【元ネタ】ケルト神話
【CLASS】
ランサー
【マスター】
【真名】コナル・ケルナッハ
【性別】男性
【身長・体重】240cm・225kg
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力B+ 耐久A+ 敏捷D 魔力D 幸運C 宝具B+
【クラス別スキル】
対魔力:C+
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
守護神としての側面が強調される『血河にて隔て、幽明の境』の発動中、対魔力のランクが引き上げられる。
【固有スキル】
破魔の顱盃:A
ランサーの髑髏杯を使いミルクを飲むことで女神マハの呪いが解かれたことに由来するスキル。
ランサーの消滅後も頭蓋は残留し、それを用いて飲料を摂取することで如何なる呪いも解呪できる。
幸い、名高いドルイドの家系に生まれたランサーも頭部で循環する血液を媒介に解呪の力を行使可能。
しかし、ランサーが死後に認識した能力である事と、ランサーの魔術師としての能力がスキルとして表示されない程度である事も合わさって、解呪には判定を要する。
餓狼の首級:B++
ランサーが討ち取った数々の戦士の首。
戦闘時のST判定にプラス補正が掛かるが、引き換えに敵とのエンカウント率が上がってしまう。
新たに首級を上げることでその効果は更に増大していく。
また、「勝利の狼」の名を冠するランサーの風格は敵対者に捕食者を前にした非捕食者の如き死の戦慄を刷り込む。
その威風は『フロイヒの牛捕り』において蛇竜を屈服させ、『ロスナリーの戦い』ではタラの軍勢を剣の演奏で震撼させた。
血塗れの蛮勇:A+
大英雄
クー・フーリンの仇討ちでアイルランド全土を血に染めた逸話に由来するスキル。
このランクになると『
一気呵成』の効果も合わさった複合スキルとなり、敵を攻撃すればするほど攻撃力と命中率が向上するが、引き換えに防御力が下がっていく。
戦闘続行:A
往生際が悪い。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
【宝具】
『蒼翠戮す皆朱の槍(クール・グラス)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~30 最大補足:40人
ランサーが愛用する青緑の刃を持つ、ヨーク(イチイの樹)と喩えられるほどの大槍。
通常時は高熱を刃に宿し、コンホヴォルの所有する剣と混同された経緯から巨剣への変形機能を有する以外の能力を持たない。
しかし、真名解放の暁には刃は「燃えるような槍を持つ」と謳われたように噴炎を開始する。
噴き出る炎は当然、ランク相応の熱量を宿すが、同時に「斬撃」としての属性・判定を併せ持ち、炎が鎮火されない限り、同時に斬撃による別種のスリップダメージが継続的に与えられる。
故に、火避けの加護といった対火能力を素通りして対象にダメージを与えることが可能。
また、攻撃判定は斬撃が優先されるため、水中でも斬撃によって水を跳ね除け、確保した空間で燃焼し続けるなど鎮火の難易度は高い。
この炎はランサーの意の侭に燎原を成し、対人宝具でありながら対軍宝具級の殲滅能力を叩き出す事も珍しくはない。
クー・フーリンの死から瞬く間にアイルランドを朱に染めた戦禍はいとも容易く再現されるであろう。
『血河にて隔て、幽明の境(スキーア・クローディエルグ)』
ランク:B+ 種別:結界宝具 レンジ:1~20 最大補足:30人
ランサーが持つブリクリウともアルスター18盾の三席"手に疾き"ラーヴタバドとも呼称される大盾。
"赤血の盾"の異称を持つ通り、血塗れの外観は赤黒い鉄塊の如き有様。
『ダ・デルガの館の破壊』にて150の槍を受け半壊したことから強度自体は同ランクの同型宝具と比較して飛び抜けたものではない。
しかし、塗布された血によって補強・再生を行う、擬似的に神経を接続し恰も身体の一部の様に取り回す、など継戦に優れた機能を有する。
真名解放により、擬似神経を通して自身の血液を送り込むことでランサーのルーツとされる境界の守護神としての側面を喚起する。
発動後、「血塗れの蛮勇」は同ランクの「
守護騎士」に変化し、上昇・下降したステータスは基礎値に戻る。
そして、鮮血の如き真紅の防御結界が展開される。この結界は金城鉄壁の強度だけではなく周囲の血液を取り込む事による硬化・再生や、神経接続による高速展開を引き継ぎ、総じて世界を隔つかの様な防御能力を発揮する。
シールダーのクラスならば効果範囲は一都市をカバーリングできるまでに及び、一点に硬化能力を集中させるといった芸当も可能だったが、ランサーとして召喚された現在は防壁を個人レベルに収縮して対軍宝具を凌ぎ切れる程度に収まっている。
【解説】
ケルト神話に登場する英雄。一説には古い時代に崇められた国境の守護神が起源とされる。
強力なドルイドにして大詩人であるアマーギンの息子として生まれたが、生後すぐに「コナハトの半数以上の男を殺す」と予言されたことから叔父にして宿敵となるコナハトの勇士
ケト・マック・マーガハに殺されかけ、頸部にメスゲグラ王の首の力で回復するまで猫背を余儀なくされる後遺症を負った。
かの大英雄クー・フーリンとは養父でありながら従兄弟という間柄で、どちらかが斃れればその日の内に必ず復讐を果たすという誓いを結んだ盟友でもあった。
彼自身も「勝利のコナル」と渾名される勇士であり、常に打ち倒した勇士の首(ケルトの戦士にとって同じ重さの黄金以上の価値がある)を引っ提げ、赤枝の騎士団においてクー・フーリンに次ぐ武功・実力を持つと目される。
しかし、アルスター有数の実力者とされながら、『ブリクリウの饗宴』では終始仲間のロイガレ・ブアダハ共々クー・フーリンの引き立て役に甘んじ、『アイフェの一人息子の最期』では
コンラの魔技に敗れるなど損な役回りを負う場面も多い。
尤も、『マク・ダトーの豚』『ダ・デルガの館の崩壊』『ホウスの戦い』『フロイヒの牛捕り』『ロスナリーの戦い』といった多くの物語で蛇竜を戦わずして下す、軍を蹴散らし王や高名な戦士を討つなど抜群の武勇を奮っており、コナルをクー・フーリンの単なる引き立て役と見るのは間違った見方であると言える。
クー・フーリンが幾重もの策略によって戦死した際には、誓いに則りアイルランド全土を血に染めるほどの復讐戦を開始。最終的にレウィ、エルク、カラティンの娘の魔女たちといった下手人を討ち取り、それらの首をクー・フーリンの正妻であるエウェル姫に捧げた。
クー・フーリン死後はアルスターに侵入し殺戮を行った宿敵ケトを追跡し、自らも瀕死の重傷を負うほどの激戦の末に打ち取る。因縁にケリをつけたコナルはコンホヴォルや長子コルマク亡き後のアルスター王に推薦されたが、これを固辞。代わりに自らが養父を務めたクースクリドを王位に推し、一線を退いた。
その後、老いによる衰えと病に苦しんだコナルは自身の食欲を満たせる環境を求めて、敵国コナハトへの隠居を決断。
女王メイヴの宮廷に客分として一年滞在する。しかし、戦友であるフェルグスを暗殺したコナハト王アリルへの憤りもあり、メイヴによる暗殺計画に加担することとなる。アリルを討ち、フェルグスの復讐を果たしたコナルだったが、直後メイヴによって彼もまた暗殺の対象とされてしまう。強襲するコナハトの軍勢を往年を彷彿とさせる武勇で屠るコナルだったが壮絶な追撃戦の末、後に彼の名を冠しバリーコネルと呼ばれる場所で最期を迎えた。
最終更新:2023年10月31日 21:32