歌仙の詩歌

歌仙の詩歌:A (紫式部
 『太平記』第一六巻「日本朝敵事」に曰く、人ならざる四鬼を従えた逆賊・藤原千方の討伐に派遣された紀朝雄は、「草も木も 我が大王(おおきみ)の国なれば いづくか鬼の 棲(すみか)なるべし」という歌を詠み、四鬼を退散させたという。
 中古三十六歌仙、女房三十六歌仙に名前を連ねる歌人である紫式部は、是なる悪鬼退散の詩歌さえ容易く詠み上げてみせる。なお、彼女の歌は小倉百人一首にも採られている。 「めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな」である。

歌仙の詩歌:B (清少納言
 中古三十六歌仙、女房三十六歌仙に名を連ね、小倉百人一首に歌を採られながらも、清少納言は和歌を不得手と自嘲する。
 苦手意識もあるだろうが、古色蒼然としたルールが彼女の新しい感性と相性が悪かったともいえるだろう。
 それでも彼女の詠む歌は時に人々の心を打ち、時に不埒な男達を堂々と退けたのである。

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最終更新:2021年12月20日 18:41