導入
―ダンナーベース・医務室―
ミストさん「う、ううっ…」
ミストさん「…こ、ここはどこだ?」
林「おおっ!
気がついたッスか!」
ミストさん「えっ!?」
林「おやっさん!
校長先生!
目を覚ましたッスよ~!」
芝草「おお、本当だ!
よかったじゃねえか!」
ミストさん「あ、あの…
俺は…いったい…」
校長「覚えていませんか?
君は道端に倒れていたんですよ」
ミストさん「み、道端に?」
林「そうッス!
それを校長先生が見つけて、
ここまで運んでくれたッス!」
ミストさん「ここって…どこなんです?」
芝草「ここはダンナーベース。
擬態獣から日本を守る正義の砦だ!」
ミストさん「正義の…砦?」
森本「簡単に言うと、
警察や消防署みたいなもんッスよ」
森本「犯罪が起きたら警察の出番、
火事が起きたら消防署の出番、
擬態獣が出たらダンナーベースの出番!」
森本「そんな感じッス!」
ミストさん「は、はあ…」
校長「とにかく無事でよかった!
では、私は仕事があるので
学校に戻ります」
校長「彼の事はよろしく頼みますよ」
芝草「わかりました。
事情を聞いて、できるだけの事は
してやります」
校長「頼みましたよ。
では…」
芝草「ほれ!
礼を言わんか、小僧!」
ミストさん「え? あ!
どうもありがとうございました!」
校長「どんなにつらい事があっても、
くじけずに生きるんですよ」
ミストさん「は、はい!」
林「…で、君はどうして
道端に倒れていたッスか?」
ミストさん「えーっと、ですね…」
ミストさん「…ううっ、フラフラする…」
芝草「何だお前、腹が減ってるのか!」
ミストさん「は、はい…。
実は俺、3日も食べてなくて…」
冬子「お腹が空きすぎて
気を失っちゃったの?」
ミストさん「は、はい…。
お恥ずかしいです…」
芝草「金は持ってないのか?」
ミストさん「え、えーっと…
財布をどこかに落としたらしくって…」
冬子「落としたらしいって
いつどこでなくしたか、
覚えてないの?」
ミストさん(えーと…そうだ!)
ミストさん「あの、実は俺…記憶がないんです」
ミストさん
(…って、一時しのぎで思わず言っちゃったけど、
記憶喪失ってのは
嘘くさすぎたかな…?)
森本「はあ?記憶がない?」
ミストさん「自分が何者なのか、何をしようとしていたのか、
全然わからないんです…」
芝草「名前も忘れちまったのか!?」
ミストさん「あ、名前だけは覚えています。
俺はミストです」
林「記憶をなくして、財布も落として、
どうする事もできなくて…
それで行き倒れちゃったッスか!」
ミストさん「たぶん…」
ミストさん(…ふう、バレてないみたいだ…)
芝草「しょうがねえ野郎だな…。
おい、トン子。
カツ丼の出前取ってやれ!」
冬子「おやっさんのツケでいいですか?」
芝草「ああ。それでいい!
さっさと何か食わせねえと、
腹の虫がうるさくてたまらんからな!」
冬子「じゃあ、注文してきます!」
ミストさん「あ、ありがとうございます!
ありがとうございます!」
芝草「…で、お前、行くあてはあるのか?」
ミストさん「いえ。
何しろ記憶がないですから。
何かを思い出すか…」
ミストさん「もしくは、また行き倒れるまで
フラフラする事に…」
霧子「行き倒れの坊やが目を覚ましたって?」
芝草「あ、博士。この小僧、記憶喪失なんだそうです」
森本「行くあてもなくさまよい歩いて、
腹ペコで行き倒れになったそうッス」
霧子「そうかい。そいつは気の毒だね…」
林「このまま放り出したら、この子、
また行き倒れちゃうかもしれないッス!」
霧子「…ねえ、芝さん。
確か、メカニックチームで雑用係が
欲しいって言ってたね?」
芝草「ええ。まあ…」
芝草「…って、まさか、博士!?
こいつを雑用係に?」
霧子「駄目かい?
若くて健康そうで、体格もよくて…
よく働きそうじゃないか」
芝草「そりゃまあ、そうですが…」
霧子「そういや勝手に話を進めちまったけど、
あんたはいいのかい?」
ミストさん「え、ええ。頼るあてもありませんし、
おいていただけるのでしたら…」
霧子「じゃあ決まりだ。記憶が戻るまで、
この子は芝さんに預けるよ」
芝草「ええっ!?」
霧子「少年。名前は?」
ミストさん「ミストです!」
霧子「ミスト。
あんたは今日からダンナーベースの
見習いスタッフだ」
霧子「住む部屋と食事の面倒は見てやるから
しっかり働きな!」
ミストさん「はいっ!
俺、頑張ります!」
最終更新:2010年07月06日 13:25