【元ネタ】史実、『太平記』、『大森彦七』
【クラス】アヴェンジャー
【マスター】
【真名】楠木正成
【性別】女性
【身長・体重】158cm・52kg
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力B 耐久C 敏捷A+ 魔力A 幸運D 宝具A
【クラス別スキル】
復讐者:B
復讐者として、人の怨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。
周囲から敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情はただちにアヴェンジャーの力へと変わる。
忘却補正:A
人は忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。
七生報国。断末の忠節は悪念となって彼女を復讐の檻に閉じ込めた。
自己回復(魔力):B
復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。
魔力を微量ながら毎ターン回復する。
【固有スキル】
千里眼(妖):EX
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。遠方の標的捕捉に効果を発揮。
アヴェンジャーの場合、怒りによって魔の因子を強めることで瞬間的に三千大千世界──あらゆる世界、並行世界すらも見渡す事が出来る。
第四天魔王の娘、
鈴鹿御前と同質の異能であり、これを乱発することは、英雄の影法師、別側面として辛うじて成立しているアヴェンジャーが英霊の資格を失うことを意味する。
幻術:A
人を惑わす魔術。精神への介入、現実世界への虚像投影を指す。
Aランクともなると精神世界における悪夢はもちろん、現実においても荒天や騎兵隊などの虚像を軽く作り上げ、人々を混乱させる事ができる。
無辜の怪物:A
生前の行いから生まれたイメージによって、過去や在り方をねじ曲げられ能力・姿が変貌してしまった怪物。
広義では中央政権に追われた者が人外に変じた化外の鬼、漠然とした恐れが語られることで実体を伴ってしまった物語の鬼も含まれる。
千頭王鬼と化したアヴェンジャーは生粋の鬼種に劣らない魔性──そして『楠木正成』としての力を振るうことが可能となった。
【宝具】
『魔住ヶ窪の鬼姫怪談(ますみがくぼのおにひめかいだん)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:100人
アヴェンジャーの魔としての根源である千頭王鬼の一時的な召喚。
般若面を被る動作をスイッチに
自己暗示によって己に宿る性を極限まで引き出し、膨大な陰気を放出、
続いてアヴェンジャーの背後に開いた空間から雷鳴と共に無数の瞳が顕れる。
彼方から来たる忿怒の眼光はぎょろぎょろと此方側を呑み込むように射竦め、敵の精神を縛り付ける。
千の悪眼に睨まれた一帯は現実に深刻な歪を残し、蜃気楼のように揺らめきながら周囲を侵す穢土の一部となる。
『呪層界・怨天招来(じゅそうかい・おんてんしょうらい)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:1人
自らの瞳の裡に作り出した固有結界へ魂を閉じ込め、認識を狂わせる幻惑大怪球。
魔力を邪視に乗せて対象へ逆流させる事で相手の観測する世界を反転させ、ただ一人だけを呪う舞台へと怨敵を誘う。
発動には視線を合わせている、若しくは過去に千頭王鬼本体の眼光を浴びていることが条件となる。
内部は空気が淀み血に染まった猿楽殿に囲まれ、天空には蠢き蠕動する異形に覆われた光景が広がる。
その正体は幾万もの怪異の群れであり、一つ一つが戦場で打ち捨てられた怨霊に他ならない。
対象は常に無防備な精神状態で怨霊達の強烈な想念に曝される他、アヴェンジャーの認識の一部を共有し、数多の世界で偏在する無数の自分自身が、存在を絞り上げられ、圧迫され、揉み消される幻視に襲われる。
仮に何らかの精神的支柱が無いものが、この狂気に捕われれば波涛に攫われる小枝の如く意識を水底へ沈められてしまうだろう。
【解説】
大忠臣・大悪党と呼ばれた南北朝時代の武将。
失墜しきった鎌倉幕府の倒幕と天政を掲げた後醍醐天皇に駆けつけた数少ない武将の一人。
半生には諸説あるが河内で流通の元締めをしていた土豪、山賊の類であったと推定される。
敵将からさえ人格・武略共に絶賛され、明治から戦前に限れば三英傑を凌ぐ人気と言われる。
僅か数百の地侍で数万の討伐軍による圧倒的不利な盤面を引っくり返す機略縦横の智将ぶりに呼応し、全国で蜂起が多発。六波羅倒せど二十余年はかかると予想された北条一門討滅は僅か一月半で終わりを迎えた。
日本史上、類を見ない武勲を挙げた正成であったがその最期は次々と離反していく旧友と敵対。
戦どころか情勢も分からない公家に献策を退けられ(あるいは正成を恐れたが故の謀殺であったとも)、死地に追いやられるというものだった。
その悲劇的な最期は広く知られ、太平記に於いては、魔王と化した後醍醐天皇の眷属とされる千頭王鬼と成ったと語られ、日本転覆の要である三霊剣の最後の一刀を手に入れる為に、自身の仇である大森彦七の元に訪れ、その妖力を充分に見せつけた。
最後は大般若経によって鎮められたが、その後も魔王後醍醐の前で全国の朝敵を退治している旨が語られた為、成仏した訳では無いようだ。
余談だが「新歌舞伎十八番」のひとつ「大森彦七」では霊剣は元来楠木家の家宝「菊水」であったとされ、正成の娘、千早姫が鬼女のフリをして敵討ちにくるという太平記の裏舞台を意識した構成になっている。
最終更新:2023年11月03日 23:07