修学旅行の龍宮さん。一日目
私たち3Aは、修学旅行で京都へ行く事になってた。
そのせいか、同室のクラスメートである刹那は近衛のとこのお嬢様の護衛にいつもより気を引き締めていた。
今回の旅行では、確か刹那やクー、楓と班が違うんだったな。
たしか、『運動部仲良し4人組』とかいうおめでたい連中とだったな。
(まぁ、こっそり抜け出して、あいつらのいないトコで暇をつぶすか。)
修学旅行の前日、そんな事を考えていた。
修学旅行当日。
「やっぱ龍宮さんって、身長も胸もおっきいよね~。」
感心したように、佐々木まきえが私を見上げる。
「まきえ、落ち着くにゃ。成長差は人それぞれだとおもうよ?」
「…多分まきえも、それくらい成長すると思うけどね?私は。」
それを聞いてまきえはぶーたれる。
「ゆーなもアキラも良いほうじゃん…。スタイルも頭もさ…。」
「まぁまぁまきえ。気持ちは分かるけど、それくらいにしとき、な?」
…本当に、おめでたい奴らだな。
とてもこいつらにはついていけるか不安になる。
電車の中。
いきなり大量のカエルが出てきた。
「かかかかカエルぅぅぅぅ!!!!!」
楓がかなり怯えていた。
私は誰にも気づかれないよう、楓の周りにいるカエルだけモデルガンで撃った。
これでどのカエルも楓に近づかないだろう。
そしていつの間にか刹那がいなくなっていた。
もう護衛に取り掛かったトコだろうか。
清水寺で、何やらアルコール臭がしている。
運動部組はアキラを除き、全員酒の滝に手を出してしまった。
いろんな意味で呆れてしまう。…事前にしっかり確認してから飲むべきだと私は考える。
すると、いつも寡黙な大河内が私に話しかけてきた。
「…ねぇ、龍宮さん…。」
「なんだ?」
「手伝ってくれない?」
「?」
なにを、だろうか。
「ふ~、これでいいか?」
「十分だよ。ありがとう龍宮さん。」
私と大河内は、酔いつぶれた明石、和泉、佐々木を旅館まで運び、さっさと寝かせた。
私は1人運んだのに対し、大河内は軽々と2人担いで運んでいた。
(…すごい腕力だな。たしか水泳部だったな。)
すやすやと気持ちよさそうに寝ている3人、それを見つめる優しい彼女。
まぁ、たまにはこんな騒がしい奴らに付き合うのも悪くないな、と思ったその時、
「…龍宮さん、あの…。」
「?どうかしたか。」
なぜか大河内は少し申し訳なさそうに、
「ごめんね…。」
…謝ってきた。
「龍宮さんもお寺、回りたかったんだろうと思うんだ…。なのに、こんなことに巻き込んでしまって…。」
「大河内が謝る必要はない。私の意志で手伝ったんだ。それに…今からでも遅くはないだろう。…いくぞ。お前は私に付き合う義務があるぞ。」
「えっ?ちょっと待って龍宮さん!置いてかないで…。」
あわてて追いかけるアキラの手を取り、真名は清水寺へ向かった。
(…楓も一緒だったらよかったな…)
2人で清水寺を回って、閉館時間になるとさっさと旅館に戻る。
なかなか楽しい時間を過ごした。
そして、部屋に戻ると、やっぱり3人は寝ていた。
大浴場に2人で行って、かなりどうでもいい話をしたり、お互いについて話したりした。
(まぁ、流石に前のパートナーのコトとかスナイパーのコトとかは言わなかったが)
部屋に戻ろうとすると、外で何やら騒がしい事に察する。
なるべく知らないふりをし、アキラをさっさと部屋に入れる。
「龍宮さんのこと、私ちょっと誤解してたよ。」
寝る直前、いきなりアキラが話し出した。
「ぱっと見て怖い人だな、と思ってたけど、そんなことないんだね。」
「…そうか?」
「うん。実は、とっても、優しい人だったんだね…。」
「……。」
「変な事言い出してゴメンネ。おやすみ、龍宮さん…。」
しばらくすると、アキラの寝息が聞こえてきた。
すこしアキラを見つめた後、真名はふぅ、とため息を漏らし、
「やさしい、か…」
そんなことを、つぶやいていた。
最終更新:2009年05月05日 14:23