特別捜査、開始 ◆9L.gxDzakI
かつ、かつ、かつ、と。
明かりの落ちた薄暗い映画館の廊下に、靴音だけが響き渡る。
敷かれたレッドカーペットの上で揺れる紫の髪が、一種のコントラストを演出していた。
ギンガ・ナカジマは思案する。
ここに至るまでの、その経緯を。
(見たところ、身体は治っているみたいだけど……)
この狂ったデスゲームに至る直前の記憶は、自らの身体を焦がす灼熱の炎。
地上本部防衛戦の折、自分は3人の戦闘機人によって倒された。
エネルギー弾をぶつけられ、左腕をずたずたに引き裂かれ、全身に刺された爆弾を爆破された。
生きていることがまさに奇跡とも言える、瀕死の重傷だ。
にもかかわらず、いつの間にかバリアジャケットを解かれ、管理局員の制服姿に戻った自分の身体は健康そのもの。
その身に刻まれたダメージは、ことごとく回復させられていた。
あの女――執務官フェイトの亡き母にして、重大な事件犯罪者だと聞く、プレシア・テスタロッサ。
戦闘機人技術に関しては、専門外だったはずの彼女がこの治療を行ったということか。内心でそのスキルに軽く恐怖を覚える。
(そして……ここにある、名前)
手にした名簿を、今一度見直す。
スバル、ティアナ、エリオ、キャロ……フォワード部隊の仲間達。スバルはちょうど席が近かったこともあり、今更驚くことはなかった。
その他にもヴォルケンリッターや、隊長陣の名前もある。
問題なのはその隊長陣――なのは・フェイト・はやての名前が、それぞれに2人分ずつ明記されているということだ。
心当たりがないわけでもない。
この名簿には、クラウディア提督クロノ・ハラオウンの名前がある。24歳という、立派な成人男性だ。
そしてあの場で、自分のすぐ横で隣の少女に耳打ちをしていた、黒髪の少年。恐らく年齢はスバルよりいくらか下といったほどだろう。
面影があったのだ。あの少年には、確かに写真で見たクロノの面影があった。
であれば、少年は紛れもなくクロノ・ハラオウン本人。何らかの方法で、過去から最年少執務官時代のクロノを引っ張ってきた。
(繋がる)
強引な解釈だが、これなら全てが合致する。
この場にいる隊長達は、恐らくそれぞれが過去と現在から連れてこられた者達。
その頃のクロノが当たっていた、PT事件ないし闇の書事件当時の、まだまだ幼い3人娘。
特にPT事件の首謀者であったプレシアこそが、この殺し合いを催しているのだ。可能なことならば、おかしなことではなかった。
(この際……何が有り得ることで、何が有り得ないことかは、度外視しておいた方がいいのかもね)
これだけの人数を気取られることなく拉致し、自分の身体をあっさりと治し、時間移動さえも可能とする大魔導師。
何がたった1人の人間にこれほどまでの力を与えたのかは、推測することすらかなわない。
ただはっきりと分かるのは、プレシア・テスタロッサという人間は、既に自分達魔導師の常識の範疇を逸脱した存在であるということだ。
一体他に何をやらかそうと、もはや不思議でもなかった。
軽く、ため息をつく。
そして再び名簿へと視点を落とし、ある人物の名前をじっと見つめた。
(殺生丸さん……)
ギンガにとっては、思い入れの深い男の名だ。
4年前の空港火災の時、僅かな力しか持たずにいた自分を窮地から救い出した、恐らく次元漂流者の男。
そして過去の廃棄区画での戦闘と先ほどの地上本部戦で、管理局に牙を向いた、妖怪を自称する強者。
記憶の中で、ぱあっとあの美しい銀髪が広がる。彼のことは、未だに分からないことづくしだ。
どうして自分を助けてくれたような男が、犯罪者になど加担するのか。
それら全てをひっくるめて、一度ちゃんと話をして決着をつけねばならないと、常日頃から思い続けてきた。
そして彼もまた、今このゲームに巻き込まれて、この広い会場のどこかにいる。
(全てを聞くのなら……今しかない)
きっ、と。
緑の瞳が、彼女の決心を反映し、厳しい光を宿した。
とはいったものの、この暗闇の中でむやみやたらに動き回るのは危険すぎる。
ブリッツキャリバーもリボルバーナックルもない、本調子で戦えないようなこの状況では、夜の闇は十分すぎるハンデだ。
ひとまずはこの映画館で明るくなるのを待ち、そこから行動を開始しよう。
それまでの間身体を預ける場所を求め、ギンガは適当な劇場の扉を開けた。
「――誰だ?」
「っ!?」
突如として響き渡る、声。
見渡す限りずらりと並んだ入場客席の中、その中心に、誰かが背を向けて腰掛けている。
よく響くはっきりとした声だ。声音からして、恐らく女性だろう。
反射的にギンガは身構えていた。
この部屋の先客がいかなる人物か、今はまだ分からない。殺し合いに乗っていた人間だった場合、戦闘をも覚悟せねばならない。
悠然と、視線の向こうで声の主が立ち上がり、振り返った。
長いブロンドヘアーに、褐色のかかった肌。背筋のぴんとした体躯は、女性の割にはやや長身だ
射抜くような鋭い眼光。冷たく光る眼鏡と一分の隙もなく着込んだ黒いスーツが、一筋縄ではいかない厳格な雰囲気を漂わす。
その両手に、武器はない。ひとまず戦うつもりはないようだ。
戦闘にならないに越したことはない。自身も構えを解くと、戦意がないことを証明するため、自らの名を名乗る。
「時空管理局陸士108部隊所属捜査官、ギンガ・ナカジマ陸曹です」
「ほう」
それを聞いた女の眉が、丸眼鏡の向こうで微かに動いた。
どうやら管理局のことは知っているらしい。であれば、この女性は管理世界の人間であるということか。
その口元に不敵な笑みを浮かべながら、女もまた名を名乗った。
「英国国教騎士団『HELLSING』局長、サー・インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシングだ」
――英国(イギリス)?
今度はギンガが驚く番だった。
確かイギリスとは、自分達の先祖が暮らしていたという第97管理外世界・地球の国家の名のはずだ。
なのはやはやてはそこの出身だと聞いているが、現在はそれ以外にミッドチルダとの接点はほとんどない。
遥かな昔にその存在は忘れ去られ、今では2人の関係者以外には、魔法を知る者すらいないと言われている。
そんな地球の――それも日本以外の国の人間が、何故管理局の存在を知っているというのだ。
「何を驚いている? 八神はやて課長から聞いてはいないのか? お前の妹の身柄を引き取っている組織だぞ」
今度こそ目を丸くして、ギンガは驚愕した。
この女性は、あたかもそのHELLSINGという機関が、管理局に認知されているように語っている。
しかも、機動六課の長たるはやてと、その部下にして自分の実妹であるスバルの名前を出してきた。
前者はまだ、こちらを信用させるための虚偽とも取れるだろう。
しかし、後者の方は明らかにおかしい。はやてやスバルが管理局員であるということは、名簿には全く書かれていないのだから。
ついでに言うならば、スバルが妹であることを見抜いたのも同じことだ。
名字は一緒であるものの、それだけでは家族であること以上の関係は分からない。逆に姉かもしれないし、母や従姉妹かもしれないのだ。
これらのことから、ギンガは確信した。この女性は間違いなく、管理局と――特に機動六課と繋がりを持っている。
そもそもそれ以前に、目が嘘をついていない。現役捜査官として活躍する彼女だ。それくらいは分かる。
しかしここで、新たな問題が浮上してきた。スバルの所属の件だ。
インテグラル卿と名乗ったこの女の話では、彼女は地球のHELLSINGに移籍しているという。
当然、そんなことは有り得ない。スバルは意識を失う数時間前まで、間違いなく自分と行動を共にしていた。六課の構成員として。
ならばこの認識のずれは一体なんだ。どうやって説明をつける。
それぞれが同じ世界を認識していながら、たった1人の人間に、明らかに異なる認識を持っている。
これは一体――
(――!)
ふと、ひらめいた。
そういうことか。
これならば納得がいく。彼女の知る管理局がHELLSINGという未知の組織と繋がっていることも、スバルの認識のずれも。
クロノやもう1人のなのは達は、歴史を同じくして時間の異なる世界から連れられてきた。
これはその逆だ。
お互いが、「時間を同じくして歴史の異なる世界」から連れられてきたのだ。
「分かりません……多分、私は貴方の知るミッドチルダとは、別のミッドチルダから来た人間だと思いますから」
要するにパラレルワールドだ、と。
ギンガは言った。
「……成る程」
意外にもあっさりとインテグラは信用する。ギンガと同じように、嘘をついていないことを看破していたのだろう。
並行世界。
大まかな形はコピーをしたように同じでありながら、起こった出来事や人間関係が異なっている世界。
ありえたかもしれない可能性を体現した、「IF」が現実として存在を持った世界。それが一般的な捉えられ方だ。
恐らく「インテグラのいる地球」もまた、「スバルの離れたミッドチルダ」同様、ギンガの知る世界とは別物なのだろう。
そう、ここでは有り得ないことなどない。先ほどギンガ自身が、そう定義づけたばかりだった。
ひとまずその問題に決着をつけたギンガは、質問をもう一段階先へと進めることにした。
「インテグラル卿……貴方はこのデスゲームとやらで、どのように行動されるおつもりですか?」
まずはそれを確かめねばならなかった。彼女に対し、どのような反応を取るかを決めるためにも。
もちろん、ギンガの立場は決まっている。この殺し合いを止め、プレシア・テスタロッサを逮捕することだ。
相手もまた同じようにこのゲームに乗っていなかった場合は、協力関係を結ぶことも可能だろう。
だが、その逆――相手が殺す気満々だった場合、インテグラを何としても止めなければならない。
不敵に笑う彼女の様子からは、その心情はまるで読み取れなかった。
「簡単なことだ。あの女が用意したゲームをぶち壊す。この私がこのような立場に置かれたなどと、はなはだ不愉快極まる」
どうやらひとまずも、この女は前者側の人間だったらしい。
いらぬ戦闘を避けられたことに、内心で胸を撫で下ろした。
「そして少なからずとも、お前も私と共通した意見を持っているようだな」
そして次の瞬間、身体をびくりと硬直させた。
驚くギンガの視界の中では、相変わらずインテグラが笑っている。
今までのこの短いやりとりで見抜かれた。できうる限りの警戒をしていたというのに。
どうやらこの女は――インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシングは、相当な切れ者のようだ。
「魔導師ならば、そこそこに腕は立つのだろう? ならば――」
「もちろんです」
同盟関係はすぐに形成された。
体格からして、それほど抜きん出た戦闘能力を持っているわけではないらしい。
すなわち、インテグラは自身のボディーガードを欲している。
そしてギンガにとってもまた、想定される彼女の器量は魅力的だった。
利害関係は一致だ。
「具体的なプランは?」
ギンガが問いかける。
この優れた器量と根性を兼ねそろえた鉄のごとき女ならば、既に何らかの方針を練っていてもおかしくない。
そう思って確認したのだ。
「アーカードを捜索し、合流する。私と同じくこのゲームに放り込まれた、我がHELLSINGの最大戦力だ」
インテグラが答えた。思ったよりも単純な答えだったのは、その人物がそれだけの実力者ということか。
「アーカード?」
「吸血鬼だよ」
沈黙。
唐突に発せられた単語に対し、ギンガの思考が停止する。
「………………………………は?」
ようやく間抜けな声で返事をすることができたのは、10秒以上の間が空いた後だった。
吸血鬼? バンパイア? ドラキュラ伯爵?
この人は一体何を言っているのだ?
「吸血鬼……ですか?」
恐る恐る尋ねてみる。
「そうだ。にんにくを嫌い、十字架を嫌い、太陽に目をそむけ、しかし人より遥かに強い力を持った、あの生き血を啜るモンスターだ」
聞き間違いじゃなかったらしい。
先ほどまでの警戒が嘘のように、がっくりと肩を落とす。
まさかこの人が、こんな冗談みたいなことを口走るとは思わなかった。
吸血鬼、というのは一体どういうことだ。そんな人外の化け物は、おとぎ話に出てくる空想の産物ではないのか。
「……普通アリなんですか、それ?」
「何を言う。私の世界は、お前の世界とは違う常識のもとに成り立つ世界なのだろうが」
そのインテグラの話を聞いて、ようやくギンガは思い出した。
ここには有り得ないことはないのだと。
それはプレシアだけではなく、参加者にも言えること。パラレルワールドの可能性に気付いた時点で考えるべきだった。
要するに、彼女の世界では全くの絵空事として扱われている吸血鬼の存在が、インテグラの世界では常識なのだ。
物騒な世界だな、と思いつつも、それをぐっと内心に押し留める。
こんなことならば、もっと色々な管理世界を回って視野を広めておけばよかったかもしれない。
「我々HELLSINGは、いわば化け物専門の掃除屋だ。化け物退治の鬼札(ジョーカー)が脆弱な人間では、話にならんだろう」
言われてみればそうかもしれない、とギンガは思う。
化け物というのは本来人間の手に負えないほどの存在だから、わざわざ化け物だと言われて怖れられているのだ。
科学力、軍事力、魔力、エトセトラ……ともかく、人間の力で対処できる人外など、そこらに住んでる熊や狼と変わらない。
であれば、化け物を退治するのに1番効率がいい方法は、化け物を引っ張り出してくることに決まっている。
問題はその化け物が「人の手に負えない」という前提の上に成り立つ存在であることだ。
ということは、彼女の率いるHELLSINGとは、その道理を捻じ曲げるだけの何かを成し遂げられるほどの組織ということか。
「しかし、この鬼札にも問題がある。闘争好きな奴のことだ……早々に合流せねば、好き勝手に参加者を殺して回りかねん」
「そんな危険人物なんですか?」
「そうとも。私の制止命令がない限りはな」
言いながら、インテグラは腰ポケットに右手を突っ込んだ。
取り出されたのは煙草の箱。さすがにこの程度のものは、プレシアも見逃していたようだ。
そこから1本取り出し、火もつけずに口に咥える。ライターもないのにそうする当たり、よほど喫煙習慣が身に染みているのだろう。
「殺していいのは我々に向かってくる奴だけだ。それ以外は私の意地にかけて、何としても死守する」
邪魔者を殺すのは仕方がないこと。
この人ならば言いかねないと、心のどこかで分かってはいたが、それでもギンガの胸はきりきりと痛んだ。
願わくば、誰1人として死なないうちにこのゲームを脱したい。
インテグラの言葉を聞いてもその思考が抜け切らないのは、やはり自分が甘いということなのだろうか。
「で、お前は何か目的はあるのか?」
表情を曇らせた様子にはまるでお構いなしに、インテグラがギンガへと問いかけた。
「あ、はい。えっと、個人的にですが……殺生丸という……その……妖怪を追っています」
我に返ったばかりで少々テンパりながらも、質問に答える。
そしてそれを聞いた瞬間、今度はインテグラが押し黙った。
おおよそこの女性には似合いそうもない、ぽかん、とした表情を浮かべて。
「……妖怪というと、あれか。悪魔の類か?」
「え? あ、はい」
「人心を惑わしたり、天変地異をもたらして、それが仕事とばかりに人間を苛めて回る、あれか?」
「多分……」
「……普通アリなのか、それは?」
アンタが言うのか、それを。
内心でツッコみつつも、先ほどの自分の思考を省みて、それは口には出さずにおく。
どうやら自分にとっては、妖怪が世界に存在することが当たり前になっていたらしい。
いつの間にやらそんなことになっていた思考パターンに、頭を痛めるギンガだった。
「……ともかくだ。優先して捜索すべきは、アーカードとその殺生丸の二名ということか」
インテグラが確認する。
「では、今から行動を開始するとしよう。そちらの都合もあるだろうが、アーカードは待ってはくれん」
言いながら、床に置いた自分のデイバックを持ち上げた。
ギンガもまた、無言で彼女の提案に了承する。
本当は危険な夜間はやりすごしたかったのだが、誰かと行動を共にする以上、ある程度は歩み寄らなければならない。
加えて彼女が捜すアーカードという人物が、闘争に愉悦を求めるような変態であるならばなおさらだ。
話で聞くだけでも分かる。そんな奴を野放しにしていては、何人の死者が出るか分かったものではない。
単に殺人を平気で行う人間と、それを趣味にまでする人間は、明らかに違う。
恐らくそのアーカードは、誰かを殺す快楽のためならば、自身の危険すらも二の次にして、相手を殺しにかかるのだろう。
戦闘趣味の人間など、大概が極端な思考を持った狂人だ。自分の身を守るくらいなら、どれだけ傷ついてでも相手を殺すに違いない。
その点が、危険な時には自らの安全を優先して分別を利かせるであろう殺生丸とは違っていた。
ならば行くしかない。
それがこのインテグラならば手なずけられるという確証があるなら、なおさらだ。
かつ、かつ、かつ、と、姿勢よく歩く彼女の後に続く。
「――ギンガ」
不意に、その足が止まった。
「はい?」
急に名前を呼んだ相手に、応じる。
それを聞いたインテグラは、首だけをギンガの方へと向け――笑った。
火も点いていない太い葉巻を口に咥え、あの不敵な笑顔をまたもギンガに向けた。
「あの女に教育してやろう。貴様らの管理局の……そして我々のHELLSINGの授業料が、いかに高額かをな」
明かりの落ちた薄暗い映画館の廊下に、靴音だけが響き渡る。
敷かれたレッドカーペットの上で揺れる紫の髪が、一種のコントラストを演出していた。
ギンガ・ナカジマは思案する。
ここに至るまでの、その経緯を。
(見たところ、身体は治っているみたいだけど……)
この狂ったデスゲームに至る直前の記憶は、自らの身体を焦がす灼熱の炎。
地上本部防衛戦の折、自分は3人の戦闘機人によって倒された。
エネルギー弾をぶつけられ、左腕をずたずたに引き裂かれ、全身に刺された爆弾を爆破された。
生きていることがまさに奇跡とも言える、瀕死の重傷だ。
にもかかわらず、いつの間にかバリアジャケットを解かれ、管理局員の制服姿に戻った自分の身体は健康そのもの。
その身に刻まれたダメージは、ことごとく回復させられていた。
あの女――執務官フェイトの亡き母にして、重大な事件犯罪者だと聞く、プレシア・テスタロッサ。
戦闘機人技術に関しては、専門外だったはずの彼女がこの治療を行ったということか。内心でそのスキルに軽く恐怖を覚える。
(そして……ここにある、名前)
手にした名簿を、今一度見直す。
スバル、ティアナ、エリオ、キャロ……フォワード部隊の仲間達。スバルはちょうど席が近かったこともあり、今更驚くことはなかった。
その他にもヴォルケンリッターや、隊長陣の名前もある。
問題なのはその隊長陣――なのは・フェイト・はやての名前が、それぞれに2人分ずつ明記されているということだ。
心当たりがないわけでもない。
この名簿には、クラウディア提督クロノ・ハラオウンの名前がある。24歳という、立派な成人男性だ。
そしてあの場で、自分のすぐ横で隣の少女に耳打ちをしていた、黒髪の少年。恐らく年齢はスバルよりいくらか下といったほどだろう。
面影があったのだ。あの少年には、確かに写真で見たクロノの面影があった。
であれば、少年は紛れもなくクロノ・ハラオウン本人。何らかの方法で、過去から最年少執務官時代のクロノを引っ張ってきた。
(繋がる)
強引な解釈だが、これなら全てが合致する。
この場にいる隊長達は、恐らくそれぞれが過去と現在から連れてこられた者達。
その頃のクロノが当たっていた、PT事件ないし闇の書事件当時の、まだまだ幼い3人娘。
特にPT事件の首謀者であったプレシアこそが、この殺し合いを催しているのだ。可能なことならば、おかしなことではなかった。
(この際……何が有り得ることで、何が有り得ないことかは、度外視しておいた方がいいのかもね)
これだけの人数を気取られることなく拉致し、自分の身体をあっさりと治し、時間移動さえも可能とする大魔導師。
何がたった1人の人間にこれほどまでの力を与えたのかは、推測することすらかなわない。
ただはっきりと分かるのは、プレシア・テスタロッサという人間は、既に自分達魔導師の常識の範疇を逸脱した存在であるということだ。
一体他に何をやらかそうと、もはや不思議でもなかった。
軽く、ため息をつく。
そして再び名簿へと視点を落とし、ある人物の名前をじっと見つめた。
(殺生丸さん……)
ギンガにとっては、思い入れの深い男の名だ。
4年前の空港火災の時、僅かな力しか持たずにいた自分を窮地から救い出した、恐らく次元漂流者の男。
そして過去の廃棄区画での戦闘と先ほどの地上本部戦で、管理局に牙を向いた、妖怪を自称する強者。
記憶の中で、ぱあっとあの美しい銀髪が広がる。彼のことは、未だに分からないことづくしだ。
どうして自分を助けてくれたような男が、犯罪者になど加担するのか。
それら全てをひっくるめて、一度ちゃんと話をして決着をつけねばならないと、常日頃から思い続けてきた。
そして彼もまた、今このゲームに巻き込まれて、この広い会場のどこかにいる。
(全てを聞くのなら……今しかない)
きっ、と。
緑の瞳が、彼女の決心を反映し、厳しい光を宿した。
とはいったものの、この暗闇の中でむやみやたらに動き回るのは危険すぎる。
ブリッツキャリバーもリボルバーナックルもない、本調子で戦えないようなこの状況では、夜の闇は十分すぎるハンデだ。
ひとまずはこの映画館で明るくなるのを待ち、そこから行動を開始しよう。
それまでの間身体を預ける場所を求め、ギンガは適当な劇場の扉を開けた。
「――誰だ?」
「っ!?」
突如として響き渡る、声。
見渡す限りずらりと並んだ入場客席の中、その中心に、誰かが背を向けて腰掛けている。
よく響くはっきりとした声だ。声音からして、恐らく女性だろう。
反射的にギンガは身構えていた。
この部屋の先客がいかなる人物か、今はまだ分からない。殺し合いに乗っていた人間だった場合、戦闘をも覚悟せねばならない。
悠然と、視線の向こうで声の主が立ち上がり、振り返った。
長いブロンドヘアーに、褐色のかかった肌。背筋のぴんとした体躯は、女性の割にはやや長身だ
射抜くような鋭い眼光。冷たく光る眼鏡と一分の隙もなく着込んだ黒いスーツが、一筋縄ではいかない厳格な雰囲気を漂わす。
その両手に、武器はない。ひとまず戦うつもりはないようだ。
戦闘にならないに越したことはない。自身も構えを解くと、戦意がないことを証明するため、自らの名を名乗る。
「時空管理局陸士108部隊所属捜査官、ギンガ・ナカジマ陸曹です」
「ほう」
それを聞いた女の眉が、丸眼鏡の向こうで微かに動いた。
どうやら管理局のことは知っているらしい。であれば、この女性は管理世界の人間であるということか。
その口元に不敵な笑みを浮かべながら、女もまた名を名乗った。
「英国国教騎士団『HELLSING』局長、サー・インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシングだ」
――英国(イギリス)?
今度はギンガが驚く番だった。
確かイギリスとは、自分達の先祖が暮らしていたという第97管理外世界・地球の国家の名のはずだ。
なのはやはやてはそこの出身だと聞いているが、現在はそれ以外にミッドチルダとの接点はほとんどない。
遥かな昔にその存在は忘れ去られ、今では2人の関係者以外には、魔法を知る者すらいないと言われている。
そんな地球の――それも日本以外の国の人間が、何故管理局の存在を知っているというのだ。
「何を驚いている? 八神はやて課長から聞いてはいないのか? お前の妹の身柄を引き取っている組織だぞ」
今度こそ目を丸くして、ギンガは驚愕した。
この女性は、あたかもそのHELLSINGという機関が、管理局に認知されているように語っている。
しかも、機動六課の長たるはやてと、その部下にして自分の実妹であるスバルの名前を出してきた。
前者はまだ、こちらを信用させるための虚偽とも取れるだろう。
しかし、後者の方は明らかにおかしい。はやてやスバルが管理局員であるということは、名簿には全く書かれていないのだから。
ついでに言うならば、スバルが妹であることを見抜いたのも同じことだ。
名字は一緒であるものの、それだけでは家族であること以上の関係は分からない。逆に姉かもしれないし、母や従姉妹かもしれないのだ。
これらのことから、ギンガは確信した。この女性は間違いなく、管理局と――特に機動六課と繋がりを持っている。
そもそもそれ以前に、目が嘘をついていない。現役捜査官として活躍する彼女だ。それくらいは分かる。
しかしここで、新たな問題が浮上してきた。スバルの所属の件だ。
インテグラル卿と名乗ったこの女の話では、彼女は地球のHELLSINGに移籍しているという。
当然、そんなことは有り得ない。スバルは意識を失う数時間前まで、間違いなく自分と行動を共にしていた。六課の構成員として。
ならばこの認識のずれは一体なんだ。どうやって説明をつける。
それぞれが同じ世界を認識していながら、たった1人の人間に、明らかに異なる認識を持っている。
これは一体――
(――!)
ふと、ひらめいた。
そういうことか。
これならば納得がいく。彼女の知る管理局がHELLSINGという未知の組織と繋がっていることも、スバルの認識のずれも。
クロノやもう1人のなのは達は、歴史を同じくして時間の異なる世界から連れられてきた。
これはその逆だ。
お互いが、「時間を同じくして歴史の異なる世界」から連れられてきたのだ。
「分かりません……多分、私は貴方の知るミッドチルダとは、別のミッドチルダから来た人間だと思いますから」
要するにパラレルワールドだ、と。
ギンガは言った。
「……成る程」
意外にもあっさりとインテグラは信用する。ギンガと同じように、嘘をついていないことを看破していたのだろう。
並行世界。
大まかな形はコピーをしたように同じでありながら、起こった出来事や人間関係が異なっている世界。
ありえたかもしれない可能性を体現した、「IF」が現実として存在を持った世界。それが一般的な捉えられ方だ。
恐らく「インテグラのいる地球」もまた、「スバルの離れたミッドチルダ」同様、ギンガの知る世界とは別物なのだろう。
そう、ここでは有り得ないことなどない。先ほどギンガ自身が、そう定義づけたばかりだった。
ひとまずその問題に決着をつけたギンガは、質問をもう一段階先へと進めることにした。
「インテグラル卿……貴方はこのデスゲームとやらで、どのように行動されるおつもりですか?」
まずはそれを確かめねばならなかった。彼女に対し、どのような反応を取るかを決めるためにも。
もちろん、ギンガの立場は決まっている。この殺し合いを止め、プレシア・テスタロッサを逮捕することだ。
相手もまた同じようにこのゲームに乗っていなかった場合は、協力関係を結ぶことも可能だろう。
だが、その逆――相手が殺す気満々だった場合、インテグラを何としても止めなければならない。
不敵に笑う彼女の様子からは、その心情はまるで読み取れなかった。
「簡単なことだ。あの女が用意したゲームをぶち壊す。この私がこのような立場に置かれたなどと、はなはだ不愉快極まる」
どうやらひとまずも、この女は前者側の人間だったらしい。
いらぬ戦闘を避けられたことに、内心で胸を撫で下ろした。
「そして少なからずとも、お前も私と共通した意見を持っているようだな」
そして次の瞬間、身体をびくりと硬直させた。
驚くギンガの視界の中では、相変わらずインテグラが笑っている。
今までのこの短いやりとりで見抜かれた。できうる限りの警戒をしていたというのに。
どうやらこの女は――インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシングは、相当な切れ者のようだ。
「魔導師ならば、そこそこに腕は立つのだろう? ならば――」
「もちろんです」
同盟関係はすぐに形成された。
体格からして、それほど抜きん出た戦闘能力を持っているわけではないらしい。
すなわち、インテグラは自身のボディーガードを欲している。
そしてギンガにとってもまた、想定される彼女の器量は魅力的だった。
利害関係は一致だ。
「具体的なプランは?」
ギンガが問いかける。
この優れた器量と根性を兼ねそろえた鉄のごとき女ならば、既に何らかの方針を練っていてもおかしくない。
そう思って確認したのだ。
「アーカードを捜索し、合流する。私と同じくこのゲームに放り込まれた、我がHELLSINGの最大戦力だ」
インテグラが答えた。思ったよりも単純な答えだったのは、その人物がそれだけの実力者ということか。
「アーカード?」
「吸血鬼だよ」
沈黙。
唐突に発せられた単語に対し、ギンガの思考が停止する。
「………………………………は?」
ようやく間抜けな声で返事をすることができたのは、10秒以上の間が空いた後だった。
吸血鬼? バンパイア? ドラキュラ伯爵?
この人は一体何を言っているのだ?
「吸血鬼……ですか?」
恐る恐る尋ねてみる。
「そうだ。にんにくを嫌い、十字架を嫌い、太陽に目をそむけ、しかし人より遥かに強い力を持った、あの生き血を啜るモンスターだ」
聞き間違いじゃなかったらしい。
先ほどまでの警戒が嘘のように、がっくりと肩を落とす。
まさかこの人が、こんな冗談みたいなことを口走るとは思わなかった。
吸血鬼、というのは一体どういうことだ。そんな人外の化け物は、おとぎ話に出てくる空想の産物ではないのか。
「……普通アリなんですか、それ?」
「何を言う。私の世界は、お前の世界とは違う常識のもとに成り立つ世界なのだろうが」
そのインテグラの話を聞いて、ようやくギンガは思い出した。
ここには有り得ないことはないのだと。
それはプレシアだけではなく、参加者にも言えること。パラレルワールドの可能性に気付いた時点で考えるべきだった。
要するに、彼女の世界では全くの絵空事として扱われている吸血鬼の存在が、インテグラの世界では常識なのだ。
物騒な世界だな、と思いつつも、それをぐっと内心に押し留める。
こんなことならば、もっと色々な管理世界を回って視野を広めておけばよかったかもしれない。
「我々HELLSINGは、いわば化け物専門の掃除屋だ。化け物退治の鬼札(ジョーカー)が脆弱な人間では、話にならんだろう」
言われてみればそうかもしれない、とギンガは思う。
化け物というのは本来人間の手に負えないほどの存在だから、わざわざ化け物だと言われて怖れられているのだ。
科学力、軍事力、魔力、エトセトラ……ともかく、人間の力で対処できる人外など、そこらに住んでる熊や狼と変わらない。
であれば、化け物を退治するのに1番効率がいい方法は、化け物を引っ張り出してくることに決まっている。
問題はその化け物が「人の手に負えない」という前提の上に成り立つ存在であることだ。
ということは、彼女の率いるHELLSINGとは、その道理を捻じ曲げるだけの何かを成し遂げられるほどの組織ということか。
「しかし、この鬼札にも問題がある。闘争好きな奴のことだ……早々に合流せねば、好き勝手に参加者を殺して回りかねん」
「そんな危険人物なんですか?」
「そうとも。私の制止命令がない限りはな」
言いながら、インテグラは腰ポケットに右手を突っ込んだ。
取り出されたのは煙草の箱。さすがにこの程度のものは、プレシアも見逃していたようだ。
そこから1本取り出し、火もつけずに口に咥える。ライターもないのにそうする当たり、よほど喫煙習慣が身に染みているのだろう。
「殺していいのは我々に向かってくる奴だけだ。それ以外は私の意地にかけて、何としても死守する」
邪魔者を殺すのは仕方がないこと。
この人ならば言いかねないと、心のどこかで分かってはいたが、それでもギンガの胸はきりきりと痛んだ。
願わくば、誰1人として死なないうちにこのゲームを脱したい。
インテグラの言葉を聞いてもその思考が抜け切らないのは、やはり自分が甘いということなのだろうか。
「で、お前は何か目的はあるのか?」
表情を曇らせた様子にはまるでお構いなしに、インテグラがギンガへと問いかけた。
「あ、はい。えっと、個人的にですが……殺生丸という……その……妖怪を追っています」
我に返ったばかりで少々テンパりながらも、質問に答える。
そしてそれを聞いた瞬間、今度はインテグラが押し黙った。
おおよそこの女性には似合いそうもない、ぽかん、とした表情を浮かべて。
「……妖怪というと、あれか。悪魔の類か?」
「え? あ、はい」
「人心を惑わしたり、天変地異をもたらして、それが仕事とばかりに人間を苛めて回る、あれか?」
「多分……」
「……普通アリなのか、それは?」
アンタが言うのか、それを。
内心でツッコみつつも、先ほどの自分の思考を省みて、それは口には出さずにおく。
どうやら自分にとっては、妖怪が世界に存在することが当たり前になっていたらしい。
いつの間にやらそんなことになっていた思考パターンに、頭を痛めるギンガだった。
「……ともかくだ。優先して捜索すべきは、アーカードとその殺生丸の二名ということか」
インテグラが確認する。
「では、今から行動を開始するとしよう。そちらの都合もあるだろうが、アーカードは待ってはくれん」
言いながら、床に置いた自分のデイバックを持ち上げた。
ギンガもまた、無言で彼女の提案に了承する。
本当は危険な夜間はやりすごしたかったのだが、誰かと行動を共にする以上、ある程度は歩み寄らなければならない。
加えて彼女が捜すアーカードという人物が、闘争に愉悦を求めるような変態であるならばなおさらだ。
話で聞くだけでも分かる。そんな奴を野放しにしていては、何人の死者が出るか分かったものではない。
単に殺人を平気で行う人間と、それを趣味にまでする人間は、明らかに違う。
恐らくそのアーカードは、誰かを殺す快楽のためならば、自身の危険すらも二の次にして、相手を殺しにかかるのだろう。
戦闘趣味の人間など、大概が極端な思考を持った狂人だ。自分の身を守るくらいなら、どれだけ傷ついてでも相手を殺すに違いない。
その点が、危険な時には自らの安全を優先して分別を利かせるであろう殺生丸とは違っていた。
ならば行くしかない。
それがこのインテグラならば手なずけられるという確証があるなら、なおさらだ。
かつ、かつ、かつ、と、姿勢よく歩く彼女の後に続く。
「――ギンガ」
不意に、その足が止まった。
「はい?」
急に名前を呼んだ相手に、応じる。
それを聞いたインテグラは、首だけをギンガの方へと向け――笑った。
火も点いていない太い葉巻を口に咥え、あの不敵な笑顔をまたもギンガに向けた。
「あの女に教育してやろう。貴様らの管理局の……そして我々のHELLSINGの授業料が、いかに高額かをな」
【1日目 現時刻AM00:21】
【現在地 G-8 映画館】
【ギンガ・ナカジマ@魔法妖怪リリカル殺生丸】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済)
【思考】
基本 この殺し合いを止め、プレシアを逮捕する
1.アーカードを捜索する
2.殺生丸とは今度こそ話をつけたい
3.できることなら誰も殺したくはない
4.可能ならば、六課の仲間達(特にスバル)とも合流したい
【備考】
・なのは(A's)、フェイト(A's)、はやて(A's)、クロノの4人が、過去から来たことに気付きました。
・一部の参加者はパラレルワールドから来た人間であることに気付きました。
・「このバトルロワイアルにおいて有り得ないことは何一つない」という持論を持ちました。
【ギンガ・ナカジマ@魔法妖怪リリカル殺生丸】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済)
【思考】
基本 この殺し合いを止め、プレシアを逮捕する
1.アーカードを捜索する
2.殺生丸とは今度こそ話をつけたい
3.できることなら誰も殺したくはない
4.可能ならば、六課の仲間達(特にスバル)とも合流したい
【備考】
・なのは(A's)、フェイト(A's)、はやて(A's)、クロノの4人が、過去から来たことに気付きました。
・一部の参加者はパラレルワールドから来た人間であることに気付きました。
・「このバトルロワイアルにおいて有り得ないことは何一つない」という持論を持ちました。
【インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシング@NANOSING】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済)、葉巻のケース
【思考】
基本 この殺し合いを止め、プレシアを叩きのめす
1.アーカードと合流し、指揮下に置く
2.その後は殺生丸の捜索に向かう
3.できることなら犠牲は最小限に留めたいが、向かってくる敵は殺す
4.ギンガ・ナカジマ……なかなかに頭はいい方のようだな
【備考】
・同行しているギンガが、自分の知るミッドチルダに住む人間ではないことを把握しました。
・一部の参加者はパラレルワールドから来た人間であることを把握しました。
・葉巻のケースは元々持ち歩いていたもので、没収漏れとなったようです。
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済)、葉巻のケース
【思考】
基本 この殺し合いを止め、プレシアを叩きのめす
1.アーカードと合流し、指揮下に置く
2.その後は殺生丸の捜索に向かう
3.できることなら犠牲は最小限に留めたいが、向かってくる敵は殺す
4.ギンガ・ナカジマ……なかなかに頭はいい方のようだな
【備考】
・同行しているギンガが、自分の知るミッドチルダに住む人間ではないことを把握しました。
・一部の参加者はパラレルワールドから来た人間であることを把握しました。
・葉巻のケースは元々持ち歩いていたもので、没収漏れとなったようです。
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