【元ネタ】北欧神話、『デンマーク人の事績』など
【CLASS】
ランサー
【マスター】
【真名】スタルカド
【性別】男性
【身長・体重】310cm・440kg
【属性】混沌・悪(正しくは秩序・善)
【ステータス】筋力A 耐久A+ 敏捷B 魔力C 幸運D+ 宝具A
【クラス別スキル】
対魔力:A-
A以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、現代の魔術師では
ランサーに傷をつけられない。
……
神々の禍福により耐性にムラがある。
【固有スキル】
神々の禍福:EX
大神からの加護と雷神からの呪い二つが合わさった特殊スキル。
異なる二つの
神の加護と呪詛が常時発動している。
スキルとしての効果は
ランサーのHPを三倍にまで引き上げる、装着している武具の性能を最高級にまで引き上げる、
戦闘する際に幸運のランクが上昇する、高速で詩を編む、
常に財が手元に手繰り寄せられる、高貴な人間に対して発揮するカリスマ性などの加護を得るが、
同時に三度まで自軍を裏切る、自身の陣地を持てない、
あらゆる財を入手しても満たされる事はない、戦闘の際に必ず損傷を負ってしまう、
紡いだ詩は覚えられない、大衆から支持を得られないなどの呪いを包括している。
漂泊の老雄:A+
三代に渡る波乱の生涯を歩み、数多の主君の下で忠勇を示した見識。
老練、心眼(真)、
忠士の相、
沈着冷静といったスキルを内包し、主の過ちを糺す行為に多大な補正を得る。
ランサーの英雄性の最たる象徴であるが故に、怪物性の侵食と共にランクが下降し最終的にこのスキルは喪失する。
戦闘続行:A+
戦闘を続行する能力。決定的な致命傷を受けても戦闘が可能。
尋常ならざる生命力の持ち主であり、頭蓋骨や臓腑の損傷すら一顧だにしない。
血脈励起:A
トールの糾弾を受けて以降、
ランサーの心へ無意識の内に根差した暗示。
サーヴァントとして現界するにあたっては、巨人種としての力を一時的に引き出すスキルとして定義されている。
これにより
ランサーは第二宝具が暴走するリスクをある程度抑えて怪力、
巨人外殻といったスキルを行使することが出来る。
【宝具】
『大神盟詛(ガウト・グングニル)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~40 最大捕捉:1人
祝福の代償として主君ヴィーカルを大神の元へ送るために授けられた神槍。
「相対する者が最上の敬意に値する勇者であると
ランサーが認める」という条件が満たされることで、彼が携える武器と見なされる全ては"グングニル"へと上書きされる。
対象には大神の贄となる運命が架され、これを覆すには神性、あるいは神の祝福が必要となる。
この因果は方向性は違えど担い手にも強制され、この宝具が発動した時点で
ランサーは如何に不本意な結末になろうとも矛を収める選択肢を失うこととなる。
『巨怪八臂・宿痾愁嘆(オーリョース・アールドレングル)』
ランク:A- 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
深い罪への悔恨を引き金とする八腕の父祖への先祖返り。
雷神トールによる巨人への憎悪から架された呪詛の隠された効果でもある。
発動した瞬間から
ランサーの肉体から六本の腕が隆起し、1ターンごとに巨大化と理性の喪失が進行する。
極めて強靭な理性を持つ
ランサーですら正気を保てるのは10ターンが限界であり、それ以降は正真正銘の怪物へと堕ちる。
…スキル
神々の禍福による長寿と裏切りの宿命により発動の阻止は不可能に近いと言っていい。
【解説】
北欧神話に登場する英雄。老スタルカド(スタルカド・ガムリ)とも。
雷神トールに討ち取られた八腕を持つ同名の巨人の孫に当たり、彼自身も並ぶ者なき巨躯と高貴さを讃えられた。その一方で人間離れした風体やトールに引き千切られた六腕の痕とされる背中の痣から「巨人の生まれ変わり」と揶揄されることもあったという。
際立った武働きのみならず、奢侈を遠ざけ清貧に徹する高邁な人格の持ち主としても知られる。特に、仇敵の一族から妻を娶り、高位に叙した仇敵と食卓を囲い堕落に耽る嘗ての主君の息子インギャルドに喝を入れ、改心させた一幕は『
ベオウルフ』でも引用されるなど高い評価を受けた。
幼くして父ストールヴィルクを亡くしたスタルカドはノルウェー南部の覇権を争う王子ヴィーカルと共に育つ。父王ハラルドの仇である簒奪者を僅かな手勢で攻め落とした事を契機に頭角を現した彼と共に、数々の戦で殊勲を打ち立て、麾下最強の戦士として名を馳せた。ヴィーカルはスタルカドを最高の戦友と認め、財宝・領土を惜しみ無く贈り合うなど堅い絆を結ぶ。
しかし、ヴァイキング航の最中、船団が嵐によって停泊を余儀なくされた時、グラニと名乗り養父として振る舞っていた
オーディンに神々の元へと連れられたことがスタルカドの運命をより波瀾に満ちたものへと変えた。
スタルカドは
オーディンより「三代に渡る生涯を送る」「最高の武具と装い」「数々の戦場における武功と勝利」「尽きぬほどの富」「言葉と同じように詩を紡ぐ才」「高貴な者達から大いに重んじられる」といった多くの祝福を授かるが、彼に流れる巨人の血を見咎めたトールにより、「子孫を持つことはない」「三代の生の全てで大罪を犯す」「土地を持つことはない」「如何なる富にも満足を覚えない」「戦の度に必ず傷を負う」「紡いだ詩を忘却する」「あらゆる民の憎悪を買う」といった多くの呪いも同時に背負うこととなる。
呪いによってスタルカドが犯した最初の罪は、祝福の代償として主君にして友であるヴィーカルを
オーディンが授けた槍を以てヴァルハラへ送ることだった。スタルカドはヴィーカルを救うために安全な儀式を考案するものの、その甲斐なくヴィーカルは生贄とされた。
以降、主君殺しの罪により追放されたスタルカドは数多くの戦場と王の元を渡り歩き、絶大な武功を打ち建てる。しかし、長年仕えたアーリ王を大金と引き換えに暗殺し、それを恥じて依頼者である武将らを殺害するなど、その栄光にはトールの呪いによる罪と悪名が付き纏った。
晩年、視力も衰え
オーディンが定めた寿命も間近に迫ったスタルカドは介錯人を雇うための遺産を提げ、死に場所を求めて最期の旅に出向く。放浪の末、アーリの一件で殺めた武将の遺児と遭遇。問答の末に潔く首を差し出すも、斬り落とされた首は死してなお大地へ喰らい付き、その魂の苛烈さを窺わせたという。
最終更新:2023年09月12日 17:47