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魔法少女、これからも。(後編) - (2011/04/15 (金) 04:01:04) のソース
*魔法少女、これからも。(後編) ◆Vj6e1anjAc 次元の狭間の闇を、進む。 無限に広がる世界を繋ぐ、次元空間の大海原を、黄金の舟が進んでいく。 最期のスターライトブレイカーが放たれた直後、聖王のゆりかごのレプリカは、次元航行モードへの移行を完了した。 高町なのはの命の輝き――あの桜色のビッグバンが、ヴィヴィオが最後に見た光景となった。 生きざまを、最後まで見届けたのだ。 「っ……う、うぅっ……」 そしてだだっ広い玉座の間では、1人の少女がうずくまり、抑えた嗚咽を響かせていた。 これで本当に独りきりだ。 プレシアのデスゲームからの生還者は、本当に自分1人だけになってしまった。 想いを汲み取ったはずなのに。 それがなのはの心からの願いだと、納得した上で撤退したはずだったのに。 それでも涙が止まらない。 悲嘆と後悔と自責の涙が、次から次へと溢れ出す。 「強くなりたい」という願いは、母の末路を見たことで、半ば折れかかってしまっていた。 「どうして……どうして、こんなっ……!」 強くなると決めたはずだった。 この手の届く限りの命は、守りたいと願ったはずだった。 それは今でも変わらない。変えることなどあり得ない想いだ。 最愛の母が死を選んだのは、自分の力が足りなかったから。 ガジェット達に苦戦して、帰還する余力を失ったのは、これまでのなのはの戦いを、助けてやることができなかったから。 きっとキングとの戦いで、ブラスターモードを使っていなければ。 コーカサスアンデッドとの戦いの時点で、既に助太刀に加わっていたならば。 いいや、なのはだけではない。金居との戦いへの参加が早ければ、ユーノの消耗も抑えられたはずだ。 そうなればもっと余裕をもって、ガジェット達に対処することができただろう。 ブラスター3を解放したのがあの場だったなら、ナンバーズさえも撃退できただろう。 つまるところ、自分が不甲斐なかったから、なのは達は死を選ばざるを得なかったのだ。 弱いのだ、私は――ヴィヴィオは。 「こんなはずじゃ、なかったのに……っ!」 痛みと嘆きは連鎖する。 最愛の母を喪った苦痛は、新たな苦痛を呼び起こす。 この30時間の戦いの中で、あまりに多くの命が喪われてしまった。 燃え盛る地獄の業火に焼かれ、命を落としたというルルーシュとシャーリー。 目の前で死んでいったもう1人のフェイトと、死体を嬲ってしまったキャロ。 少し怖い顔をしていたけれど、一度は自分を救ってくれた、浅倉威という男。 怒りに狂った自分の手で、命を奪ってしまった相川始。 こなた、スバル、リイン……共に生き残るために頑張ってきた、かけがえのない仲間達。 その他大勢をも含めた、60人をも超える命。 それら全ての重圧が、ヴィヴィオの双肩へとのしかかってくる。 何故だ。 何故彼らは死ななければならなかった。 こんな殺し合いさえなければ、普通に生きられたはずだったのに。 この殺し合いから出られれば、暖かな日常へと帰れたはずなのに。 自分が弱い子供でなければ――そのうちの何人かは確実に、この手で救えたはずなのに。 こんなはずじゃ、なかったのに。 「……?」 その、時だ。 不意に、目の前が明るくなった。 がらんどうの玉座の間に、淡く青白い光がともったような気がした。 否、光っているのは部屋ではない。 光っているのは自分自身だ。 漆黒と純白の騎士甲冑が、いつの間にか、淡い光を放っていた。 「あっ」 ぽぅ、と光が指先から離れる。 追いかけるように伸ばした手から、全身の光が離れていく。 青く白く光る何かは、数メートルほど漂ったのち、自分の目の前に留まった。 いつからそこにあったのだろうか。 そこに静かに浮いていたのは、2つの青い宝石だった。 光は宝石のもとに集まって、少しずつ形を変えていく。 不定形の青い光が、少しずつ輪郭をなしていき、2つの個体へと変わっていく。 「なのは、ママと……フェイトママ……?」 光の中から現れたのは、高町なのはとフェイト・T・ハラオウン。 ちょうどもう1人のフェイトのような――自分の知る2人の母よりも、随分と年下の幼い姿だ。 本来の自分の姿よりも、いくつか歳は上だろうか。昔何かの折で見た、9歳くらいの頃の姿が近いかもしれない。 「貴方達は、一体……?」 それでも、自分の知る彼女らとは別人だ。 目の前の2人が纏う衣装は、9歳当時の彼女らのそれとは、微妙に異なったデザインとなっていた。 なのはのバリアジャケットは、先ほどまで自分の母が着ていた、エクシードフォームを思わせるものに。 フェイトのバリアジャケットも、大きな違いはないものの、より装飾が大人しいものに変わっていた。 《私達はジュエルシード……古の人々の願いと共に、この世界に生まれた結晶体》 「ジュエル、シード……?」 ヴィヴィオに微笑みかける幼いなのはは、自分達のことをそう名乗った。 確かそれは、かつてなのは達が回収していたという、ロストロギアの名前だったはずだ。 もちろん、そんなものを持った覚えはない。 そのジュエルシードとやらが、このゆりかごに現れた理由は、皆目見当もつきそうにない。 《かつてプレシア・テスタロッサが、虚数空間の海へと落ちた時、 私達9つのジュエルシードもまた、道連れに次元の狭間へと沈んでいった》 《アルハザードの周囲を漂っていた私達は、貴方の放つジュエルシードの気配に引かれて、貴方のもとへやってきた。 そしてこの姿は、貴方の心の中にある、想いの形を具現化したもの》 《貴方とお話をするために、貴方の心の中から借りた、貴方の強い想いの形》 代わる代わる言葉を紡ぐ、なのはの幻とフェイトの幻。 そこに浮かんだ穏やかな笑顔は、思い出のそれと変わらないのに。 その口から放たれる懐かしい声色は、思い出のそれと違わないのに。 その事務的な口調には、人としての温もりを感じられず、どこか歪な印象を受ける。 本当に目の前に立っているのは、ただの幻に過ぎないのだと、否応なしに思い知らされる。 「……強くなんて、ないよ」 ゆらり、と金のサイドポニーを揺らし。 ルビーとエメラルドの光を地へ向けて。 目の前の幻が言い放った何気ない言葉に、ヴィヴィオは己が顔を俯かせて、呟く。 「私は強くなんてなかった……私のちっぽけな想いなんかじゃ、結局誰も、救えなかった」 罪を懺悔するかのように。 頭を垂れた聖王が、言った。 強くなりたいという誓いは、結局死の運命を打倒できなかった。 手が届くところにあったはずの命にさえ、手を伸ばすこともできなかった。 何も救えなかった自分が、そんなに強いはずがない。 何も守れなかった想いが、強いだなんて言えるはずもない。 《信じて》 それでも。 目の前の幻が口にしたのは、そんな言葉だった。 《魔法は胸の内に込められた力を、具現化させて解き放つ力……人の想いを形にした力》 《だからこそ、魔力の結晶である私達には、人の想いを叶える力が備わった》 《「死んでいったみんなのためにも、強くなって生き続けたい」…… ……他の誰でもない、貴方の強い想いの力が、私達を呼び寄せた》 《たとえ今は弱くとも、その想いが貴方を突き動かすのなら、貴方はもっと強くなれる。 貴方の抱く強い想いを、魔法は決して裏切りはしない》 これはヴィヴィオはおろか、全ての参加者が知り得なかったことだが、 ジュエルシードによって張られたフィールドにいた参加者達は、 少なからず、ジュエルシードの性質を持った魔力を、その身に浴び続けていた。 それが2つのジュエルシードを、ヴィヴィオの下へと招いたのだが、彼らはそれだけでは足りなかったと言った。 ヴィヴィオの強い願いの力こそが、彼らをこの舟へ引き寄せたのだと。 ヴィヴィオの強い想いの力こそが、奇跡の力を呼び寄せたのだと。 『ヴィヴィオ』 不意に、少女の首元から声が響いた。 明滅する空色の宝石は、インテリジェントデバイス・マッハキャリバー。 この30時間の戦いで散ってしまった、スバル・ナカジマの相棒だったデバイスだ。 そういえば今この瞬間まで、半ば存在を忘れかけていた。 ここまでずっと自分を支えてきてくれた、大事な仲間の1人だったというのに。 『以前、私は相棒に、こんなことを言ったことがあります。 貴方が私に教えたもの……私の生まれた理由、貴方の憧れ……それを嘘にしないでほしい、と』 「あ……」 『一度起きてしまったことには、もう取り返しはつきません。 それでも貴方には未来があります。同じことを繰り返さないよう、努力するチャンスが残されています。 生きて責任を果たすこと……生きて帰って、強くなると約束したこと…… Ms.なのはに誓った貴方の想いを、嘘にしないでください』 そうだ。 マッハキャリバーの言うとおりだ。 殺し合いのフィールドを発つ前に、ユーノが言っていたことを思い出す。 この戦いを生き延びた自分達には、果たさなければならない責任があるのだと。 喪われてしまった多くの命に、報いなければならないのだと。 高町なのはの死を看取るまでが、自分に課せられた責務ではない。 まだやらねばならないことが残っていたのだ。くよくよしている暇はなかったのだ。 ――だから私は、ヴィヴィオに“これから”を託せるの。 なのはママの遺言が、胸の奥深くで木霊する。 自分で進むと決めた道を、貫き通せるのだと信じているから、未来を託すことができるのだと。 自らの進む道を選択し、それを最後までやり通す意志。それこそがジュエルシードの言う、想いだ。 誰よりも強く優しいママに、太鼓判を押してもらった――信じられると言われた、想いだ。 「……分かったよ」 俯いていた顔を、上げる。 聖者の印と謳われたオッドアイで、確たる意志と共に、前を見据えた。 身を屈ませた後悔の震えは、今はもうその背中にはなく。 涙に滲んだ赤と緑は、色鮮やかな光を放つ。 「なのはママがそう望んだのなら……私は生きてみようと思う。 それが、強く生きるって約束した……ひとりで立てるって宣言した、私の責任なんだから」 この30時間の戦いで、ヴィヴィオは多くの死を背負った。 肉体年齢6歳という、あまりにも幼いその背中に、あまりにも重いものを背負い込まされた。 それでも、彼女は生きることを望んだ。 過去に悲嘆する道ではなく、未来へと続く道を選んだ。 彼女も怖かったはずなのに、それでも自分を励ましてくれたシャーリーのように。 スバルやシャーリーを守り抜かんと、懸命に戦ったルルーシュのように。 戦う力を持たずとも、弱いなりに自分を支えようとしていたこなたのように。 そして何より、あの高町なのはのように。 強き想いを力へと変え、母の望む生き方を、その力で為さんと決意したのだ。 ならば、祝福すべきだろう。 ヴィヴィオが選択した道が、結局はなのはが指し示した道だったとしてもだ。 この歳で完全に自立しろというのは、それこそ酷な話だろう。それはこの先少しずつ、ゆっくりと成長しながら果たせばいい。 それでもヴィヴィオは今日この日、責任を背負うということを知った。 こうして幼かったヴィヴィオは、ほんの少しだけ、大人になった。 《願いを聞かせて、高町ヴィヴィオ》 《貴方の望む想いの形を……本当の気持ちを、私達に教えて》 目の前の幻影が語りかける。 願いを叶えるジュエルシードが、叶えるべき願いを問いかける。 「ゆりかごの針路を、ミッドチルダに……私を元の世界へ連れて行って」 確たる口調で、宣言した。 かつてプレシア・テスタロッサは、21個のジュエルシードに、娘の命を願ったという。 されどヴィヴィオが選ぶのは、死した母の蘇生ではない。 命よりも大事な願いを、なのはは自分に託したのだ。 ならば彼女から託された願いは、喪われた彼女の命以上に、優先させるべき願いだ。 《その願いを、叶えよう》 願いを聞き届けた幻のなのはは、無機質な声と共に、にこやかに微笑む。 自分が聖王化していたのもあって、身体の大きさが完全に逆転していたのが難点だったが。 それでもそこにあった笑みは、これまで愛してやまなかった、最愛の母の笑みそのものだった。 《貴方の望む道筋は、私達の力で切り拓いてあげる》 《どれだけ時間がかかろうとも、どれだけの壁に阻まれようとも、私達が必ず送り届ける》 ぽぅ――と。 その一言を言い終えると同時に、2人の幻に陰りが生じた。 青白い光から生まれた幻が、少しずつその輪郭をぼかしていく。 幻影の不透明度が落ちていき、少しずつ虚空へと溶け込んでいく。 さらさらと四肢の端から零れるのは、蛍のごとき青い光。 ジュエルシードの煌めきが、ゆっくりと霧散していって、聖王のゆりかごを包んでいく。 《あとは貴方次第だよ――高町ヴィヴィオ》 それが最後の一言だった。 その一言を言い終えると同時に、2人の幻は姿を消した。 玉座の間に静寂が訪れる。 だだっ広い空間の中で、人影がまた1人きりになる。 胸の内へと訪れるのは、ほんの少しばかりの寂寞。 「……帰ろう、マッハキャリバー」 それでも、少女の瞳に涙はなく。 晴れやかな笑みさえも浮かべて、真っすぐに前を見つめている。 ジュエルシードの幻の、最後の言葉を聞いた時、母に背を押されたような気がした。 まるでなのはママ自身に、エールをもらったような気がして、それだけで満たされたような気がした。 「私達の故郷へ……なのはママと暮らした場所へ!」 その言葉を合図としたかのように、ゆりかごの床が微かに揺れた。 2つのジュエルシードの放つ、青白いオーロラに覆われて。 黄金に煌めく聖王のゆりかごは、未来に向かって出港した。 (私は、もっと強くなる) 強くなって、生き続ける。 この命が続く限り、この身が朽ち果てぬ限り。 死んでしまった人々に報いるために。 ママとの約束を果たすために。 私を守り続けてくれた、世界一大好きなママの生涯が、無駄ではなかったことを証明するために。 未来へ続くこの道を、私は胸を張って歩き続ける。 そう。 私の行く道は終わらない。 私の道は、これからも――。 ◆ リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル・最終戦績報告 1日目・深夜 ・エリオ・モンディアル :柊かがみのミラーモンスターにより死亡 ・ギルモン :八神はやて(StS)のツインブレイズにより死亡 ・ティアナ・ランスター :シグナムのバスターソードにより死亡 ・神崎優衣 :キース・レッドのグリフォンにより死亡 1日目・黎明 ・殺生丸 :自身の蒼龍破により死亡 ・シグナム :柊かがみのヘビープレッシャーにより死亡 ・アグモン :アーカードの手により死亡 ・クロノ・ハラオウン :アーカードのパニッシャーにより死亡 1日目・早朝 ・矢車想 :エネルの鉄矛により死亡 ・カレン・シュタットフェルト :ミリオンズ・ナイブズのエンジェルアームにより死亡 ・高町なのは(A's) :ミリオンズ・ナイブズのエンジェルアームにより死亡 ・ディエチ :ミリオンズ・ナイブズのエンジェルアームにより死亡 ・ミリオンズ・ナイブズ :キース・レッドのジャッカルにより死亡 1日目・朝 ・フェイト・T・ハラオウン(StS):ヴァッシュ・ザ・スタンピードのエンジェルアームにより死亡 ・八神はやて(A's) :アンジール・ヒューレーのアイボリーにより死亡 1日目・午前 ・ザフィーラ :自身のミラーモンスターにより死亡 ・アレクサンド・アンデルセン :ルーテシア・アルピーノのイフリートにより死亡 1日目・昼 ・遊城十代 :柊つかさの手により死亡 ・武蔵坊弁慶 :ギンガ・ナカジマのプラズマスマッシャーにより死亡 ・インテグラル・ヘルシング :金居の朱羅により死亡 ・ギンガ・ナカジマ :金居の朱羅により死亡 ・ブレンヒルト・シルト :キース・レッドのグリフォンにより死亡 1日目・日中 ・チンク :柊かがみのミラーモンスターにより死亡 ・シャマル :セフィロスの憑神刀(マハ)により死亡 ・C.C. :首輪爆発により死亡 ・シェルビー・M・ペンウッド :首輪爆発により死亡 1日目・午後 ・早乙女レイ :ルーテシア・アルピーノのエボニーにより死亡 ・ルルーシュ・ランペルージ :ルーテシア・アルピーノのイフリートにより死亡 ・シャーリー・フェネット :ルーテシア・アルピーノのイフリートにより死亡 1日目・夕方 ・セフィロス :八神はやて(StS)のコルト・ガバメントにより死亡 ・ルーテシア・アルピーノ :キャロ・ル・ルシエの憑神鎌(スケィス)により死亡 ・キャロ・ル・ルシエ :フェイト・T・ハラオウン(A's)のオーバーフラッグにより死亡 ・フェイト・T・ハラオウン(A's) :キャロ・ル・ルシエの憑神鎌(スケィス)により死亡 ・万丈目準 :浅倉威のミラーモンスターにより死亡 ・柊つかさ :浅倉威のミラーモンスターにより死亡 ・浅倉威 :首輪爆発により死亡 ・エル・ローライト :キース・レッドのグリフォンにより死亡 ・新庄・運切 :エネルのジェネシスの剣により死亡 ・ゼスト・グランガイツ :キングのオールオーバーにより死亡 ・キース・レッド :アレックスのブリューナグの槍により死亡 ・天上院明日香 :八神はやて(StS)の愛の紅雷により死亡 1日目・夜 ・アレックス :金居のイカリクラッシャーにより死亡 ・アーカード :ヴィータのゼストの槍により死亡 ・ヴィータ :アーカードの手により死亡 1日目・夜中 ・クアットロ :キングのRPG-7により死亡 ・ヒビノ・ミライ :アンジール・ヒューレーのバスターソードにより死亡 1日目・真夜中 ・エネル :金居のデザートイーグルにより死亡 ・相川始 :ヴィヴィオの魔力爆発により封印 2日目・深夜 ・(死亡者なし) 2日目・黎明 ・ヴァッシュ・ザ・スタンピード :八神はやて(StS)の鋼の軛により死亡 ・泉こなた :八神はやて(StS)の愛の紅雷により死亡 2日目早朝 ・八神はやて(StS) :柊かがみのルシファーズハンマーにより死亡 ・柊かがみ :スバル・ナカジマの手により死亡 ・アンジール・ヒューレー :キングのオールオーバーにより死亡 ・スバル・ナカジマ :金居のジェネシスの剣により死亡 ・天道総司 :キングのオールオーバーにより死亡 ・キング :高町なのは(StS)のレイジングハート・エクセリオンにより封印 ・金居 :ヴィヴィオのラウズカード(ジョーカー)により封印 &color(red){【ウーノ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】} &color(red){【ドゥーエ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】} &color(red){【セッテ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】} &color(red){【オットー@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】} &color(red){【ディード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】} &color(red){【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】} &color(red){【ユーノ・スクライア@L change the world after story 死亡確認】} &color(red){【残り:1人】} ◆ 天の光は全て星。 なべて世はこともなし。 第一管理世界・ミッドチルダの宇宙は、新暦78年を終えようとするこの瞬間にも、平穏無事であり続けていた。 見渡す限りに広がるものは、暗黒よりもなお黒き闇。 漆黒のカーテンに散りばめられるのは、幾億幾兆の星々の煌めき。 どこまでも高く、どこまでも深く。 どこまでも遠く、どこまでも広く。 文字通り無限の容積を持った、光と闇の大海原に、ぽつんと浮かぶ星が1つ。 サファイアのごとく煌めく青と。 エメラルドのごとく映える緑。 生命の色に満ちたその星こそが、ミッドチルダの本星だった。 この色鮮やかな星の中で、多くの命が息づいて。 出会い、群れ合い、親しみ、別れる、大勢の命が生きている星。 漆黒の宇宙空間の中で、一際美しく放たれる輝きは、そこに暮らす人々の、命の活力を表しているのかもしれない。 《――応答願います。時空管理局、応答願います》 そんな無明の宇宙の中に、1つの影が姿を現す。 無音無酸素の宇宙の中で、声を電波に乗せるのは、金色に煌めく大型戦艦。 スラスターも噴かせることなく、無重力空間を漂い続ける、豪華絢爛な舟があった。 眩い陽光が船体を照らす。 ミッドチルダの向こうから、顔を出した太陽の光が、宇宙を黄金色に染め上げる。 気の遠くなるほどの旅路の果てに、目的地へ辿り着いた舟は、 世界そのものに祝福されているかのように、誇らしげな光を放っていた。 《私の名前は高町ヴィヴィオ……高町なのはの娘です!》 新暦79年、1月1日0:00。 新たな年の幕開けと共に、数奇な運命に翻弄された少女が、生まれ故郷への帰還を果たしていた。 &color(blue){【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 生還】} 【リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル――――――完】 |Back:[[魔法少女、これからも。(中編)]]|時系列順で読む|Next:[[Beautiful Amulet]]| |~|投下順で読む|~| |~|高町ヴィヴィオ|Next:[[Beautiful Amulet]]| |~|&color(red){高町なのは(StS)}|&color(red){GAME OVER}| 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