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世界

最終更新:2010年03月18日 10:42

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

世界 ◆F.EmGSxYug




「ふん、放送か」

呂布は草原に座り込んで水を飲みつつ、放送を適当に聞き流していた。
所詮知っている相手がいない以上、誰が死のうと関係ない。
脱落した弱者になど、呂布は興味を持ちはしない。
飲み干したペットボトルを放り投げるその傍らには、咲夜が寝かせられている。
死なれると困れるため、一応布を千切って巻くくらいのことはしている(無論、武器の類も全て取り上げたが……)。
ぱこんと軽い音を立てるペットボトル。ほんの小さな音だ。
しかし、それに何か反応する気配を呂布は察した。

「何奴!」

果物ナイフを素早く投擲する。
その気配が慌てて防ぐ様子を確認すると共に、呂布は立ち上がって構える。

「それがしに戦いを行うつもりはない!
 音と血の跡が気になり、追ってきただけだ!」

呂布が近づこうとすると同時に、その気配は両手を上げながら近寄ってきた。
言うまでもなく、賀斉である。
血の跡を辿ってみれば、そこにいたのはよりにもよって呂布。
そのため退こうとしたのだが、その瞬間の動きを悟られてしまった。
だが、女を保護しているということは今は闘う気がないのかもしれぬ……
それが故の「戦いを行うつもりはない」。その言葉を、ふん、と呂布は鼻で笑った。

「その身なり……武人か。ならば手合わせ願おうか」
「な……戦うつもりであると!?」
「無論。武の極みを目指すなら当然のこと」
「な、ならばなぜその女を殺していない!」
「この女は有益な情報を持っているがために生かしておいているだけだ。
 ちょうど、この女が目を覚ますまで退屈だったところ――
 この呂布の相手をしてもらおうか!」

踏み込んでくる最強。
呂布の名は言うまでもなく賀斉も知っているところだ。
正史でさえ十分チートなのに演義補正も増し増しにされている、
ある意味賀斉にとっては不倶戴天の敵である。
阿斗にとってはバグとかそういうのを越えてアルティメット・シイングとかそういうレベル。
武力差30は小手先の技術で覆せるものではない。

(退くしかあるまい……!)

剣を抜き放ちながら後ろへ跳ぶ。
この剣の能力ならば目くらましには最適だ。
そう思考し。

それが、甘すぎる考えだと知った。

「ぬおりゃあああああ!!」
「な、なに!?」

呂布が振りかぶった鉄パイプが、賀斉の腹を掠める。
それはいい。呂布の攻撃を完全に避けられるとは賀斉は思っていない。
問題は、掠っただけなのに容易く鎧が抉れたということ。

いかに呂布と言えど、あんな急ごしらえの武器では鎧を切れまいと思っていた。
だが、現実は違う。呂布はこの程度の物体すら立派な凶器とする。
それに混乱する賀斉を呂布は見逃さない。
迫る凶器に、とっさに剣を合わせる賀斉。
だが賀斉は容易く吹き飛ばされ、地面を四間は転がった。

「弱いな。
 所詮、名も名乗れぬ雑兵か」

呂布が放った何気ない言葉に、賀斉は震えた。
……逃げられる状況ではない。逃げようとしても逃げられない。
だがそんなことよりも何もよりも、呂布の言葉が賀斉の心を切り裂いた。

自分は神だなんだとちやほや祭り上げられている身分。
そして、自分は何のために戦ってきたのか。
自分たちの評価を覆すためではないか。
目前にいるは三国最強。覆すための相手としてこれ以上の相手はいない。

だから、こそ。

(――ならば、勝利するのみ!)

賀斉は、自分を叱咤し、立ち上がる。
天下最強の武人を下し、自分たちへの後世の評価が正当でないことを証明する――!

「……ほう、まだやる気概があったか」
「名乗れというならば名乗って見せよう、我が名は劉禅軍が将、賀斉――
 我らが武名のため、その首頂戴する!」
「ふ、よかろう。五原の呂布奉先、これにあり!
 死にたいというならばかかってこい!」

走り出す呂布。激突する得物。
得物自体はどう考えても賀斉の方が上。
本来なら呂布が持っている急ごしらえの武器など、すぐさま折れかねない。
だが。

「……ハァッ!」
「ガッ……!」

それにも関わらず打ち負けたのは賀斉の方だった。
倒れこそしなかったが、体が一間はズレる。そして、呂布はそれを見逃さない。
彼は戦術眼がないわけではない。むしろ部隊の統率力そのものは高いのだ。
そして、個人としての技術、力は言うに及ばず。

――故に。
呂布に勝利を収めるために必要なことは、技術でも力でも戦術でもなく戦略。
肉を切らせて骨を断つような作戦だ。

(一刻後、C-5は立ち入ってはならぬ場所となるとのこと。
 ならば、それを利用する!)

怯んだような形に見えるように、体を南西の方向へずらす賀斉。
それに呂布は素早く追いつき、追撃を加えてくる。
とっさに賀斉は近場の草を切り裂き、舞い上げた。
草だけではなく、剣から吹き上がる花びらが呂布の視界を覆う。
目くらましに、僅かに呂布の反応は遅れた。
緩んだ呂布の剣をいなしつつ、体を戻しながら自然に見えるよう下がる。

「どうした、未だ体が退いているぞ!」
「追いきれぬからと言って相手のせいにするのはよくなかろう、飛将軍!」
「ぬかしたな、三流が!」

賀斉の挑発に、呂布は簡単に乗った。
問題は――二時間持ちこたえられるか、否か。

■

呂布が賀斉と戦い始めてから、軽く30分は経過した。
賀斉の誘導は順調に行われている。故に、咲夜が目を開けた時には二人の姿はない。

「ん…………」

とりあえず上半身を起こした咲夜は、思わず頭を抑えた。
撃たれたことを抜きにしても、なぜか、思考が妙に重い……

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・

空気が、異様だ。思わず咲夜は周りを見渡し、人影を一つ発見した。
そこにいるのはサンレッドが死に、もはや隠れる必要がなくなった帝王――DIO。

「君の名前は何かね?」
「十六夜……咲夜……」

彼の言葉に、なぜか咲夜は答えてしまった。
いや、答えないといけないと思っていた。まるで宿命のように。
その言葉を予想された『運命』のごとくDIOは頷き、言葉を続ける。
DIOにとって、咲夜が自分に従うのは当然であり驚くべきことではない。
なぜなら――寝ていた隙に、既に『肉の芽』を撃ち込んであるのだから。

「さて、お嬢さん。今から君の主人は私だ。
 私は日光の下を歩けない体質でね……朝までにケリをつけたい。
 だがいかにこのDIOでも一人ではやや不安……援護を頼みたいんだ」

だからこそ、この問いは受け入れられると確信しており、

「私は……もう他に主人が……」

咲夜の答えは、予想外であった。
心中で驚いたものの、それを表情に出さず、ゆっくりと言葉を紡ぎだす。

「十六夜咲夜、人間は何のために生きるのか考えたことがあるかね?
 人間は誰でも不安や恐怖を克服して安心を得るために生きる……。
 名声を手に入れたり人を支配したり金もうけをするのも安心するためだ。
 結婚したり友人をつくったりするのも安心するためだ。
 人のために役立つだとか愛と平和のためにだとか、すべて自分を安心させるため。
 安心を求める事こそ人間の目的……そこでだ……
 わたしに仕えることに何の不安感があるのだ?
 わたしに仕えるだけで他の全ての安心が簡単に手に入るぞ?
 おまえを殺すのは惜しい。私に永遠に仕えないか? 永遠の安心感を与えてやろう」
「仕……える……」

闇夜に浸透するようにその言葉は咲夜の脳に沈み込み、肉の芽はその泉を深くする。
依然、咲夜は虚ろな瞳のまま……だが反芻した言葉に、DIOは笑みを浮かべた。
ようやく折れたか?という判断を、咲夜はその口で否定する。

「違う……私が仕えるのは……レミリア……お嬢……様……」

チ、とDIOは舌打ちをする。聞き分けの悪い女だ。
――面倒だ、さっさと殺しておくか?
そう考え始めたDIOの眼前に、予想だにしなかったものが現れた。
人型の『幽波紋』のヴィジョン、その名は――

(スタープラチナだとッ!?)

驚愕するDIOの眼前で、その掌は流星のごとき速さで持ち主の顔面へ迫る。
そして、額に突き刺さっていた「肉の芽」を素早く抜き去った。

「……ふぅ、すっきりした」

もはや咲夜の瞳に迷いはない。DIOの脳裏にある言葉が思い出される。
そのスタンド。そして、決して折れぬ精神……。

「これを打ちこんでくれた下手人は――まぁ、貴方と見てよさそうね」
「貴様――まさか首筋か肩に星型の痣があるのではないか?」
「! オプションのデザインは肩の痣をあしらって星にしたけど……なぜそれを」
「なるほど、やはりジョースターの家系だったと言うわけか。
 ジョセフめ、隠し子でも作っていたのか? 忌々しい。
 『スタンド使い』そして『血の宿命』……この邂逅も道理だな」
「?」
「だがこれは逆に朗報だ……
 ジョースターの娘サクヤ! 貴様は血を吸って殺すと予告しよう……」
「わけのわからないことを、次々と。
 でも方法を指定する前に、殺せるかどうか考えたほうがいいわねッ!」

同時に、スタープラチナと咲夜が血を蹴り……時が止まる。
応急処置こそされているが、銃で撃たれたことは変わらない。
短期決戦でケリをつける、そのためには時を止めて瞬殺するしか手はなかった。
一気に距離を詰め、スタープラチナの右拳がDIOの眼前に迫る。

――だが。その拳は、ザ・ワールドの掌によって止められた。

「な……」
「無駄ァ!!!」

掴まれた右拳が、軋む。とっさに左腕を動かせ振り払い、後ろに跳ぶ。
そのままスタープラチナにナイフを投擲させようと念じる。
……だが。それに対する幽波紋の反応は、ない。

「驚いたぞ、ジョースターの娘。
 まさか、既に『止まった世界』に入門済みとはな」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・

何かが、おかしい。咲夜の脳裏にそんな言葉が掠める。
悠々と帝王のごとくDIOは闊歩し、距離を詰める。それは無防備と言ってもいい。

「だが扱い方は最悪……否、それ以下だ。
 もっとも、所詮ジョースターの家系などこのDIOの踏み台だ……
 ということを示す例としては最上か」

何を、と声を上げようとして気づいた。
スタープラチナだけではない。咲夜の体も、動かない。
だが、それも当然。
今、この時を支配しているのはDIOの『世界』。

「ふむ、貴様が止められるのは2秒そこら、
 そして『他人によって止められた世界で動ける時間』も同等と言ったところか。
 ……残念だったな、私が時を止めた、2秒を経過した時点でな。
 安心しろ、ザ・ワールドで殺す気はない……ただ、それだけだがなァッ!」

スタープラチナの腹部に、ザ・ワールドの拳が直撃する。
咲夜は、吹き飛んだ。

■

C-5で、二人の武人がぶつかり合う。
既に、おびき出すことそのものは完了している。
あとはいかに持ち堪えるか、そしていかに一人だけ取り残させるかということ。
それが賀斉の勝利条件であり――敗北条件でもある。

「ハァ、ハァ、ハァ!!!」

息が上がっている。汗は止まらない。指は痺れている。
そんな体で何度も、何度も切り結ぶ。
もう限界だと弱る体を、精神を、まだやれると鼓舞し続ける。
仮に2時1分に力尽きる事になったとしても、諦めない。
それが賀斉の矜持であり、背負っている誇りの具現。

結論から言えば、賀斉の気力は折れなかった。
それは誇りべきものであり、褒め称えられるものであるだろう。
だが。

「……な!」

がしゃりと暗闇に飲まれていく、金属音と破片。
折れたのは、賀斉の剣。
曲がりなりにもれっきとした剣であるそれが、急ごしらえの得物に折られた。
更に呂布の得物はそのまま賀斉の左肩に突き刺さり、弾き飛ばす。
ゴミのように吹き飛ぶ賀斉。地面を転がって、血にまみれて――
それでも、賀斉は右腕で体を起こした。

「負けられぬ……
 それがしや我が主君の在り方を後世の者どもに認めさせるまでは、まだ……」
「……下らんな」
「な、なに!?」

そんな強い意志を持った武人に、呂布は傍若無人に吐き捨てる。
それは、紛れもない侮辱であった。
彼の主君、在り方、その全てを否定する強者の特権。
気色ばむ賀斉を、呂布は真っ向から見据えた。

「死後のことを考えて何になる?
 後世で罵られようが、褒め称えられようが、今生きているこの俺には届かぬ。
 我ら武人に必要なもの……それは自らの武を広める勝利のみよ!
 死後を考える貴様が、この呂布を打ち倒すことなどできぬわ!」

地を揺るがし突貫する。黄土を揺るがした武が、今この場で再び大地を振るわせる。
賀斉も防御の姿勢を取る。取るが、その覇気はあまりにも違いすぎた。
激流のごとき踏み込み。
彼が構えていた折れた剣を呂布は容易く弾き飛ばし――その心の臓を貫いていた。
呂布の鎧が、返り血で赤く染まる。

「それがしは……なんのため、に……」

漏れる呟きを意に介すことなく、呂布は自らの得物を抜き取る。
彼にとって戦って死ぬことこそが敗北である。
度重なる裏切りも、ただ生き残る資格がない者を見捨てただけのことだ。

「所詮俗人を意に介している貴様が、天下を目指す武人たる俺に敵うはずはない。
 それを最期に刻み込んで、死ね」

そのまま賀斉の剣を奪い取り、呂布は背を向けた。
そして、力尽きて倒れていく賀斉に目を向けることは、二度となかった。

「……これは、戦いの音か?」

呂布が今興味を持っているのは、自分が元々いたであろう場所から響く震え。
数多の戦場を駆け抜けた武人としての経験が言う、戦闘が起きていると。

(寝かしておいたはずの女が戦っているのか……?)

走り出した彼の脳裏に走った推測は、当たっていた。
現場に到着した呂布は見た。地を流している咲夜、と、悠然と佇んでいるDIOを。

「……ほぉ。君か」
「……DIO殿」

それでも呂布は口を開く。
逆に考えるんだ、手間が省けたと考えるんだ。
咲夜に聞こうとした事を、本人に直接聞けばいいのだ。

「お尋ねしたいことがある」
「何かね?」
「なぜか、俺はDIO殿の仲間となった時のことを思い出せぬ」
「…………」
「その時のことについてお聞かせ願おうッ!」

静寂が満ちる。まるで、暗闇が重さを増したように。
空気が水のように、存在感を沈めていく中で。
ぽつりと、DIOが言った。

「…………それで?」

それだけ。
それだけ、だった。

「それで、ではないだろう! 答えろ!」
「それで……といったのはおまえのことだよ、呂布」

ぞくり、と呂布は背中が泡立つ。
その威圧感に自分は慄然としたのだ――そう気付くのに、数秒掛かった。

「おまえはいつ私のために他の参加者を倒しに行ってくれるのだ……?
 ただ喚き散らすだけなら犬にでも出来る……私は犬が嫌いなんだがね……」

暗闇が肥大化したように錯覚させる、重い言葉。
それを残して、DIOはあっさりと呂布から背を向けた。

「さぁ、次々に参加者どもを殺して来てくれよ、私のために。
 さもなくば私がおまえを殺すぞ」
(殺す……だと……!?)

一瞬にして、呂布の感情は怒りに染まった。
脊髄の命令により、その手は自らが持つ得物を握り締める。
そして、理屈が本能を後押しする。DIOの背中はいかにも無防備だ。
――殺るならば今しかない。

(この呂布を舐めるなッ!)

腕が振り下ろされる。
瞬間沸騰した呂布が、背中からDIOをアジの開きにしようとした瞬間……
突如、具現化したザ・ワールドが裏拳で呂布を殴り飛ばした。

「殺そうとする一瞬……汗もかいていないし呼吸も乱れていないな……
 冷静だ……裏切り慣れているのか」

くるり、と向き直るDIO。その背後できらりと月光を反射するカーブミラー。
そう……後ろを向いていたと思わせておいて、その実道路上にあるミラーから風景を確認しておいたのだ。
所詮スタンド使いではない相手、ホル・ホースのように時を止める必要もないということ。

「やれやれ……挑発して正解だったな……ジョースターの娘といい、
 どういうわけか『肉の芽』の効果が薄いようだ――やはり死ぬしかないなッ!」

未だ体勢が整っていない呂布を追撃するザ・ワールド。
故に、呂布はその場で捌き切れない。
下がりながらイージスで攻撃を弾くことしか出来ない。
呂布の表情が、歪む。

「ぐ……!」
「貴様ごときが裏切ったところでこのDIOを倒すことはできん。『無駄』だ!」
「おのれッ!」

呂布が怒りと共に繰り出した攻撃に合わせ、ザ・ワールドはボディブローを打ち込む。
見事なカウンター。呂布もとっさに体を下がらせたが、それでも苦痛の声が漏れた。
ザ・ワールドの一撃が容易く呂布の鎧を粉砕したのに対し、
呂布の一撃は、DIOのデイパックを切り裂いたに留まったのみだ。

――つまり、運命は、呂布に味方した。
KAITOには扱いきれず死蔵していたが、そのままDIOが回収し、
今ここで呂布の攻撃により溢れ出したものがある。
その武器の名を――方天画戟!

「これは……待っていたぞ、我が戟よ!」
「ふん! たかだがそんなもの持ったところで何になる!
 我が『世界』の前に屈服するがいい!」

宙へ飛んだそれを呂布は掴み、構える。
そして迫るザ・ワールドの拳へ向け、全精力を込めそれを叩きつけた――!

「無駄ァ!」
「ぬぅん!!!」

ぶつかり合うザ・ワールドの拳と方天画戟。
だが、DIOの予想に反し方天画戟は傷一つない。
それどころか、ザ・ワールドの拳に走りだす亀裂――!

「なにィィィィィィィィィィィィィ!?
 このザ・ワールドのパワーを生身の人間が上回るだとッ!」

驚愕するDIOを、そのまま方天画戟が押し切る。
切断され宙を舞うDIOの左腕。
そしてDIO自身も吹き飛び、地面に転がる。
かろうじて立ち上がって位置をずらしたその目前に、呂布は武神のごとく――
否、武神そのものとして仁王立ちしていた。忌々げに呟く、帝王。

「……ク、鬱陶しい首輪だ」
「万全なら勝てたとでも言いたいのか?」
「いや……首から吸うのが好みなのだが……
 首輪があってはやむを得んということだな」
「意味が分からんぞ、気でも狂ったか? それこそ『無駄』な喋りだ!」

闇夜に煌く閃光。再び、呂布の戟が唸りを上げる。
ザ・ワールドでガードしたものの、威力を殺しきれず宙を舞う。
DIOの体から再び鮮血が奔る。

だが。
吹き飛ぶDIOの顔は、笑っていた。

「これが我が『逃走経路』だ……貴様はこのDIOとの知恵比べに負けたのだッ!
 私が吹っ飛ばされてゆく場所に見おぼえはないか?
 中国人にはどの通りも同じに見えるのか?
 これは――ジョースターの娘の血を吸うための『逃走経路』だ!」
「ぬぅ!?」

DIOは着地するやいなや、近くに倒れていた咲夜の太腿に指を食いこませる。
だが呂布も只者ではない。直感でとっさに追いすがり、一撃を加えようとしていた。
素早くDIOは咲夜の側に切り飛ばされていた自分の腕を拾い上げ、跳ぶ。
まだ四分の一程度しか咲夜の血は吸い上げていない。
だが――その体の傷はもはや完全に癒えていた。

「うむむむ~~んんんんんん――予想どおりジョースターの娘の血はなじむ!
 この肉体にしっくりなじんでパワーが今まで以上に回復できたぞ!
 な じ む 実に! な じ む ぞ フハハハハハ!
 フフフフフハフハフハフハフハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

叫びながら拾い上げた自分の腕を接着するDIOに、呂布は顔を顰めた。
人を食う――それはいかに彼の生きた時代にせよ、好ましいとはされていない。
搾り出すような声で、呟いた。

「……貴様……今まで一体何人の生命を吸い取った?」

それに返ってきたのは、小さな笑い声。
ただでさえイラついていた呂布の眉が更に潜められる。

「何がおかしい」
「いや、失礼。
 1世紀以上前にもおまえと同じような質問をした男がいたものでね。
 故に、私の答えも1世紀以上前にしたものと同じ……
 いや、中国人相手だから少しばかり変えてやるべきか。
 『おまえは今まで食ったライスの数を覚えているのか?』」
「……下衆が……貴様もあの豚と同類か。ならば去ね!」
「無駄だ! 猿が人間に追いつけるか?
 貴様はこのDIOにとってのモンキーにしか過ぎんのだ!」

余裕を崩さないDIOへ、呂布は己が得物を振りかぶる。
例え強化されていようと方天画戟と自分の力の方が未だに勝っているはずと疑わず。
――その瞬間。呂布は全身から血を噴き出し、吹き飛んでいた。

「ぐあああああああああッ!?」
「すばらしい相性だ……
 『止まった世界』が延長したどころか『止められる間隔』まで短縮している……」

痛みに絶叫する。どうなったか理解する余力すらない。
1秒後には呂布の視界からはDIOの姿が消え、背中が地面と激しく擦れあう感触のみが伝わってきていた。

■



sm215:熱き想いに導かれ 時系列順 sm216:運命
sm215:熱き想いに導かれ 投下順 sm216:運命
sm206:とある悪魔の自縄自縛 呂布 sm216:運命
sm206:とある悪魔の自縄自縛 十六夜咲夜 sm216:運命
sm207:夜は続くよいつまでも 賀斉 sm216:運命
sm206:とある悪魔の自縄自縛 DIO sm216:運命


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