1894「ドレフュス事件」 - mosstudy @ ウィキ

ドレフュス事件

フランス第三共和政を揺るがした政治危機であり、具体的には、ユダヤ系の陸軍大尉Alfred Dreyfus(アルフレッド・ドレフュス)がドイツへの不正情報提供をしているとして終身流刑に処せられたという冤罪事件のこと。

状況

軍部はこの問題について、他に真犯人がいることを後に把握していながらも、軍の威信の防衛と反ユダヤ感情の消化のためにドレフュスをあえて逮捕し続けた。

その後、家族と知人による再審要求運動があり、上院副議長A.シュネール・ケストネル
と後の首相であるGeorges Benjamin Clemenceau(ジョルジュ・バンジャマン・クレマンソー)の支持を受け、更にそれは拡大した。彼の尽力により、文豪Émile Zola(エミール・ゾラ)が1898.1.13.に新聞『L'Aurore(オーロール)』に「私は弾劾する[我弾劾す]」という公開質問書を当時の大統領フェリックス・フォールに向けて掲載する。

その後、世論の高まりもあり、個人の有罪無罪だけではなく、国論を２分した。具体的に、左翼中には黒鍵に対する個人の自由を守り、軍を議会の統制下に置こうとした(半教権的)「ドレフュス派」と、右翼中には軍の威信や伝統的価値を擁護し、対ドイツという愛国心を強調する国家主義者、頑固であったカトリック、反ユダヤ人主義者、保守主義者により構成される「反ドレフュス派」であった。

結末

1898年にアンリ大佐が文書の一部偽造を告白し自殺したため、再審が確実と成る。1899年にレンヌの軍法会議で再審が行われ、ドレフュスは減刑とされるが、大統領の特赦により刑を免じられる。その後にも1903年の新たな証拠により1906年７月には当時の判決を全面的に破棄し、22日にドレフュスは正式に復権した。