猫耳少女と召使の物語@wiki保管庫(戎)内検索 / 「万獣の詩外伝01」で検索した結果

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  • 万獣の詩外伝05
    万獣の詩外伝 MONOGURUI 005     ━━ Take.1 純真なだけなんです ━━    猫井テレビは犬国支社、特派取材部の某班に、  ネタ抜きで普段からござる言葉を使う奇怪な少女がいたそうな。     「ティルちゃん、そう言えばどうしてそんな変な言葉遣いするですか?」 「え?」  書類にペンを走らせる手を止め、傍らを行くお茶汲みレディを呼び止めたのは、  就業中とは思えないカジュアルで露出の多い格好をしたナンパトリ野郎。  自分だって相当変な言葉遣いなのを差し置いての不用意な言い草であったが、  しかし装いがおよそ正社員らしからぬ不埒な格好をしてるのは、  背中の羽根のせいでまともな服が着れないからである。  無作法お許しあれ。 「……ふふん、鳳也君、よくぞ聞いてくれたでござるな!」  対して、えっへんと胸を張るのはだぼだぼの作業服に身を包んだ女の子。  小耳な垂れ耳も愛らし...
  • 万獣の詩外伝01
    万獣の詩外伝  MONOGURUI 001      兎国アトシャーマがネコ以上に魔道に優れての魔法大国の名を貰いながら、  ネコやイヌと比べて遥かにその名や姿を他国で見かけないのは、  大国の様態にあるまじき色狂いぶりと引き篭もりぶりを咎められての事である。    世に出回るウサギの淫乱伝説は数多く、  「出会って即押し倒した」とか「種族レベルでホモレズアナルが当たり前」等あるが、  それらは全て噂や俗説であり、事実である事を証明できない。    信憑すべき記録も少なからずあるが、いずれも一般庶民の手に入るものではない。  扇の要たる猫国とその隣接国ならいざ知らず、  ヒトの世界に比べて移動手段に乏しく、観光旅行が未だ危険極まるこの世界において、  扇の最北端、街道の終点に位置するアトシャーマがかように世より隔絶されるは、  なるべくしての当然の結果であったと言えよう。        ―...
  • 万獣の詩外伝08
    万獣の詩外伝 MONOGURUI 008     ━━ Take.4 か弱い一般人なんです ━━    キャロ副主任がテーブルを担ぎ上げた。  猫井社員の必勝系である。  キャロ副主任がバス停を担いだ。  猫井社員の必勝系で(ry  キャロ副主任が道路標識を引っこ抜いた。  猫井社員の必(ry  キャロ副主任が雨どいの排水管を引っぺがして鉄パイプを手に取った。  猫(ry   「……いつも思うんですけど、俺らよく今日まで死なずに生きて来られましたねー」 「本当だよね……」    最強の民間人達が、今解き放たれる!  真剣勝負を制するのは、体格でも、剣技でも、魔術でもない!   「ッククク、ははははは、職業傭兵? 職業剣士? ひゃっはははははははは!!」 「なっ、何がおかし―― 「猫井(サラリーマン)なめんなよ傭兵共ッ! 猫井社員の毎日は戦いの毎日だ! 朝8時に家出て家帰るのは夜1時、満員路...
  • 万獣の詩外伝07
    万獣の詩外伝 MONOGURUI 007     ━━ Take.3 素直じゃないんです ━━    ネコは守銭奴の拝金主義者で、血も涙もないサディストなのだという。  身勝手で空気を読まない、協調の「き」の字も知らない個人主義者なのだという。   「会社はね、仲良しごっこする所じゃないのよ、ティルちゃん」  そう、ネコである彼女の先輩は説法する。 「それを『友達』とか『仲間』とか、バッカみたい。…あくまで仕事の『同僚』でしょ?」  知性の輝きを湛えた瞳でもって、さも当然の事とばかりに。 「協力した方が都合がいいから、利害関係が一致してるから協力するんであって、 それをラスキみたいに忠誠とかまで行っちゃうのは、はっきり言って、…ねぇ?」  ネコは『忠誠』なんか誓わない。誰にも『服従』なんてしないし、『屈服』もしない。  彼女の魂は彼女だけのもの。彼女の世界は彼女だけのもの。  彼女の財産も...
  • 万獣の詩
    万獣の詩 最終更新日 : 2009年03月31日22時34分26秒 【作者】 : ◆USA.8LoleA 【舞台】 : 大陸極北、ウサギの国アトシャーマ 【作風】 : ほのぼの えろえろ ノリノリ 【注意】 : ヒトが登場しない。百合&801表現多め。 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= -- 本編『猫井社員北へ往く』 -- 01話a ウサギ夫婦(801&百合&複数プレイ) 75kb 01話b 非エロ「アトシャーマの夕闇」 38kb 02話a 非エロ「猫井テレビ第四特派取材班」 67kb 02話b キャロ副主任単品(一部百合) 73kb 03話 非エロ「突撃ウサギの晩御飯」 80kb 04話 キャロ&レティ×ヒース 73kb 05話 非エロ「ネコVSヘビ、ヘビVSイヌ」 86kb -- 外伝『...
  • 万獣の詩外伝03
    万獣の詩外伝 MONOGURUI 003     「ラスキ、ラスキ。ラスキはおるか」  うららかな陽光の中、その日も『局長』はぽふぽふと両手を叩いた。  時節は四月。  気温もぬくめいてきて、王都の街路も雪残り僅かになり始めた時分である。  そんな雪融けの最中にあって、彼女は同様の所作何度か繰り返すと、  やがて傍にあった小筒を手に取り「ぴすー」と息を吹き込む。    ――こは犬笛と申すべきもの。   「ラスキエルト、ここに推参」  ほどなく音を立てずも足早に、一匹のイヌが局長室の床へと片膝をついた。  半折れの耳に、毛質の柔らかくも豊かな長毛、  にも関わらずキッチリと着込んだ背広が、暑苦しくも折り目正しい印象を周囲に与える。  細く突き出た顎に優しげな瞳は、どこか女性的な優美さと気品を感じさせ、  なれどその中身もまた決してそのような外見を裏切るものではない。  ……事実イヌの耳には黒...
  • 万獣の詩外伝02
    万獣の詩外伝  MONOGURUI 002     □ 猫♂(赤猫) チーフカメラマン    Age:63(640)  Height:170cm  Weight:75kg Eye.C:gold Fur.C:vermilion red □ 鷹♂(白鷹) カメラマン    Age:35(160)  Height:190cm  Weight:85kg Eye.C:black Feather.C:white      猫井の子らにも休日はある。 「ヘイ彼女!」 「お茶しませんかー?」  イヌの国ル・ガルはその王都、ソティス。  ラフな出で立ちで夏の繁華街に立つのは、己のリビドーに正直な二名の男。  わざわざ二人徒党を組み、なるべく相手も二人連れを選んで声を掛けるのは、  多対多を装いハント対象の警戒感を少しでも解きほぐす為。  1on1ではなく、2on2ないし3on3の状況下を作り出す事は、ナンパ...
  • 万獣の詩外伝09
    万獣の詩外伝 MONOGURUI 009     ━━━━    アシスタントディレクターというのは、言ってしまえば雑用全般の何でも屋であるが。 「…………」  大陸最北端に位置するアトシャーマは、年中を荒れ狂う猛吹雪に包まれた極寒都市、 「……Zzz...」  自然三脚を肩に担いだヘビ少年の表情の中には、曖昧があった。    狼国以北、北上によって低下した年平均気温の度数おびただしく、  それによって生じた少年の体温低下、実に平時の平均と比べて引くことの12余℃。  白夜も終わりを告げる秋の初め、雪と氷に閉ざされたこの地において、  少年の体内ではすでに冬眠モード発令警報がひっきりなしに鳴り響いている状態であり、  到底サカナやヘビといった変温種族が暮らせる環境にはなかった。  ブリザドに弱きは、爬虫類の定め。    ずるっ  “べちゃん” がしゃあん 「?!!?」    こけた。   ...
  • 万獣の詩外伝06
    万獣の詩外伝 MONOGURUI 006     ━━ Take.2 勝つのが好きなんです ━━   ―― 本編アトシャーマ取材より一年半前 ―― 犬国王都、猫井テレビ斜め向かい大衆食堂    インターネットなんてものもなく、電話やテレビも一部都市域にしか普及していない。  新聞や広告さえ少し田舎に分け入れば伝達されないような、  現代日本と比べて遥かに情報伝達や運輸輸送の面で劣った世界である。  自然大きな都市部ではシーズンを問わず、  一年中仕事を求め地方から出てきた職探しの人間達によりごった返す事になり、  求人や新規採用の張り紙が街角に絶える事はなかった。    もっとも、それでも通常の商会や工房のような『手堅い職』につこうと思ったならば、  江戸時代の日本や中世ヨーロッパの徒弟制度に見られたよう、  地元の有力者による斡旋などを筆頭とした人脈やコネが大事だった時代でもある。  何...
  • 万獣の詩外伝04
    万獣の詩外伝 MONOGURUI 004      また呼び出された。 「実はラスキ、今日は是非ともお前に頼みたい取材があるのにゃ」  ――今日は一体なんだろう。  ――肩揉み? お茶汲み? 手の届かない上の棚の荷物を取ってくれ?  ――それとも斜向かいの商店までヤキソバパンを買いに?    ……内心暗澹とした表情でそんな事を考えてたラスキの表情が、  その言葉と同時に晴れやかなものへと変わり、千切れんばかりに尾も動きだす。   「お仕事でございまするか!」 「うむ、お仕事にゃ」    ヒトの世界においての『コリー』と呼ばれるある種の犬は、主に牧羊犬と呼ばれ。  古来より先祖が毎日草原で羊を追い回していた影響であろうか、  気性穏やかで躾もしやすい、大型犬ながらに室内犬に適した犬なのを差し引いても、  その莫大な必要運動量、毎日の散歩の大変さがネックの一つであり。 「して、目的地は!? 虎...
  • 万獣の詩01b
    万獣の詩 ~猫井社員、北へ往く~ 第1話(後編)     =― 1-7 the bell of closing time 5th day PM5 00 ─────────────=      ――――ラーー……ン……    ――――ローー……ン……              ――――ラーー……ン……    ――――ローー……ン……      ふと、鈍い、鈍い重低音が聞こえてくる。    この街に来た最初の日こそ正体不明で違和感の対象だったけど、  もう滞在五日目となれば、いい加減馴染みも深いもの。      ――――ラーー……ン……    ――――ローー……ン……              ――――ラーー……ン……    ――――ローー……ン……      兎の王城の敷地内、大聖堂の鐘楼にて鳴らされる、国で一番大きな鐘の金属音。  鐘のくせに「カンコン」とか「カラーンコローン」...
  • 万獣の詩03
    万獣の詩 ~猫井社員、北へ往く~ 第3話     =─<Chapter.3 『AMBROSIA』 in >───────────────────────=      ホテルアリアンロッドは格調高いホテルである。  敷き詰められた緋色の絨毯、ウォールナッツ材で統一された数々の調度品。  気品のあるカーテンに覆われた窓枠には細やかな細工彫刻が施され、  多数配置された魔洸燈は夜でもホテル内を明るく照らす。  大きな部屋に配されるのは、多数のロウソクを伴っての豪華絢爛なシャンデリア。    それはネコのイヌの王都のホテルを除けば、まず間違いなく大陸でも有数の様相。  安宿に泊まる毎日の傭兵が訪れたなら逆に居心地を悪くするような、  文句なしにの高級ホテルだったのだが……     「……なあ」 「はい、なんでございましょう」  赤毛ネコの青年の素朴な疑問に、ウサギのホテルマンが応対する。 「なんで...
  • 獅子国伝奇
    獅子国伝奇 最終更新日 : 2011年01月22日02時42分08秒 【作者】 : カモシカ担当 【舞台】 : 大陸南西部、獅子国北部の街リンケイ、コウゼン道場 【作風】 : 中華風 ほのぼの えろえろ らぶらぶ でれでれ 燃え戦闘 【注意】 : 獣人♂の性描写。一部に鬼畜描写。 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= -- 本編(完結?) -- 原本 フェイレン×ミコト 32kb -- 外伝 -- 外伝01 キョータ×ファリィ 19kb 外伝02 キョータ×ファリィ 5kb 外伝03 キョータ×ファリィ 10kb 外伝04 キョータ×ファリィ 12kb 外伝05 キョータ×ミコト 27kb 外伝06 キョータ×ファリィ 13kb 外伝07a キョータ×ファリィ 29kb 外伝07b 猫♂×ミコト...
  • 木登りと朱いピューマ
    木登りと朱いピューマ (※完結?) 最終更新日 : 2009年03月31日22時30分09秒 【作者】 : ピューマ担当 【舞台】 : 大陸極西、キンサンティンスーユ、その中央部、幼子の館エルクェ・ワシ 【作風】 : インカ風 [ほのぼの→どろどろ→えろえろ→らぶらぶ] でれでれ 【注意】 : なし =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= 01~03 非エロ「落下」 22kb 04話 非エロ「キンサンティンスーユ」 18kb 05話 非エロ「浮幽の経緯」 23kb 06話 非エロ「謁見前のトラブル」 24kb 07話 非エロ「皇后への謁見」 26kb 08話 シュナ×フユキ 28kb 09話 フユキ×シュナ 34kb 10話 フユキ×シュナ 11kb 11話 非エロ「大団円」 30kb -- 外伝...
  • 万獣の詩01a
    万獣の詩 ~猫井社員北へ往く~ 第1話(前編)     =─<Chapter 1『C.E.S.』in>───────────────────────‐=      音封石への魔力注入を一旦切る。  …この先を求めてインタビューを続けるべきか、一瞬迷ったからだ。  確かに僕はジャーナリストだけど、それでも他人の、  それも一個人が密かに胸の内に秘めた秘密や過去の過ちを暴き立てて喜ぶほど  性根の卑しいイヌではないと自覚しているつもりだった。  でも――   「あの……」 「あらあら、構いませんわ」 「そうそう、僕達の事をよく分かってもらう為のインタビューなんだしね」  ――当の本人達にニコニコと笑って許可を出されては、  人々に真実を伝えるジャーナリストとして、もう目を逸らす事は僕にはできない。    音封石への魔力注入を再開しながら、意を決して核心をつく質問を放ち、 「ではその、奥さんが今...
  • 万獣の詩04
    万獣の詩 ~猫井社員、北へ往く~ 第4話     =─<Chapter.4 『AQUA VITAE』 in >──────────────────────=      ――9 00~15 00、清掃中につき入浴不可――  これは分かる。    左方に掛かった青い「男」ののれん、右方に掛かった赤い「女」ののれん。  これも分かる。    問題は。    赤と青ののれんの挟まれた中央、「混」を表する紫ののれん。     「今日こそ皆でここに入ろうぜー ――でっ!?」  言った傍から間髪入れず、ネコの副主任が後頭部をはたく。 「たっ!?」  呆れた顔をしたイヌの主任がポカリとやる。 「どぉあっ!」  あまり深くは考えずにオオカミの大男が背中をどつく。 「あでぺっ!?」  タカの青年、なんとなくノリで側頭部をばちこん。 「にゃっ」  カモシカの女騎士、なんとなく面白そうだったという理由で眉間にチョ...
  • 万獣の詩05
    万獣の詩 ~猫井社員、北へ往く~ 第5話     =─<Chapter.5 『PNEUMA』 in >────────────────────────=     「ったく、なんか風呂に入る前より疲れたぜ」  部屋に戻るや否や、ごろりとベットに寝っ転がって男が言う。  何の変哲も無い二人部屋。  唯一、他のメンバーの部屋と決定的に違う部分があったとしたら、 「やれやれ、女は怖いねえ」 「ふん、案外、肝が小さいのだな」  それはもう一人の同室者が異性であるという事か。   「まぁ疲れたというのなら、せいぜい早く寝る事だ」  ふわりと銀灰色の長髪をなびかせて、けれどそっけなく通り過ぎ、  寝台に腰掛けるわけでもなくカタンとドレッサーの前に座る。 「…お前はどうするんだよ」  と。  ぎしり、と巨体を起こして、男がベットの上から頭をもたげた。  鏡台の前に腰掛けて、髪でも梳かすのかと思いきや。 「...
  • 全キャラ一覧(種族)
    全キャラクター ―― 種族別一覧 世界観 前々から指摘されていたWikiの情報不足・活用されなさぶりを受け、 作者個人によるページではなく、読者が編集できるページとしてここを作成。 個別紹介のない作品、作るほどでもない一話完結の短編用に、 既出種族の確認、登場人物&情報の整理、資料&メモ帳用として使ってください。 2007年9月10日時点までに登場した種族は、 ヒト、ネコ、ヒョウ、トラ、ピューマ、ジャガー、オセロット、ライオン、ハイエナ、 イヌ、オオカミ、イヌとオオカミのハーフ、キツネ、ウサギ、ネズミ、リス、カモシカ、 ヤギ、イノシシ、ヒヒ、クマ、シロクマ、なんかクマっぽいの、ヘビ、ドラゴン、 サカナ、クロダイ、オニカサゴ、タコ、エビ、サメ、トリ、スズメバチ、カ、マイマイ、 歌鳥族、戦鳥族、タカ、ニワトリ、クジャク、ヒポグリフ、キメラ +α(動物とか精霊とか魔物とか)...
  • 万獣の詩02a
    万獣の詩 ~猫井社員、北へ往く~ 第2話(前編)     =─<Chapter 2 『Q.E.D.』in>───────────────────────‐=      ――【ホテル・アリアンロッド】。  アトシャーマという街の中でも比較的中央に所在を構えた、  ウサギの国でも数少ない外国人用の宿泊施設である。    ホテル名がやや安直な事この上ないように思えるかも知れないが、  これは経営管理しているのがアリアンロッド家の分家だからという  単純な事実に則して付けられたものであり、  経営者側にネームバリューを利用しようなどといった他意は存在していない。    ……というか、ここしかホテルがない。  旅館民宿その他を含め、この建物だけがこの国唯一の通常宿泊施設。    貴人公人のための迎賓館はあるようなのだが、  そういった所に泊まるのは各国の王家筋名家筋、または領主様ご一行といった、  ...
  • 万獣の詩断章01b
    万獣の詩 断章『セトの息子達』 第1話(後編)     =―<A-6 cowardly lion 14 years ago PM 7 17 >─────────────────=     「よう! イェスパー」 「ッ!」  ガチャリとドアを開けて入ってきたオレに対して、ビクリと身を竦めるヘビっ子。  …挨拶だなぁ、仮にも命の恩人に対して。 「調子はどうだ? ん?」  言いながらズカズカ寝台に歩み寄ると、途端に寝台の端に逃げようとしやがる。  なんだなんだ、オレが一体何したってんだ、ええコラ?    どっかりとダブルどころかトリプルくらいありそうな寝台の横に座ると、  観念したようにこのガキは身動きを止めて大人しくなった。  もう陽は沈んでの宵の内だけど、廊下や中庭の篝火の照り返しで室内は明るくて、  そいつに照らされてこいつの左頬のガーゼが痛々しい。  さすがにだいぶもう腫れは引い...
  • 万獣の詩02b
    万獣の詩 ~猫井社員、北へ往く~ 第2話(後編)     ━━≪ 1th day PM 3 17 ≫━━    銭湯や温泉、あるいは恋人同士とかならともかく、  たとえ同性とでも「赤の他人と二人っきりで入浴」だなんて体験無かったから。 『それでは次の部屋の脇に置いてある籠に脱いだ物を全て入れて、 その後に更に次の部屋に進んでください、そこが小浴場になっていますから』  緊張するべくして緊張したわね。    …? 何よ、そりゃ私は確かにネコで、今年で160にもなりますけどね。  それでも平凡な人生を送ってきた方だって自分でも自信持ってるんですからね。   『ポケットの中のお財布や小物、指輪ブローチといったアクセサリー類は、 よろしければ今この場で、こちらの貴重品入れにて先にお預かりします』  変に見栄を張って「副主任である私が一番最初に行くからね」なんて  言わなきゃ良かったと、そうポケット...
  • 万獣の詩断章01a
    万獣の詩 断章『セトの息子達』 第1話(前編)     =─< 断章『セトの息子達』(上) >────────────────────────=      失敗したと思った時には、もうなにもかもが終わっていた。  望みを叶えるはずの圧倒的な力は、望みに反してあらゆるものを壊してしまった。  敵も味方も。  ぼくが壊したかったものも、ぼくが守りたかったものも。  たった一度の過ちで。  たった一度の過ちだったのに。    力を持って生まれて来た事は天恵の勅詔だと、全てのそうでない人々は言う。  才を持って生まれて来た事は運命の祝葉だと、全てのそうでない人々は言う。  自分と違う存在に向けられる、賞賛と恐怖の眼差し。  選ばれた存在に向けられる、羨望と嫉妬の眼差し。    だけどぼくは神様じゃない。  脆く儚い人の器に、この力はあまりにも重すぎる。  ぼくは別に何かの義憤に駆られて人間を皆殺し...
  • 用語集
    用語集 世界観 共通基本設定まとめ 種族まとめ 国家まとめ 魔法まとめ に収まりきらない用語や語句なんかはここに。 実質作者の個人ページ扱いである作品別設定資料集とは逆に、 こっちはどうぞどんどん読者ことスレ住民の手で埋めてって。 世界観資料wikiを見ることができなくなったのでこちらに移動 作品別設定資料集 <あ> ■アフアの実 果実。ココナッツやヤシの実に似た、白い果肉の南国木の実。 ただし絞って出来るジュースは見た目・質感・匂い、全てまんま精液(味除く)。 媚薬効果があり、特にヒトには劇的な効果がある為原液を飲ませると大変な事に。  火蓮と悠希 ■アルケール タマネギぽい野菜  虹絹の乙女達 ■イサーニョ ジャガイモに似た食物。  木登りと朱いピューマ ■イサーニョの甘辛煮 ヒト世界の料理を真似たもの、イサーニョ...
  • scorpionfish
    scorpionfish 最終更新日 : 2009年03月31日22時29分25秒 【作者】 : scorpionfish 【舞台】 : 大陸南海、サカナの国とネコの国の中間点 【作風】 : えろえろ どろどろ らぶらぶ 【注意】 : 全体通してシーメール&TS。一部に獣人♂の性描写。 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= -- 『ファルムの庵』編 -- 01話 ファルム×シロ 12kb 02話 ラフィリ×シロ(TS) 9kb -- 『魔窟』編 -- 03話 ラフィリ&刻男×シロ(百合&複数プレイ) 49kb 04話 ファルム×シロ 5kb 05話 ラフィリ&刻男×リテアナ(TS&複数プレイ) 22kb 06話 ファルム×シロ 12kb 07話 非エロ「白の舞踏」 20kb -- 外伝『紅珊瑚の...
  • わたしのわるいひと
    わたしのわるいひと 最終更新日 : 2013年08月04日17時28分02秒 【作者】 :na 【舞台】 :イヌの国の北方の街 【作風】 : 【注意】 : =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= 01話  第一話 (エロ無し) kb 02話  第二話 (エロ無し) kb 03話  第三話 (エロ無し) kb 04話  第四話 (エロ無し) kb 05話  第五話 ヨー×ライカ kb 06話  第六話 ヨー×ライカ 6kb 07話  第七話 kb 08話  第八話 kb 09話  第九話 kb 10話  第十話 kb 11話  第十一話 kb 外伝01 外伝 わるいひとかぜをひくのまき 外伝02 外伝 わるいひとはなみ 外伝03 外伝 わるいひとがよっぱらってるだけ 【人物】 ヨー...
  • 医学とHの関係
    医学とHの関係 最終更新日 : 2009年03月31日22時34分54秒 【作者】 : 猫医院 【舞台】 : ネコの国の中堅交易都市、色町にある病院 【作風】 : ほのぼの えろえろ 患者のエロ告白・一話完結形式 【注意】 : 獣人♂×獣人♀メイン みさくら語 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= 01話 ヘビ夫婦♂×♀ 24kb -- 外伝 -- 外伝01 ニワトリ闘士♂×ネコ受付嬢♀ 43kb 小ネタ01 非エロ「銃器と鉛害」 4kb メイン登場人物 一行紹介私 … ヒト♂。携帯電話やノートパソコンを操るミケール医院の助手兼記録係。 ミケール … ネコ♂トトロ型三毛猫。「ヤらニャいか?」が口癖のミケール医院院長。 <あらすじ> 色町にあるミケール医院は、ネコ一人とヒト一匹で切り回さ...
  • 虎の威
    虎の威 最終更新日 : 2014年08月19日11時14分03秒 【作者】 : とらひと 【舞台】 : 大陸東部、トラの国の辺境領地 【作風】 : ほのぼの シリアス 【注意】 : 少し欝展開 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= 01話 非エロ「落下と遭遇」 12kb 02話 バラム×チヒロ(未遂) 15kb 03話 イシュ×チヒロ(やや百合) 22kb 04話 トラ♂ゴロツキ×チヒロ(陵辱未遂) 16kb 05話 非エロ「トラの強さ、ヒトの弱さ」 22kb 06話 非エロ「チヒロ、わりと大活躍するの巻」 40kb 07話 非エロ「日常、と見せかけて三角関係」 29kb 08話 チヒロ×アカブ 37kb 09話 非エロ「なんとなくほのぼの」 21kb 10話 アカブ×チヒロ 28kb 11話 ...
  • 夜明けのジャガー
    夜明けのジャガー 最終更新日 : 2009年03月31日22時30分25秒 【作者】 : ピューマ担当 【舞台】 : 大陸極西、キンサンティンスーユ、その南部、ピコン砦 【作風】 : インカ風 えろえろ 燃え戦闘 ダーク 硬派 【注意】 : 獣人♂の性描写。草刈衆関連で鬼畜描写しばしば。 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= 01話 非エロ「ピコン砦の決闘」 55kb 02話 非エロ「三人の出会い」 46kb 03話 キオ×パシャ 30kb 04話 キオ×パシャ 28kb 05話 非エロ「不穏の訪れ」 42kb 06話 非エロ「星の456期生の過去」(一部陵辱) 76kb 07話 非エロ「クク・ロカの悩み」 36kb -- 外伝『星達の詩』 -- 外伝01 チタラ×ティーエ 42kb メイン...
  • 火蓮と悠希
    火蓮と悠希 最終投下日 : 2004/08/21 【作者】 : へたれ猫 【舞台】 : 大陸中央部、ネコの国の地方部、とある村 【作風】 : ほのぼの えろえろ 【注意】 : ガチ百合(1話)。女装少年。ショタ。 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= 01話 火蓮×悠希(百合) 27kb 02話 悠希×莉琥 15kb 03話 悠希×空牙 11kb -- 外伝 -- 外伝01 七夕ネタ 非エロ 2kb メイン登場人物 一行紹介悠希 … ヒト♀10代? 貧乳に悩む普通の女の子。 火蓮 … ネコ♀お姉さん。レズっけがあり、可愛い女の子が大好き。巨乳。 蓮華 … ネコ♀旧家の奥様。火蓮の母で、マダラのショタを侍らすのが趣味。 莉琥 … ネコ(マダラ)女装少年。銀髪で実際女の子と間違うほど可愛い。 空...
  • 虎の威外伝01
    虎の威外伝 01  果たして、この世界にチョコレートは存在するのか。  存在したとして、それは手に入れられるようなものなのか。  それ以前に、猫科のトラがチョコレートを食べて無事ですむのだろうか。  否。それよりもまず、重要な大前提が存在する。  この世界に、バレンタインデーは存在しているのか――。 「チッヒロー! もうすぐバレンタインだね!」 「あ、あるんですね。普通に」  ここ数日の千宏の苦悩をコンマ数秒で吹き散らし、パルマが元気よく元気よく背中に飛びついてきた。  賑やかな市場の真ん中で、深く被ったフードを慌てて押さえて振り返る。  パルマやにやにやにまにまとだらしなく唇を緩め、ぐにぐにと千宏の頬を指先で突っついた。 「アカブがねーぇ。ここ最近おいしい卵とかめったに手に入らない濃厚ミルクとか爽やかな甘さのお砂糖とか集めてるんだよ。それでね、バラムもなんだか怪しい動きをしてるんだ。どう...
  • 虹絹の乙女達
    虹絹の乙女達 最終更新日 : 2009年03月31日22時34分06秒 【作者】 : 虹絹の人 【舞台】 : 大陸中央、ネコの国の地方部 【作風】 : ノリノリ えろえろ 【注意】 : 全体を通してロリ、百合、グロ、猟奇要素多め =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= -- 本編 虹絹の乙女達 -- 01話 カナ隊長(+アズキ)×ノア(百合&複数プレイ) 47kb 02話 カナ&ノア×アズキ(複数プレイ) カナ×ガルフィス 41kb 03話 カナ×ノア アズキ&ノア×アル (ふたなり&百合&複数プレイ) 82kb 04話 アズキ×ノア&アル(百合&複数プレイ) 26kb -- 虹絹の乙女達 外伝 -- 外伝01 非エロ「少し未来の風景」 8kb -- 別編 傭兵回想記~サムゾラノマチ~ -- 01...
  • 十六夜賛歌
    十六夜賛歌 最終投下日 : 2005/01/21 【作者】 : 兎の人 【舞台】 : 大陸極北、ウサギの国、都市国家アトシャーマ 【作風】 : ほのぼの えろえろ どろどろ らぶらぶ でれでれ 【注意】 : ガチ百合(4~6話) =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= 01話 非エロ「落下と邂逅」 7kb 02話 セラ×タクヤ 7kb 03話 セラ×タクヤ 黒兎×白兎 6kb 04話 ナナ&タクヤ×セラ(複数プレイ&百合) 14kb 05話 フェイ&タクヤ×アナ(複数プレイ&百合) 28kb 06話 フェイ×セラ(百合) 14kb -- 外伝 -- 外伝01 セニア×兎♂(ハードSM) 8kb メイン登場人物 一行紹介タクヤ … ヒト♂中学3年。セラ様に間違って?落とされてしまった少年。 セラ...
  • 火蓮と悠希外伝01
    火蓮と悠希 外伝1 七夕ネタ     「火蓮さん、こっちって日付ってどうなってるんですか?」 「ん?ひづけ?12ヶ月あって、毎月30日あるよ?なんで?」 ああ、こっちは自分のトコと日付感覚一緒なんだな、とホッと一安心。 昔みたいに”睦月”とか、そういう小難しい言い方だったら覚えられないもんね。 「じゃ、今日は何日ですか?こっち来てから日付の感覚なくてわかんないんですよー」 「今日はねー、7月7日だよ。そろそろ日差しも強くなってきたから帽子かぶんなきゃだね~っ」 しちがつ、なのか・・・・・・・・・・七夕様だ。 「あのね、火蓮さん」 言うと、火蓮さんに簡単にだけどアッチでの七夕様の事を話した。 「へぇ、面白い風習あったんだね~、悠希の住んでたトコ。こっちには、その”ササ”っての無いけど  おっきい木に”タンザク”付けてお祈りする?」 はい、と返事して2人で短冊を書き出す。 2人だけでやってるの...
  • 岩と森の国ものがたり
    岩と森の国ものがたり 最終更新日 : 2009年12月02日00時15分06秒 【作者】 : カモシカ担当 【舞台】 : 大陸西部、カモシカの国全域 【作風】 : インカ風 らぶらぶ でれでれ どろどろ 燃え戦闘 シビア 近代兵器有 【注意】 : 属性多様。虫、鬼畜、触手、愛憎劇が所々に。 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= -- グランダウス編(嵐の前の静けさ) -- 01話 リシェル×レーマ 17KB 02話 レーマ×アンシェル 21KB 03話 レーマ×アンシェル 21KB -- 白のピラミッド編(内乱勃発) -- 04話 「グランダウス脱出」 レーマ×リシェル レーマ×アルナ(虫) 50KB 05話 ナオト×女王様(触手&陵辱) レーマ&リシェル×アンシェル(複数プレイ) 33KB 0...
  • 獅子国伝奇外伝01
    獅子国伝奇外伝 第1話     「にひひ~」  ご主人様が、腕組みをして満足そうな笑顔を俺に向けている。 「ほんっと弱いなぁ、キョータは。そんなんじゃ、ボクの相手はつとまんないよ」  その……ライオンと素手で戦って勝てというほうが無理です、ご主人様。 「ん~? あ、もしかして……」  ご主人様が、何かに気づいたように、少しいたずらっぽい笑顔を近づけてくる。 「ボクとえっちなことがしたくて、わざと負けてるとか?」 「なわけあるkぁだだだだだっ!」  なわけあるか、と言おうとして顔を上げたら、全身に激痛が走った。 「ん~? な・わ・け・あ・る・って言った?」 (なわけねえだろ……)  と、言いたいけど痛くて言葉が出ない。それをみて、うんうんとうなづきながら俺を見下ろしてにひひと笑う。 「ん~そかそか~仕方ないよね、キョータも年頃の男の子なんだし、ましてやボクみたいな美少女がそばにいるんだもんね...
  • 十六夜賛歌外伝01
    十六夜賛歌 外伝1     another silver moon in   この兎達が住んでいる国には、天窓が付けられている建物が非常に多い。 それは太陽の光をではなく、この国において神聖視されている月の光を取り入れるため。 それは教会から一般住宅、さらにはここ、魔法騎士団の室内訓練場にまで……。   「あふっ……、あっ、あっ……………………あんんっッッ!!」 一羽の兎が、夜空に浮かぶ2つの月を仰いだ。 彼女は“先ほどまで”騎士だった。 膝立ちになり、天窓越しに差し込む光を浴びるその姿は、 さながら戦いに疲れ打ちひしがれた身体を、その身に当たる雨で癒す勇者といったところか。 しかし今の彼女は騎士ではない。 「くッ、……ま、また、またイっ…………っあああああッッッ!!!!」 手足をびくびくと痙攣させて今日何度目かの絶頂を迎える。 口の端からだらしなく涎を垂らし、恍惚とした表情のその...
  • 医学とHの関係外伝01
    医学とHの関係 外伝01    医学とHの関係 記録その零 語られぬ真実   「いざ尋常にっ!!」 「勝負っ!!」            ――KOF戦闘開始定型文より       これは意気消沈したヒトに、希望を取り戻させるべく奔走した、 一人のネコの戦いと……愛の記憶である。           先生のターンその一    我々はネコである……名前はミケール、ヒトの国の礼儀作法に曰く、 ネコは自己紹介から始めるべし、うむ、完璧である。  現在我々はホームグラウンドである町を離れ、 少々……思えば遠くにきたものなのである。    わが愛しきヒトが表情を暗くし、毎日触っていた彼と共に落ちてきた、 ノウトパソコンなる多目的記憶装置を使うことが無く、 それでいて、じっと其れを見つめている姿に嫉妬した時、我々は閃いたのである。    つまり、ノウトパソコンが破壊されて、それ故に使用しないのではなく...
  • 犬国奇憚夢日記外伝01
    犬国奇憚夢日記 外伝1 新年特別編      「リサ、今年はあなたがかけてきなさい」    アリス夫人はそう言うとリサに上等な毛布を一枚手渡した。    「はい、奥さま。御義父様に・・・・」    リサは毛布を受け取り、大ホール一番奥の椅子へ歩み寄った。    「御義父様・・・・嫁のリサです、よろしくお願いします」    リサはそっと椅子の上に毛布を被せた。  その椅子の上。  大ホールを見下ろす位置には、先代執事だったマサミの肖像画が掛けてあった。    「マサミ・・・・今年もスキャッパーは平和でしたよ・・・・」    アリス夫人はそう呟くと、無言で大ホールに集まっていたスキャッパー各界の著名人に退室を指示する。  大ホールの中に居合わせた多くの者達は、先代執事の肖像画に一礼して大ホールを出て行った。      ・・・・その日  旧紅朱舘の大ホールは新年を迎えるに当たり、領主へ謁見する客...
  • 虹絹の乙女達外伝01
    虹絹の乙女達 外伝1 ~ジャカジャカ~      日が昇り、寒く暗い夜も陽気な朝へと変わりつつある。 俺は麻布のシャツの上に岩竜のなめし皮のコートを着込んで、 よくわからない生物が吐いた糸らしいジーンズで寒気を防ぐ。 朝食の準備をしている。    全く、ご主人達はいつもサカナだ。 いや、ネコだからそれが普通なのだが… 野菜食いてぇ。雑草じゃなくって!!    飯盒の中身が出来上がったことを確認して、 一つずつ降ろしていく。6人分作ってるんだよな?俺、六人分作ってるんだよな? だけどなぁーんで飯盒が20個無いと間に合わないかって? ご主人達は戦闘能力だけじゃなくって食欲も規格外なんだよ。 キメラだから組織が崩れやすいため多く食って新陳代謝に間に合わせるとか何とか、 小難しいこと言うが要は俺の仕事が増えることに代わりは無い。   「うにゅー…はぅ。おにーちゃん、おはよー…」  おお、我が心のオ...
  • 夜明けのジャガー外伝01
    夜明けのジャガー 外伝1 星達の詩~一ノ星『祈り』~        §  §  §      入口に立つ。両足が揃う。左手に杖を持ち直す。右手で呼び鈴を揺ら……躊躇う。  すう、はあ、呼吸を深く。もう一度。  膝がくすくす笑う。つま先で床を叱る。堪えた。  右の手首に下がった、愛用の巾着を手繰る。少し、勇気。顎を上げる。指が上がる。    ―― チリン  「はあい、どうぞ」    跳ねる心。震える心。進みたい心。戻りたい心。  それでも今、ここまで来た。それが事実、それが真実。  見ていたいし、聞いていたいし、触れていたい。そして、言いたい。そう、言わなくては。    「どうぞ?」    はっと、顔を上げる。時間が。行く。行きたい。前へ。奥へ。明日へ。        §  §  §      見渡せば、いつもの光景、とティーエはの心は少し軽くなった。  散らかり放題、と親友のクク・ロカが言...
  • 長編SS一覧(メイン)
    最終更新日 : 2015年11月02日02時06分21秒 全ての連載が何らかの形で性的描写・官能表現・18禁要素を伴います。 必然的に「猫耳(少女&少年)」「獣人(ケモ)」「人外」属性の作品がほとんどです。 連載名をクリックすると専用ページに飛びます □ 新規作品       : ここ3ヶ月以内に開始された新規の連載小説&単品小説 □ 連載&完結長編 : 好評連載中、あるいは既に完結(?)した長編連載 □ 新規作品(-) 初出 メイン 作者(敬称略) 総文量 最終投下 カラス 18=646 カラス ◆US7whhBFyg -kb 13/12/31 ウラオモテ異界帳 19=92 蝶 - -kb 14/11/16 □ 連載・完結長編 初出 メイン 作者(敬称略) 総文量 最終投下 こちむいシリーズ 1=29 ネコ こちむい(=あしたら) 500超 あしたらシリーズ ...
  • わたしのわるいひと 外伝01
    「ヨー! 黒いウサギとネズミの幼女がこうアレなことを!」 「落ち着いてください。ご主人様」 枯れた喉が言葉の邪魔をする。 転がるように寝室に現れたご主人様はこんな短距離なのに息が上がっている。 その様子の理由を尋ねようとしたが、代わりに咳がげほげほと出た。 「嫌です」 おれは断言した 「どうしてそんな得体の知れないウサギに診察されなきゃいけないんですか」 「えー!」 不満そうなご主人様の顔。 「何か悪い病気だったらどうするのー!?」 すがりつかんばかりに抗議するご主人様。かわいい。 熱で少しぼんやりする頭を振りながら、おれは答える。 「ほんとにただの風邪ですから。ご主人様をもふもふしてる間に治りますよ」 ご主人様のしっぽを捕まえようとすると、するりと手から逃げ出す。 ベッドの上から無理やり身を乗り出して、モフモフモフモフ。 「やー!」 ご主人様は珍...
  • 木登りと朱いピューマ外伝01
    木登りと朱いピューマ 外伝1      ▽    思うより、大変かもしれない。  手元にゴムのグリップらしき物がついているとはいえ、この羽筆は握りが細い。  キーボードでは無くなって久しいが、いつかこれも慣れてしまうのだろうか。  ただ、淡い黄緑色の蛍光は液晶ディスプレイと違って目に優しい。  『落ちて』からずっと、目薬いらずだ。 「フユキ、お茶が入りました」 「ああ。そこ置いといて」  後ろに目を向けはしない。  彼女がそこにいるのは分かり切っている。  でも、 「ありがとう、朱奈」  その時ばかりは、まだあまり上手くない表意文字【トカプ】を頭から追い出す。  彼女を脳裏に想えば自然と声は優しくなれる。  どんな仕草で、君は笑うのか。どんな調子で、君は口を開くのか。  そして、一緒に暮らすようになって分かることがあった。  目と目を合わせた方が良い時と、合わせなくても良い時と。  近さを...
  • 岩と森の国ものがたり外伝01
    岩と森の国ものがたり 外伝1 バレンタインネタ      くしゅんという、小さなくしゃみの声をアンシェルが聞きとがめた。 「風邪か?……全く、だらしがない。普段の鍛錬が足りぬからだ」 「くしゅっ……す、すみません……」 「しゃべるな、風邪がうつる!」  謝るレーマを、アンシェルがさらに叱る。 「姉様っ!」  さすがに、リシェルが口を挟む。  しばらくの間は離れ離れに幽閉されていたが、数ヶ月ほど前にリュナ・ルークスの消息が途絶えてからは、レーマ達と一緒の部屋に入れられている。 「レーマは病気をしているのに、そこまで厳しく言わなくても!」 「病気などするほうが悪い!」 「そんな言い方!」 「いいから、寝台の支度を手伝え! それから水と手ぬぐい!」  いいながら、足取り荒く寝台に向かう。 「レーマっ!今日から、貴様は一切身体を動かすことまかりならん! 休息と睡眠以外一切禁止だ! わかったらさっさ...
  • 虎の威外伝02
    虎の威外伝 02  ことの発端は、バレンタインが終わって一週間ほど経ったある夜のことだった。 「ホワイトデー……」  ポツリと、ほんとうにごくわずかに、バラムが小さく呟いた。  家族四人揃っての、就寝前の穏やかな一時である。  千宏は聞き慣れた言葉に顔を上げ、パルマは不思議そうに首をかしげた。 「おまえんとこでは、ホワイトデーってのがあるんだってな」 「あるにはあるけど……全国的に一般的な行事ではないよ。トラのバレンタインは、お互いに 贈りあうんだから、バレンタインのお返しをするホワイトデーはおかしいんじゃ――」 「バレンタインのお返し?」  ぴくん、とアカブが耳を立てて千宏を見た。 「ほら、つまりあれだ。日本だと女から男にチョコを贈るって風習だから、ホワイトデーに男 がそのお礼を――」 「お礼……?」  パルマがごくりと息を呑む。  千宏を除く三人の間に、ピリピリとした緊張が走った。ホワ...
  • scorpionfish外伝01
    scorpionfish外伝 紅珊瑚の魔女     1    明るい水面の下。  岩陰に座り込み、手にした銛で砂地をつつく子供がひとり。  波の動きにびくりと顔を上げる。 「レセレフ、こんなところで何してるんです?」  やってきたのはよく見知った顔で。  やはり手に銛を持っている。 「休憩」  そっけなく答えると。 「嘘」  笑って隣に座り込む。  容姿は二人ともよく似ている。  浅黒い肌。水になびく黒髪。大きな黒い瞳に、黒銀のヒレ耳。  手首や腰、脚ヒレ等はまだ未熟で短い。  身に纏うのは腰履きの膝丈ズボンのみ。所持品は体に似合わず大きな銛一つ。 「リテアはもう終わったの?」  相手の銛を一瞥して、幼い顔立ちでやや後輩を見るような大人ぶった視線を向ける。  背は少しばかり高いけれどまだまだ手足は細長く、子供時代からは抜け切れていない。 「ええ。相変わらず、レセレフには及びませんが」  頷...
  • 虎の威外伝03
    虎の威外伝 03  秋の始まりと、春の終わり。トラの発情期はこの二つの時期に始まる。  千宏がこの世界に落ちてきて、二度目の発情期が訪れようとしていた。  この時期になると、アカブはバラムが森から持ち帰ってきた薬草やキノコから薬を作る。薬 草を搾って液体にしたり、乾燥させてすり潰して粉にしたりと、作る薬の形状は様々だが、先 の発情期に最も売れたのはそれらを菓子に混ぜた物だった。  それならば――と、今回の発情期でそれらを主力商品にすえるのは当然の判断である。  今日はバラムは森に出かけていていない。千宏もパルマも市場へと出かけている。  やるなら今しかないとばかりに、アカブは厨房でせっせと菓子作りに励んでいた。やはり、 一番人気は手軽で気安いクッキーだ。様々な可愛らしい型で整形したタネをオーブンでこんが りと焼き上げて袋に詰め込む作業は楽しいが、地味で地道で時間がかかる。  日持ちするバタ...
  • 獅子国伝奇外伝02
    獅子国伝奇外伝 第2話      こねこねこねこね。    で、何故に俺は料理の手伝いまでしなきゃならないのだろうか。 「そこ、口より先に手を動かす」  へいへい。    饅頭の生地……ていうかなにか白くてでかい小麦粉の塊を前に、俺はずっと悪戦苦闘している。  大体、生まれてこの方料理なんか学校の家庭科くらいしかやった覚えがない。 「どーなった?」  ご主人様が、饅頭に入れる中身の仕事をひと段落させてこっちに来る。 「見てのとおり」 「ん~」  ぐにぐにと、ご主人様がその塊を押さえる。 「ちょっと固いね。もうちょっと水を足したほうがいいよ」 「どれくらい?」 「ん~とね、大体これくらいの柔らかさがいいんだよ」  むに。 「うわあっ!」  いきなり、背中に抱きついてくるご主人様。首に腕を絡ませて、思いっきり密着する。 「ねぇねぇキョータくん、この感じ、わかる?」 「わ、わかるもなにも……と、...
  • 獅子国伝奇外伝03
    獅子国伝奇外伝 第3話     「キョータくんキョータくん、ちょっとこっち来てくれる?」  満面の笑みで俺を呼ぶサーシャさん。  こういうときに、大抵ロクなことがあったためしがない。 「はいはい、いま行きまーす……」  洗濯物を一通り干し終えてから、声のほうへと向かう。 「あ、きたきた。ねえねえ、ちまきってこんな感じでいいのかなぁ」  サーシャさんの目の前には、茶色い笹の葉で包まれたおにぎりのような物体が。 「…………」  中華ちまきつくってどうするんですか、サーシャさん。 「……だめだった?」 「……いや、その、まずは味見をしてから……」  そういって、一個手に取る。 「ぅあちちちちちっ!」  落としそうになったちまきを、横からひょいと取り上げる手。 「もぅ、食べ物を粗末にしない」 「ご主人様?」  いつの間に横にいたのか、ご主人様がちまきを手にとっている。 「大体、ボクより先に味見なん...
  • 獅子国伝奇外伝06
    獅子国伝奇外伝 第6話     ……あぢぃ。    目の前に広がるのは、雲ひとつない青空と、真っ白な砂浜、そして果てしなく続く海。  まさに絵に描いたような夏の海辺が、俺の目の前に広がっている。  向こうの方では、美女と美少女が三人、水着姿でスイカ割りに興じている……んだけど、こっちはとてもそんな元気はない。  なにしろ、こっちはフェイレンさんと二人だけでテントを張って、カマドを作って、その他もろもろの準備をしたわけだから、もうそれだけで疲れ果ててしまって、今は木陰でぐだっている。  ……まあ、フェイレンさんは疲れるそぶりもなく海に潜って夜食の材料を集めてるみたいだけど。   そういうわけで、せっかくの海だというのに、俺は水着姿ではしゃいでる三人の女の子の姿を見ながら木陰でぼーっとしているわけだ。   「もーちょっと前、あと三歩!」 「少し右、うん、今度はちょっと回りすぎかな?」  赤いビ...
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