・・・お~い。
・・・聞こえるかい?あ、やっと起きたのか。
・・・ここはどこかって?冥界だよ。あ、ちょっと、早とちりしないでよ。
君はまだ死んで無いから。 ・・・・・ぇ?僕?僕はウララエル。此処の番人さ。
え?悪魔・・・ いやぁ、僕は悪魔でも天使でもないよ。
君、ちっとも覚えてないの?しょうがないなぁ・・・
教えてほしい?
話を聞けば思い出すんじゃない?君は生きるか死ぬか、自分で決めてもイイよ。
僕の話を聞いてからね。
あ、その前に、君はギコ。では、話すね。
____________________________________
ピピピピ・・・ 君の目覚まし時計が鳴ったんだろう。
今はセットした8時30分かな。 君はベットから起きあがった。
ギコは金持ちでも貧乏でもない。そして、頭がいいわけでも悪いわけでもない。
両親はいないみたいだね。ごく普通の暮らしをしていたんだ。
その日、街へいった。別に、何かを買うため、とかじゃなく、自然と足が動いたんだ。
街は普段と変わらない。朝だから人影は少ないが、次期ににぎやかになるだろう。
君は街を見回った後、パン屋に向かった。そこのパン屋はおいしい、と評判だった
からね。どうせ来たんだから、パンでも買って帰ろうと思ったんだろうね。
ふと、君は立ち止まった。君の目の前には「彼方の願いかなえます」という看板が
あった。君はこういったのさ。「?こんな店あったかなぁ?・・・彼方の願い、かなえます・・・うさんくせぇ」
占いやら予言やら信じないようだね。まぁ、普通の人でも
きっと変に思うだろう。
・・・いつのまにか店から人が出てきた。
「興味があるんならよってみて」店員だろうか。暇だし、君は店に入った。
「ここはどういった店なんだ?」「店の名の通り、願いを叶えるための店ですよ」
店員は答えた。
「ためしにあげましょうか?これは不思議な力を持った石です。願いを叶えてくれ
るんですよ。ただし、10回までだけど。」
ギコはその石を手に取ってみた。たしかに不思議な色の石だが、別にただの石ころ
に見えなくもない。「本当に願いは叶うのかぁ?」
「ええ。まぁ、死人を生き返らせろ、はムリですね。それ以外なら何でも叶います
一度、だまされたとでも思って使ってみて下さい。」「はぁ・・」
君は家に着いた。石の力を試すと言っても、何をお願いしようか?
まぁ、ぱっと思いつくと言えばお金だろうか?別に期待しているわけでもないし、
かなわなくったって、やっぱりな、で終わるし。叶ったらまぁ、損はしないしね。
「石よ、俺を金持ちにしてみろよ」
・・・石が強く光った・・・
数日後、君は権力者にまでなっていた。石の力は本物、ということだね。
金持ちに、のあと権力者に、と願ったのだ。
偉いヤツになって、いばりたかったわけではない。ただ、権力者ってどんなカンジ
だろう、ていう好奇心からだった。
君は城に恋人のしぃを呼んだ。彼女は生まれつき、病弱だった。
けっこう重い病気らしい。病院で入退院を繰り返していた。
でも、結構しぃは元気だった。その時は、ね。
権力者になって、石の力に酔いしれていたのかもしれない。
君は次々と願いを叶え、しぃといろいろな国や場所に遊びに行った。
そして、とうとう願いはあと一回になった。
君は今すぐ最後の願いを唱えるのはもったいなく思ったんだ。
だから金庫の奥深くに、しまっといたんだ。
だけどね、幸せってものはすぐに終わっちゃうんだ。
しぃが死んでまったんだよ。まぁ、病弱なのにあっちこっち連れ回したんだからね
悪化することぐらいわかるはずさ。でも君は、石さえあればなんでもできる、
とでも思ってた。だって、いままでお願いしたものはすべてかなったからね。
でも最初に言った様に、石には死者をよみがえらせる力はない。
君は、しぃを抱えて叫んだ。
「財産はいらない、地位もいらない。・・・自分の命さえもいらない。」
・・・・・だからしぃを、生き返らせてくれ、ってね。
ほんとうなら、そんなお願い叶わないよ。でもね、君は言った。
自分の命を彼女にやるってね。
だから、君は死に、彼女は生きた。
あ、ちょっと!まだ続きがあるんだ!君は死んで無い。何故かって?
君が彼女を好きだった様に、彼女もまた、君が好きだった。
だから、今度は彼女が、君に命をくれた。
「・・・!思い出した!そうだ・・・しぃ・・・しぃは死んじゃったのか!?
生き返らせる事は出来ないのか!?
おれはじゃぁなんで此処にいるんだ!?」
「彼女はもう天界へ行った。もう生き返る事はない。
そして僕が君を此処に呼んだのは、君の希望を聞くためさ。」
生きたいか・・・・・死にたいか。
選んでイイよ。
僕は死ぬ方をオススメしようか。だって君も天界へ行けば、しぃに会えるよ?
いっしょに暮らせるよ?
しばらくの間、沈黙した・・・・・。
考えてるのか・・・まぁ、どんなに考えても今までこんな状況になったときの
人間の答えは一つだ。
「決めた。・・・・俺は生きる方を選ぶ」
「!?な・・なんで!?しぃには会いたくないの?それでいいの?」
初めて聞いた答えだ。今までの奴らは死ぬ方が幸せだ、と言ったのに。
「ああ、迷ったけど、生きる方を選ぶよ。しぃが俺に生きてほしい、
って言ったんだ。だったら俺は生きる。しぃの分まで。」
へぇ・・・じゃぁ、生きる、でいいんだね。気に入った、そんな事言うとは
思わなかったよ。では、記憶を消してやろうか?
「何故?」
何故って、地上にはしぃはいないんだ。記憶があったままだったら、
一生悲しんですごす事になる。だったら記憶を無くした方がイイだろう?
「・・・・ううん。記憶はそのままでいい。」
また僕はびっくりだ。なんだ?こいつは。僕には分からない。
「しぃはもう死んでしまったんだ。だからしぃは、俺の心の中でしか
生きられない。俺が忘れたら、しぃの存在が消えてしまう。生きている時には
つらい事がたくさんあるんだ。でも、あきらめてはいけない。
いつか、また会える事を信じて、俺は前に進むんだ。」
ほんとに不思議なヤツだな・・・
「じゃぁ、君の答えは記憶を消さずに、生きる。 これでいいんだね?」
ギコは何も言わずにうなずいた。
「そっか。じゃぁ、目をつぶって。そう。決して目を開けてはいけないよ。」
ギコはその通りにした。そして、ギコは冥界から消えた。地上に戻ったんだろう。
すこしの間、僕は何も言わなかった。けど、気配に気づき、口をきいた。
「君は、何時から此処にいたんだい?」
「最初から。ギコ君が目を開けたときからよ。」
無限に広がるこの冥界。どこまでいっても闇。その空間から彼女は・・・
しぃは姿を現した。
「・・・君は天界に行ったんじゃなかったのかい?」
「ギコ君がどんな答えをだすか・・・知りたかったから、ここに来たのよ」
「・・・残念だけど、生きる方を選んだ様だね。」
「いいえ。残念じゃぁないわ。むしろうれしい・・・」
彼女は泣いている。笑いながら。
「だって君と過ごすより、地上に行ったんだよ?君、泣いてるじゃないか」
「私は彼に生きてほしいから命をあげたの。これで死ぬ事を選んだ方が
私には悲しい事だわ。それにね、きっとまたどこかで会えるって信じているから
・・・うれしくってもね、涙は出るものなのよ。」
へぇ、僕にはよくわからない。元から死んでいるしね。泣いた事もないし。
「でも、ほっとした・・・ギコ君はやさしい・・・私の存在を残してくれるのよ
「・・・さぁ、君は早く天界にいきなよ。僕みたいにここでさまよう事になるよ」
「うん・・・さよなら・・・」
しぃの体は光に包まれ、消えていった。
また、僕は一人になった。
「・・・どんなにギコがしぃを忘れなかったとしても、ギコが死んじゃえば
ギコ しぃ って存在はいつかは消えちゃうんだよ・・・悲しい事だね。
だから・・・僕が覚えといてあげようじゃないか。
絶対に死なない僕が・・・いつまでも、いつまでも・・・
君たちは僕の中で生きてられるんだよ。
初めてあった。どんなにつらくても、生きている事が幸せだって思える人。
大切な人の思いを大切にする人・・・・・
____________________________________
ピピピ・・・・ 俺の目覚まし時計が鳴ったんだろう。
今はセットした8時30分かな。 俺はベットから起きあがった。
いつもと変わらない・・・俺は冥界から帰ってきたのか?
手にはあの石を握っている。もう、ただの石だろう。
そんな事はどうでもいい。願いがかなったとしても、使わないだろう。
無意識に、俺の目から涙があふれた。
しぃ・・・・ごめんな。俺のせいで・・・・
俺は、しぃに心の中で謝った。そして涙をぬぐった。
これから、しぃを悲しませる事はしないよ・・・約束する・・・
だから俺の事を見守っててくれよ・・・。
石をテーブルに置いた。そこでやっと気づいた。紙切れを石と一緒に握ってた
らしい。その紙切れを、そっと開いた。
そこには、小さな字で
「いつまでも、その心を 忘れずに」
と書かれていた・・・・・
____________________________________
・・・お~い。
・・・聞こえるかい?あ、やっと起きたのか。
・・・ここはどこかって?冥界だよ。あ、ちょっと、早とちりしないでよ。
君はまだ死んで無いから。 ・・・・・ぇ?僕?僕はウララエル。此処の番人さ。
え?悪魔・・・ いやぁ、僕は悪魔でも天使でもないよ。
君、ちっとも覚えてないの?しょうがないなぁ・・・
教えてほしい?
話を聞けば思い出すんじゃない?君は生きるか死ぬか、自分で決めてもイイよ。
僕の話を聞いてからね。
あ、その前に、
大切な人を思う心・・・・
その心を持って聞いてね。
そして、考えた上で、答えを出して。
悔いの無い様に、自分が一番いい、と思う答えをね。
では、話すよ・・・・・・。
the end
・・・聞こえるかい?あ、やっと起きたのか。
・・・ここはどこかって?冥界だよ。あ、ちょっと、早とちりしないでよ。
君はまだ死んで無いから。 ・・・・・ぇ?僕?僕はウララエル。此処の番人さ。
え?悪魔・・・ いやぁ、僕は悪魔でも天使でもないよ。
君、ちっとも覚えてないの?しょうがないなぁ・・・
教えてほしい?
話を聞けば思い出すんじゃない?君は生きるか死ぬか、自分で決めてもイイよ。
僕の話を聞いてからね。
あ、その前に、君はギコ。では、話すね。
____________________________________
ピピピピ・・・ 君の目覚まし時計が鳴ったんだろう。
今はセットした8時30分かな。 君はベットから起きあがった。
ギコは金持ちでも貧乏でもない。そして、頭がいいわけでも悪いわけでもない。
両親はいないみたいだね。ごく普通の暮らしをしていたんだ。
その日、街へいった。別に、何かを買うため、とかじゃなく、自然と足が動いたんだ。
街は普段と変わらない。朝だから人影は少ないが、次期ににぎやかになるだろう。
君は街を見回った後、パン屋に向かった。そこのパン屋はおいしい、と評判だった
からね。どうせ来たんだから、パンでも買って帰ろうと思ったんだろうね。
ふと、君は立ち止まった。君の目の前には「彼方の願いかなえます」という看板が
あった。君はこういったのさ。「?こんな店あったかなぁ?・・・彼方の願い、かなえます・・・うさんくせぇ」
占いやら予言やら信じないようだね。まぁ、普通の人でも
きっと変に思うだろう。
・・・いつのまにか店から人が出てきた。
「興味があるんならよってみて」店員だろうか。暇だし、君は店に入った。
「ここはどういった店なんだ?」「店の名の通り、願いを叶えるための店ですよ」
店員は答えた。
「ためしにあげましょうか?これは不思議な力を持った石です。願いを叶えてくれ
るんですよ。ただし、10回までだけど。」
ギコはその石を手に取ってみた。たしかに不思議な色の石だが、別にただの石ころ
に見えなくもない。「本当に願いは叶うのかぁ?」
「ええ。まぁ、死人を生き返らせろ、はムリですね。それ以外なら何でも叶います
一度、だまされたとでも思って使ってみて下さい。」「はぁ・・」
君は家に着いた。石の力を試すと言っても、何をお願いしようか?
まぁ、ぱっと思いつくと言えばお金だろうか?別に期待しているわけでもないし、
かなわなくったって、やっぱりな、で終わるし。叶ったらまぁ、損はしないしね。
「石よ、俺を金持ちにしてみろよ」
・・・石が強く光った・・・
数日後、君は権力者にまでなっていた。石の力は本物、ということだね。
金持ちに、のあと権力者に、と願ったのだ。
偉いヤツになって、いばりたかったわけではない。ただ、権力者ってどんなカンジ
だろう、ていう好奇心からだった。
君は城に恋人のしぃを呼んだ。彼女は生まれつき、病弱だった。
けっこう重い病気らしい。病院で入退院を繰り返していた。
でも、結構しぃは元気だった。その時は、ね。
権力者になって、石の力に酔いしれていたのかもしれない。
君は次々と願いを叶え、しぃといろいろな国や場所に遊びに行った。
そして、とうとう願いはあと一回になった。
君は今すぐ最後の願いを唱えるのはもったいなく思ったんだ。
だから金庫の奥深くに、しまっといたんだ。
だけどね、幸せってものはすぐに終わっちゃうんだ。
しぃが死んでまったんだよ。まぁ、病弱なのにあっちこっち連れ回したんだからね
悪化することぐらいわかるはずさ。でも君は、石さえあればなんでもできる、
とでも思ってた。だって、いままでお願いしたものはすべてかなったからね。
でも最初に言った様に、石には死者をよみがえらせる力はない。
君は、しぃを抱えて叫んだ。
「財産はいらない、地位もいらない。・・・自分の命さえもいらない。」
・・・・・だからしぃを、生き返らせてくれ、ってね。
ほんとうなら、そんなお願い叶わないよ。でもね、君は言った。
自分の命を彼女にやるってね。
だから、君は死に、彼女は生きた。
あ、ちょっと!まだ続きがあるんだ!君は死んで無い。何故かって?
君が彼女を好きだった様に、彼女もまた、君が好きだった。
だから、今度は彼女が、君に命をくれた。
「・・・!思い出した!そうだ・・・しぃ・・・しぃは死んじゃったのか!?
生き返らせる事は出来ないのか!?
おれはじゃぁなんで此処にいるんだ!?」
「彼女はもう天界へ行った。もう生き返る事はない。
そして僕が君を此処に呼んだのは、君の希望を聞くためさ。」
生きたいか・・・・・死にたいか。
選んでイイよ。
僕は死ぬ方をオススメしようか。だって君も天界へ行けば、しぃに会えるよ?
いっしょに暮らせるよ?
しばらくの間、沈黙した・・・・・。
考えてるのか・・・まぁ、どんなに考えても今までこんな状況になったときの
人間の答えは一つだ。
「決めた。・・・・俺は生きる方を選ぶ」
「!?な・・なんで!?しぃには会いたくないの?それでいいの?」
初めて聞いた答えだ。今までの奴らは死ぬ方が幸せだ、と言ったのに。
「ああ、迷ったけど、生きる方を選ぶよ。しぃが俺に生きてほしい、
って言ったんだ。だったら俺は生きる。しぃの分まで。」
へぇ・・・じゃぁ、生きる、でいいんだね。気に入った、そんな事言うとは
思わなかったよ。では、記憶を消してやろうか?
「何故?」
何故って、地上にはしぃはいないんだ。記憶があったままだったら、
一生悲しんですごす事になる。だったら記憶を無くした方がイイだろう?
「・・・・ううん。記憶はそのままでいい。」
また僕はびっくりだ。なんだ?こいつは。僕には分からない。
「しぃはもう死んでしまったんだ。だからしぃは、俺の心の中でしか
生きられない。俺が忘れたら、しぃの存在が消えてしまう。生きている時には
つらい事がたくさんあるんだ。でも、あきらめてはいけない。
いつか、また会える事を信じて、俺は前に進むんだ。」
ほんとに不思議なヤツだな・・・
「じゃぁ、君の答えは記憶を消さずに、生きる。 これでいいんだね?」
ギコは何も言わずにうなずいた。
「そっか。じゃぁ、目をつぶって。そう。決して目を開けてはいけないよ。」
ギコはその通りにした。そして、ギコは冥界から消えた。地上に戻ったんだろう。
すこしの間、僕は何も言わなかった。けど、気配に気づき、口をきいた。
「君は、何時から此処にいたんだい?」
「最初から。ギコ君が目を開けたときからよ。」
無限に広がるこの冥界。どこまでいっても闇。その空間から彼女は・・・
しぃは姿を現した。
「・・・君は天界に行ったんじゃなかったのかい?」
「ギコ君がどんな答えをだすか・・・知りたかったから、ここに来たのよ」
「・・・残念だけど、生きる方を選んだ様だね。」
「いいえ。残念じゃぁないわ。むしろうれしい・・・」
彼女は泣いている。笑いながら。
「だって君と過ごすより、地上に行ったんだよ?君、泣いてるじゃないか」
「私は彼に生きてほしいから命をあげたの。これで死ぬ事を選んだ方が
私には悲しい事だわ。それにね、きっとまたどこかで会えるって信じているから
・・・うれしくってもね、涙は出るものなのよ。」
へぇ、僕にはよくわからない。元から死んでいるしね。泣いた事もないし。
「でも、ほっとした・・・ギコ君はやさしい・・・私の存在を残してくれるのよ
「・・・さぁ、君は早く天界にいきなよ。僕みたいにここでさまよう事になるよ」
「うん・・・さよなら・・・」
しぃの体は光に包まれ、消えていった。
また、僕は一人になった。
「・・・どんなにギコがしぃを忘れなかったとしても、ギコが死んじゃえば
ギコ しぃ って存在はいつかは消えちゃうんだよ・・・悲しい事だね。
だから・・・僕が覚えといてあげようじゃないか。
絶対に死なない僕が・・・いつまでも、いつまでも・・・
君たちは僕の中で生きてられるんだよ。
初めてあった。どんなにつらくても、生きている事が幸せだって思える人。
大切な人の思いを大切にする人・・・・・
____________________________________
ピピピ・・・・ 俺の目覚まし時計が鳴ったんだろう。
今はセットした8時30分かな。 俺はベットから起きあがった。
いつもと変わらない・・・俺は冥界から帰ってきたのか?
手にはあの石を握っている。もう、ただの石だろう。
そんな事はどうでもいい。願いがかなったとしても、使わないだろう。
無意識に、俺の目から涙があふれた。
しぃ・・・・ごめんな。俺のせいで・・・・
俺は、しぃに心の中で謝った。そして涙をぬぐった。
これから、しぃを悲しませる事はしないよ・・・約束する・・・
だから俺の事を見守っててくれよ・・・。
石をテーブルに置いた。そこでやっと気づいた。紙切れを石と一緒に握ってた
らしい。その紙切れを、そっと開いた。
そこには、小さな字で
「いつまでも、その心を 忘れずに」
と書かれていた・・・・・
____________________________________
・・・お~い。
・・・聞こえるかい?あ、やっと起きたのか。
・・・ここはどこかって?冥界だよ。あ、ちょっと、早とちりしないでよ。
君はまだ死んで無いから。 ・・・・・ぇ?僕?僕はウララエル。此処の番人さ。
え?悪魔・・・ いやぁ、僕は悪魔でも天使でもないよ。
君、ちっとも覚えてないの?しょうがないなぁ・・・
教えてほしい?
話を聞けば思い出すんじゃない?君は生きるか死ぬか、自分で決めてもイイよ。
僕の話を聞いてからね。
あ、その前に、
大切な人を思う心・・・・
その心を持って聞いてね。
そして、考えた上で、答えを出して。
悔いの無い様に、自分が一番いい、と思う答えをね。
では、話すよ・・・・・・。
the end