎりをつくしてきた事実が、
あの昭電疑獄によつてあきらかになつた。
 民自、民主、社会、国協の諸党に政治をゆだねることは、
人民にとつて国を破かいし、民族を売りわたす道を、
自からえらぶにすぎない。

 かれら売国の徒に、政権をゆだねるな!
人民の手に政権をわたせ

汚れなき純潔の党、日本共産党が全人民の先頭に立つであらう。

 そして民主民族戦線政府こそ、平和と民主々義と独立の保証と
なるであろう。
 人民の政権の下でのみ一切の不正と腐敗を清め、産業の復興と
人民生活の向上が実現するであらう。

 日本共産党は二十七年の歴史において、民族的にも、また階級的にも、

純潔をまもりぬいてきた。

 日本共産党は、侵略的な戦争に反対し、平和のために斗いぬいてきた。
 日本共産党は人民の解放と、民主々義の完成のために、
そして社会主義をめざして、終始奮斗してきた。

 これからも、日本共産党は民族の完全な独立のために
斗いつゞけるであろう。
 そして日本共産党は、すべての人民にとり、たゞ一つの希望の
力として、たくましく成長するであろう。

 わが民族の危機を救うものは、共産党が強くなることに
かゝつている。すべての人民が生活の安定と民族の独立を、
いかに『心の中』で願つたとしても、それがなんになろう。

 現実には日に人間性は失われ、日に民族はほろびゆくであろう。
真に民族を愛するものは、何をなすべきか?  

 日本共産党の陣列に加わつて奮斗すべきである。
 フアシズムを芽のうちに粉砕し、民主々義を実現し、
民族の運命を人民の手に、確保しようとするものは、
どうすれはよいのか、日本共産党に参加することにまさる
決定的な行動はないであろう。

 生活をまもり且つ向上せさ労働者はじめ人民の利益を
まもる最高の行爲とはなにか、日本共産党の一員となつて
努力することである。

くさり切つた資本主義を仆し、社会主義を実現する道は

どこにあるか? 日本共産党を強めることにほかならない。
断乎として平和を守る人民のいしずえはどこにあるのか?
共産党の拡大にある。
人民の解放と勝利のほか、共産党には『党利』も『私利』
もない。全人民と共にしか自からを解放できぬ勞働者階級の
党にこそ、真の無私と人間愛がみなぎり育つてゆく。

心の底力ら人民を愛し、立派な正しい豊かな生き方を
しようと願うものは、共産党の中にのみ、その生活を
見いだしうるであらう。

正しい理論と科学的な信念にうらづけられた生活は、
日本共産党の中にのみ、生きている。

人類の意志も歴史の道も、共産党にゆだねられてる。

日本共産党――それは全人民の希望と力である。これに参加し、
これを強めること
それは全人民の幸福にして、輝かしい義務である。
(一九四八、一〇、四 党幹部室にて)

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最終更新:2010年07月26日 20:12