【元ネタ】『砂男』『ホフマン物語』『コッペリア』
【CLASS】アルターエゴ
【マスター】
【真名】コッペリウス
【性別】男性型
【身長・体重】176cm・64kg
【属性】中立・悪
【ステータス】筋力E 耐久D 敏捷C 魔力B+ 幸運D 宝具B
【クラス別スキル】
ハイ・サーヴァント:E
英霊複合体であることを示すスキル。
サーヴァントとして現界するにあたり、自身に縁ある霊基をその身に取り込んで強化を図った。
しかしアルターエゴには神霊のエッセンスは含まれていないため、基本能力値は他のハイ・サーヴァントと比べもっとも低い。
アルターエゴを構成するエッセンスはドイツを中心とした欧州諸国に伝わる妖精ザントマン。
道具作成:B
魔力を帯びた器具を作成できる。
アルターエゴの場合は自動人形(オートマタ)や人工の魔眼、およびその機能を補助する
望遠鏡や眼鏡といった礼装を製作する事が出来る。
気配遮断:A
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
アルターエゴが取り込んだ妖精ザントマンは姿の見えない妖精とされ、発見することは非常に難しい。
更に言うと、アルターエゴ自身が肉体を人形に置換済みなので、生き物としての気配は殆ど持たない。
【固有スキル】
一目何処かで:B
アルターエゴは己が正体を失っている。
暗示と人体模造の魔術概念によって造り上げられたその体は、
常に「誰かの恐怖・トラウマの象徴」を象っており、敵対者の身を竦ませ、恐怖を付与する。
魔術:B+
特に暗示などの精神干渉や人体工学、人体模造の魔術概念に精通している。
アルターエゴとしてバレエ『コッペリア』で語られる「陰気で気難しい変人」の側面が純化された彼は、
皮肉にも
キャスタークラスでの召喚時よりも魔術師然とした人物となっている。
人造四肢(人形):A
肉体が人造の機構、特に魔術で作られた人形となっている。
戦闘に関連する行動判定や、スキルの成功判定にボーナスが加わる。
アルターエゴは既に肉体を自らが作成した自動人形(オートマタ)の躯体へと置換しており、
自身(人形)の一部を自壊させることで他者を巻き込んだ爆発を引き起こすことすら可能。
睡魔の砂袋:A
妖精ザントマンに由来するスキル。
眠気を誘う魔力が籠められた砂を散布することで浴びた対象の精神干渉への耐性を低下させ、無防備な睡眠状態とする。
対魔力で抵抗可能。
【宝具】
『発条よ廻せ、七宝眼の少女(オリンピア・コッペリア)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:1人
アルターエゴが生前に造り上げ、数多の青年を破滅の運命をもたらした少女型の自動人形(オートマタ)。
一目では人間と見分けがつかない精巧な造りであり、眼窩には人工魔眼が当て嵌められている。
人工魔眼の効果自体はありふれた「魅了」と「暗示」であるが、その効力は極めて強く、
対象が魔眼を見た(目を合わせた)ならば自動人形に対する激しい恋心を抱かせ、
魔眼そのものに直接触れた際には強力な魅了と暗示の魔術によって平衡感覚や言語感覚すら狂わされてしまう。
また本領では無いもののアルターエゴに変わって戦闘を行うことも可能であり、
人形ゆえに人体の構造と機能を度外視した高速機動を体現する。
アルターエゴ曰く、この自動人形は未完成の宝具であり、彼女に魅了された男性の命を吹き込むことで
陰陽両儀、アンドロギュノス……世界各地の神話伝承に存在する男女両性を兼ね備えた
原初のヒトガタとして完成されると語られるが、詳細は不明。
【解説】
幻想文学の奇才エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンの短編小説『砂男』、
および『砂男』を元に作られたバレエ『コッペリア』、オペラ『ホフマン物語』に登場する人物。
細部は異なるが、どの作品でも少女型の自動人形(オートマタ)とそれに魅了された青年に纏わるエピソードに登場する。
『砂男』では主人公ナタナエルの父のもとに訪れる不気味な老弁護士として登場する。
欧州の民間伝承に登場する睡魔・砂男(ザンドマン)の存在を信じ、恐怖するナタナエルは
コッペリウスこそが砂男に違いないと確信していた。
ある日、コッペリウスが訪れた父の書斎で謎の爆発が起こり、父は焼死、コッペリウスは行方不明になる。
そして青年となったナタナエルの下宿先に、コッペリウスにそっくりな晴雨計売りのコッポラが現れる。
その後、下宿先が火事で焼け落ちてしまい、代わりにスパランツァーニという教授の向かいの住居に移り住むと、
再びコッポラが現れ、ナタナエルは彼に対する恐怖を抑えながら望遠鏡を購入した。
その望遠鏡で向かいの窓に見える教授の娘オリンピアを眺め、次第に彼女に激しい恋心を抱くようになる。
オリンピアへの求婚を決意したナタナエルだったが、そこでオリンピアを引っ張り合って、
教授とコッポラが言い争いをしており、オリンピアの目が欠けている様を目撃する。
オリンピアは自動人形であり、教授がナタナエルへと目玉を投げつけると彼は正気を失い、
「まわれ、まわれ」と言いながらおかしな事を口走りながら失神してしまう。
その後、ナタナエルは故郷に連れ戻され、正気を取り戻したかに思えたが、
塔の上で景色を眺めようとして望遠鏡を覗き込むと、再び理性を喪失し、
「まわれ、まわれ」と言いながら塔から落下し死んでしまう。
ナタナエル転落の騒ぎを聞きつけて集まった人ごみの中には老弁護士コッペリウスの姿もあった。
E.T.A.ホフマンの3つの短編小説を元にした戯曲『ホフマン物語』では「第2幕 オランピア」に登場し、
主人公の詩人ホフマンにかけると自動人形・オランピアが美しい姿に見える眼鏡を売りつける。
人形と知らずオランピアに惚れ込んだホフマンはオランピアに愛を囁き、夜会まで開くが、
『砂男』と同様にスパランツァーニ教授とコッペリウスの間の諍いが起こり、オランピアは破壊されてしまう。
その際に眼鏡も壊れたことでその影響から抜け出たホフマンは壊されたオランピアを見て、
初めて彼女が自動人形であることに気づき、失意のあまり倒れてしまう。
バレエ『コッペリア』では陰気で気難しく、変人扱いされる人形職人として登場。
コッペリウスの家の二階にはコッペリアという美しい人形が座って本を読んでおり、
向かいに住む少女スワニルダの恋人であるフランツは、コッペリアが人形であることを
知らないまま彼女に惹かれてしまい、それがきっかけで恋人と喧嘩してしまう。
ある時、スワルニダは好奇心から、フランツはコッペリア会いたさのためにコッペリウスの家に侵入する。
フランツを見つけたコッペリウスは当然怒るが、彼を眠らせて命を抜き取り、
自信作の人形であるコッペリアに吹き込もうと一計を案じる。
コッペリウスに気づかれることなく室内に身を隠し、一部始終を見ていたスワニルダは、
コッペリアになりすまして、コッペリウスをからかい悪戯の限りを尽くす。
この大騒ぎにフランツも目を覚まし、コッペリアの正体を悟り、スワニルダは仲直りしたという。
最終更新:2025年02月12日 22:48