カツラへの言葉◆yvUxRPre9c
ーそれでは放送を終える。
六時間立ってもまだ生きている者がいたら、そのときまたお会いするとしよう」
そして放送は終わりを向かえ再び周囲は静けさを取り戻した。
今回の13人と最初の放送で呼ばれた15人と合わせて28人で
生き残りは俺を含めて37人、このままのペースでいけば最初のノルマは余裕を持って達成できるであろう
少なくとも1日が終わるまでにマスターが殺されることはないだろう、そう、このペースが続くのであれば…
これからは人数も減り、生き残っているであろう相手も手強くなっていくはず、つまり死者の数は減っていくといっていいだろう。
だからこそ、油断はしない、マスターを助け出す、どんなことをしても……
ミュウツーはそう決意して動き出す、目指す先は…病院
ポケモンであるミュウツーを直すための設備が病院にあるかどうかは分からない
ただ、傷を負った人間が向かうとすればここであろう場所と言っていいだろう
見失ってしまった二人もひょっとしたら傷を治すために病院に向かっているかもしれない
まだ半数以上が残っているとはいえ残りの人数が少なくなってきている
さらに死にはしなくても負傷をしたものも多いのではないか、それならば病院で傷の治療をすると考えたからだ。
足取りは重い、じこさいせいの治癒効果も薄く疲れも多い、急いだり慌てたりする必要は無い、
それでも足は止めない、全ては俺を創ったマスターの為に……
病院に向かい歩いていながらも周囲への注意は怠らない、
容赦などするつもりも無い、同時に隠れていたとしても見逃すわけが無い
確かに制限によって念で相手の位置を掴むことはできないが注意をしていれば
隠れているもの、隠そうとしているものは意外と簡単に見つけることができる。
そう例えば今俺の近くに出来ている、この落ち葉や茂みで何かを隠そうとしている不自然な
スペースとかのことだ、罠の可能性もなきにしもあらずではあるが
それならば引っかかった振りをして返り討ちにしてやればいいだけだ
それより、ものではなく人が隠れていると考えたほうがまだ可能性がある。
そう考えて落ち葉をどかす、
落ち葉のしたから出てきたのは年端もいかない子供の死体であった。
その死体を見てミュウツーは立ち止まる、
目の前に現れた死体、それはミュウツーにとってよく知る人物でもある
ポケモントレーナー、イエローの死体だったからだ。
かつてスオウ島で四天王の野望を阻止すべく共に戦ったいうなれば戦友と言っていいだろう
俺にしてみれば数少ない信用の置ける人間であり、イエローからすれば俺のことを友達と思っていたのかもしれない
最初の放送で名前を呼ばれていた以上は助かってはいないと思っていたが
今その亡骸がミュウツーの目の前にある。
マスターの命を助けるためとはいえ俺がこの殺し合いに乗っている以上は
殺さなければならなかったかも知れない、
ポケモンを傷つけることを嫌う以上この殺し合いに乗るような存在ではない。
つまりは俺のように人を殺すことが出来る奴に殺されたということだ。
「……殺し合いに乗っている以上は俺にとっては都合のいい相手ではある……が
もし誰が殺したのがわかったのならばそいつには容赦はしない!!」
今までのマスターのための行動から少しばかり外れた行動である、
たしかに人を殺していくのならば俺にとって都合のいい存在であることに異論は無い、だが
それがイエローへの弔いになるのならば、例えそんな弔いを望んでなかったとしても……
そう思いミュウツーは再び歩き出す、まさかイエローを殺した相手が目的地の病院にいるとは知らずに…
再び歩き出したミュウツーはある小さな疑問を持ち始めていた。
イエローの体に触れたときに既に体は冷たくなっていた
それは問題ない、6時間以上前の放送で呼ばれている以上は
あの放送の裏が取れたようなものだからだ。
さっきの放送が嘘ではない、つまりギラーミンは何らかの方法でこちら側の情報を手に入れている
という状況証拠を手にいれたようなものに過ぎない。
そして今現在、周囲に人影らしきものは無く襲われる危険も逆に人を殺すチャンスも無いといっていいだろう
温泉の2階に隠れていた最初の放送とは明らかに状況が違う。
ミュウツーの疑問点、それはこのゲームが始まったときのギラーミンとの約束に遡る。
2人の間に交わされた約束
- ゲーム開始から24時間経つまでに参加者を32人以下にならなかったらカツラを殺す
- さらにゲーム開始から二日経過した時点でミュウツーが優勝しなかった場合も同様にカツラを殺す
- その間のカツラの安全は保障する(最もミュウツーの目の前に映ったカツラはぼろぼろになっていたが)
- カツラの声を6時間ごとに聞かせてくれる、方法はそのときになればわかる。
温泉の2階に隠れていた最初の放送の時ならまだしもその後は戦っているわけでもなく
隠れているわけでもない時間が有った、そして放送の時もマスターの声は一向に聞こえてこない、
これは一体どういうことなのか、死亡者の名前が呼ばれるということはこの舞台の状況、
つまりは俺の状況は分かっているはずである、なのに何故マスターの声が聞こえてこないのだ、
よくよく考えれば最初にマスターの姿を見たときもマスターの声は聞こえてこなかった。
つまりあそこに映っていたマスターは偽者で声を伝えることが出来ないのか
姿だけを似せるのであればメタモンの1匹でもいれば不可能ではないし“さいみんじゅつ”などの手段もある
あるいは既に逃げ出すことに成功したのではないか、グレン島でジムリーダーをする実力者であれば
隙を見て逃げ出すことが出来るかもしれない、マスターの持つギャロップならば運を見方につければ逃げ切ることも出来るかもしれない
そうでなければ既にマスターは死んでしまっているか、考えたくも無いが可能性は十分にありえる。
最悪の可能性…もし俺が無事に優勝したとしてもマスターは助からないなんてこともある
もしそうなら俺が人を殺して回ることに何の意味があるのだろうか
マスターが今も奴の手元にいる保障なんて実はどこにも無いのだ
ならば俺はこれ以上手を汚す必要なんて無いのではないだろうか
そう考えミュウツーは修羅の道から戻りギラーミンを倒しに向かう事を決め……
られなかった。
今までのことは単なる可能性に過ぎない、単純に気絶をしているだけと
考えるのが無難と言っていいだろうしたとえ逃げることが出来たとしても
俺たちをここに連れ出した方法で連れ戻されるだけだ。
あるいは端から俺のことなど気にも留めていないのか。
どちらにせよマスターの言葉が聞こえず、こちらの意思を伝えることが出来なければ
確証など得られるはずもない、
いや、俺の意思をマスターに伝えることは出来るかもしれない、
念による意思疎通、テレパシーといってもいいだろう
遠くにいる相手に使ったことは無い上、“じこさいせい”同様に制限がかけられている可能性
も十分にある、だが試してみる価値は十分にあるだろう、失敗したところで何かを失うリスクもほとんど無いのだから
ミュウツーは早速念を送り込む、マスターであるカツラへの言葉を載せて
マスター、聞こえますか・・・俺の声が聞こえますか
【D-5南 1日目 日中】
【ミュウツー@ポケットモンスターSPECIAL】
【状態】:疲労(中)
【装備】:機殻剣『V-Sw(ヴィズィ)』@終わりのクロニクル、アデルの十字槍@BACCANO!
【所持品】:基本支給品一式、不明支給品0~1個(確認済み)
【思考・行動】
1:マスター(カツラ)を救う為、24時間以内に参加者を32人以下まで減らす。
2:とりあえずの目的地は病院
3:男(ラッド)には殺害数を稼いで貰う。殺すのは後回し。
4:魅音か
ハクオロが細胞を移植し、自分を追ってきたら相手をする。 魅音の死に気づいていない?
5:イエローを殺した相手を見つけたらたとえ後回しにしたほうが都合がよさそうでも容赦しない。
※3章で細胞の呪縛から解放され、カツラの元を離れた後です。
念の会話能力を持ちますが、信用した相手やかなり敵意が深い相手にしか使いません。
※念による探知能力や、バリアボールを周りに張り浮遊する能力は使えません。
※名簿を見ていないため、
レッド、
サカキの存在を知りません。
※ギラーミンに課せられたノルマは以下のとおり
『24時間経過するまでに、参加者が32人以下でない場合、カツラを殺す。
48時間経過するまでに、ミュウツーが優勝できなかった場合も同様。』
※カツラが本当にギラーミンに拉致されているかは分かりません。偽者の可能性もあります。
※V-Swは本来出雲覚にしか扱えない仕様ですが、なんらかの処置により誰にでも使用可能になっています。
使用できる形態は、第1形態と第2形態のみ。第2形態に変形した場合、変形できている時間には制限があり(具体的な時間は不明)、制限時間を過ぎると第1形態に戻り、
理由に関わらず第1形態へ戻った場合、その後4時間の間変形させる事はできません。
第3形態、第4形態への変形は制限によりできません。
※男(ラッド)と戦った相手が「左腕が刀になる女」であると知りました。
※ブレンヒルトの場所は見失っています。
※ギラーミンから連絡のないことへの疑問、もしカツラが捕まっていないという確証を得られたら?
※なぜギラーミンの約束したカツラからの言葉が無くなっていたのかは不明です。
※本当に念のテレパシーがカツラに届くかは不明です。また内容は次以降の書き手にお任せします。
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最終更新:2012年12月04日 23:36