マルベリー・八雲・ハーン

セレネカンパニーの前身企業、ルナテック社に所属して"いた"研究者。当時27歳。金髪に土留(どどめ)色の瞳の女性。既婚者。
ギリシャ人の父と日本人の母の間に生まれたハーフで、若くして様々な分野で名を馳せた天才科学者。特に民俗学・神話学・量子力学の分野で著名。
ビール三杯でほろ酔い→泥酔→熟睡するレベルの下戸だがビール(ピルスナー)は大好き。

自ら打ち立てた理論を基に無からエネルギーを汲み出すオノコロプロジェクトの実験時に不安定化した空間に空いた穴に実験室ごと吸い込まれて行方不明に。
トップ研究員と社の最新テクノロジーを注ぎ込んだ研究室を一度に失ったルナテック社は衰退、セレネカンパニーに吸収合併されることになる。

のちに判明したことだが、行方不明になった当時、夫との間に第一子を妊娠中だったとのこと

+ ……
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(夢幻鯨呑(ゆめはまぼろしをのみ))

+ ...
(幻夢蚕食(まぼろしはゆめをはむ))
実験失敗による事故で不安定化した時空間に呑まれたマルベリー博士の精神は、無意識の底…"集合無意識"の世界に至る
そして、その裏側に居た裏世界の神を見つけてしまう。
産まれて初めて"他人"というものを認識し、孤独という感情を覚えた裏世界の神は表世界へとその巨体を乗り出す…
だが、『強大な力を持っているが、内面的には産まれたての赤児』だと裏界神の本質を見抜いたマルベリー博士によって
"裏界神の精神と融合した上でビールで酔っ払って自身諸共眠らせる"という荒技で一旦沈静化される。

+ ※ネタバレ注意
自らと共に眠る裏界神が目を覚まさぬよう、マルベリー博士は眠る裏界神の夢の中に『世界』を創り『物語の種』を蒔いた
さらに用心の為、裏界神の『全知』『全能』の間に自身の魂を引き延ばし境界線を引いて分離させた
時は流れて幾星霜。廻る夢幻に果ては無く、されど確かに限りは有りて。いつしかマルベリー博士自身も夢の物語に飽きてきた
その退屈に飽いた心と、夢から醒めたいと望む裏界神の無意識が融合し、四体目の神が無意識の海から泡立った…
+ つまり、どういうこと?
眠らせた裏世界の神の目覚めを防ぐために、マルベリー博士は裏世神の心に境界を引いて二つに分け、互いに競い争うように仕向けた
片方は『全能の裏戸神マターラ』、もう片方は『全知の常世神ラーヴァ』。ラーヴァが勝てば夢の続きを、マターラが勝てば今の夢をリセット、夢から醒めた幻を見てまた新たな夢を見る…
夢 幻 鯨 呑(ゆめはまぼろしをのみ)幻 夢 蚕 食(まぼろしはゆめをはむ)。これにより裏世神の目覚めは無限に先送りできる、はずだった。
しかし、マルベリー博士の中でいつしかこの夢幻ループに飽きる心が発生、それが無限の夢からの目覚めを望む裏世神の無意識と共鳴し、夢幻の輪廻を破り現を目指す新たな神が世界に湧いた


…。

……。

………。



『大量の純水に、ビールを一雫垂らすとするよ?…さーて、この液体は水かな?それともビールかな?』

いろはにほへと ちりぬるを よわたそかれ つねならむ
(匂い立つように咲く桜もやがて散るように、この世界も永遠ではない、すべては黄昏時の宵闇と同じあやふやなものだ)

ピルスナアの香に酔ひながら、裏界の邪神は眠り続ける

うゐのおく やまけふこえて
(初めて見る景色の奥へ、地平線を越えてまだ見ぬ景色を見に行こう)

小さなひとりの人間の"夢想(ユメ)"は、巨大な普遍的無意識の"幻 想(マボロシ)"に呑まれながらも
逆に周囲にさざなみを広げていく…

きゆめみし ゑひもせす
(さあ、安酒に酔って終わりのない夢に揺蕩うのはもう終わりにしよう)

無意識の海に立った泡から、神・妖が産まれて消えていく
境界線上の怪異無知全能の裏戸の神全知無能の常世神




最終更新:2021年11月01日 07:10