【元ネタ】史実
【CLASS】フォーリナー
【マスター】
【真名】エドワード・ケリー
【性別】男性
【身長・体重】178cm・57kg
【属性】中立・悪
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A 幸運D 宝具C
【クラス別スキル】
領域外の生命:C
外なる神々の降臨者たるフォーリナーたちとは反対に、
「錬金術師によって鋳造された、外宇宙との交信者」としてフォーリナークラス適性を獲得した。
道具作成:B
魔力を帯びた器具を作成できる。
フォーリナーは錬金術に精通しており、あらゆる魔導器を作成可能。
陣地作成:B
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
“工房”の形成が可能。
フォーリナーは一箇所に留まらず複数の拠点を自らの工房とする。
【固有スキル】
魔術:B-
師であるジョン・ディーから学んだ錬金術・
占星術。
魔術回路から鋳造された
ホムンクルス故に、師すら上回る天性の才能を持つ。
しかし、肉体が持つ『機能』との干渉によって、確率でファンブルを引き起こしてしまう。
贋造生命:B
天然自然には生まれ得ぬ存在、無垢の人造生命ホムンクルスであることを示すスキル。
アインツベルン製のホムンクルスには及ばないものの、一流の魔術師に匹敵する魔術回路を備える。
高速詠唱(宙):A
魔術の詠唱を高速化させる能力。
エノク語とも呼ばれる「天使」の言語により、大魔術の詠唱を一工程で成し遂げる。
フォーリナー自身が人のカタチをした生ける魔導書となったことでランクが引き上げられているが、本人はあまり使いたがらない。
【宝具】
『
黄金錬成の奥義書(ダンスタン・ノースウィック)』
ランク:C 種別:対物宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
フォーリナーが霊的生物に導かれて手に入れたという錬金術書と大量の赤い粉末からなる宝具。
書物には粉末の秘密が秘匿されており、それを利用することで粉末から卑金属を金に変成させるチンキ剤の精製が可能。
サーヴァントとしてのフォーリナーはこれを応用し、自らの使用する物品の組成を組み換えて強化、
或いは敵の持つ堅固な物質の組成を変換して破壊するなど攻撃的に利用する。
『虚空を闢く熾天の秘鑰(エノキアン・アエティール)』
ランク:A+ 種別:対理宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
錬金術師ジョン・ディーが作り出した人造生命体ホムンクルスであるフォーリナーの霊基が隠し持つ宝具。
フォーリナーの創造主にして師であるディー曰く「天使」、
フォーリナー自身が「悪霊」と称する存在と交信し、その存在の一端をサーヴァントの要領で召喚する。
喚び出された「天使」あるいは「悪霊」は相対する相手の戦力に比例して、
自らの戦闘能力を向上させる性質を持ち合わせている。
占星術師にして錬金術師ジョン・ディーは倫敦は時計塔の伝承科に伝わる禁忌の一部を生前に垣間見、
そこに「天使」の存在を見出したディーは、天使と交信するに値する無垢なる生命としてフォーリナーを創造した。
生前の実験では交信に必要な条件が満たされなかったため、部分的な交霊に留まっていたが、
フォーリナー自身が『彼方への繋がり』を有しており、もはや生命を象った魔導書の如き機能を持つ。
そのため、本来は水晶球のような礼装を必要とせずその身一つで彼方との交信を可能とするが、
フォーリナーはこの能力を忌避している他、発動にも諸条件が存在するため、基本的に使用されない。
【解説】
16世紀のイングランドあるいは中央ヨーロッパで活動した錬金術師・水晶球透視者(霊媒者とも)。
イングランドの宮廷占星術師・錬金術師であるジョン・ディーの魔術的な研究に協力した人物であり、
ある時期までディーの弟子ないし使用人として従っていたという。
ケリーの人生の初期のことはよく分からないとされるが、彼が27歳の時にジョン・ディーと出逢う。
当時のディーは水晶球透視者の協力によって天使と接触しようと試みていたが、うまくいっていなかった。
ケリーは自身にはそれが可能であると公言し、最初の試みでディーを信頼させ、正式な透視者となった。
二人が知り合って一年後、錬金術に興味を持つポーランド貴族の知遇を得て、二人は大陸に渡った。
大陸に渡った二人は神聖ローマ皇帝ルドルフ二世の保護を受けることを考えていたが、
君主達に自分達を印象づけることに失敗したようで、ディーとケリーは中央ヨーロッパを巡る流浪の生活を送った。
二人は交霊実験を続けていたが、ケリーは既に水晶透視よりも錬金術のほうに興味を持っていた。
その後、ディーとケリーは富裕なボヘミアの伯爵の保護を受け、町に住み研究を続けた。
しかし、ある時の交霊でケリーは「持つもの全て──配偶者を含めて共有するよう」天使から命じられたと
ディーに明かし、ディーはこの天使の命令に苦悩した挙句、妻の共有を実行しようとした。
しかし、ケリーは自分の見た天使たちは悪霊だと考え、託宣に従うことを拒否しようとした。
貴族の保護を得て裕福となったケリーは、実りない実験をやめ、錬金術師に集中したいと考えていたともされる。
結局これはケリーの関わった最後の交信となり、すでに錬金術師として師以上の評価を得ていた
ケリーとディーの関係は破局を迎え、ディーは二度とケリーに会うことはなく、イングランドに帰国した。
その後のケリーはボヘミアの有力貴族から大金を受け取り、いくつかの邸宅を提供され、裕福に暮らしていた。
彼は影響力を持った多くの人々に黄金を作ることができると確信されており、
ルドルフ二世は彼のパトロンとなり、ケリーを「王国男爵」にまで任じた。
しかし、ルドルフは徐々に結果を待つことに我慢できなくなっていき、
ケリーを捕らえて、プラハ郊外の城に収監し、彼が大量の金を作り出すように説得することを望んだ。
ルドルフはケリーの錬金術師としての能力については一度も疑ったことはなく、
彼がイングランドに帰国することを恐れていたのである。
ケリーは金の生産と協力に同意し、釈放されて以前の地位を回復したが、金の生産に失敗して、
再度逮捕され、収監された城の中で生涯を終えた。
伝承によると彼は逃亡を試みている間に死んだとされ、充分な長さのないロープで
塔から降りようとして墜落して脚を折り、その傷がもとで死亡したと言われる。
ケリーはその派手な生涯のゆえに死後すぐに伝説にまみれた人物となり、
錬金術師=ペテン師という民間伝承的イメージの源泉となった。
英語圏の歴史家の間でもケリーはディーをたぶらかした詐欺師であったという根強い一方で、
両者の交霊実験に対する温度差は大きかったとされ、むしろディーが一方的にケリーに依存していたという見方も存在する。
最終更新:2024年02月02日 06:46