- スタンダード(Easy~Lunatic~Arcade 2ndRound)
博麗神社。幻想郷の東の境界に、一つの寂れた神社があった。
そしてその境内に、またやはり寂れた様相の箱があった。
霊夢 「ウチはなんでも屋じゃないんだけどねぇ」
魔理沙「なんでも屋なら間に合ってるぜ」
少女二人ともう一人、その箱を囲んで立っていた。
霖之助「訪ねたけどいなかったんじゃないか。
だからわざわざここまで持ってきたというのに」
森近霖之助、香霖堂の店主である。
道具の名前と用途が判る程度の能力を持つ。
魔理沙「それにしてもわざわざここまで持ってくるなんて、そんなに急ぎの用事なのか?」
霖之助「まあ、こいつを見てくれ」
魔理沙「さっきから見てるんだけどな。これがどうかしたのか?」
霊夢 「何か封印されてるわね。」
魔理沙「…そうなのか?」
寂れていても神社の巫女である霊夢には何かが見えるようである。
霊夢 「しかもよく見ると封印ちょっとはがれてるじゃないの」
霖之助「…やっぱりか。
昨日ついうっかり落としちゃって、それからどうにも変なことが続くものだから…」
魔理沙「変なことってどんなだ?」
霖之助「お湯が勝手に沸いたり、灯りが勝手に点いたり…」
霊夢 「便利じゃない」
霖之助「そうは言うが、手当たり次第だからな。
時期の悪い援助は、遠慮願っているんだよ」
魔理沙「まあそういうことなら、引き取ってもいいぜ?」
蒐集癖のある魔理沙にしてみれば、これほどの面白アイテムもない。
霖之助「いや、出来れば、修理して貰いたいんだ。
…破れた封印を放置しておくのも危険だろう?」
霊夢 「確かに、めでたい妖怪でも出てきそうね」
魔理沙「そりゃめでたいな」
霖之助「そういうわけで頼みたいんだ、宜しくお願いするよ」
正直に言えば、霖之助にとっては幻想郷を滅ぼすような妖怪でも出てこない限り封印が破れかけていても構わなかったのだが。
内心はこの迷惑な機械を自由に扱えたら便利だろうな、と思った程度であった。
紫 「この術式は…」
霊夢「知ってるの?」
八雲紫、境界を知り境界を操る妖怪である。
霊夢は同じ境界を操る者として渋々ではあるが封印術の相談をしていた。
紫 「外界でね。今こっちで見るとは思わなかったわ。
似たような術式は貴女も知っている筈だけれど」
霊夢「…それで?直るの?」
紫 「貴女も巫女ならこれぐらい知っておきなさい。
これは内部からかかってる封印よ。
直すなら内側からじゃないと」
霊夢「内側…?」
内側から封印の意味が分からない。内側から封印するぐらいなら自分で出てこなければいい話ではないのか。
紫 「とにかく得体の知れないものが出ようとしてるのは間違いないわ。
中に入って修復するわよ」
霊夢「そんな急に、ちょっと待って…」
待つ間もなく紫は箱の境界を開いて霊夢を内部に放り込んだ。
にとり「うーんこれはちょっと分かんないなあ」
魔理沙は妖怪の山にいる河童に相談を持ちかけていた。
蒐集癖があるのが魔理沙ならば、開箱癖があるのが彼女だった。
魔理沙「珍しいな、こういうので根を上げるなんて」
にとり「物理的に壊れてるだけならどうにかなるんだけどね、これは何かの封印式がかかってる」
魔理沙「そういえば霊夢もそんなことを言っていたな」
にとり「こうなると内側から直すしかないなぁ、その為の機械を用意しなきゃ…」
魔理沙「よくは分からないが任せるぜ」
準備をすると言って山に帰ったにとりは暫くして大きな機械を携えて帰ってきた。
魔理沙「また大仰なものを持ち出したな」
にとり「そうでもないよ、これ相手にはこれぐらいしなきゃ。
じゃ、行くよ?」
魔理沙「行くって、何処へだ?」
にとり「箱の中」
質問の答えと同時に、機械のボタンが押されると、二人は機械へ吸い込まれていった。
早苗 「…誰もいないみたいですね」
神奈子「珍しいね、あんまりすれ違うことはないんだけど」
諏訪子「何か転がってるね、機械かな?」
早苗 「ちょっと古いですが、パソコンみたいですね。
こっちにもあるんですねぇ」
一人の巫女と二人の神は何の用事か博麗神社を訪れていた。
元は外界の住人、いくらかこういう物への知識はある。
いくらか懐かしさを持って早苗は箱に触ろうとしている。
神奈子「ちょっと待ちな早苗、どうにも様子が変だ」
早苗 「変、といいますと?」
諏訪子「封印が破れてるね、何か出てこようとしてるみたいだ」
早苗 「ええっそれって大変じゃないですか!
こんなのほったらかして霊夢さん達はどこ行ってるんでしょう!」
神奈子「うーん、これは内側からかけるタイプの封印か、直すのも内側からじゃないと出来ないね…」
早苗 「内側、ですか…。行くしかないですね!」
諏訪子「行くって?」
早苗 「パソコンの内側ですよ!封印が解ける前に直さないと!
霊夢さんがブラブラしてる今がチャンスです!」
諏訪子「何がチャンスか良く分からないけれど…。
まあ、今すぐ直すのには賛成かな」
神奈子「じゃ、とりあえず入り口開けて入りますか…」
そう言って神奈子が箱に触ると三人の姿は境内から忽然と消えるのだった。
ちょうど霊夢たちがPCに潜り込んでいた頃…
出口として確保していた空間を通じてPC内の何者かが外へと飛び出してしまった。
何者かは真っ直ぐ紅魔館へと向かっている。
その姿は誰かに似ているような?
霊夢や紫たちはまだPCの中で、この事態に気が付いていない。
主であるレミリアの命令を受け、咲夜が何者かに立ち向かう。
咲夜は様子のおかしい巫女と戦い、撃破すると、中から饅頭のような、キモカワイイ表情をした生命体が現れた。
どうやらこれがおかしい巫女の正体のようだ。
しかし饅頭のような生命体は猛烈な勢いで逃げていく。咲夜は追いかけたが、見失ってしまった。
後日、巫女本人にあの生命体について問いただすも要領を得ない。
どうやらまだ電脳世界に問題は残っているようだ。
現状で書けるところまで。当然まだ変更する可能性はあり。
(でも多分この方向性で考えることになる)
最終更新:2009年09月03日 18:42