鬼は人を襲い、人は鬼を退治する。
言葉や証文は交わさずとも、それが古くからの人と鬼の絆であり、約束であった…はずだった。
『正体を隠しての騙し討ち、毒杯のもてなし…呆れた武士道もあったものよのう…頼光!』
力では決して勝てぬ鬼相手に、いつしか人は知恵を付けた。
知略を用い、後背を突き、小賢しく立ち回る。
鬼に横道は無く、常に頭の中は真っ向勝負。次第に鬼は人に駆逐されていった…
その日、大江山から闇に消えた影が一つ。その行方は誰も知らない。
次回、ディストメアーズ編STORY-10.『朱殷』。
仲間たちの仇を取る。そのためなら私は…鬼を辞めよう。
DIM.Hermit
「雲隠れせし羅城の隠忍(おに)!・ディムハーミット!」
地霊区・
鬼哭地区に出現した
ディストメアーズの一人。
裏返った空間内は荒涼とした平原に立つ、禍々しいオーラを放つ五重塔。外装、内装ともに人骨モチーフの装飾が目立つ。
殻となった悪人・悪神は大江山の鬼たちの副頭目で、羅生門に現れた片腕の鬼『茨木童子』(いばらきどうじ)。
外見は華扇にそっくりだが、シニョンがあった場所に二本の円錐型の角があり、目は金色に輝いている。
失った右腕は茨で腕を形成し幻術で普通の腕に偽装してある。
戦闘時は、幻術を解いて茨の右腕での攻撃を多用する。
網状に茨の蔓を巡らせての拘束や、鞭の様に払っての打撃、さらには仙術の呼吸法により生み出した"氣"の波動を蔓を通して放つ、などの芸当もやってのける。
どういうわけかほかのディストメアに比べ、殻である茨木童子と中身である華扇の夢のかけらの同調率が異常に高く、むしろ殻のはずの茨木童子の方が主導権を握っている節がある。
劇中、乗り込んで来た奇跡の戦士たちの中に居た
リムシュテンを見て、ひどく動揺するそぶりを見せるが…?
必殺技は【ディストメア・ハーミット・バイオレット】
右腕の荊で砲身を形成、仙術の呼吸法で生み出した"氣"を渦を巻く波紋に変えて撃ち出す。
「…腕は何処だ…私の右腕は…何処に在る!?」
「私の荊は…引きちぎると狂い悶えるのだ…喜びでな!」
「朱…天…!?」
最終更新:2024年02月07日 19:41