ペンタグラムエキスパンション(ストーリー9)

その後の進行は順調であった。 流石に少数なので動きやすくて、その途中にある山なども、とくに問題なく通る事が出来た。
森であった部分も旱魃のためにほとんどその形をたもてなくなり、兵士達の進行の邪魔には終始なりえなかった。 その進行の途中、そういった森や干上がった川を通るたびに兵士達は何か物悲しそうにしてのをヒッキーは感じたが。

そして、3日という時間を除けばあっけなく遺跡都市に到着する事が出来た。 「カリアイン」 かつて、ハニャン連邦に栄えた文明の名残である。いたるところに石柱のような石像が立てられ、人が住んでいたと思われる風化しかかった建物がところどころに存在する
正門と思われる場所からなおもカリアインの町の中に進行すると、そこはおそらくは町の広場であったと思われる場所に出る。

大きな石像が立っておりその広場のさらに置くに大きなピラミッド型の建物が建っている。

「ニーダ殿、それ文化遺産なんで触らないでください。ちなみにあちらに右手に見えますのが戦士達が汗を流したとよばれる大浴場です。そしてこの石像は何と…」
遺跡ガイド顔負けに説明を始めるレフティス。ギィやギャシャールにニーダはその説明を聞いて「お~!」と歓声を上げていた。 何かもうすっかり遺跡観光になってるような気がする。

こんな緊張感のない状態で大丈夫なのか心配してるヒッキーに、なにやらニヤニヤしたギィが大きな石像を指差しヒッキーに質問する。 おそらく、さっきレフティスに教えてもらった事をさも自分が知っているように説明するつもりなんだろうが…
「おい、ヒッキー。この勃t… 立ってる彫像をどう思う?」
「すごい、立派です… でも、この石像って何を表しているんですか?」
とりあえず、今はそんな話を聞く気になれなかったが愛想良くヒッキーは説明を受ける事にする。

「ヒッキー殿。 これは男性の…」
「レフティス!! こっちへ来い! この大馬鹿者がぁ!!」
「ライツァー将どうして大声で怒鳴られているんですか…? そんな大声を出さなくても聞こえますから… それでは失礼します。」

「何なんだ一体…」

結局何なのかわからない置いてけぼりのヒッキーにニーダは親切にも説明してくれる。。
「…え!?」
こんな物が こんな人が行き交う広場の中心に立てられるなんて… ここの国の王だった人は何を考えているんだ。 「カリアイン」、なんて恐ろしい場所なんだ。

「ウブだね~」
「ギィ… 何か助平な中年のおばさんみたい。」
ヒッキーの反応を楽しそうに笑うギィを見てギャシャールは静かにため息を付く。

「反乱軍のリーダーがいるのはここの都市の王族達の墳墓の中です。 そこで待っているらしいです。」
「さっさと行くぞ。下品女ども」
これから戦闘が開始するかもしれないのにふざけているギィに、怒り心頭なライツァー将… レフティスとともに部下を連れてさっさと先へ進んでいく。

「何で僕まで?  …」
下品女ども、と複数形。おそらくはギャシャールのことなのだろうが、とんだとばっちりを受けたものである。
気に入らない という表情を浮かべ、ライツァー将達の後を着いて行こうとすると急にピタリと動きが止まるギャシャール。

「どうしたんだい?」
「あちこちに人の気配がする。」
広場から墳墓へ続く道の建物の脇… 暗がりが多くなる死角に微かだが人の気配を感じ取る。

「反乱軍の野郎どもか…」
「分からない。でも、今まで農民をしてた人間にこれほど気配を隠すことって出来るかな?」
その気配の消し方から明らかに素人では無いと話すギャシャール。 きっと戦闘の訓練を受けた人間だ… やはり、あちらもそれ相応の準備をしていたという事だろう。

「数は分かるかい?」
「結構いると思う… さすがに具体的な数までは分からないけど…」

「どうしたニダ?二人とも」
「皆、先に行ってしまいますよ?」
ライツァー将たちはすでに墳墓へ向かっているにもかかわらず、その場で話し込む二人にニーダとヒッキーは声をかける。

「ああ…」
戦闘が苦手であろうこの二人にこんなことを言えば、騒がれてしまうはずだ。 とりあえず、暗がりで待ち伏せしている敵に勘付かれないようにこの二人には黙っておく。

「…」

「ライツァー将。」
「いまは先に進む。 お前ら、気を引き締めていけ… ここは敵地だ。 いつ敵が襲い来ても対応できるようしておけ!」


その後、さらに先に進んでいくとその王族の墳墓の入り口と思われる場所に一人の人影が見える。
その人影はこちらに気付くと、こちらに手を大きく振り自分の存在をアピールする。 っていうか手に持ってるハリセンは何だ?


「お待ちしておりました皆さん! はるばるご遠路、申し訳…」
「貴様が反乱軍のリーダーか? だとしたら覚悟は出来ているな。」
その男の話をぶった切りいきなり本題に移ろうとするライツァー将。その言葉を聞いて男は最初は驚いた顔をするもすぐに笑顔でこたえる。

「とんでもございません!! 私がヘリオス率いる名誉ある革命軍の先導者? そんなはずが無い。jk 普通、分かんだろグズ」
その男の挑発的な言動が気に障ったのか、ライツァーは槍を取る仕草をして威圧している。今まで散々ギィと喧嘩していてやはりフラストレショーンが溜まっていたのか、明らかな敵意を持って鋭い眼差しでその男を睨みつける。

「おっと失礼!あまりに間の抜けた発言に、こちら失言が出てしまいました… お許しを…   我らが偉大なる「太陽」は墳墓の中です。 その一番奥で待たれています。」
オーバーにもその男は小足で後ずさりすると、そそくさとライツァー将から距離を置く。
再び言葉使いを丁寧に戻し、先ほどの無礼を詫びと、巨大なピラミッド型の建物の奥に「太陽」… 要するに反乱軍「ヘリオス」のリーダーがいると話す。

「それと… 入ってくる人数を減らしてくれますか? ごちゃごちゃと来られると墳墓はナニブン狭いものですから、息苦しくなります… 入るのは3人くらいでご勘弁を…」
手に持っていたハリセンを触りながら中に入る人数を制限する。 

「そうですね~ あまり暑苦しくなると困るので中に入るのは、そこの坊や、そして無愛想な兄ちゃんにレフティスさんで勘弁して、他の人たちは鎧軍団さんと一緒に指でも銜えて待っててもらえます?」
坊や事、ヒッキー。無愛想な兄ちゃん事、ギャシャール。そして、レフティスを指名する。ギィやライツァー将など「武」に長けた者は中に入れないつもりだ。おそらく「太陽」に対して武力を行使する心配の薄いメンバーだと判断したんだろう。

「それに、そこのお嬢さんは何ならあのぶっとい石像でも眺めてます? きっと時間も忘れますよ。  アハハハハハハ!!」
「??」
大声でさも楽しそうに高笑いする男。 意味が分からないヒッキーは頭に多くの疑問符を浮かべる。

「ん~  坊やにはまだ早いかな? アハハハハハハ、 おっと!」
一方意味が分かったお嬢さん事、ギィは額に大きな青筋を浮かべ近くにあったゴルフボール大の石を高笑いするその男に投げつける。

「下品男が… むかつくだよ…」
投げた石をすばやく回避すると男も汗をぬぐう仕草を見せる。セクハラ発言に切れたが人のことは言えないだろ…  あんた…
回避したその石が遺跡に当たり粉々に砕け散ると、それを見て男は「ワオ!」と驚いたように声を出す  

「まあまあ… ところでウリは駄目ニカ? ウリなら暴力にうったえる様な真似はしないニダ。だから、一緒に」
怒りが収まらないギィをへっぴり腰でなだめるニーダは、その男にそう提案をする。 …がそれを聞いてその男は口をへの字に曲げると、さも馬鹿にするようにこう答える。

「暑苦しくなるから困るって言ってんだろ? それにニートなんかの息が「太陽」にかかれば、革命軍の民度が落ちんだろうがカス」
「ニートじゃないニダ!! それにウリは暑苦しくなんて無いニダ!!!」
ニート呼ばわりに憤慨し叫び、ニーダは地団太を踏んで否定するがそれを興味なさそうに耳をほじりながら聞き流す。

あっそ… 無理に付いて来るなら来れば良いさ。 ヘリオス様には隠し扉で逃げるように合図送るから… 「ハニャンの連中は話し合う気すらない」ってね。」
その男は懐に手を入れるとピンクのハートマークの中に髑髏が描かれた… 何とも悪趣味なスイッチを取り出して、それをちらちらと見せると脅しをかける。

「俺達の要求は二つ、王権の譲渡とレナド=シルベルトゥスのその命。 のはずが、当の本人のレナドはどこにいるよ? 大方、ビビって城で引き篭もってんだろうが… 」

「要求が半分飲まれてないこの状況で、こちらの善意で「王権の譲渡」についての話を聞いてやろうっていってんだ。それくらいは譲歩してくれるよな?」
せっかくここまできたのに「太陽」に逃げられてしまえば、せっかくの苦労が水の泡だ。 それどころか最悪ハニャン連邦が壊滅してしまう。 ここは何としても「太陽」に会って雨をやめささないと…

はあ… なんだかいきなりあっちのペースだが大丈夫なのだろうか?太陽がどんな人物かは分からないけど、ここは相手の言った通りにするしかない。

「わかりました… 言う通りにします。ヒッキー殿、ギャシャール殿、行きましょう。」
「それじゃあ、行って来るね。」

「忘れ物は無いニダ? 大丈夫ニダ? すぐに帰ってくるニダよ。」
「ニーダさん、そんなに心配しないでください。」

墳墓の中に入る3人を子供を心配する保護者の様にニーダが声をかけてくる。

ゴゴゴ…っと 鈍い音を立てて石の扉が開かれると、男は手招きをしてその3人を誘う。 
(僕は何の役にも立たないこけど、ギャシャールやレフティスさんがいるんだ。 きっと何とかなる。 たぶん…)
不安に駆られるヒッキーはそう自分に言い聞かせ、太陽が待つ墳墓の奥に進んでいった。

結局外で留守番をする事になった3人は外でひたすら彼らを待つしかない。皆おのおのの事をして時間を潰している。
(くそ… こんなことがあるから、私はレフティスを連れて行きたくなかったんだ。 …しかも、あいつのことだ。 下手をすると反乱軍に情が移ってしまう可能性もある。 っち…)
おおよそ10分は経っただろう。 ただ待つばかりで何もする事が無いライツァーや兵士はただ立ち尽くすのみである。それはもちろんあの二人も同じある。


「うう… 心配ニダ あの3人は本当に大丈夫ニダ?」
「…」
「ヒッキーは特に自分を守る術を知らないニダ。 こんなことならやっぱりウリが行けばよかったかも… もしかしたら、中で助けを呼んでるかもしれないニダ! そうしたらどうしよう!? ウリ達にはどうする事も出来ないニダ!! ああ心配ニダ! 心配ニダ!」

「じゃかぁしい!! 静かに待たんかい!引っ叩くぞ!」
「ごめんなさい。 許してください。」

「ったく! だからこのニートは嫌いなんだよ…」

(ニート? ニートってあの男は… あれ、ちょっとまて…?)

「…!」
ギィは待っていろといわれたはずなのに、突然墳墓に向かって走り出し なんと、中に入ろうとする。

「どうしたニダ? その中に入っちゃ駄目ニダよ…! あの案内人が言ったニダ。」
「あいつ… あんたの事「ニート」って言ったよね! 」
普段はニーダに何を言われても無視をするギィだが、めずらしく言葉を返し、焦ったように先ほどのあの男との会話を思い出す。

「そうニダ! 全く失礼な若造ニダ!!」
「何で、あんたがニートって知ってるんだい? コンヴァニア財団に見捨てられたのルアルネの一部の人間と私達4人しか知らないはずだぞ!?」
相手が援軍であるこちらについて情報を知っているのは当たり前なのかもしれないが、だとしても反乱軍がそこまでのことを知りえる事ができるのか?

「え… ああ!! そうニダ!! って見捨てられてないニダ!」

「また、お前か… いい加減にしろ。何を騒いでる。」
「嫌な予感がするんだよ。 私は勘だけは鋭いからね… っと、この扉重いねぇ! 右野郎! そんなところでボーっと突っ立ってないで手伝いな!」

「まあ、野生動物の勘が鋭いと聞いたことがあるがな。 だが、そんなものを頼りに行動されては迷惑なんだ。 奥に入ってどうするつもりだ? レフティス参謀はお前と違って頭がよく回る。 この場は大臣に任せて静かに待て馬鹿が…」

ライツァー将がギィを静止しようとするその刹那に、さっきを感じ後ろを振り返る。

「ふん!」
後方から飛んできた何かをライツァー将が槍を薙ぐ  キィンッ! っと甲高い金属音を響かせて吹き飛んだそれは遺跡の壁に突き刺さる。

「刃物!? 危ないニダ! 誰ニダ?  今、物を投げたの… のは…」
プンスカ怒るニーダが刃物が飛んできた方向に声を上げて怒鳴りつけると、その声に応えるようにニーダへ刃物が飛んでくる。

「ヒイ!?」
再び飛んできた刃物におびえた声を出すニーダだが、それは威嚇のつもりか、刃物は数メートル手前の地面に突き刺さり止まる。


「…」
「…」
その後、刃物が飛んできた建物の暗がりからぞろぞろと人が出てくる。
裏路地から姿を現したのは先ほどから気配を隠していた奴らだろう。黒いマントを体を覆い隠すように羽織り、顔は不気味な笑いを浮かべた仮面をかぶっている、

「あわわ…! 何ニダ、この人たち?」
ニーダがおびえてライツァーの後ろに隠れると、次の瞬間一斉に白いナイフを取り出した。

「…っち。こいつら、ついに姿を現しやがったね」
このタイミングで出てくると言う事は、十中八九 自分達が中に入ろうとするのを阻止しようと言う事だ。

「ふん… 陣形を組め! 敵は建物内部、隙間の路地などから奇襲をかけてくるはずだ。 火薬なども考えられる。 密集はせずに距離をあけろ!」
その男達の身なりを見て、何者か心当たりのあるライツァー将は鼻を鳴らすと、自分達の部下にそう指示を飛ばす。 


「あ~ これで何十個目の扉?」
「ぜぇぜぇ…」
一方、太陽に会いに行っているヒッキー達… 外の重い扉(手動)にうんざりしながら奥に進んでいる。そのくせ、扉は手を離すと自動で閉じる。 面倒な扉を開けるのに大変そうなヒッキー達の後ろで、PSPしながら案内人の男が付いてくる。 こいつ… 手伝う気、無いな…

ギャシゃールがその男を不満を込めてじと目で見るが、「こっち見んな」と言わんばかりに手でっしっしと払う仕草をする。 案内人って案内して無いじゃんこいつ…
そんなこんなで墳墓の中腹まで進んだ3人は外の様子に全く気付いていない。ギャシャールは鋭い聴覚を持っているが、幾多の石造りの扉が外の出来事を遮断しているようだ。 今、外では戦闘中であろう

この男にかまうのもやめて、構わず奥に進もうと再び見えた扉を開けようとしたとき、男の持っているPSPから(おそらく)ゲームオーバーの時に流れる音楽が聞こえてくる。
小さいため息をつき、そのPSPを懐にしまうと突然、ギャシャールに近づいてクンクンと匂いを嗅いで来る。 セクハラだろそれ、常識的に考えて…
「臭い… 臭い… あー臭い…」

「いきなり何? 人に近づいていきなり「臭い」とか… 失礼すぎ」
ギャシャールが男から距離を置くと、いきなりとんでもない事を言い出す。


「服脱ぎな。」 


「はぁ?」
「ちょっと!なにを言ってるんですか!!」

「匂うんだよ… 兄ちゃんの服の下から漏れる鋼の匂いが… 隠してるもん全部出しな。「太陽」にまさか刃物を持って会おうなんてことは無いよな? あの方は、丸腰なんだよ」
隠し武器が得意なギャシャールは服の下に沢山のナイフなどの武器を持っている… 男はそれに気付いたのか服を脱いだ上でそれを自分の目の前で全て出すように命令する。 

「僕、こう見えても女なんだけど、兄ちゃんはやめてくれる?」
「えwwマジwww?  ラッキー! 俄然、その服を脱げよ! もし、嫌がった場合は…」
スイッチを押す素振りを見せる脅しをかける。 この状況、断ったら確実に太陽に逃げられる。

「わ… わかった。 後ろの二人に見られると恥ずかしいから… その… あそこにある物陰に移動しない?」
もし服を脱ぐなら… 仲間の前じゃあ抵抗がある。先ほど通ってきた道で小さい脇道があり、そこへ移動する事を提案する。 

「ギャシャール! そ、その… 大丈夫なの!?
「本当は嫌だけどしょうがないよ… ここは言う事を聞いて従順になっておかないと「太陽」に逃げられちゃうから…」

「はいはい いいからあっちで脱ぎましょうね~ その「太陽」に逃げられたくなければね… あと、このカメラはただの飾りだから気にしなさんなって! あまり気にするよショックでスイッチ押しちゃうかもね! アハハハハハハ!」

(こいつ!)
断れない事を良い事に、やりたい放題のこの男。 普段は相手に対しての不信感や恐怖心でびくびくしているヒッキーだが、露骨すぎる嫌がらせをしてくるこの男には強い怒りを覚える。

「ギャシャール殿 本当に申し訳ない…」
責任感も非常に強いレフティス悔しそうにそう謝る。 デタム平原でギャシャールと仲良くなった彼にとって彼女に羞恥を負わせることは何より辛い。

「君が謝る事ないって。 それじゃあ、行って来るよ。」
ギャシャールは大喜びのその男と共に暗がりに入っていく。


『はい。ここからはR指定になるので副音声でお楽しみください』

コーラシュ「くろたくん 本当に大丈夫? 僕 出来る事なら帰りたくないんだ 君の事が 心配で 心配で…」
くろたん「コーラシュ…」
コーラシュ「10版とローウィン、アラ-ラブロックだけで頑張れる? カメコロや大霊に意地悪されても やり返せる?」
くろた「平気だよ やりかえせるって なんでもかんでも全部、全部、全~部、一人でちゃんとやる やれるからさ… だからさ コーラシュ 安心して 未来へ帰って」
コーラシュ「(ホロリ)ぅぅ… (グスン)ぅぅぅ… くろたくん… 僕 ちょっとトイレに……」
くろた「…涙を見せたくなかったんだな (ゾンビだから)トイレなんか行かないくせに くすっ いいやつだなぁ・・・」

くろた「おーい コーラシュー どこ行っちゃんだろう うん、誰だろう? カメコロだ! くふふw あいつ最近タッチ緑でどこにでも現れるからな」
カメコロ「なんだくろたか ちょうどいい この前のへんな道具(滅び根絶)のお返しだ ボロボロのメタメタにしてやる!」

コーラシュ「くろたく~ん ん? いない おーい くろたく~ん どこ~?」

くろた「いいよ カメコロ けんかならスナップ&らせんブロック抜きでやろうよ」
カメコロ「へへ~ん 偉いなくろた そうこなくっちゃな うふふふ(ボキリ ボキリ) どーしたどーした 口先だけだったのかよ」
くろた「そ、そんなことないさ(ガクガクブルブル)」
カメコロ「お前なあ 口先だけじゃデュエルは出来ないんだよ ほれー!」
 ドカッ! ボカッ! ギュッ! バタン
カメコロ「どんなもんだい 二度とおれさまにさからうなよ!」
くろた「待て! まだ まだ まだ負けたわけじゃないぞ!」
カメコロ「なあに くろた まだ殴られたんねえのか」
くろた「なにを 勝負はこれからだ とあああぁ」
 ドスッ! バキッ! ベシッ! ずざささー バタン
カメコロ「ふぅふぅふぅ これで懲りたか 何度やってもおんなじだあ はぁはぁはぁ くろた いい加減に諦めろ」
くろた「…うっぅぅん… うぅん… うぅん? うぅん! うん! でやっ うあっていやっ!」
カメコロ「うわっ?! く、くろたあ しつこいぞ」
くろた「僕だけの力で、君に勝たないと コーラシュが コーラシュが 安心して未来に帰れないんだ!」
コーラシュ「くろたく~~ん くろたく~~~ん くろたく~ん ああ!!」
カメコロ「いでででで やっやめろってば わるかった はなせくろた オッオレの負けだ うわあああぁぁん」
コーラシュ「くろたくーん くろたくん しっかり」
くろた「コーラシュ 勝ったよぼく 見たろコーラシュ ぼく1人で勝ったんだよ だからもう安心して未来の国に帰れるね そうだろう コーラシュ」
コーラシュ「ぅぅ… うん 見たよ 見たよ くろたく~ん うぅ… ぅぅ…」

くろた「…コーラシュ…zzz…」
コーラシュ「うん? 寝言言ってる くろたくん 元気でね あんまり無理しないでね さようなら・・・」
チュンチュン♪ チュンチュン♪
くろた「コーラシュ 君が帰ったら(滅び根絶もなくなって)デッキががら~んとしちゃった でもすぐに慣れると思う だから… だから心配すんなよ コーラシュ」

※「【MTG】黒スレ30【コーラシュ様と残り30日】」とより 無断転載
『大変ご迷惑をおかけしました。 引き続き本編をお読みください』

ヒッキーとレフティスが二人きりにされて数十分。突如静寂の中から、ギャシャールとあの男が向かった脇道から足音が聞こえる。
羞恥を負わされた彼女になんて声を掛けよう… 正直どうやって励ませば良いのか分からない。

「ヒッキー… 」
かえってきた彼女の声が聞こえてきて、皆は慌てる。 まだ、どうやって励まそうか考えてなかったのに!

「うっ! ギャシャール… その格好…」
「ギャ、ギャシャール殿… 」
それでも、出来るだけ彼女を慰めようと振り返るヒッキー達は声の主、ギャシャールの格好を見て固まる。


戻ってきた彼女は大量の血の付いた岩を手に、返り血のようなものを顔に浴びて無表情のまま戻ってきた。


「その手に持っている血の付いた岩は?」
「ああ… これのことなら心配しないで、僕の血じゃないから。」

その岩をそこら辺に放り投げ、誰のものといわぬ返り血を懐から取り出したタオルでふき取る。


「いや… そういうことを言ってるんじゃないと思うけど…」

「あの人、何か急にお腹が痛くなったって… 先に進んで良いみたいだよ。」
嘘だ… コイツは嘘をついている。 しかしあの男について聞くことやギャシャールが向かった脇道へ行って、あの男の生存を自分の目で確認する勇気がヒッキーには無い。

「そうですか、これで安心しました。先ほどの男も途中で我々を置いていくなんて無責任ですね…」
「まったくだね。 まあ、奥に行こうよ。 「太陽」とかいう男の顔を拝みにね… レフティスさん くろた君 行こう」
「だれ? くろた君って…」
血の付いたタオルを投げ捨てると何事も無かったかのように進んでいく彼女にヒッキーは戦慄を感じる。
いつも、雷を落としているギィに対してめったに怒らないギャシャール。普段怒らない分、そういう人間が怒りを爆発した時が一番怖いということを肝に銘じておかなければならない…
最終更新:2009年05月03日 01:06
ツールボックス

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