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「たなばたさま」への願いゴト

「お願いごと?」

その日、珍しいコトに白波家はかなり賑わっていた。スザクを初めとする「スザク組」が、シュロとアズールを除いて全員そろっていたからだ。
しかも、たまたま用事があるとかで戻って来ていたシドウもいる。

そんな彼らのもとに、その二人―――面識があるのはスザクだけの、アオギリコオリ―――がやって来たのは、何でも七夕の願い事を集めているから、とかだった。

(この子たち、確かトキコの知り合いだったよな……ってコトはホウオウグループかな?)

と思ったスザクだったが、直後にまあいいか、と思考を放棄した。害意はなさそうだ。

「それで、えーと、お願いごとだっけ?」
「うん、たくさんあつめるの」
「スザク、お願いごと、ある?」

言われて少し考えた。あるにはあるが、ちょっと子供に見せられるモノではない……ような気がする。文面を考えれば、何とかなりそうだが。

「……あるよ。短冊、持ってるかな?」

アオギリから短冊を受け取ったスザクは、下駄箱にそれをおいてさらさらと何事かしたためる。
その間に、コオリが他の面子に同じコトを尋ね、それぞれ「お願いごと」を書いてもらっていた。

「んふふ~」

蒼の少女がにやける。

「んー……」

戦う主婦が悩む。

「アカネちゃん……は、聞くまでもないわね」

シングルマザーが笑う。

「マナちゃん、見ちゃダメ~」

白の少女が隠す。

「見なくてもわかる。お姉ちゃんの考えそうなコト、一つしかないもの」

影の少女が呟く。

「私の願い事、は……」

少女人形が記す。

「…………」

玄武が押し黙る。

「ふむ……」

異能殺しが腕を組む。

それぞれに書いた短冊をアオギリに渡すと、白い二人は嬉しげに受け取って去って行った。
「……今、取り込み中なんだけど」

神隠しが半眼になる。

「願い事……今はみんな一緒、です」

疑心暗鬼が告げる。




「ほう? 願いごとか」

超能力者が頷く。

「んー……じゃ、こんなかな」

流れる力がひらめく。


「ああ? ……ほれよ」

武器使いが投げた。

「願い事か……そりゃ、一つだろ」

方向音痴が歯ぎしりした。

「……どうやって入って来たの、ココに」

桜の精霊が驚いた。


「んんー? どーうして僕にきーくのかなぁ?」

道化者が問うた。

「えーと……この場合、私はどうすればいいのかしら?」
「さあ。京様の思うようになさればよろしいかと」

編集長に執事が応えた。

「願い事? ……そうだな」

調査員が考えた。

「特にありませんよ~、今幸せですから」

担当が微笑んだ。

「…………(ばりばりばりばり)」

絵本作家は忙しかった。

「……はい」

サーカス団員が手渡した。



――――そして。

「……あの、一つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「「なあに?」」
「アナタ方は、なぜワタシにそれを聞きに来ますか。いや、本当に」

白い闇が珍しく素で頭を抱えた。




というコトで、願い事はこうなりました。


スザク⇒「トキコともっと仲良く出来ますように」←何やら書き直した痕
アオイ⇒「お姉ちゃんとお母さんと、ずっと一緒にいられますように」
ランカ⇒「家族がもう誰もいなくなりませんように」
マナ⇒「お兄ちゃんときっちりケリがつきますように」
ミレイ⇒「私を捨てた人が見つかりますように」
ゲンブ⇒「いらん誤解をされないように」←自業自得である
トーコ&ミナ⇒「キリさんがちゃんと戻って来られますように」
啓介⇒「いかせのごれの謎がいつか明かされますように」
真衣⇒「啓兄ちゃんがトマトを食べられるようになって欲しいです」←恐らくムリ
聖⇒「能力者の問題が後腐れなく片付けばいい」←なぜか破れを補修したアト
流也⇒「ヴァイスの奴を叩きのめしたい」
サクヤ⇒「『正義の味方』の真意が聞きたい」
理人⇒「もっと面白いコトに出会えますよーに」
京⇒「誰かが泣くようなコトが起きませんように」
正人⇒「正輝のバンドが有名になれますように」
雨里⇒とくになし
ツバメ⇒忙し過ぎて書くヒマがなく、雨里が代筆「締切が伸びますように」
茉莉⇒「サーカスのみんなにいいコトがありますように」
ヴァイス⇒逃げられた



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最終更新:2013年07月03日 16:14