【元ネタ】史実
【CLASS】
ランサー
【マスター】
【真名】アイスキュロス
【性別】男性
【身長・体重】180cm・83kg
【属性】中立・中庸
【ステータス(基礎)】筋力C 耐久C 敏捷D 魔力B 幸運E 宝具B
【ステータス(ランサー時)】筋力B 耐久B 敏捷C 魔力B 幸運E 宝具B
【ステータス(
キャスター時)】筋力D 耐久D 敏捷E 魔力A 幸運E 宝具B
【クラス別スキル】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
道具作成:C
本来ならキャスターのクラススキル。
スキル「詩人戦士」によって一時的にこのスキルを使用出来る。
ランサーは劇中に使用する数多の道具やエレウシスの秘儀に関する物などを作成できる。
陣地作成:A
本来ならキャスターのクラススキル。
スキル「詩人戦士」によって一時的にこのスキルを使用出来る。
ランサーは悲劇を演じる"劇場"を形成する事が可能である。
【固有スキル】
詩人戦士:A
劇作家でありながら戦場に赴いた特異な経歴。
召喚されたクラスに関わらず、ランサーとキャスターという二つの性質を有する。
任意で性質を切り替える事によってステータスとクラススキルが変化し、
ランサー時は筋力・耐久・敏捷のランクが向上して対魔力スキルを獲得。
キャスター時は格闘能力の低下と引き換えに魔力のランクが上昇し陣地作成・道具作成スキルを行使可能となる。
落命の一撃:B+
鷲が岩と間違えたランサーの頭上に亀を落として死に至らしめた逸話に由来するスキル。
スキルを発動することでランサーの上空から硬い甲羅を持つ亀がランダムに投下される。
このスキル発動中はランサーも含めて地上にいる存在に幸運判定が発生し、
失敗すると対象の頭上に亀が落下、亀の重量および硬度によってダメージが発生する。
この唐突な死因は後に「アイスキュロスの亀」として「ありえないことが起こる」という意味のことわざにすらなった。
生命汪溢:C-
生前挙行したエレウシスの秘儀によって変異した
戦闘続行スキル。
豊穣
神の恩寵により高速再生と見紛うほどの回復力が顕在化した。
一方でランサーには生前に儀式の秘密を漏らし、誅殺されかけたという伝承が存在する。
そのためか、ランサーの最期は秘儀を行い豊穣神の恩寵を受けた者としてはあまりにも唐突で呆気ないものであった。
【宝具】
『悲劇創出す白亜の劇場(トラゴーイディアス・ポイエーシス)』
ランク:B 種別:対陣宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:200人
生前のランサーが創作した、敵国であるペルシアの民が敗戦を嘆く様子を描いた最古のギリシャ悲劇の宝具化。
敵対者が有する性質を解析し、其処から相手が敗北を迎える道筋を逆算することで発動が可能となる。
真名解放と同時に戦場に悲劇の舞台が開幕。
ランサーが設計した破滅への筋書きが敵対者に襲い掛かる。
対象が講じた反撃手段は徹底的に潰され、最終的には相手の敗北による退場で舞台は幕を閉じる。
一見して極めて強力な宝具だが、真価を発揮する為にはランサー自身の入念な観察が不可欠。
甘い見通しでプロットを組めば敵の逆転を許し、舞台は忽ち崩壊を迎えるだろう。
【解説】
アイスキュロス(紀元前525年頃 - 紀元前456年頃)は、古代ギリシャの代表的な悲劇詩人であり、「西洋悲劇の父」と称される人物である。
エレウシスの高貴な家系に生まれ、若い頃から演劇の道を志した。彼はそれまで単なる合唱隊(コロス)と1人の俳優によって行われていた演劇に「第二の俳優」を導入するという画期的な改革を行った。これにより対話の要素が劇的に増加し、登場人物同士の葛藤や人間ドラマを描くことが可能となり、本格的な「悲劇」という芸術ジャンルを確立させた第一人者である。
しかし、彼が生きた時代はまさにアテナイの存亡を賭けたペルシア戦争の渦中であった。アイスキュロスは単なる劇作家にとどまらず、自ら重装歩兵(ホプリタイ)として槍と楯を携え、戦場へと赴いた詩人戦士であった。紀元前490年のマラトンの戦いでは、弟のキュネイゲロスとともにアテナイ軍の最前線で戦った。この戦いで弟は潰走するペルシア船を素手で捕らえようとして腕を切り落とされ戦死するという壮絶な最後を遂げており、この体験はアイスキュロスの心に深い傷と英雄的誇りを刻み込んだ。
さらに紀元前480年のサラミスの海戦、そしてプラタイアの戦いにも直接参加し、命を懸けてギリシャの自由を守り抜いた。
彼の代表作『ペルシア人』(紀元前472年上演)は、ギリシャ劇としては珍しく神話ではなく自らが体験した「サラミスの海戦」という現実の歴史事件を題材にしている。この劇において、彼は敵国であるペルシアの宮廷を舞台にし、敗北に打ちひしがれるペルシアの人々や王妃の悲哀を描いた。
敵を単なる悪として貶めるのではなく、人間の驕り(ヒュブリス)が神的秩序(ネメシス)によって裁かれる悲劇として昇華させた内容は、観客であったアテナイ市民に深い感銘を与えた。その他にも『プロメテウス鎖縛』や、父殺しと家族の呪いを描いた三部作『オレステイア』など、数々の傑作を残し、都市ディオニュシア祭の悲劇コンクールで13回も優勝を果たした。
彼は後年、シチリア島のセラに身を寄せ、同地で没した。彼の死に関しては大プリニウスが「鷲が亀を岩と間違えて彼の頭上に落としたため」という奇妙な伝説を残している。
彼が死の直前に自ら作成したとされる墓碑銘には、世界的な悲劇詩人としての栄光や数々の名作についての記述は一切残されていなかった。そこにはただ、次のようにだけ刻まれていた。
「これはアテーナイ人、エウポリオーンが子アイスキュロスの墓、豊かなる実り多きゲラの地に朽ちぬ。この人のいさおしの証は誉れ高きマラトーンの聖なる地、またこれをためした長い髪のメーディア人」
彼にとって人生最大の誇りは、偉大な詩人であったこと以上に、自由のためにマラトンの野で重装歩兵として戦ったことそのものであったのである。
最終更新:2026年08月31日 05:10