キセキミコンクス

◇キセキミコンクス
モチーフ:尾崎狐+巫女+コンテンツ
能力:家筋に憑く程度の能力
概要:
妖狐の伝承から生まれたオトギ種の奇跡獣。
元となったのは「尾崎狐」。姿は白に近い青色の巫女服に身を包んだ狐耳の少女。本人曰く「エリートきつーね(伸ばすのがミソ)」であるが、オサキモチとなった家の主人曰く「ポンかわ」。
伝承では家や人に憑依して影響を与える狐であるが、その様相はライトノベルさながらのドタバタコメディを髣髴とさせる。

人間時の名前は尾崎ここん。バーチャルMiratuber「オサキせっしょう」として、ゲーム実況を中心に活動している。

+ #エリートきつーねの初配信
『こんこんちーわっ!バーチャルMiratuberの"オサキせっしょう"と申しまーす!初見さんもそうでない方も、楽しんでってくださいねー!』
彼女の名はオサキせっしょう。エリートきつーねを自称するXIIBER(=バーチャルMiratuber)だ。主にゲーム実況を中心に配信活動を行っている、中堅どころの配信者。
そんな彼女には秘密がある。実は彼女は人間ではない。『尾崎狐』の妖怪伝承から生まれた、オトギ種の奇跡獣なのである!
これは、そんな彼女の日常の一コマ…


『うーん、最近マンネリだなー…エリートきつーねとして、なにかリスナーさんたちをわくわくさせる新規分野の開拓を…』
過去の配信動画を見返しながらオサキがぼやいている。
『おっ?そういえばこの配信って確か……』
オサキが動画を再生する。それは彼女のデビュー作、『初配信』のアーカイブだった。
「は……初めましてー!バーチャルMiratuberの"オサキせっしょう"と申しまーす!初見さんもそうでない方も、楽しんでってくださいねー!」
「あー……懐かしいなぁ……」
オサキが感慨深げにつぶやく。その目には涙が光っていた。
『あの頃はなかなか視聴数も伸びなくて、ずーっと登録者数も『1名』のままで…あれ?』
そこまで回想して、オサキは"あること"に気付く
『この最初のリスナーさん、まだ居るのかな…?』
オサキは『初配信』のアーカイブを遡る。すると……
「あ、あのー……まだ居ますかー?」
『……はい』
"1名"がコメントする。そのコメントにオサキが反応する。
「あっ!居た居た!良かったぁ、もう見捨てられちゃったかと思ったよ!」
『いえ、その……』
"1名"が口ごもる。そして、こう続けた。
『オサキさん、たいへん申し上げにくい、こと、なのですが…』
「なになに?何でも言って!エリートきつーねは動じないよ!」
『…ネット、繋がってませんよ?』
「え!?あ、本当だ!道理でキミ以外増えない訳だ!ありがとねっ☆」

『…………!?』
その配信時に"ありえないこと"が起きていたことにようやく気付いたオサキ。
(ネットに繋がっていないのに、この1名さんはどこから来たの!?…ハッ!)
初配信時の古いパソコンを押入れから引っ張り出すオサキ。コンコン、とデスクトップをノックし、囁く
『こ…こんこんちーわ…』
すると、パソコンのスピーカーから、極小音量で返事が返ってきた!
《こんこんちーわ…》
「……えええええええええ!?」
オサキが絶叫する。そのコメントは、パソコンの"中の人"からのものだったのだ!
「こ、これは一体……!?」
オサキがおそるおそる尋ねる。
《いやー、あのー……オサキさん、落ち着いて聞いてくださいね?》
「う、うん……」
《実は私……あなたにパソコンごと乗っ取られてしまったんですよね》
「え!?」
"初配信"のアーカイブを見ながら、2人(?)の会話は続く。
「……じゃあキミは一体何者なの?」
《うーん、そうですね……情報生命体?いや違うな…電子の妖怪…妖精?とでも言いましょうかね?》
「よ、妖怪?」
オサキは驚愕しつつも納得した。彼女もたしかに広義の"妖怪"ではある。なら『中の見えない箱の中になにか居るかも…』という感情から妖怪に近いナニカが生じたとしても不思議はない…のかな?
「でも、"私に乗っ取られた"って、どーゆーこと?」
《オサキさんの正体?は"尾崎狐"…家に憑くキツネの妖怪、ですよね?私にとってはこのパソコンが『家』なので…》「ああ……なるほど」
オサキは納得する。自分に『中の見えない箱』が憑いているのと同じ理屈か、と。
「じゃあキミ、私に何か恨みがあるの!?」
《いやいやいやいや!むしろ逆ですよ!このご時世、ネットにさえ繋がればいくらでも喋り相手が見つかるような時代に……わざわざ私のところに来て下さって本当にありがとうございましゅっ……!》
最後で盛大に噛んだことに気付き赤くなるパソコンの中の人。しかし、オサキは目を輝かせる。
「じゃあキミは……私のファン第一号さん?なんだ!」
《はい、オサキさん!実は私、あなたのことが大好きだったんですよ!ああ、最後にこうしてお会いできて本当に良かった!》
「私もこうしてまた会えてとても…ん?最後?」
さらりと衝撃的な発言があったことに気付くオサキ。中の人が言葉を続ける
《このパソコン自体がもうとっくに寿命でして…最期にこうして会えるなんて私はラッキーでしたね、おや、オサキさん?》
ぽたり、ぽたりとパソコンに雫が落ちる
《泣かないでくださいよ…生あるものはいずれ必ず死ぬものです。では、こうしましょう!》
「?」
《私…"パソコンの中の人"の話を人から人へ、広めてください。そうすればネットミームとなって私は生き続け…どこかのパソコンにやがて生まれ変われるでしょう》
「うん…!わかった、約束するね…!」

そして、翌日。落語家のような新衣装を着て配信をスタートするオサキせっしょう。
『こんこんばーんわっ!エリートきーつねっ、オサキせっしょうの漫談配信、は〜じめるよっ!』
(こんこんばーんわっ!)(こんばんワン!)(……こん!)
『きつねだって言ってんだろ!ああそうそう、漫談ね…これは、私が配信をはじめたばかりの頃の話です…』
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最終更新:2024年07月17日 02:39